ホーム >> 公表裁決事例集等の紹介 >> 公表裁決事例 >> 平成27年10月〜12月分 >>(平成27年11月4日裁決) >>別紙7 件各更正通知書(平成24年分)の理由附記(要旨)

別紙7 本件各更正通知書(平成24年分)の理由附記(要旨)

1 総収入金額

請求人は、請求人の所有する本件j物件の賃借人である本件賃借人1から受領した敷金60,000円、本件i物件の賃借人である本件賃借人2から受領した敷金100,500円及び本件f物件の賃借人である本件賃借人3から受領した敷金110,000円を総収入金額に算入していないが、当該金額は、賃借人に返還する必要がないものと認められるため、当該金額の合計額270,500円を総収入金額に加算する。

2 修繕積立金

請求人は、本件管理委託契約2に基づく修繕積立金として3,723,600円を必要経費に算入しているが、請求人が本件管理委託契約2に基づき本件会社に支払った修繕積立金のうち、本件d物件及び本件e物件に係る修繕積立金363,600円を除く3,360,000円は、本件会社に支払われた費用ではなく、将来の支出に備えて本件会社に預けられたものであり、当年において債務が確定しているものに対する支出とは認められず、必要経費には算入されない。

3 ○○j修繕積立金

請求人は、○○j管理規約ないし本件j管理委託契約に基づく○○j修繕積立金として1,941,600円を必要経費に算入しているが、○○j修繕積立金は、将来の支出に備えて預けられたものであり、当年において債務が確定しているものに対する支出とは認められないため、必要経費には算入されない。

4 賃貸物件に係る減価償却費

請求人は、本件各物件について減価償却費16,354,627円を必要経費に算入しているが、請求人が行った減価償却費の計算には誤りが認められるため、次のとおり、土地と建物等の取得価額を算出し、減価償却費の計算をした結果、減価償却費は12,305,249円となり、16,354,627円との差額4,049,378円は、必要経費には算入されない。

(1) 賃貸物件の土地及び建物等の取得価額の区分

建物等の取得価額は、所得税法施行令第126条第1項第1号イにおいて、「当該資産の購入の代価」及び同条同項同号ロにおいて、「当該資産を業務の用に供するために直接要した費用の額」の合計額とする旨規定されており、これに従って算定した。

イ 本件d物件の土地及び建物等の取得価額は、昭和63年取得時における固定資産税評価額を基に算出したそれぞれの購入代価に、当該部分の仲介手数料の金額を加算して算定した。

ロ 本件e物件の土地及び建物等の取得価額は、平成11年取得時における固定資産税評価額を基に算出したそれぞれの購入代価に、当該部分の仲介手数料の金額を加算して算定した。
 なお、平成11年取得時の固定資産税評価額は、平成9年度及び平成12年度の固定資産税評価額を基に時点修正し、算出した。

ハ 本件f物件、本件h物件、本件j1物件、本件j2物件の建物等の取得価額は、賃貸物件の売買契約書又は覚書に記載された建物等の購入代価(建物等については、消費税等の額を含む。)に、当該部分の仲介手数料の金額を加算して算定した。
 また、土地の取得価額は、賃貸物件の売買契約書又は覚書に記載された契約金額から建物等の取得価額を控除し、当該部分の仲介手数料の金額を加算して算定した。

ニ 本件i物件の建物等の取得価額は、賃貸物件の売買契約書に記載された消費税等の額を税率5%で割り戻して算出した建物等の購入代価に、当該消費税等の額及び当該部分の仲介手数料の金額を加算して算定した。

ホ 本件g物件の土地及び建物等の取得価額は、平成14年取得時における固定資産税評価額を基に算出したそれぞれの購入代価に、当該部分の仲介手数料の金額を加算して算定した。
 なお、平成14年取得時の固定資産税評価額は、平成12年度及び平成15年度の固定資産税評価額を基に時点修正し、算出した。

ヘ 本件j3物件の土地及び建物等の取得価額は、平成19年取得時における固定資産税評価額を基にそれぞれ算定した。
 なお、平成19年取得時の固定資産税評価額は、平成18年度及び平成21年度の固定資産税評価額を基に時点修正し、算出した。

(2) 賃貸物件の建物と建物附属設備の取得価額の区分

イ 本件d物件、本件f物件、本件g物件、本件i物件、本件j1物件、本件j2物件及び本件j3物件については、上記(1)において算定した建物等の取得価額を、固定資産評価基準による再建築費評点数と建築時から取得時までの経過期間に対応する旧定額法に基づく減価償却費の計算に相当する算式に当てはめて算出した再建築費評点数の損耗等を基に建物と建物附属設備に区分した。

ロ 本件h物件については、判明した前所有者の取得価額を、前所有者の取得時から譲渡時までの経過期間に対応する旧定額法に基づく減価償却費に相当する算式に当てはめて算出した前所有者取得価額の損耗等を基に建物と建物附属設備に区分した。

ハ 本件d物件の建物については、定率法を選択しているため、平成6年6月の貸付開始時における未償却残高を算出し、以後の減価償却費の計算を行い平成23年分の未償却残高を算定して、平成24年分の償却の基礎となる金額とした。

ニ 本件d物件の建物附属設備は、平成16年分にて償却額の累積額が償却可能限度額に達しているため、平成19年分の未償却残高211,603円を平成20年分から5年間で均等償却した。

ホ 本件e物件については、昭和55年3月に建築されたものを平成11年4月に取得しているが、取得時において既に建物附属設備の法定耐用年数を超過しており、取得時における建物附属設備の価額は僅少であると認められることから、建物等の取得価額の全額を建物の取得価額とした。

ヘ 本件i物件の建物附属設備は、平成22年分にて償却額の累積額が償却可能限度額に達しているため、平成22年分の未償却残高307,103円を平成23年分から5年間で均等償却した。

ト 本件f物件の建物附属設備は、平成23年分にて償却額の累積額が償却可能限度額に達しているため、平成23年分の未償却残高115,252円を平成24年分から5年間で均等償却した。

チ 本件g物件の建物附属設備は、平成23年分にて償却額の累積額が償却可能限度額に達しているため、平成23年分の未償却残高232,776円を平成24年分から5年間で均等償却した。

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