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(平4.8.4、裁決事例集No.44 84頁)

《裁決書(抄)》

1 事実

 審査請求人(以下「請求人」という。)は、会社役員であるが、平成元年分の所得税について、次表の「確定申告」欄のとおり記載した確定申告書を法定申告期限までに提出した。
 原処分庁は、平成3年3月1日付で同表の「更正及び賦課決定」欄のとおり、更正及び過少申告加算税の賦課決定をした。

(単位:円)
区分 確定申告 更正及び賦課決定
総所得金額 7,714,072 7,714,072
分離課税の長期譲渡所得の金額 293,110,595 517,750,730
納付すべき税額 71,956,500 128,116,500
過少申告加算税の額 5,616,000

 

 請求人は、これらの処分を不服として、平成3年4月30日に異議申立てをしたところ、異議審理庁は、同年7月24日付で棄却の異議決定をした。
 請求人は、異議決定を経た後の原処分についてなお不服があるとして、平成3年8月23日に審査請求をした。

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2 主張

(1) 請求人の主張

 原処分は、次の理由により違法であるから、その全部の取消しを求める。
イ 更正について
(イ) 現物出資に係る譲渡所得の収入金額
A 請求人は、平成元年10月31日に有限会社A(同年11月24日設立、以下「A社」という。)に対し、請求人所有の○○市××町1丁目45番1所在の宅地1,138.49平方メートル(不動産鑑定士による鑑定評価額546,500,000円、以下「本件土地」という。)を現物出資し、同年10月31日、A社の総出資口数10,000口のうち9,990口を取得した。
B ところで、資産の現物出資による株式又は出資(以下「株式等」という。)の取得は、所得税法第33条《譲渡所得》第1項の規定に該当するところ、当該譲渡所得の収入金額に係る株式等の価額については、譲渡の対価として現実に受くべき金額を基礎として算出するものであるが、所得税法第36条《収入金額》第2項では、対価が金銭以外の物又は権利その他の経済的な利益をもって収入する場合の収入金額は、当該物又は権利を取得し、又は当該経済的な利益を享受した時の価額によると規定されているのみで、所得税法上、株式等の価額について具体的な算定方法を定めていない。
C 一方、法人税法では、非上場株式で気配相場のないものの価額について、昭和44年5月1日直審(法)25国税庁長官通達法人税基本通達(以下「法人税基本通達」という。)9―1―14《非上場株式で気配相場のないものの価額》及び同通達9―1―15《気配相場のない株式の価額の特例》に定めがあり、同通達9―1―15には、昭和39年4月25日付直資56直審(資)17国税庁長官通達財産評価基本通達(従前の名称は、「相続税財産評価に関する基本通達」であったが、平成3年12月18日付課評2―4課資1―6によって変更されたものである。以下「財産評価通達」という。)の178から189まで《取引相場のない株式の評価》の例によって算定した価額によっているときは、課税上弊害がない限り、条件付きでこれを認める旨明記している。
D したがって、本件土地の現物出資により取得したA社の出資の価額については、所得税法では何ら具体的な算定方法を定めていないのであるから、所得税法と同じ動態的な性格を持つ法人税法の定めに準じ、財産評価通達178《取引相場のない株式の評価上の区分》、179《取引相場のない株式の評価の原則》、185《純資産価額》及び186―2《評価差額に対する法人税額等に相当する金額》に基づき、現物出資した本件土地の評価額から、当該評価額とA社の本件土地の受入価額(帳簿価額)との評価差額に対する法人税額等相当額を控除すべきである。
E ところが、原処分庁は、A社の出資の価額の算定について、現物出資の時点では会社の継続を前提としているので、本件土地の評価額から、財産評価通達の定めによる評価差額に対する法人税額等相当額を控除することはできないとし、その価額の算定は、昭和45年7月1日直審(所)30国税庁長官通達所得税基本通達(以下「所得税基本通達」という。)23〜35共―9《新株等を取得する権利の価額》の(4)のハの取扱いに準じて、純資産価額方式により行うことが合理的であると主張するが、次の理由から、原処分庁の主張は失当である。
(A) 所得税基本通達23〜35共―9の(4)のハには、株式等の価額は純資産価額等を参酌して通常取引されると認められる価額と定めているが、所得税法では純資産価額の定義がなく、一方、財産評価通達185には、純資産価額の定義があり、課税時期における各資産の評価合計額から、各負債の金額の合計額と評価差額に対する法人税額等に相当する金額を控除して純資産価額を計算することとしている。
(B) 純資産価額の計算に際し、評価差額に対する法人税額等に相当する金額を控除するのは、小会社の株式等といえども株式等である以上、株式等の所有を通じて会社の資産を所有することとなるので、個人事業者がその事業用資産を直接所有するのとは、その所有形態が異なるため、現物出資の目的物の価額と取得した株式等との価額に差が生じるのは当然であり、このことから両者の事業用資産の所有形態を経済的に同一の条件に置き換えた上で、評価の均衡を図るためである。
(C) 課税時点で、資産に評価益が実現したとして株式等の評価をするならば、その評価益に対する法人税額等を控除しなければ正確な純資産価額は計算できない。
F そうすると、請求人が本件土地を現物出資して取得したA社の出資1口当たりの価額及び譲渡所得の収入金額(以下「譲渡収入金額」という。)は、次のとおりである。
(A) 出資1口当たりの価額
 別表の「請求人主張額」欄に記載のとおり、現物出資した本件土地の評価額と現金との資産の評価合計額から、当該合計額とA社の受入価額(帳簿価額)との評価差額に対する法人税額等相当額を控除した後の純資産価額を総出資口数で除すると、出資1口当たりの価額は30,990円となる。
(B) 譲渡収入金額
 出資1口当たりの金額30,990円に請求人が取得した出資9,990口を乗ずると309,590,100円となる。
(ロ) 本件土地に係る譲渡所得の金額
本件土地に係る譲渡所得の金額は、次のとおりである。
A 譲渡収入金額 309,590,100円
B 取得費     15,479,505円
 租税特別措置法(平成3年法律第16号による改正前のもの。以下「措置法」という。)第31条の5《長期譲渡所得の概算取得費控除》第1項の規定により、上記Aの金額に100分の5の割合を乗じた金額。
C 特別控除額 1,000,000円
措置法第31条《長期譲渡所得の課税の特例》第4項に規定する金額
D 課税長期譲渡所得金額(A―B―C) 293,110,595円
ロ 過少申告加算税の賦課決定について
 以上のとおり、更正は違法であるから、過少申告加算税の賦課決定も違法である。

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(2) 原処分庁の主張

 原処分は、次の理由により適法である。
イ 更正について
(イ) 現物出資に係る譲渡所得の収入金額
A 譲渡所得の基因となる資産の現物出資による株式等の取得は、所得税法第33条第1項の規定に該当し、当該譲渡所得に係る収入金額については、所得税法第36条第1項に別段の定めがあるものを除き、その年において収入すべき金額(金銭以外の物又は権利その他経済的利益をもって収入する場合には、その金銭以外の物又は権利その他経済的な利益の価額)とする旨規定し、更に同条第2項には、金銭以外の物又は権利その他の経済的な利益の価額は、当該物若しくは権利を取得し、又は当該利益を享受する時における価額とする旨規定されている。
B そして、資産の時価については、一般的に、再調達価額と処分価額に大別でき、再調達価額とは、資産を使用収益していく過程での評価で、企業継続の前提に立って行うものであり、一方、処分価額とは、資産を処分して換金する場合の評価で、会社を解散するという前提に立って行うものである。
C ところで、請求人は、本件土地をA社に現物出資し、その対価として同社の出資9,990口を取得しているところ、現物出資という資本増加手段が企業継続を前提としたものであるから、A社の出資の価額の算定に当たっては、会社を解散するという仮定に立った処分価額によらず、会社資産を使用収益していくものとした再調達価額により評価するのが合理的である。
D また、A社が小規模の会社で、一般投資家からの出資がないこと及び請求人がA社の総出資口数の99.9パーセントを所有し、会社を支配する地位にあることから、A社の出資の価額は、所得税基本通達23〜35共―9の(4)のハの取扱いに準じて、純資産価額方式により算定することが合理的である。
 すなわち、客観的交換価値であるところの時価、つまり、評価差額に対する法人税額等相当額を控除しない純資産価額によることが相当である。
E ところが、請求人は、A社の出資の価額の算定に当たり、評価差額に対する法人税額等相当額を控除して計算すべきであると主張するが、請求人が本件土地の評価額を不動産鑑定士の鑑定評価額によっていることは合理的であるものの、次の理由から、請求人の主張は採用できない。
(A) 財産評価通達185に定める純資産価額方式による株式等の評価は、会社資産を処分の上清算することを仮定したもので、処分価額による時価の算定であるから、A社の出資の価額を算定する方法としては適当ではない。
(B) 再調達価額による株式等の評価は、課税時点で現物出資の目的資産の時価と現物出資により取得した株式等の評価額が同額となるような評価であり、資産に評価益が実現したとして算定するものではない。
(C) 法人税法第33条《資産の評価損の損金不算入等》第2項では、内国法人の有する金銭債権以外の資産について、災害その他政令で定める事実により当該資産の価額がその帳簿価額を下ることとなった場合に、その内国法人が当該資産の評価換えをして損金経理したとき、その評価換えをした日の属する事業年度終了の時における当該資産の価額との差額を、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入することとしている。
 そして、法人税法第33条第2項の規定を適用する場合における「評価換えをした日の属する事業年度終了の時における当該資産の価額」については、法人税基本通達9―1―3《時価》で、当該資産が使用収益されるものとしてその時において譲渡される場合に通常付される価額によるとして、処分可能価額によることを定めている。
 したがって、法人税基本通達9―1―15において、財産評価通達の例によって算定した価額を法人税法上の時価としていることは、処分価額により算定した価額といえる。
(D) 請求人は、法人税法が所得税法と同じ動態的な性格を持つものであるから、所得税法上の株式等の評価について法人税法上の評価方法を準用すべきであると主張しているが、所得税法と法人税法における評価は、それぞれの目的が異なるものであり、同じ性格を有するからといって法人税法上の評価方法を準用することは合理的でない。
F そうすると、A社の出資1口当たりの価額及び譲渡収入金額は、次のとおりである。
(A) 出資1口当たりの価額
 別表の「原処分庁主張額」欄に記載のとおり、本件土地の評価額と現金との資産合計額(純資産価額)を総出資口数で除すると、出資1口当たりの価額は54,660円となる。
(B) 譲渡収入金額
 出資1口当たりの金額54,660円に出資口数9,990口を乗じると546,053,400円となる。
(ロ) 本件土地に係る譲渡所得の金額
 本件土地に係る譲渡所得の金額は、次のとおりである。
A 譲渡収入金額 546,053,400円
B 取得費     27,302,670円
 措置法第31条の5第1項の規定により、上記Aの金額に100分の5の割合を乗じた金額
C 特別控除額
 措置法第31条第4項に規定する金額
D 課税長期譲渡所得金額(A―B―C) 517,750,730円
ロ 過少申告加算税の賦課決定について
 以上のとおり、更正は適法であり、更正により納付すべき税額の計算の基礎となった事実が、更正前の税額の計算の基礎とされていなかったことについて、国税通則法第65条《過少申告加算税》第4項に規定する正当な理由がある場合に該当しないから、同条第1項及び第2項の規定に基づいて行われた過少申告加算税の賦課決定は適法である。

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3 判断

(1) 更正について

 本件審査請求の争点は、請求人がA社に対し本件土地を現物出資したことにより取得したA社の出資の価額の算定に当たり、本社土地の評価額から、当該評価額とA社の受入価額(帳簿価額)との評価差額に対する法人税額等相当額を控除すべきか否かにあるので、以下検討する。
イ 次の事実については、請求人及び原処分庁の双方に争いがなく、当審判所の調査によってもその事実が認められる。
(イ) 請求人は、平成元年10月31日に、A社に対し本件土地を現物出資してA社の出資9,990口を取得し、請求人の長男及び同人の妻は、それぞれ金銭50,000円を出資して出資5口を取得したこと。
(ロ) A社は、平成元年11月24日に資本金100,000,000円(総出資口数10,000口、出資1口当たりの金額10,000円)で設立されたこと。
(ハ) 本件土地の評価額は不動産鑑定士による鑑定評価額の546,500,000円であり、A社の本件土地の受入価額(帳簿価額)は99,900,000円であること。
(ニ) A社の出資は、有限会社の持分を構成するものであるから、証券取引所に上場されておらず、また、気配相場、売買実例及びA社の事業内容と類似する他の法人の株式等の価額が存在しないこと。
(ホ) 請求人は、昭和20年9月4日、家督相続により本件土地を取得したこと。
ロ 以上の認定事実に基づき判断する。
(イ) A社の出資1口当たりの価額について
A 本件土地の現物出資によるA社の出資の取得は、所得税法第33条第1項の規定に該当するところ、同法第36条第1項及び第2項の規定によれば、譲渡所得の基因となる資産を現物出資した場合における譲渡所得の収入金額は、当該現物出資により取得した時点の株式等の価額であると解される。
 この場合における株式等の取得時の価額については、所得税法上、明確な規定は存在しない。しかし、株式の取得時の価額については、実務上、所得税法施行令第84条《新株等を取得する権利の価額》第1項に規定する新株引受権の価額の算定の指針となっている所得税基本通達23〜35共―9に定められた新株等の価額の計算方法、すなわち、株式が証券取引所に上場されている場合で、証券取引所から公表された最終価格がある場合はその価格によるが、株式が証券取引所に上場されていない場合で、1気配相場がある場合はその相場価額、2適正価額の売買実例がある場合はその売買価額、3株式を発行する法人と事業内容が類似する他の法人の株式の価額がある場合は当該価額に比準して推定した価額、そして、4上記1ないし3に該当しない場合は純資産価額方式により評価した価額によることとされており、有限会社の出資についても、これに準じて取り扱われている。
 そうすると、A社の出資の場合は、上記の4に該当することになるから、その価額は純資産価額方式により評価した客観的価額によることとなる。
 ところで、譲渡所得に対する課税は、資産の値上がりによりその所有者に帰属する増加益を所得として、その資産が所有者の支配を離れて他に移転するのを機会に、これを清算して課税するものであるから、資産を現物出資したことにより取得した株式等の価額は、原則として現物出資の目的資産の価額と同額であるべきである。
 したがって、現物出資の目的資産の価額を如実に反映させることができる上記通達の評価方法は、現物出資により取得した株式等の評価方法としても相当なものといえる。
B これに対し、請求人は、現物出資により取得した株式等の価額の算定方法については、所得税法上に明文の規定がなく、一方、法人税法では、非上場株式で気配相場のないものの価額等について、法人税基本通達9―1―14及び同通達9―1―15に定めがあり、同通達9―1―15には財産評価通達の例によって算定した価額によっているときは、これを認めるとされていることから、所得税法と同じ動態的な性格を持つ法人税法の定めに準じ、財産評価通達の例によって算定すべきである旨主張する。
 しかしながら、法人税基本通達9―1―14及び同通達9―1―15の定めによる株式等の評価は、法人税法第33条第2項に規定する法人の有する資産につき災害による著しい損傷、その他法人税法施行令第68条《資産の評価損の計上ができる場合》各号に掲げる事実が生じた場合において、上記条項の規定を適用する場合にのみ算定する評価方法であり、しかも、財産評価通達の例によって算定した価額を法人税法上の資産の評価損を算定する場合における時価としていることは、会社資産の処分時の価額として算定したものと解される。
 そうすると、現物出資における出資の評価に際しては、上記各通達が適用される場面ではなく、実質的に考えても、本件のように会社を設立し、事業活動を開始、継続していく前提で行われる現物出資の場合の出資の評価については、企業継続の前提に立ち、会社資産を使用収益していくものとして算定される再調達価額によるのが相当であって、会社を解散するという仮定に立って算定される処分価額によることには合理性は存在しない。
 また、評価する目的が違えば評価方法に差異が生じることは当然であり、短絡的に、資産の現物出資により取得した株式等の評価に法人税法上の評価損の評価方法を採用することには合理性が認められない。
 したがって、A社の出資の価額の算定に当たり、法人税法における法人税基本通達9―1―14及び同通達9―1―15の定めに準じ、財産評価通達によって評価すべきであるとする請求人の主張は採用することはできない。
C 更に、本件のように、会社の事業活動を継続していく前提で行われる現物出資の場合の譲渡収入金額を算定するための株式等の評価は、相続税法における評価、すなわち、相続という包括的で、かつ、無償の財産の承継を課税対象とするという考えと同一にする必要はなく、あくまでも通常の経済取引として取引されるであろう株式等の価額、つまり、本件土地の評価額から評価差額に対する法人税額等相当額を控除しない純資産価額により評価することが相当と認められる。
D また、現物出資に係る譲渡所得の収入金額を算定するための株式等の評価に際し、通常、現物出資した者は現物出資を受けた法人の同族関係者であることから、法人の受入価額(帳簿価額)を任意に設定することが可能であるが、評価差額に対する法人税額等相当額を控除しないで算定した場合、受入価額(帳簿価額)のいかんにかかわらず、譲渡所得の収入金額は一定である。
 仮に、評価差額に対する法人税額等相当額を控除するとした場合、法人の受入価額(帳簿価額)を任意に設定することにより法人税額等相当額を調整することが可能となり、ひいては譲渡所得の収入金額が不当となって、法人税額等相当額を控除しないで算定した場合に比べて、著しく租税負担の公平を欠くこととなる。
E 以上のことから、A社の出資の価額は、評価差額に対する法人税額等相当額を控除しない純資産価額方式により算定するのが相当である。
 そうすると、A社の出資1口当たりの価額は、別表の「審判所認定額」欄に記載のとおり、54,660円となる。
(ロ) 本件土地に係る譲渡所得の金額
 本件土地に係る譲渡所得の金額は、次のとおりとなる。
A 譲渡収入金額
 上記(イ)のEの出資1口当たりの価額に、請求人が取得したA社の出資9,990口を乗じると、本件土地に係る譲渡収入金額は546,053,400円となる。
B 取得費
 上記Aの金額に、措置法第31条の5第1項の規定による100分の5の割合を乗じると、本件土地の取得費は27,302,670円となる。
C 課税長期譲渡所得金額
 前記Aの金額から上記Bの金額を差し引き、更に措置法第31条第4項に規定する特別控除額1,000,000円を控除すると、請求人の課税長期譲渡所得金額は517,750,730円となり、更正の金額と同額になるから、更正は適法である。

(2) 過少申告加算税の賦課決定について

 以上のとおり、更正は適法であり、かつ、同更正により納付すべき税額の計算の基礎となった事実が同更正前の税額の計算の基礎とされていなかったことについて、国税通則法第65条第4項に規定する正当な理由があると認められる場合には該当しないので、同条第1項及び第2項の規定に基づく過少申告加算税の賦課決定も適法である。

(3) 原処分のその余の部分については、当審判所の調査の結果によっても、これを不相当とする理由は認められない。

 そうすると、本件審査請求は、いずれも理由がないから、棄却を免れない。

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