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(平16.3.16裁決、裁決事例集No.67 447頁)

《裁決書(抄)》

1 事実

(1)事案の概要

 本件は、建設業を営む同族法人である審査請求人(以下「請求人」という。)の請求人代表者に対する建物の譲渡が、時価よりも低廉な価額でなされたものか否かを争点とする事案である。

(2)審査請求に至る経緯

イ 請求人は、平成13年3月1日から平成14年2月28日までの事業年度(以下「本件事業年度」という。)の法人税について、青色の確定申告書に別表1の「確定申告」欄のとおり記載して法定申告期限までに申告した。
ロ 請求人は、平成13年3月1日から平成14年2月28日までの課税期間(以下「本件課税期間」という。)の消費税及び地方消費税(以下「消費税等」という。)について、確定申告書に別表2の「確定申告」欄のとおり記載して法定申告期限までに申告した。
ハ これに対して、原処分庁は、平成15年3月28日付で本件事業年度の法人税について別表1の「更正処分等」欄のとおり、更正処分(以下「本件更正処分」という。)及び過少申告加算税の賦課決定処分(以下「本件賦課決定処分」という。)をした。
 また、原処分庁は、同日付で本件課税期間の消費税等について別表2の「更正処分等」欄のとおり、更正処分(以下「本件消費税等更正処分」という。)及び過少申告加算税の賦課決定処分(以下「本件消費税等賦課決定処分」という。)をした。
 さらに、同日付で平成14年1月から平成14年6月までの期間分の源泉徴収に係る所得税について、本税を14,445,132円とする納税告知処分(以下「本件納税告知処分」という。)及び不納付加算税を1,444,000円とする賦課決定処分(以下「本件源泉賦課決定処分」という。)をした。
ニ 請求人は、これらの処分を不服として、平成15年5月14日に異議申立てをしたところ、異議審理庁が同年7月7日付で棄却の異議決定をしたので、同年7月25日に審査請求をした。

(3)関係法令等

イ 法人税法第22条《各事業年度の所得の金額の計算》第2項は、内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の益金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、資産の販売、有償又は無償による資産の譲渡又は役務の提供、無償による資産の譲受けその他の取引で資本等取引以外のものに係る当該事業年度の収益の額とする旨規定している。
 また、同条第4項は、第2項に規定する当該事業年度の収益の額は、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って計算されるものとする旨規定している。
ロ 法人税法第35条《役員賞与等の損金不算入》第1項は、内国法人がその役員に対して支給する賞与の額は、その内国法人の各事業年度の所得の計算上、損金の額に算入しない旨規定し、同条第4項は、賞与とは、役員又は使用人に対する臨時的な給与(債務の免除による利益その他の経済的な利益を含む。)のうち、他に定期の給与を受けていない者に対し継続して毎年所定の時期に定額を支給する旨の定めに基づいて支給されるもの及び退職給与以外のものをいう旨規定している。

(4)基礎事実

 以下の事実は、請求人と原処分庁の間に争いがなく、当審判所の調査によってもその事実が認められる。
イ 請求人代表者の妻Fは、平成6年8月29日付で、P市p町○○○○番○、同地番○○の山林の所有権を取得した。
 なお、当該土地は、N自動車道及びS自動車道の間に位置し、都心部から車で2時間までの範囲内にあるゴルフ場を備えたリゾート地(ゴルフ会員権付別荘地、通称「G高原分譲別荘地」)として開発された。
ロ 請求人は、平成8年8月ころ、上記イの土地上に、床面積が239.31平方メートルの鉄骨造三階建の建物を建築した。ただし、当該建物は未登記である。
 なお、当該建物取得時点の減価償却資産としての取得価額は、54,494,113円であった。
ハ 請求人は、請求人代表者に対して、平成14年2月27日付で売買価額を消費税込5,000,000円(税抜金額4,761,905円)として、上記ロの建物等(以下「本件建物」という。)を譲渡した。
ニ 請求人は、譲渡日現在における本件建物の帳簿価額が52,014,985円であったことから、本件事業年度の法人税の申告書において、当該金額を固定資産売却損として計上した。

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2 主張

(1)原処分庁

 請求人が請求人代表者に売却した時点での本件建物の価額は、46,261,505円と認められ、請求人代表者への売却価額4,761,905円との差額41,499,600円は、法人税法第22条第2項により益金の額に算入され、かつ、同法第35条第4項により請求人代表者に対する賞与となるから、損金の額には算入されない。
 すなわち、本件建物は、譲渡時において取得の日から約5年半しか経っておらず、この間に「建築統計月報」による建物の標準的な建築価額や物価の総合指数に著しい変動がなく、また、時価を算定する際の再取得価額(新築としての取得価額)は、請求人の取得価額と同一価額であるから、譲渡価額は請求人の当該取得価額を基礎とし、その取得の日から本件事業年度終了の時まで定率法により償却を行ったものとした場合の未償却残高が46,261,505円となり、これが平成14年2月27日時点における本件建物の時価である。
 なお、譲渡価額につき消費税等を含めて5,000,000円とする請求人の算定には、具体的な根拠がないことから、請求人の主張には理由がない。

(2)請求人

イ 本件建物の時価は、土地と分離された建物であることや地理的条件等を勘案した上での一般市場における価額であり、売買契約書のとおり消費税等を含め5,000,000円である。
ロ そして、平成8年当時に比較して不況が進み、デフレ経済下である現状を踏まえれば、「再取得価額」も下落しているのに、原処分庁の主張では経済的減価を一切考慮せず、また、仮に、本件建物の帳簿価額に植樹などの土地の造成費を含めたとしても、譲渡時点において再建築した場合の取得価額は当初の取得価額を上回ることは考えられないことから、原処分庁において、本件建物の帳簿価額をもって時価と認定したことは不適法である。
ハ そうすると、請求人の請求人代表者に対する本件建物の譲渡が低廉譲渡に該当するとして、更正処分を行ったのは、違法であり、本件更正処分の一部取消しを求める。

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3 判断

(1)本件更正処分

 本件は、請求人が請求人代表者に譲渡した際の本件建物の時価について争いがあるので、以下審理する。
イ 認定事実
 原処分関係資料、請求人提出資料及び当審判所の調査によれば、次の事実が認められる。
(イ)平成15年4月20日付H株式会社の宅地建物取引主任者作成の書面には、「本件建物は、G高原内に建つ別荘で、その利用目的から土地と建物(外構設備を含む。)は一体としてのみ施設価値を認められますので、建物のみの評価は困難である。建物のみの売却となると、限られた市場を前提とせざるを得ず、近年の不況及び諸般の事情を考慮致しますと、本件建物のみの取引価格は、500万円程度であると判断する」旨記載されている。
(ロ)請求人は、当審判所に対し、次のとおり答述した。
A G高原分譲別荘地を管理するK株式会社の管理部長に対して、本件建物を売却するとしたら、幾らぐらいになるかと口頭で問い合わせたところ、土地付で1000万円から1200万円程度であり、建物だけの価額は分からない旨の回答を得た。
B 本件建物の用途は、社員研修所として、また、取引先との友好、親睦を目的としたクラブハウスとして、さらに、当社の設計、施工の技術アピールのためのモデルハウスであったが、取引先等が減少するなど、利用価値がなくなったため、代表者に売却した。
(ハ)本件建物の固定資産税
A 平成15年11月19日付P市長作成の固定資産税評価証明書には、本件建物の平成15年度の評価額を11,180,110円と、さらに平成14年度の見込価額を12,378,053円と記載されている。なお、本件建物の床面積は224.8平方メートルと記載されている。
B P市長作成の当審判所あての平成15年10月24日付回答書には、現地調査実施後、本件建物の固定資産税の課税台帳には平成15年度から登載し、固定資産税を賦課する予定であること、また、平成14年まで固定資産税を賦課していなかったのは、G高原分譲別荘地内の家屋は建築確認申請不要地区であり、賦課の対象となっていなかった旨記載されている。
ロ ところで、法人税法第22条第2項によれば、資産の無償譲渡の場合には、その時価相当額が益金の額に算入されることとなり、当該無償譲渡には、時価より低い価額による取引も含まれるものと解され、時価より低い価額で資産を譲渡した場合には、当該規定により、譲渡価額と時価との差額に相当する金額も益金の額に算入される。
 そして、法人の有する建物及び土地の価額は、法人税法第22条第4項に従い、一般に公正妥当な会計処理の基準に照らし、通常の取引がされた場合に成立すると認められる価額として算定すべきものと解される。
 そこで、建物の価額を評価するには、合理的と考えられる条件を満たす市場で形成されるであろう市場価値、すなわち、正常な取引において形成される価額を求めることとなる。
ハ これを本件について見ると、〔1〕本件建物はリゾート地であるG高原分譲別荘地内にあり(基礎事実イ、ロ)、〔2〕同別荘地内の不動産売買に関しては土地付建物に市場価値があり、建物だけの価額が売買の対象とはならないこと(認定事実イ(イ)、同(ロ)A)、そして、〔3〕本件建物の用途が社員研修所又はモデルハウス等であって、建物自体に特殊性が認められる(認定事実イ(ロ)B)から、本件建物価額を求めるためには、建物及びその敷地が一体として市場性を有する場合における市場価値から建物評価額を算出し、さらに本件建物自体の用途等の特殊性を考慮する必要がある。
 そうすると、原処分庁が主張する「建物取得価額を基礎として、取得の日から本件事業年度終了の時まで定率法により償却を行ったものとした場合の未償却残高から建物価額を算定する方法」、請求人が主張する「近年の不況や諸般の事情を考慮して建物価額を算定する方法」、さらに「固定資産税評価証明書に記載された評価額を建物価額とする方法」(認定事実イ(ハ))のいずれによっても、建物及びその敷地が一体として市場性を有する場合における市場価値から建物評価額を算出し、本件建物自体の特殊性をさらに考慮して、合理的に算定することはできない。
ニ そこで、当審判所が、L有限会社の不動産鑑定士Mに対して、本件建物の譲渡時の価額について、市場価値及び本件建物自体の特殊性を前提にした鑑定を依頼したところ、平成15年12月15日付で不動産鑑定書及び平成16年1月27日付鑑定補充書が提出された。
 当該不動産鑑定書には、要旨次のとおり記載されている。
(イ)建物及びその敷地が一体として市場性を有する場合における本件建物についての部分鑑定を行うものとし、求める価額は、合理的と考えられる条件を満たす市場で形成されるであろう市場価値、すなわち正常価額である。
(ロ)別荘地は全般的に低価格化が著しく、割安な中古物件を手軽に購入するか、更地を購入するケースがほとんどであり、新築の建売別荘や中古でも1000万円を超えるような物件に対しては極端に需要が減る。
(ハ)平成14年度の全国の別荘地市場については縮小傾向が継続し、新規供給及び売上げは、一層減少してきており、市場として絶滅寸前の低迷状態である。
(ニ)本件建物のあるG高原分譲別荘地は、Q県の南西端、R県との県境に位置し、昭和○○年○月にゴルフ場を備えたリゾート地としてK株式会社によって開発された。総区画数は3千区画を超えている。価額評価時点の前後では年数件の取引にとどまっており、当該取引価額は更地又は中古建物付の取引価格で、総額400万円前後が中心価格帯となっている。
(ホ)本件建物が存する土地は、G高原分譲別荘地内のやや奥まったところに位置しており、特段優れた眺望はなく、傾斜方向が北西向きであるなど、同一需給圏における競争力はやや劣ると思われる。
 本件建物については、意匠を凝らした設計設備であり、施工の質、量とも高く、初期投資された資本は高額であるが、個性的な建物は一般的な需要者の好みに合わない場合も多く、特に別荘不動産市場では自分の思い通りに建てたいという需要者志向から、マイナス要素として捉えられる。さらに、投下資本額と同一需給圏における中心価格帯との乖離が大きいため、相当の期間での売却を想定した場合、どれほどの市場価値で評価されるかは十分に検討する必要がある。さらに、G高原分譲別荘地内で立地、眺望の優れた物件が低価格で売却されている状況のなかで、本件建物の競争力は極めて低いと分析した。
(ヘ)本件建物とその敷地の所有者が異なることから(基礎事実イ、ロ)、建物の使用借権の評価が問題となるが、本件建物又はその敷地を第三者が取得する可能性はほとんどなく、かつ、土地所有者と建物所有者が良好な関係にあり、使用借権の消滅の必要性も認められないので、推認された使用借権の評価額は零円と判断し、当該不動産が最も現実的、経済的、合理的な両者一体として第三者に売却した場合の内訳として本件建物価額を求めた。以上のとおり、土地と建物の所有者が異なったとしても評価の要素にならないことから、自用の建物として評価した。
(ト)鑑定評価の方式の適用に当たって、原価法により鑑定評価額を求めることとし、当該原価法については、土地建物一体としての積算価格を求め、市場性修正を行った後、土地等価格(土地及びゴルフ会員権)を控除して、本件建物の積算価格を求めることとする。
A 土地の再調達原価は、取引事例比較法を適用し、G高原分譲別荘地内における類似性、規範性を有する3事例を基に、P市の経済情勢、地価公示、地価調査等の動向を基に時点修正等を行った結果、4,000,000円となり、建物の再調達原価は、請求人所有の設計図書や支払明細書等の資料を基に、一級建築士による積算書により査定し、57,753,000円となり、その結果、本件建物及びその敷地の再調達原価は、土地及び建物の合計61,753,000円となる。
B 本件建物及びその敷地の再調達原価に対する減価修正について、土地に特段の減価は認められないが、本件建物については、耐用年数に基づく方法によると29,877,193円となり、観察減価法によると11,550,600円となるので、これらの合計41,427,793円が減価額となるところ、上記のとおり、ゴルフ会員権付別荘地を取り巻く経済情勢が非常に低迷している市場分析から、経済的要因を主因とする合理的な修正を加える必要があり、本件にあっては、以下のとおり、新古の売り希望事例に取引事例比較法を適用し、一体としての市場性修正率を査定して、これを経済的要因の減価とする。
(A)市場性修正前の建物積算価格は、建物再調達原価57,753,000円から建物減価修正41,427,793円を差し引いた額の概数16,325,000円となる。
(B)市場性修正前の建物及びその敷地の価格は、土地等価格4,000,000円と建物積算価格16,325,000円の合計額20,325,000円となる。
(C)建物及びその敷地一体の比準価格は、規模等の類似した事例(G高原分譲別荘地内の売り希望物件である土地付き建物)が16,567,000円及び16,064,000円であって、対象不動産が属する市場における別荘に対する需要、価格、売却期間を勘案して、市場性修正率をマイナス20%と査定した。
(D)そうすると、建物及びその敷地の減価額は、20,325,000円の20%である4,065,000円となる。
(E)よって、減価額の査定は、上記建物減価額41,427,793円及び上記(D)の減価額4,065,000円の合計45,492,793円となる。
C そうして、再調達原価に減価修正を施して、自用の建物及びその敷地としての積算価格を査定すると、建物及びその敷地の再調達原価61,753,000円から上記Bの(E)の減価修正額を控除した16,260,000円(概数)が自用の建物及びその敷地の積算価格となり、自用の建物及びその敷地の積算価格から、土地等価格(土地及びゴルフ会員権)を控除すると、本件建物の積算価格は12,260,000円となる。
D 以上の検討から、積算価格を標準として、鑑定評価額を、自用建物及びその敷地を16,260,000円と、本件建物を12,260,000円とする。
(チ)上記鑑定書については、添付された地図及び写真に照らしても評価の前提となる事実の確定に問題は認められず、計算過程においても本件建物等の定率法による減価修正が法定耐用年数と著しくかけ離れた耐用年数を採用しているなどといった問題等もなく、減価修正に当たっても具体的な根拠に基づき計算され、また、補充書において使用借権に係る評価額について市場流通性の観点から適正に検討されており、同鑑定評価書に基づく鑑定評価額が本件建物等の「適正な時価」を示すものであると認定するのが相当である。
ホ よって、当審判所としては、上記鑑定書評価額の12,260,000円を本件建物の時価として認定し、12,260,000円と譲渡価額4,761,905円との差額7,498,095円(税抜き)については、法人税法第22条第2項の規定により、固定資産売却益の計上漏れとして益金の額に算入することが相当であると認める。
ヘ また、法人税法第35条第4項では、「債務の免除による利益その他の経済的な利益」も臨時的な給与に含まれると規定し、「債務の免除による利益その他の経済的な利益」とは、役員等に対して所有資産を低い価額で譲渡した場合におけるその資産の価額と譲渡価額との差額に相当する金額のように、法人がこれらの行為をしたことにより実質的にその役員に対して給与を支給したと同様の経済的効果をもたらすものをいうと解されている。
 したがって、本件における建物の時価と譲渡価額との差額相当額7,498,095円は、法人税法第35条第4項に規定する臨時的な給与として、代表者に対する役員賞与に該当し、当該金額は、法人税法第35条第1項の規定により、本件事業年度の損金の額に算入することはできない。
ト 以上により、当審判所が本件事業年度の所得金額及び納付すべき税額を計算した結果、別表3のとおりとなった。
 そして、これらの金額は、請求人の申告額を下回るので、本件更正処分の全部を取り消すべきである。
 なお、請求人は、本件更正処分のうち、争点である本件建物の時価(固定資産売却損の過少計上)以外の加算及び減算項目について争っていないところ、減算項目中雑損失20円については、固定資産売却損の計上漏れを7,498,095円としたことに伴い、確定した消費税額と納付消費税額の差額が4円となるから、当該雑損失の損金算入額を4円として計算した。

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(2)本件賦課決定処分

 本件更正処分は上記(1)のとおり、その全部を取り消すべきであるから、本件賦課決定処分についてもその全部を取り消すべきである。

(3)本件消費税等更正処分

 本件消費税等更正処分については、上記(1)の本件更正処分のうち、本件建物等の譲渡価額について、その課税の基礎となった事実の認定を同じくするものであり、本件建物等の譲渡価額についての本件更正処分の全部の取消しに伴い、当審判所が本件課税期間の課税標準額及び納付すべき税額を計算した結果、別表4のとおりとなった。
 そして、これらの金額はいずれも、請求人の申告額を下回るので、本件消費税等更正処分は、その全部を取り消すべきである。

(4)本件消費税等賦課決定処分

 上記(3)のとおり、本件消費税等更正処分はその全部を取り消すべきであるから、本件消費税等賦課決定処分についてもその全部を取り消すべきである。

(5)本件納税告知処分

 本件納税告知処分については、上記(1)の本件更正処分のうち、本件建物等の譲渡価額について、その課税の基礎となった事実の認定を同じくするものであり、本件建物等の譲渡価額についての本件更正処分の全部の取消しに伴い、平成14年1月から平成14年6月までの期間分の源泉所得税の納付すべき税額は、本件納税告知処分に係る納付すべき金額に満たないから、本件納税告知処分は、その一部を取り消すべきである。

(6)本件源泉賦課決定処分

 上記(5)のとおり、本件納税告知処分はその一部を取り消すべきであるから、本件源泉賦課決定処分もその一部を取り消すべきである。
(7)原処分のその他の部分については、請求人は争わず、当審判所に提出された証拠資料等によっても、これを不相当とする理由は認められない。

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