裁決事例集 No.54

国税通則法関係

異議決定書謄本の送達の時期

裁決事例要旨 裁決事例

郵便局に郵便物を留め置く手続をしている場合の送達の時期は、当該郵便局に郵便物が留め置かれた時に送達の効力が生ずるとした事例(平成8年分所得税に係る督促処分/却下)

差置送達

裁決事例要旨 裁決事例

住民票を異動したり、郵便受箱を撤去するなどした行為は、通知書の送達を回避することを意図してなされたものであり、請求人の住所は本件住所にあるとして、差置送達の効力を認めた事例(平成2年分贈与税に係る決定処分等/棄却)

更正の請求、後発的事由

裁決事例要旨 裁決事例

不動産売買契約の和解に伴う損失は、当該和解のあった日の属する事業年度の所得金額の計算上、損金の額に算入すべきものであって、国税通則法第23条第2項の規定により、そ及して所得金額を減額修正することはできないとした事例(平成2年10月1日〜平成3年9月30日事業年度法人税の更正の請求に係る更正をすべき理由がない旨の通知処分/棄却)

延滞税の督促処分

裁決事例要旨 裁決事例

当初申告に係る物納申請についてされた徴収猶予の効果は、その後に提出された修正申告に係る物納申請に対する徴収猶予には及ばないことから、修正申告に係る延滞税の納税義務があるとした事例(平成3年11月17日相続開始相続税の修正申告に係る延滞税の督促処分/棄却)

無申告加算税に係る決定の予知

裁決事例要旨 裁決事例

原処分庁が法定申告期限内に地価税の申告書が提出されていないことを内部資料によって確認した上、請求人の関与税理士事務所員に対し電話で問い合わせた直後に地価税申告書が提出された場合は、国税通則法第66条第3項にいう「調査があったことにより決定があるべきことを予知してされたものではないとき」に該当せず、同条第1項に規定する「納付すべき税額」とは法定申告期限後に提出された申告書に記載された納付すべき税額を指し、税の納付とは直接関係がなく、無申告加算税の基礎となる税額の計算において法定申告期限内に納付された税額を控除すべきではないとした事例(平成7年分地価税に係る無申告加算税の賦課決定処分/棄却)

隠ぺい又は仮装の行為を認めた事例

裁決事例要旨 裁決事例

各年分の収入金額は、請求書控え及び預金通帳で十分把握し認識することができたにもかかわらず、毎月の収入金額をすべて600,000円に圧縮し、その金額を上回る部分を除外したところで、過少な課税標準額を記載した内容虚偽の申告書を作成して提出した行為は、事実の隠ぺいに該当するとした事例(平成4年分〜7年分所得税の修正申告に係る重加算税の各賦課決定処分/棄却)

重加算税賦課の適否

裁決事例要旨 裁決事例

重加算税の賦課要件を充足するためには、過少申告行為とは別に隠ぺい又は仮装と評価すべき行為の存在を必要としているものであると解されるところ、原処分庁は隠ぺい又は仮装であると評価すべき行為の存在について何らの主張・立証をしておらず、隠ぺい又は仮装の事実を認めることはできないとした事例(平成6年3月1日相続開始相続税に係る更正処分並びに過少申告加算税及び重加算税の各賦課決定処分/更正処分に対する審査請求は棄却、賦課決定処分に対する審査請求は一部取消)

更正及び決定の特則

裁決事例要旨 裁決事例

相続税法第32条第3号に規定する更正の請求をすることができる期間の起算日は、遺留分減殺請求訴訟の和解が成立した日であり、適法な期間内に提出された更正の請求を前提とした同法第35条第3項第1号の規定に基づく原処分も適法であるとした事例(平成2年8月13日相続開始相続税に係る更正処分/棄却)

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所得税法関係

先物取引から生じた所得の帰属

裁決事例要旨 裁決事例

請求人は、本件先物取引は取引員に欺もうされた取引で無効あるいは取り消し得る取引であるとしているが、請求人の自己の意思と判断に基づく取引であるので、本件先物取引から生じた所得は請求人に帰属するとした事例(平成4年分〜5年分所得税に係る各更正処分等/棄却)

従業員であった親族の死亡に際しての弔慰金及び香典が必要経費に当たるか否かの判断

裁決事例要旨 裁決事例

従業員であり請求人の母親である者の死亡に伴い支出した弔慰金及び香典は、事業と直接の関連を有し、客観的に通常かつ必要な費用であるとは認められないことから、必要経費に算入することはできないとした事例(平成5年分所得税に係る更正処分等/棄却)

譲渡収入金額の多寡

裁決事例要旨 裁決事例

不動産の譲渡による収入金額を認定した事例(平成5年分所得税に係る更正処分等/全部取消)

土地の譲渡の収入金額

裁決事例要旨 裁決事例

本件土地の売買に際し、請求人は確定申告した売買代金以外にも金銭を受領した事実があるとしてなされた更正処分について、その事実を認めるに足りる証拠はないとして、その全部を取り消した事例(平成2年分所得税に係る更正処分等/全部取消)

譲渡所得に係る取得費の認定

裁決事例要旨 裁決事例

本件譲渡資産は、換価分割により取得したものではなく、代償分割により取得したものであるから、他の相続人に支払った代償金は譲渡所得の計算における取得費には該当しないとした事例(平成4年分所得税に係る更正処分等/棄却)

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法人税法関係

非居住者及び外国法人の納税義務

裁決事例要旨 裁決事例

わが国において韓国芸能人に支払った人的役務の提供に対する報酬は、日韓租税条約上免税にならないとした事例(平成4年1月〜平成6年8月分源泉徴収に係る所得税の各納税告知処分等/棄却)

債務者である代表者が債務超過であるか否かの判断

裁決事例要旨 裁決事例

債務者である代表者が債務超過に陥っているか否かの判断に当たり、代表者が所有する個々の資産、負債の評価は、代表者が所有する請求人の株式を含め、時価評価(純資産価額方式)によることが相当であるとした事例(平成6年1月1日〜平成6年12月31日及び平成7年1月1日〜平成7年12月31日事業年度法人税に係る各更正処分等/棄却)

役員報酬

裁決事例要旨 裁決事例

非常勤の取締役3名に対して支給した役員報酬額は、当該取締役の職務の内容等に照らし不相当に高額であるので、当該取締役の職務の対価として相当であると認められる金額を超える部分の金額は、損金の額に算入することはできないとした事例(平成3年8月1日〜平成4年7月31日、平成4年8月1日〜平成5年7月31日及び平成5年8月1日〜平成6年7月31日事業年度法人税に係る各更正処分等/棄却)

新規取得土地等に係る負債利子の損金不算入額の損金算入

裁決事例要旨 裁決事例

請求人は、区分所有建物であるマンションは一戸でも譲渡すれば、これに係る新規取得土地等に係る負債利子の損金不算入額の全額を損金に算入すべき旨主張するが、1棟の建物のうちの一部の区分所有物が譲渡されたというだけで、その敷地全体が譲渡されたと同じに扱うことはできないとした事例(平成5年4月1日〜平成6年3月31日事業年度法人税の更正の請求に係る更正をすべき理由がない旨の通知処分/棄却)

土地等の譲渡の収益の額

裁決事例要旨 裁決事例

請求人が作成した土地売買契約書及び建物売買契約書は、土地の譲渡価額の圧縮を目的として形式的に作成されたもので、建物売買契約は存在せず、土地を譲渡したものであるとした事例(昭和64年1月1日平成元年5月31日事業年度法人税に係る更正処分等/棄却)

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相続税法関係

評価基準の適用

裁決事例要旨 裁決事例

地価の急落により時価が路線価を下回る、いわゆる逆転現象が生じているとして、鑑定評価額による申告がなされたが、相続開始日における時価は相続税評価額を上回っていることが認められるとして、原処分庁が相続税評価額により評価したことを相当と認めた事例(平成4年4月16日相続開始相続税に係る更正処分等/棄却)

評価基準の適用

裁決事例要旨 裁決事例

相続税評価額は審判所が算定した時価を上回っているとして、時価を上回る価額による処分の一部を取り消した事例(平成4年8月21日相続開始相続税の更正の請求に係る更正をすべき理由がない旨の通知処分/一部取消)

取引相場のない株式の評価

裁決事例要旨 裁決事例

配当還元方式を利用することにより、相続税の負担の軽減を図る目的で本件株式を取得した本件のような場合には、実質的な租税負担の公平という観点から、配当還元方式を適用することはできないとした事例(平成5年11月24日相続開始相続税に係る更正処分等/棄却)

小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例

裁決事例要旨 裁決事例

法人税法施行令第137条は「土地の使用の対価として相当の地代を収受しているときは、当該土地の使用に係る取引については正常な取引条件でなされたもの」と規定しているが、租税特別措置法第69条の3第1項の適用に当たっては、実際の支払地代により判断すべきであるとした事例(平成6年5月23日相続開始相続税に係る更正処分等/棄却)

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消費税法関係

簡易課税制度/みなし仕入率

裁決事例要旨 裁決事例

歯科技工を営む者が自ら原材料等を購入して、歯科補てつ物を製作し受注先に納入している場合の消費税の簡易課税制度における事業区分は、第四種事業(サ−ビス業)に該当するとした事例(平成3年10月1日〜平成4年9月30日、平成4年10月1日から平成5年9月30日及び平成5年10月1日から平成6年9月30日各課税期間の消費税に係る更正処分等/棄却)

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国税徴収法関係

換価代金等の配当

裁決事例要旨 裁決事例

生命保険契約に基づく解約返戻金の支払請求権を差押え、解約権を行使してその給付を受け、配当処分を行う一連の滞納処分手続に違法はないとした事例(平成8年7月23日付でされた換価代金等の配当処分/棄却)

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