裁決事例集 No.56

国税通則法関係

隠ぺい、仮装の意図

裁決事例要旨 裁決事例

請求人の取引先8社との16の取引について、本件事業年度中に納品あるいは役務の提供がなされておらず、また、請求人の各担当者は、その事実を承知した上で、経費等の根拠となる納品書、請求書等の発行を取引先に依頼し、これを提出させ、あたかも本件事業年度中に納品等を行ったごとく装ったものであり、当該担当者の積極的な行為によって故意に事実を仮装したものであるとした事例(平成7年1月1日〜平成7年12月31日事業年度法人税に係る重加算税の賦課決定処分/棄却)

隠ぺい、仮装の事実

裁決事例要旨 裁決事例

被相続人名義の普通預金等の存在を承知した上で、税理士にこれらに相当する金額を含めて納付すべき税額を計算させ、その後、同税理士から資料の提示を求められると、残高証明書等を所持していたにもかかわらず、ない旨の回答をし、本件預金等の存在を明らかにしないで本件確定申告書を作成、提出させた行為は、事実の隠ぺいに当たるとした事例(平成3年11月20日相続開始相続税に係る過少申告加算税及び重加算税の各賦課決定処分/棄却)

隠ぺい、仮装の事実

裁決事例要旨 裁決事例

請求人は、調査担当者から指摘されて提出した被相続人名義の有価証券等について、相続開始後にその利息及び償還金をすべて受領し、現金化して費消していることなどからすると、本件有価証券等の存在を知りながらこれを除外し、過少な相続税の申告書を作成・提出したものと認められ、当該行為は、事実を隠ぺいした場合に当たるとした事例(平成7年1月19日相続開始相続税に係る更正処分及び重加算税の賦課決定処分/棄却)

重加算税賦課の適否

裁決事例要旨 裁決事例

建物の使用状況が記載された売買契約書に基づき確定申告書を提出したことのみをもって、重加算税の賦課要件(隠ぺい又は仮装)に当たるということはできないとした事例(平成7年分所得税に係る重加算税の賦課決定処分/一部取消)

異議申立期間の不遵守等

裁決事例要旨 裁決事例

請求人の異議申立ては、不服申立期間の経過後になされた不適法なものであるから、国税通則法第75条第3項の規定により、本件審査請求も不適法であるとした事例(平成5年分所得税に係る過少申告加算税の賦課決定処分/却下)

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所得税法関係

所得の帰属者

裁決事例要旨 裁決事例

生命保険代理店契約における請求人の名義は形式上のものにすぎず、本件代理店手数料収入は請求人に帰属しないとした事例(平成8年分及び9年分所得税に係る各更正処分等/棄却)

受領済の役員報酬に係る給与所得の収入金額を減額する更正の請求の可否

裁決事例要旨 裁決事例

受領済の役員報酬につきそ及して減額する旨取締役会で決議したことにより、給与所得の収入金額が過大であるとしてされた更正の請求は、同決議に基づき受領済の報酬の一部を返還しても、請求人の既に確定した給与所得の収入金額には影響を及ぼさないから、更正をすべき理由がない旨の原処分は適法であるとした事例(平成7年分所得税の更正の請求に係る更正をすべき理由がない旨の通知処分/棄却)

譲渡所得の取得に要した費用/借入金利子

裁決事例要旨 裁決事例

ゴルフ会員権の平日会員権から正会員権に転換するための資金の借入金利子は、本件転換に必要な準備費用に該当するものとして、使用開始の日までの期間に対応する部分について取得費に該当するとした事例(平成6年分所得税の更正処分等/一部取消)

死亡保険金は相続税の対象ではなく一時所得に該当するとした事例

裁決事例要旨 裁決事例

生命保険契約に係る保険料の負担者は被相続人であり、死亡保険金は相続税の課税対象とすべき旨の請求人の主張は認められず、請求人が保険料の負担者であるとして一時所得に該当するとした事例(平成7年分所得税に係る更正処分等/棄却)

譲渡所得の収入金額とされない保証債務の履行に該当するか否か

裁決事例要旨 裁決事例

保証債務の履行に伴う他の連帯保証人に対する求償権については、当該他の連帯保証人は債務超過の状態にあり、求償権の行使は不可能であると認定して、所得税法第64条第2項の適用を認容した事例(平成7年分所得税の更正の請求に係る更正処分/一部取消)

給与所得の源泉徴収

裁決事例要旨 裁決事例

請求人の建物建築工事を請け負った建築工事会社から、請求人の施設長(理事)の預金口座に振り込まれた金員は、請求人が水増工事代金の返金として受領すべきであるところ、施設長の寄付金の原資として調達された資金であると認められるから、請求人の理事である施設長に対する経済的利益の供与であるとされた事例(平成7年12月分源泉徴収に係る所得税の納税告知処分等/棄却)

居住用財産の譲渡と認めなかった事例

裁決事例要旨 裁決事例

本件家屋の近隣住民の答述、家屋の電気の使用量や通勤手当の受給状況等からみて、譲渡した土地等は、租税特別措置法第35条等で規定する居住用財産に当たらないとした事例(平成7年分所得税の更正の請求に係る更正をすべき理由がない旨の通知処分/棄却)

居住用財産の譲渡と認めなかった事例

裁決事例要旨 裁決事例

本件旧家屋と新家屋の水道と電気の使用量の状況、ガス会社との供給契約の終了時期や電話の移設の状況等から判断すると、本件の課税の特例が適用される期限を徒過した以後に本件譲渡が行われているものと認められるとして、居住用財産の課税の特例は適用されないとした事例(平成7年分所得税に係る更正処分等/棄却)

居住用財産の譲渡と認めなかった事例

裁決事例要旨 裁決事例

請求人が相続により取得した甲建物及び本件宅地は、同人が取得後一度も居住しないままに譲渡しており、また、乙建物等は買主が取得後すぐに取り壊していることに加え、本件土地の売買価額の清算条項の土地清算単価に宅地の面積を乗じた価額は売買代金に一致していること等から、譲渡対価はすべて宅地の対価と認められ、居住用財産の課税の特例は適用されないとした事例(平成7年分所得税に係る更正処分等/棄却)

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法人税法関係

耐用年数

裁決事例要旨 裁決事例

自走式立体駐車場設備に適用すべき耐用年数は45年であるとされた事例(平成5年3月1日〜平成6年2月28日、平成6年3月1日〜平成7年2月28日及び平成7年3月1日〜平成8年2月29日事業年度法人税に係る更正処分等並びに平成5年3月1日〜平成6年2月28日課税事業年度法人特別税に係る更正処分/棄却)

合併の場合の欠損金の繰戻しによる還付

裁決事例要旨 裁決事例

被合併法人の解散事業年度が、更正処分により欠損事業年度になった場合における法人税の欠損金の繰戻しによる還付請求書についても、合併による解散の事実が生じた日以後1年以内に提出しなければならないとされた事例(被合併法人Jの法人税の欠損金の繰戻しによる還付請求に理由がない旨の通知処分/棄却)

減価償却の特例/事業基盤強化設備の特別償却

裁決事例要旨 裁決事例

本件機械装置は、租税特別措置法第42条の7第2項に規定する事業基盤強化設備を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除の対象となる事業の用に供していると認められないとした事例(平成6年8月21日〜平成7年8月21日、平成7年8月21日〜平成8年8月21日及び平成8年8月21日〜平成9年8月21日事業年度法人税に係る更正処分等/棄却)

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相続税法関係

相続財産の課税財産(在外財産)の認定

裁決事例要旨 裁決事例

香港に所在する財産について、相続税の課税財産と認定するとともに、その時価を香港政庁に提出された遺産宣誓書に記載されている各財産の価額の邦貨換算額により評価した原処分を相当と認めた事例(平成2年2月8日相続開始相続税に係る更正処分等/棄却)

相続税の課税財産の認定

裁決事例要旨 裁決事例

[1]同族会社に対する貸付金、[2]仮名預金及び[3]土地の各財産の帰属について判断を示し、原処分の一部を取り消した事例(平成2年10月9日相続開始相続税に係る更正処分等/一部取消)

相続税対策の一環として行った出資の売買の無効

裁決事例要旨 裁決事例

相続税対策スキームの一環として行った出資の売買は、課税庁からその売買価額が著しく低額と認定され買主に対し贈与税の課税処分がされたことから、相続税対策として意味をなさないものとなるので錯誤により無効となるとの請求人の主張を排斥した事例(平成3年分贈与税に係る決定処分等/棄却)

高圧線下の土地(山林)の評価

裁決事例要旨 裁決事例

市街化調整区域内に所在する山林については、高圧線下にあることの影響は皆無であるとはいえないとしても、なおこれをしんしゃくすべき特段の理由があるとは認められないとした事例(平成6年8月25日相続開始相続税に係る更正処分等/棄却)

更正の請求の特則

裁決事例要旨 裁決事例

遺産分割に係る訴訟上の和解が成立した場合において、相続税法第32条に規定する「事由が生じたことを知った日」は、当事者が合意して和解が成立した日と解するのが相当であるとした事例(昭和57年7月6日相続開始相続税の更正の請求に係る更正をすべき理由がない旨の通知処分/棄却)

連帯納付義務の存否

裁決事例要旨 裁決事例

相続税法第34条第1項の連帯納付義務には、補充性がなく、告知は不要であり、本件連帯納付義務は徴収権の消滅時効等により消滅していないとされた事例(連帯納付責任額の各督促処分/棄却)

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消費税法関係

課税取引

裁決事例要旨 裁決事例

パチンコ景品交換業務は課税取引に当たるとした事例(平成6年1月1日〜平成6年12月31日課税期間消費税の更正の請求に係る更正をすべき理由がない旨の通知処分/棄却)

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国税徴収法関係

差し押さえた建物賃料債権の帰属

裁決事例要旨 裁決事例

債権譲渡は民法第467条第2項に規定する第三者対抗要件を具備しておらず、債権譲渡の効力を差押債権者である国に対して主張できないとされた事例(納税者Fの滞納国税に係る債権の各差押処分/棄却)

連帯納付義務者に対する差押処分

裁決事例要旨 裁決事例

相続税法第34条第2項の連帯納付義務には補充性は認められず、また、連帯納付義務者に対する差押処分は、財産の選択を誤った国税徴収法第49条に反するものとはいえないとされた事例(不動産の差押処分/棄却)

公売の見積価額の適否

裁決事例要旨 裁決事例

原処分庁の公売財産の見積価額を適正であると認定した上、見積価額が低廉であるとする請求人の主張がすべて排斥された事例(公売処分/棄却)

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