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裁決事例集 No.64
国税通則法関係
更正の請求/基礎となった事実関係に関する判決
相続により取得した財産に係る相続開始前における賃借権の取得時効の完成、賃借権の取得という事実が判決により後発的に確定した場合、当該判決は、取得時効の完成の確定という意味において、国税通則法第23条第2項1号にいう「判決」に当たり、当該事情は当該財産の評価上、しんしゃくすべきであるとした事例(平成9年1月12日相続開始に係る相続税の更正の請求に対してされた更正をすべき理由がない旨の通知処分/一部取消)
平成14年10月2日裁決
信義誠実の原則/公的見解の表示
還付金の還付は公的見解の表示に当たらないから、本則課税による確定申告に係る還付金の還付後、簡易課税によるべきであるとした本件更正処分は信義誠実の原則に反せず、また、同申告に正当な理由があるということはできないとした事例(平成10年1月1日〜12月31日課税期間の消費税に係る更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分/棄却)
平成14年12月2日裁決
還付金の充当
共同相続人が連帯納付責任を果たしてなお不足がある場合のみに納税保証人に納付義務が発生する旨の規定はなく、納税保証人に生じた還付金を、その保証に係る国税に充当することを制限する規定は存しないから、本件充当処分は適法であるとした事例(平成12年分所得税に係る還付金の充当処分/棄却)
平成14年9月4日裁決
延滞税の免除
本件延滞税は、原処分庁の職員が確定申告書の収受時にその誤りを見逃したことに起因し、また、原処分庁の内部事情によりその誤りの指摘が遅延したことにより発生したものであるから課すべきではないとの請求人の主張を排斥した事例(平成12年分所得税の督促処分/棄却)
平成14年7月16日裁決
過少申告加算税の意義
消費税及び譲渡割に係る加算税の基礎となる税額は、それぞれに係る「納付すべき税額」を計算し、次いで、各々の「納付すべき税額」を合計した額であるとした事例(平成10年4月1日〜平成12年3月31日各課税期間の消費税に係る過少申告加算税の各賦課決定処分及び各変更決定処分/棄却)
平成14年10月18日裁決
過少申告加算税/税法の不知等
国税通則法第65条第4項にいう「正当な理由があると認められるものがある場合」には、過少に税額を申告したことが納税者の税法の不知又は誤解であるとか、納税者の単なる主観的な事情に基づくような場合までを含むものではないとした事例(平成10年分所得税に係る過少申告加算税の賦課決定処分/棄却)
平成14年11月15日裁決
過少申告加算税/正当な理由
確定申告書の提出から1年経過後になされた過少申告加算税の賦課決定処分に不当はないと判断した事例(平成12年分所得税に係る過少申告加算税の賦課決定処分/棄却)
平成14年12月12日裁決
過少申告加算税/正当な理由
譲渡所得の金額の計算を誤ったのは、譲渡した土地は亡父が生前に事業用資産の買換えの場合の譲渡所得の課税の特例を適用して取得した買換資産であることを知らなかったためであること、また、老後の生活のため売却したものであること等の事情を課税処分において考慮すべきであるとの請求人の主張には理由がないとした事例(平成12年分所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分/棄却)
平成14年11月22日裁決
無申告加算税の意義
消費税等の税額が法定申告期限内に納付され、これに係る確定申告書が法定申告期限後に提出された場合の無申告加算税の賦課決定処分は適法であるとした事例(平成11年7月1日〜平成12年6月30日課税期間の消費税及び地方消費税に係る無申告加算税の賦課決定処分/棄却)
平成14年12月4日裁決
重加算税/仮装隠ぺいの事実
虚偽の仲介契約書を作成し、取引先の関係者に対する受注謝礼金を販売手数料に仮装していたと認定し、重加算税の賦課は適法であるとした事例(平成6年7月1日〜平成7年6月30日事業年度の法人税に係る重加算税の賦課決定処分/棄却)
平成14年12月19日裁決
請求の利益
債権差押処分に対して、被差押債権が請求人に帰属しないことを理由とする審査請求は、原処分の取消しを求めることに法律上の利益を有しないとして却下した事例(債権の差押処分/却下)
平成14年12月5日裁決
請求の利益
異議申立期間の起算日
請求人が不在の場合に請求人の勤務先へ郵便物が転送されるように手続をしていた場合、請求人が原処分に係る通知を受けた日は、原処分に係る通知書が請求人の勤務先に配達された日となり、その翌日から2か月を経過した日にした異議申立ては法定の不服申立期間を経過した後にされたものであるとした事例(平成11年分贈与税の決定処分及び無申告加算税の賦課決定処分/却下)
平成14年12月6日裁決
不服申立てと国税の徴収
所得税法関係
譲渡所得の区分
建物利用権設定契約に基づく建物利用権の譲渡による所得は、総合長期譲渡所得に該当するとした事例(平成12年分所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分/棄却)
平成14年10月8日裁決
固定資産税等相当額を受領した場合の収入金額
不動産の譲渡に際して収受した未経過固定資産税等相当額は、譲渡所得の金額の計算上、総収入金額に算入されるとした事例(平成12年分所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分/棄却)
平成14年8月29日裁決
医療費控除の範囲
自然医食品等は薬事法に規定する医薬品に該当しないから、医師の処方により購入しても、その購入費は医療費控除の対象にならないとした事例(平成12年分所得税の更正処分/棄却)
平成14年11月26日裁決
外国税額控除
台湾の土地増値税は個人の所得を課税標準としていない税であるから外国所得税に該当しないとした事例(平成11年分所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分/棄却)
平成14年11月20日裁決
年の中途で出国した場合の確定申告
国内に住所及び居所を有しなくなった後に納税管理人の届出書が提出されても、所得税法上の出国をしたことになるから、出国後に提出された確定申告書は期限後申告とされるとした事例(平成11年分所得税に係る無申告加算税の賦課決定処分/棄却)
平成14年11月13日裁決
同族会社の行為否認/過大賃借料
同族会社に支払った医療機器等の賃借料の額が過大であるとして、所得税法第157条を適用した更正処分は適法であるとした事例(平成10年ないし平成12年分所得税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分/棄却)
平成14年12月20日裁決
国内源泉所得の金額
外国法人の従業員であった時に付与されたストック・オプションを当該外国法人の子会社である内国法人に勤務していた時に行使して得た経済的利益が給与所得とされる場合の国内源泉所得の計算は、ストック・オプションの付与日から行使日までの期間を給与の総額の計算の基礎となった期間とするのが相当であるとした事例(平成9年分所得税の更正処分/棄却)
平成14年8月20日裁決
あっせんにより農地を譲渡した場合の特別控除
あっせん手続等の一部が実施要領に従っていなかったとしても、そのことが特別控除の趣旨目的を滅却させるほど重大であるとまではいえない場合には、あっせん証明書が取り消されない限り、有効な証明書として特別控除の適用は認められるが、実体が伴っているかどうかの判断は最終的には課税庁の判断にゆだねられているとした事例(平成10年分所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分/全部取消)
平成14年10月24日裁決
住宅借入金等特別控除
住宅借入金等特別控除の対象となる家屋に該当するか否か(床面積基準)の判定に当たり、同一人の所有に属する一棟の建物は、区分所有建物として表示登記又は保存登記がなされていない限り、一個の建物であると解するのが相当であるとした事例(平成11年分、平成12年分の所得税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分/棄却)
平成14年10月25日裁決
法人税法関係
ゴルフ会員権の譲渡に係る損失
代表者へのゴルフ会員権の譲渡は、名義変更停止期間中であったとはいえ、実体を伴った取引であるので、その譲渡に係る損失の計上は相当であるとした事例(平成8年7月21日〜平成9年7月20日事業年度の法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分/全部取消)
平成14年10月2日裁決
契約の取消に係る損益の処理
旧養老保険契約から新養老保険契約への転換がその後取り消されても、転換に伴って発生した収益を転換時に遡って修正するのではなく、取り消されたときの事業年度の損金として処理するとした事例(平成12年5月1日〜平成13年4月30日事業年度の法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分/棄却)
平成14年12月19日裁決
事業用借地権の取得価額
事業用借地権の設定に際して支払った一時金で返還されない金額は、借地権の取得価額に算入すべきであるとした事例(平成9年4月1日〜平成10年3月31日事業年度の法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分/棄却)
平成14年9月17日裁決
リース取引
建物附属設備のセール&リースバック取引を金融取引であると認定した事例(平成9年3月1日〜平成12年2月29日各事業年度の法人税の各更正処分、平成9年3月27日〜6月26日及び平成11年9月1日〜11月30日各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分、平成11年6月1日〜8月31日課税期間の消費税及び地方消費税の更正の請求に対してされた更正をすべき理由がない旨の通知処分/棄却)
平成14年7月9日裁決
青色申告承認の取消し
期限後申告を理由とした青色申告の承認の取消処分は税務署長の合理的な裁量の範囲内で行われた適法なものであるとした事例(平成11年10月1日〜平成12年9月30日事業年度以降の法人税の青色申告の承認の取消処分/棄却)
平成14年12月12日裁決
更正の理由附記
更正の理由書に簿外収入の年月日の記載が欠けていても、それだけでは理由附記に不備があるとはいえず、また、請求人の経理担当者が行った仮装行為は請求人の行為と同一視でき重加算税の賦課は適法であるとした事例(平成9年7月17日〜平成10年6月30日事業年度の法人税の更正処分及び重加算税の賦課決定処分、平成12年7月1日〜平成13年6月30日事業年度の法人税に係る重加算税の賦課決定処分、平成12年7月1日〜平成13年6月30日課税期間の消費税及び地方消費税に係る重加算税の賦課決定処分/棄却)
平成14年12月19日裁決
相続税法関係
財産の評価/時価の意義
原処分庁が財産評価基本通達に基づき評価した土地の価額はその土地の時価を上回るとした事例(平成6年12月24日相続開始に係る相続税の更正の請求に対してされた更正処分/一部取消)
平成14年7月22日裁決
財産の評価/企業組合の出資の評価
財産評価基本通達196に定める評価方法は合理性を有すると認められるので、企業組合の出資の価額は同通達に定める評価方法に基づき評価するのが相当であるとした事例(平成10年8月11日相続開始に係る相続税の各更正処分及び無申告加算税の各賦課決定処分/棄却)
平成14年12月16日裁決
財産の評価/代償債権
延納の不許可
所有権の帰属につき係争中の不動産は相続税延納担保として不適格であるとしてされた延納申請却下処分は、適法であるとした事例(相続税の延納申請の却下処分/棄却)
平成14年12月4日裁決
物納財産の適否
物納申請がされた土地(分譲マンションの底地)について、相続税法第42条第2項ただし書にいう「管理又は処分をするのに不適当である」ものとは認められないとした事例(相続税の物納財産変更要求通知処分/全部取消)
平成14年10月8日裁決
小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例
請求人らのうちの一人とともに本件宅地上の建物に居住していた被相続人は、病院を退院後、相続開始の直前においては、長女の住所地に居住していたと認めるのが相当であるとして、本件宅地に小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例を適用することはできないとした事例(平成11年7月25日相続開始に係る相続税の各更正処分及び無申告加算税の各賦課決定処分/棄却)
平成14年12月5日裁決
消費税法関係
課税事業者の選択の届出
課税期間開始前2年以上の間に営業収入はなかったとしても、多額の課税仕入れが発生しているから、消費税法基本通達1−4−8の適用はなく、本件課税期間は、消費税法施行令第20条に規定する「課税資産の譲渡等に係る事業を開始した日の属する課税期間」に当たらないとした事例(平成10年8月1日〜平成11年7月31日課税期間の消費税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分/棄却)
平成14年11月6日裁決
みなし仕入率
請求人の営む事業は、消費税法施行令第57条第5項第4号に規定する第五種事業に該当するとした事例(平成9年8月1日〜平成12年7月31日各課税期間の消費税及び地方消費税に係る各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分/棄却)
平成14年9月30日裁決
登録免許税法関係
台帳価格がない建物の課税標準
台帳価格のない建物の保存登記に係る登録免許税の課税標準額について、建築価額相当額が妥当であるとする主張を認容した事例(登録免許税に係る還付通知の請求に対してされた還付通知をすべき理由がない旨の通知処分/全部取消)
平成14年11月22日裁決
過誤納金の還付通知/非課税登記
登録免許税を納付して登記を受けた後であっても一定の書類を添付した場合にはゆうじょ的に非課税規定の適用を認めるべきであるとの請求人の主張が排斥された事例(登録免許税に係る還付通知の請求に対してされた還付通知をすべき理由がない旨の通知処分/棄却)
平成14年11月11日裁決
住宅取得資金の貸付等に係る抵当権の設定登記
住宅取得資金の借換えのための貸付けに係る債権の担保のために受ける抵当権設定の登記に関する登録免許税については、租税特別措置法第74条の適用はないとした事例(登録免許税に係る還付通知の請求に対してされた還付通知をすべき理由がない旨の通知処分/棄却)
平成14年12月19日裁決
国税徴収法関係
譲渡担保財差の差押
集合債権譲渡担保契約に基づき譲渡された債権は譲渡担保財産として存続しているとして、国税徴収法第24条の譲渡担保権者に対する告知処分が適法であるとした事例(譲渡担保権者の物的納税責任に関する告知処分/棄却)
平成14年10月25日裁決