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示談金、和解金
- 利子所得
- 配当所得
- 不動産所得
- 事業所得
- 給与所得
- 退職所得
- 譲渡所得
- 一時所得
- 新株引受に伴う経済的利益
- 立退料
- 生命保険金
- 示談金、和解金(3件)
- 補償金
- 厚生年金基金の解散に伴う分配金
- 適格退職年金の解約一時金
- 株式の低価取得
- その他
- 雑所得
土地等の真正な所有権者が不法転売による取得者から当該土地等の所有権放棄の代償として受けた示談金は譲渡所得の収入金額に当たるとした事例
裁決事例集 No.14 - 49頁
請求人の所有していた土地及び建物(以下「本件物件」という。)の所有権名義は、不法行為により転々と移転し、最終的に請求人と登記名義人との間で、和解が成立した。これによると、請求人は本件物件の真実の所有者であるにもかかわらず、無効又は不正な登記を経て登記名義人となった者に対して真正な登記名義の回復を請求しないまま、示談金の名目で対価の支払を得て所有権を移転し、本件物件を引き渡したことが認められる。
このことは売買とは何ら異なるところはないものであるから和解に基づく示談金は、所得税法第33条第1項の規定による資産の譲渡に係る収入金額とするのが相当であり、租税特別措置法第31条を適用した原処分は相当である。
昭和52年6月9日裁決
裁判上の和解により買主である請求人が支払を受けた和解金を一時所得に該当するものであるとした事例
裁決事例集 No.23 - 28頁
不動産の売買契約に関する約定を当事者双方が履行しなかったことを原因としてなされた裁判上の和解により買主である請求人が支払を受けた和解金は、売買契約の合意解除に伴うものと同視できるから、本件不動産の売戻しがあったとして譲渡所得とすることは相当でなく、また、係争期間中の賃料及び金利相当分の損失を補てんするものであり、その実質は所得を得たのと同一の結果に帰着するから非課税とすることも相当でなく、その所得区分については、本件和解金が予期しない事情の発生により生じた一時的なもので、かつ、労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有しない臨時的、偶発的なものに当たることからして一時所得に該当する。
昭和57年3月26日裁決
隣接地のマンション建設工事に伴い収受した補償料名義の金員は一時所得に当たるとした事例
裁決事例集 No.26 - 51頁
請求人の所有に係る本件土地は、都市計画法の規定による近隣商業地域内にあり建築基準法等の規定による中高層建築物の高さについての制限も受けていないことから、本件建物の建築により具体的な土地の利用価値が低下したとする因果関係の存在は、明確でなく、仮に若干の土地の利用価値の低下があったとしても社会通念上、この程度のものは受忍すべき範囲内であると考えられ、また、建築業者と請求人との間に当該金員の授受の合意が行われるに際して日照阻害に基因する具体的な損害の予測やその額の見積りを行っていない事実から、隣接地のマンション建築工事に伴い授受した補償料の金員は本件建物の建設に反対を受けた建築業者が請求人の同意を受けるために支払った一種の紛争解決金とみるのが相当であり所得税法第34条に規定する一時所得に該当する。
昭和58年4月22日裁決