所得の種類

その他

  1. 利子所得
  2. 配当所得
  3. 不動産所得
  4. 事業所得
  5. 給与所得
  6. 退職所得
  7. 譲渡所得
  8. 一時所得
    1. 新株引受に伴う経済的利益
    2. 立退料
    3. 生命保険金
    4. 示談金、和解金
    5. 補償金
    6. 厚生年金基金の解散に伴う分配金
    7. 適格退職年金の解約一時金
    8. 株式の低価取得
    9. 一時所得と認めなかった事例
    10. その他(3件)
  9. 雑所得

交通事故による死亡を基因として支払われた自動車総合保険契約に基づく死亡保険金は、一時所得、みなす相続財産のいずれに該当するかが争われた事例

裁決事例集 No.58 - 79頁

 請求人は、長男の交通事故を基因とした自動車総合保険契約に基づく死亡保険金を取得したが、当該保険契約に係る保険料は、請求人の給料から天引きされて支払われているものの、死亡した長男の手帳等の記載内容からみて、長男が全額を負担していたことが認められることから、本件死亡保険金は、一時所得ではなく、みなす相続財産に該当する旨主張する。
 そこで、長男の手帳等の記載内容、長男の資力及び保険契約の経緯等を総合的に判断したところ、支払った保険料のうち一部については長男が負担したと認められ、本件死亡保険金のうち長男が負担していた保険料に対応する部分は、みなし相続財産に該当するから、原処分はその一部を取り消すべきである。
 なお、一時所得の金額の計算上控除する保険料の金額は、請求人が負担していた保険料のうち一時所得の収入金額に対応する部分の金額となる。

トップに戻る

住宅ローンの連帯債務者が、団体信用生命保険に加入していた他の連帯債務者の死亡により住宅ローン債務が消滅したことにより受けた経済的利益は、一時所得に当たるとした事例

裁決事例集 No.72 - 218頁

 請求人は、請求人の父の死亡に伴い、G銀行との間で請求人及び父を連帯債務者とする住宅ローン契約(以下「本件ローン契約」という。)の締結の際にG銀行が加入した、G銀行を保険契約者及び保険金受取人、父を被保険者とする団体信用保険契約(以下「本件団信保険契約」という。)により、本件ローン契約に係る債務は消滅したが、請求人と父との連帯債務の負担割合は、父が10割、請求人が零であるとする暗黙の合意(特約)があったから、請求人が負担すべき債務は一切存在せず、請求人には経済的利益は全くなく、一時所得は発生しない旨主張する。
 また、原処分庁は、1本件ローン契約により、請求人には負担すべき債務がある、2団体信用保険制度は、死亡事故を基因として、死亡時における賦払償還債務相当額の保険金が保険会社から債権者である金融機関に対して直接支払われるものであり、債務者が一旦保険金を受領し債務の返済に充てるものではないから、当該債務の消滅は債務の返済ではなく金融機関から債務免除を受けたものと解され、当該債務が連帯債務である場合には、被保険者を除く各連帯債務者が実質的に債務を負っている部分について債務免除を受けたことによる経済的利益(債務免除益)が生じたものとみるのが相当であるから、請求人がG銀行から受けた債務免除益相当額は、法人からの贈与により取得したものであり一時所得に該当する旨主張する。
 しかしながら、1請求人と父との間の負担付贈与契約は、債権者であるG銀行は当該負担付贈与契約を了知していないことから免責的債務引受とみることはできず、請求人と父との間でのローン債務の負担割合を変更したにとどまると認められ、また、2G銀行は本件団信保険契約に係る保険料を全額負担していること、G銀行は受け取った保険金は必ず被保険者の債務に充当するとしていること、被保険者は保険料を負担せず死亡による保険金を受け取る権利を有していないことなどからすれば、本件団信保険契約はG銀行の確実な債権回収を目的とした保険であると認めるのが相当である。
 したがって、被保険者の死亡時点における本件ローン契約の残債務全額に相当する経済的利益は、連帯債務であるという当該債務の性質により、各連帯債務者間における負担割合に応じて生じるものであって、債務免除によるものではなく、また、請求人は父の死亡時点において10割の負担割合を有する連帯債務者であると認められるから、請求人は本件ローン契約の残債務の全額に相当する経済的利益を享受したといえ、当該経済的利益は、営利を目的とする継続的行為から生じたものではなく、役務等の対価性もないから、一時所得に該当する。

トップに戻る

競馬の勝馬投票券の的中によって得た払戻金に係る所得は、一時所得に該当し、営利を目的とする継続的行為から生じた所得には該当しないとした事例

平成24年6月27日裁決

《ポイント》
 本事例は、競馬の勝馬投票券の的中によって得た払戻金に係る所得が、「営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得」に該当し一時所得となるか、これに該当せず雑所得となるか、また、競馬の勝馬投票券の払戻金に係る所得金額の計算において、年間を通じた馬券の購入金額の全額を控除できるか否かが争われたものである。

《要旨》
 請求人は、競走後にその内容と自らの予想を分析検討し、多種多様のファクターを組み合わせて着順を予想して払戻金を原資に継続的に毎週馬券を購入し、高確率で的中させて過去6年余にわたり毎年黒字の収益を確保していることから、請求人が購入した馬券の的中によって得た所得(本件競馬所得)は「営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得」という一時所得の課税要件に該当せず、雑所得である旨主張する。
 しかしながら、「営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得」とは、性質に基づき判断すべきものであって、所得源泉を有する所得以外の所得と解されるところ、所得源泉の有無は、所得の基礎に源泉性を認めるに足りる継続性、恒常性があるか否かが判断基準になると解するのが相当であり、本件競馬所得に係る所得の基礎は馬券を購入する行為であると認められ、その行為は、払戻金を得られるか否か分からない不確実な行為であるのみならず、競走ごとに独立した行為であると評価でき、本件競馬所得には、所得の基礎である馬券を購入する行為に、その源泉性を認めるに足りる継続性、恒常性を認めることはできず、たとえ馬券を継続的に購入したとしても、馬券を購入する行為から得られた所得が所得源泉を有する所得であると認めることはできない。したがって、本件競馬所得は一時所得と認めるのが相当である。
 また、請求人は、本件競馬所得の一時所得の計算において、的中しなかった馬券の購入費用も含め、年間を通じた馬券購入金の全額を所得税法第34条《一時所得》第2項に規定する「収入を生じた行為をするために直接要した費用」に該当するものとして総収入金額から控除すべきである旨主張する。しかしながら、一時所得の金額の計算において総収入金額から控除すべき金額は、個別対応的に収入を生じた行為又は原因ごとに直接支出した金額に限ると解するのが相当であり、本件競馬所得の計算において総収入金額から控除する金額は的中した馬券に係る購入金となる。

《参照条文等》
 所得税法第34条第1項、第2項

《参考判決・裁決》
 名古屋高裁金沢支部昭和43年2月28日判決(行集19巻1・2号297頁)

トップに戻る