収入金額

事業所得

  1. 資産の譲渡
  2. 収入すべき時期
    1. 配当所得
    2. 不動産所得
    3. 事業所得(6件)
    4. 給与所得
    5. 譲渡所得
    6. 一時所得
    7. 雑所得
  3. 収入金額の計算

外国特許事務に係る弁理士報酬の収入金額の確定の時期は依頼者の検収が終了した時点であるとした事例

裁決事例集 No.6 - 5頁

 人的役務の提供による収入金額の収入すべき時期は、原則として人的役務の提供を完了した日であるが、弁理士業務のうち外国特許事務に係る報酬については、慣習として現地代理人を通じて出願事務を行い、現地代理人の諸経費をも含めて請求しているので、依頼者の検収が終了した時点において請求額が確定するものと解するのが妥当であり、また、請求人は継続してこの計算基準を採用しているので、その計算を認めるのが相当である。

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歯列矯正装置の装着時に請求し、受領している矯正施術料は、その全額が請求の時の収入金額となるとし、3年間に配分すべきであるとする主張を排斥した事例

裁決事例集 No.30 - 17頁

 歯列矯正施術料の収入金額の計上について、請求人は、過去の診療実績に基づき3年間に配分すべきであると主張するが、本件矯正施術料は、請求人と患者との間において締結された治療契約により、歯列矯正装置を装着した時に患者に請求し、受領しているから、矯正装置を装着した時に収入すべき権利が確定したものと認めるのが相当である。

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不動産販売会社の外交員が売買契約の成立前に支給を受けた歩合について、事業所得の収入金額とならないとする更正の請求に相当の理由があるとした事例

裁決事例集 No.31 - 19頁

 請求人が外交員として勤務する不動産販売会社を売主、請求人を買主とする本件売買契約書は、請求人がノルマを履行して高率の歩合の支給を受ける一方、同社も歩合は支給するものの本件土地の販売権限を請求人にゆだねる趣旨で作成されたものと解されるところ、請求人は、結局本件土地を顧客にあっせんすることができなかったのであるから、本件売買契約書の作成に伴って同社から請求人に支給された金員は、歩合の前払金であり、請求人の事業所得に係る収入金額とすることはできない。

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医師の診療契約に基づく診療報酬債権は、患者に対して診療を行う都度、役務の提供が完了するものであり、医師が患者に対して診療を行った時期にその権利が確定すると解されるから、医師の事業所得の金額の計算上、診療報酬債権は、医師が診療を行った時期の属する年分の収入金額として計上すべきであるとした事例

裁決事例集 No.67 - 280頁

 請求人は、労働災害の認定を申請している患者及び公務災害の療養補償の支払の一時差止め決定を受けている患者に対する診療報酬債権は、労働災害が認定され、又は、差止め決定が取り消されて療養補償の支払が再開されるまでは診療の対価を請求し得る状況になったとはいえず、診療行為時に確定しているとはいえないから、診療を行った時期の属する年分の収入金額に計上すべきでない旨主張する。
 しかしながら、医師の診療契約に基づく診療報酬債権は、患者に対して診療を行う都度役務の提供が完了するものであり、医師が患者に対して診療を行うことにより、直ちに当該診療行為に相当する金額が定まる性質の権利、すなわち、役務の提供が完了した時点で当該役務に係る対価の額が確定し、それを請求することが可能となる権利であるから、診療行為時点で、医師が直ちに患者に対して診療報酬を請求するか否かによって、診療報酬債権の確定する時期が影響されるものではない。
 したがって、医師の診療報酬債権は、診療行為が属する年分の収入に計上すべきものであるから、この点に関する請求人の主張には理由がない。

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利息制限法に定める制限利率を超える部分の利息及び遅延損害金は、現実の支払があった時点において事業所得の総収入金額に算入すべきであり、未収の場合には、制限利率の部分のみ総収入金額に算入すべきであるとした事例

平成23年12月1日裁決

《ポイント》
 この事例は、利息制限法に定める制限利率を超える利率(制限超過利率)による貸付金に係る利息、遅延損害金につき、これらが不法な利得であり私法上無効であっても、それが現実に利得者の管理支配下にある場合には、課税の対象となるべきことを示した最高裁判決に則して、その収入計上時期及び収入金額について判断したものである。

《要旨》
 利息制限法による制限利率を超過する利率をもって金銭を貸し付け、利息、遅延損害金を収受している場合の収益計上について、現実に利息、遅延損害金が収受された場合には、当事者間において約定の利息、遅延損害金として授受され、貸主において当該制限超過部分が元本に充当されたものとして処理されることなく、依然として従前どおりの元本が残存するものとして取り扱っている以上、制限超過部分をも含めて、現実に収受された利息、遅延損害金の全部が貸主の所得として課税の対象となるものと解すべきである。
 また、利息、遅延損害金が未収の場合には、利息制限法による制限利率の限度においてその約定の履行期が到来する年分の収益として計上し、当該制限利率を超過する部分については、現実に受領しない限り、収益計上をすることはできない。
 なお、利息、遅延損害金が未収の場合において、それ以前に利息制限法による制限利率を超過する利息、遅延損害金の支払がされているときは、現実に元本に充当していたか否かに関わらず充当されたものとして、その残額(残元本)についてのみ利息、遅延損害金を生じることとなるのであって、当該残元本を基準にした制限利率の限度において収益計上をすることとなる。

《参照条文等》
 所得税法第33条第2項第1号、第36条第1項、第156条
 消費税法第6条第1項
 消費税法施行令第8条
 消費税法基本通達6−1−5
 国税通則法第68条第1項、第2項、第70条第5項

《参考判決・裁決》
 最高裁昭和46年11月9日第三小法廷判決(民集25巻8号1120頁)

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請負契約に係る収入金額の収入すべき時期は、役務の提供の完了した日とした事例

平成25年3月25日裁決

《要旨》
 原処分庁は、請求人が取引先に請負に係る報酬を請求した時に、収入すべき権利が確定したといえるから、請求人の事業所得の金額の計算上総収入金額に算入すべき金額は、その年中に請求人が取引先に請求した役務の提供に係る対価の合計額となる旨主張する。
 しかしながら、請求人と取引先との間の請負契約は、請求人及びその従業員が、取引先から指示されたブロックの溶接等を行うというものであるから、物の引渡しを要しない役務の提供を内容とする請負契約であると認められる。そして、取引先は、請求人の報酬を日々の作業時間から算出していたこと、また、請求人は既に完了した溶接等の報酬の支払を随時請求することができたことからすれば、請求人と取引先は、日々の役務の提供が完了するごとに報酬請求権が発生、確定する旨の請負契約を締結していたと認めるのが相当である。そうすると、請求人が取引先との間で締結した請負契約に基づく報酬請求権の収入すべき時期は、その役務の提供が完了した日の属する年分となり、本件各年分の事業所得の金額の計算上総収入金額に算入すべき金額は、それぞれ暦年の1月1日から12月31日までになされた役務の提供に係る対価の合計額となる。

《参照条文等》
 所得税法第36条

《参考判決・裁決》
 最高裁昭和53年2月24日第二小法廷判決(民集32巻1号43頁)
 大阪地裁昭和38年3月19日判決(行集14巻3号480頁)

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