必要経費

借入金利子

  1. 配当所得
  2. 不動産所得
  3. 事業所得
  4. 給与所得
  5. 山林所得
  6. 譲渡所得
  7. 一時所得
    1. 弁護士費用、訴訟費用
    2. 解約違約金
    3. 保険料等の金額
    4. 借入金利子(1件)
  8. 雑所得

死亡保険金に係る一時所得の金額の計算上、借入金利息の支払のための借入金及び当該借入金に係る抵当権設定費用等は収入を得るために支出した金額に該当しないとした事例

裁決事例集 No.79

 請求人は、1各変額保険契約の保険料の支払に充てる目的で借り入れた本件借入金の利息の支払のために締結した本件当座貸越契約に係る第二借入金は、当該各変額保険契約と別個独立のものではなく、一体のものとして捉えるべきであること、2本件借入金に係る本件長期総合ローン契約及び本件当座貸越契約の各融資契約につき本件借入金から支出した抵当権設定費用等は、当該各融資契約をしなければ変額保険契約に基づく本件保険金等を受け取ることができなかったものであるから、いずれも本件保険金等を得るために必要不可欠な支出であり、所得税法第34条第2項に規定する「その収入を得るために支出した金額」に該当する旨主張する。
 しかしながら、所得税法第34条第2項が、一時所得の金額の計算における控除の対象を、「収入を得るために支出した金額(その収入を生じた行為をするため、又はその収入を生じた原因の発生に伴い直接要した金額に限る。)」と規定している趣旨は、一時所得に係る支出には、収入が得られた時はその控除項目としての意味をもつと同時に、一種の消費支出としての側面があることから、一時所得に係る収入、支出については、収入を生じた各行為又は各原因ごとに個別対応的に計算し、その反面、収入を生じない行為又は原因に係る支出は控除項目から除外することにあると解される。
 このような趣旨にかんがみれば、「その収入を生じた原因の発生に伴い直接要した金額」とは、収入を得るために直接支出した金額など収入を生じた各原因ごとに直接支出した金額に限られると解するのが相当である。
 そうすると、本件当座貸越契約は、本件長期総合ローン契約とは別個独立の契約であり、本件当座貸越契約に係る利息債務は、本件当座貸越契約を前提として発生する債務であるから、本件当座貸越契約に係る利息の支払は、収入を生じた原因の発生、すなわち、本件保険金等に係る変額保険契約の締結とは直接の関連性を有しないというべきである。
 また、抵当権設定費用等は、いずれも、当該各融資契約の実行のために支出したものであり、これは、収入を生じない行為又は原因に係る支出であるから、そもそも控除項目に該当しないというべきである。

《参照条文等》
所得税法第34条第2項
所得税法施行令第183条第2項第2号

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