所得金額の計算

その他

  1. 収益の帰属事業年度
  2. 益金の額の範囲及び計算
  3. 損失の帰属事業年度
  4. 損金の額の範囲及び計算
    1. 売上原価
    2. 山林ぶ育費
    3. 有価証券の評価
    4. 固定資産の取得価額
    5. 減価償却資産の償却等
      1. 範囲
      2. 取得価額
      3. 事業の用に供した時期
      4. 耐用年数
      5. 損金処理
      6. リース取引
      7. 取引の時期
      8. その他(2件)
    6. 繰延資産の償却等
    7. 役員報酬、賞与及び退職給与
    8. 使用人給与、賞与及び退職給与
    9. 寄付金
    10. 外注費
    11. 海外渡航費
    12. 賃貸料、使用料
    13. 売上割戻し
    14. 弔慰金
    15. 支払利息
    16. 為替差損益
    17. 貸倒損失及び債権償却特別勘定
    18. 横領損失
    19. 損害賠償金
    20. 不動産取引に係る手数料等
    21. 福利厚生費
    22. 資産の評価損
    23. 燃料費、消耗品費
    24. 雑損失
    25. 使途不明金
    26. その他の費用
  5. 圧縮記帳
  6. 引当金
  7. 繰越欠損金
  8. 借地権の設定等に伴う所得の計算
  9. 特殊な損益の計算
  10. 適格合併

本件機械装置は、本件販売者において使用されていたというべきであり、「その製作の後事業の用に供されたことのないもの」に該当しないとした事例(平成27年4月1日から平成28年3月31日までの事業年度の法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分並びに平成27年4月1日から平成28年3月31日までの課税事業年度の地方法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分・棄却・平成29年10月31日裁決)

平成29年10月31日裁決

《ポイント》
 本事例は、租税特別措置法第42条の6第1項に規定する「その製作の後事業の用に供されたことのないもの」とは、その製作者及び取得した販売者において使用されたことのない、いわゆる新品であるものをいい、それに該当するかどうかは販売者等における業種、業態、その資産の構成及び使用の状況に係る事実関係を総合的に勘案して判断するとしたものである。

《要旨》
 請求人は、租税特別措置法(平成28年法律第15号による改正前のもの)第42条の6《中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除》第1項に規定する「その製作の後事業の用に供されたことのないもの」とは、その製作の後、製作者又は製作者から取得した者の下で固定資産として使用されたことのないものをいうとして、請求人が取得した機械装置(本件機械装置)は、製作された後請求人が取得するまでの間、1その販売者(本件販売者)の固定資産として使用されたことはなく、また、棚卸資産として管理されていて資産価値の減少はないこと、2本件販売者による1年間の保証の下、新品として取得したものであることから、本件機械装置は同項に規定する「その製作の後事業の用に供されたことのないもの」に該当する旨主張する。
 しかしながら、同項に規定する「その製作の後事業の用に供されたことのないもの」とは、その製作者及び取得した販売者(販売者等)において使用されたことのない、いわゆる新品であるものをいい、それに該当するかどうかは販売者等における業種、業態、その資産の構成及び使用の状況に係る事実関係を総合的に勘案して判断することとなる。本件機械装置は、製作された後、本件販売者において1年以上にわたり展示場での展示及び実演に供され、部品交換もされていたのであり、これらの事情を総合的に勘案すると、本件販売者において使用されていたというべきであり、「その製作の後事業の用に供されたことのないもの」に該当しない。

《参照条文等》
 租税特別措置法(平成28年法律第15号による改正前のもの)第42条の6第1項

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太陽光発電設備を囲むフェンス、門扉等は、当該発電設備とは別個の減価償却資産と認められ、その取得の日に事業の用に供されたと認められるとした事例(平成27年4月1日から平成28年3月31日までの事業年度の法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分、平成27年4月1日から平成28年3月31日までの課税事業年度の地方法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分・一部取消し・平成30年6月19日裁決)

平成30年6月19日裁決

《ポイント》
 本事例は、太陽光発電設備は、その取得の日を含む事業年度の末日において系統連系のための工事が完了していないから、当該事業年度に事業の用に供されたとは認められないが、当該発電設備とともに取得した同設備を囲むフェンス、門扉等は、その取得の日から機能を発揮しているから、当該事業年度に事業の用に供されたと認められ、特別償却の適用があるとしたものである。

《要旨》
 原処分庁は、太陽光発電設備(本件設備)を囲むフェンス、門扉等(本件フェンス等)は、本件設備とともに生産性向上設備等の確認を受けたのであり、単独では生産活動等の用に直接供される減価償却資産とは認められないから、請求人は本件フェンス等を本件設備と一体で取得し、一体で事業の用に供したとみるべきであり、本件設備について系統連系が行われて事業の用に供したのは、取得の日を含む事業年度の末日よりも後であるから、本件フェンス等は当該事業年度に事業の用に供していない旨主張する。
 しかしながら、本件フェンス等は本件設備とは物理的にも機能的にも一体とはいえず、別個の減価償却資産であると認められるところ、本件フェンス等は、太陽光発電所内への外部からの侵入を防止し、同発電所内での事故や本件設備の毀損、盗難等を避けることを目的として設置されたものと認められ、請求人が本件設備を取得してから系統連系が行われ売電を開始するまでの間も、本件フェンス等は本件設備を第三者による毀損や盗難から保護し、接触による感電事故等を防止する機能を発揮していたと認められるから、本件フェンス等はその取得の日から使用を開始され、事業の用に供されたと認めるのが相当である。

《参照条文等》
 法人税法第2条第23号、第31条第1項、法人税法施行令第13条
 租税特別措置法(平成28年法律第15号による改正前のもの)第42条の12の5第1項、第2項

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