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所得金額の計算

借地権の設定等に伴う所得の計算

  1. 収益の帰属事業年度
  2. 益金の額の範囲及び計算
  3. 損失の帰属事業年度
  4. 損金の額の範囲及び計算
  5. 圧縮記帳
  6. 引当金
  7. 繰越欠損金
  8. 借地権の設定等に伴う所得の計算(3件)
  9. 特殊な損益の計算
  10. 適格合併

借地権者が土地を転貸し保証金を受け入れた場合は「特に有利な条件による金銭の貸付けを受けた場合」に当たるとした事例

裁決事例集 No.6 - 26頁

 請求人は、その有する借地権を不特定の者に転貸し、転借人から権利金及び地代等の収入を得ているほか保証金を収受している。
 本件保証金は、契約終了時に返還することになっているが、この額は、年額地代の25年分余の多額な金額であり、契約期間の30年間は無利息で自由に運用できるものであるから、本件保証金の収受は、「特に有利な条件による金銭の貸付けを受けた場合」に当たると認めるのが相当である。
 したがって、本件保証金に係る利息相当分を土地の転貸の対価に加算したこと及びこれに対応する借地権の帳簿価額を損金の額に算入したことは相当である。

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借地上の建物の朽廃に伴う借地権の無償返還を認容した事例

裁決事例集 No.6 - 50頁

 本件借地上の建物は、保存登記がされていること等から仮設物ではなく、かつ、借地契約の当時、同地域には、借地権取引の慣行があったので、請求人は、借地権を取得していたものと認められる。
 しかし、本件土地の所有者と請求人との借地契約には借地期間の定めがなく、また、当該建物は無人のまま放置されており、老朽化していたと認められるので、借地期間の定めのない当該借地権は、建物の朽廃により消滅したとするのが相当である。

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建物をその敷地の借地権とともに取得した後、短期間のうちに建物を取り壊した場合、当該借地権につきいわゆる無償返還の届出がされていても、当該建物の取得代価及び取壊し費用は、借地権の取得価格を構成するとした事例

裁決事例集 No.41 - 211頁

 同一所有者に属する土地及び建物のうち建物のみが譲渡された場合には、特段の事情がない限り、当然に敷地に対する借地権の設定があったものと推認される。また、建物を敷地の所有権又は借地権とともに取得した後、短期間内に当該建物の除却に着手するなど当初からその建物を除却してその敷地を利用することが明らかである場合には、当該建物の取得代価又はその未償却残額及び取壊し費用は、実質的にその敷地の所有権又は借地権の対価的性質をもつとみられるから、その取得価額を構成する。
 なお、土地賃貸借契約において、契約期間満了及び解除による契約終了時に、土地所有者に対して借地人が借地権の対価その他の名目を問わず何らの金員を請求しない旨の特約があったとしても、それは借地人が借地権価額を回収し得ないというだけであって、これがため、借地権取得のために投下された金員が借地権の取得価額でないという理由とはならない。

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