青色申告

帳簿の備付け義務違背

  1. 青色申告承認の取消し
    1. 帳簿の備付け義務違背(4件)
    2. 帳簿の不実記載
    3. 無申告、期限後申告
    4. 理由付記

青色申告に係る帳簿書類の提示に応じないことは青色申告承認の取消事由に該当するとした事例

裁決事例集 No.16 - 37頁

 法人税の調査のため原処分庁の職員が5回にわたり請求人の事務所に臨場して、青色申告に係る帳簿書類の提示を求めたにもかかわらず、これに応じないことは、法人税法第126条に規定する帳簿書類の備付け、記録及び保存がないというべきであるから、当該書類の不提示は同法第127条第1項第1号に規定する青色申告承認の取消事由に該当すると解するのが相当である。

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青色申告に係る帳簿書類の提示に応じないことは青色申告承認の取消事由に該当するとした事例

裁決事例集 No.21 - 159頁

 青色申告法人の帳簿書類の備付け、記録及び保存の義務は、税務署の担当職員が調査のため必要とする場合にはその帳簿書類を担当職員に提示すべき義務を当然包含するものと解すべきであり、また、青色申告法人が、税務署の担当職員の調査上の必要に基づく帳簿書類の提示要求に対し、正当な理由なくこれに応じない場合には、結局その帳簿書類の備付け、記録又は保存がないこととなり、法人税法第127条第1項第1号に規定する青色申告の承認の取消事由に該当するものと解されるところ、請求人は調査の際に原処分庁の担当職員に対し、帳簿書類を一時的に提示したが、その提示も調査の目的が十分に達成されないまま一方的に中断され、その後、帳簿書類は何ら提示されなかったのであるから、このような提示は極めて不十分であり、結局帳簿書類が提示されなかったのと同視すべきものと認められるから、請求人の青色申告の承認を取り消した原処分は相当である。

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帳簿書類の不提示が青色申告承認取消事由に該当するとした事例

裁決事例集 No.33 - 132頁

 青色申告法人は、帳簿書類の備付け等の義務を負うのはもちろんのこと、これと不即不離の関係にある帳簿書類を提示する義務を負っていると解するのが相当であり、たとえ、帳簿書類の備付け等を適正に行っていたとしても、担当職員の帳簿書類の提示の求めに応じない場合には、その帳簿書類が当時どのような状態にあったかにかかわりなく、帳簿書類等の備付け等を法令の規定に従って行っていないと評価すべきであるから、法人税法第127条第1項第1号に規定する青色申告の承認の取消事由に該当する。

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豪雨により水浸しになった帳簿を誤って廃棄した場合には、やむを得ない事由があるから青色申告の承認の取消は裁量権を逸脱した違法なものであるとの請求人の主張を排斥した事例

裁決事例集 No.42 - 147頁

 請求人主張の経緯で帳簿が紛失したとしても、請求人は帳簿書類を防水措置を講ずることなく収納していた等、日ごろから帳簿書類の保存について十分な配慮をしていたとはいえず、漏水で帳簿が水浸しになった後も適切な措置を講じていなかったことなどからすると、本件帳簿の紛失は、請求人の責めに帰することのできないやむを得ない事由に基づくものとはいえない。

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