贈与税の課税財産の範囲

みなす贈与財産

  1. 贈与財産の範囲
  2. 贈与事実の認定
  3. 課税財産
    1. みなす贈与財産(4件)
    2. 負担の控除
    3. 配偶者控除

代物弁済によって取得した財産の価額と債権の額との差額は贈与に当たるとした事例

裁決事例集 No.2 - 29頁

 請求人は債権回収の方法として、かねて抵当権を設定していた土地の譲渡を受けたのであるが、その土地の価額は、債権額を著しく超えているから、その差額に相当する部分について、請求人が贈与を受けたものとみなし、贈与税を課した原処分は相当である。

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増資割当てを超える新株引受権の割当てを受けたことは他の株主から新株引受権相当額の利益を受けたことになるとした事例

裁決事例集 No.7 - 44頁

 同族会社の増資に当たり、取締役会の決議では新株について公募することとしながら、実際には同族関係者に新株引受権の割当てが行われ、かつ、請求人が増資による割当て分を超えて親族である他の株主の新株引受権の割当てを受けていることは、当該親族の新株引受権に相当する利益を享受したものと認めるのが相当である。

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競走馬の譲渡価額のうち正常価額を超える部分の金額は贈与に当たるとした事例

裁決事例集 No.28 - 281頁

 請求人は、その所有する競走馬が、故障馬でその価額が著しく低いものであることを認識していながら、親子という関係を利用して請求人の父に極めて高額で譲渡しているから、父が第三者に転売したときの価額を超える金額は父から贈与を受けたものと認めるのが相当である。

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無利息の金銭借入れにおいて、利息相当額の経済的利益の額を贈与により取得したとみなして贈与税の課税をすることは所得税との二重課税とならず適法であるとした事例

裁決事例集 No.37 - 241頁

 請求人はその経営する自動車学校の運営資金に充てるため請求人の父から無利息の約定で昭和53年から昭和60年まで金銭を借り入れたが、当該利息相当額は、事業所得の計算上必要経費に算入しておらず、その額だけ事業所得の金額が多く算出された結果となっているから、利息相当額の経済的利益の額を贈与により取得したとみなして贈与税の課税をすることは所得税との二重課税となり違法である旨主張するが、贈与税は取得した財産を課税対象としており、資産の運用益等、すなわち、所得を課税対象とする所得税とはおのずからその課税対象を異にするものであり、また、本件経済的利益の額は事業所得の収入金額には加算されておらず、所得税は課税されていないのであるから、二重課税であるとの請求人の主張は採用できない。

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