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私道
- 評価の原則
- 土地及び土地の上に存する権利
- 家屋及び庭園設備
- 動産
- 取引相場のない株式
- 出資の評価
- 預貯金
- 貸付金債権等
- 預託金制のゴルフ会員権
- 施設建築物の一部の給付を受ける権利
- 構築物
土地(私道)が不特定多数の者の通行の用に供されていたとは認められないからその土地の価額は自用宅地の価額の60パーセントに相当する金額により評価することが相当であるとした事例
裁決事例集 No.35 - 165頁
通り抜けできない道路のように、専らその道路に面する敷地の利用者のための通行の用に供される私道は、その私道又はそれに面する土地が同一人の所有に帰属することとなった場合には、その用途を変更してその隣接する土地に包含され、道路でなくなる可能性を有しており、私有物として所有者の意思に基づき処分の可能性を留保しているところから課税対象財産となるのであるが、その使用収益にある程度の制約を受けているという事情を考慮すると、その私道に面する土地の利用状況等に応じて計算した価額の100分の60に相当する金額により評価することが相当と認められる。
昭和63年3月16日裁決
路線価の付されていない私道に接する宅地の価額は、その私道と状況が類似する付近の道路に付された路線価に比準してその私道の仮路線価を評定し、その仮路線価に基づき計算した価額によって評価するのが相当であるとした事例
裁決事例集 No.42 - 229頁
請求人は、本件私道に付される仮路線価は、いわゆる「基準価額」と同額とすべきである旨主張するが、この「基準価額」は、本件私道そのものが宅地であるとした場合の1平方メートル当たりの価額であるから本件私道の仮路線価とすることは相当ではない。
そこで、本件私道の仮路線価は、本件私道と状況が類似する本件私道の北側に位置する道路に付された路線価を基として、道路の幅員、舗装の状況などの物理的状況及び上下水道、都市ガスの付設の有無などの経済的状況等を比較検討して求めるのが相当と認められる。
したがって、本件宅地の価額は、以上の方法によって求められた本件私道の仮路線価を基に算定すべきである。
平成3年12月18日裁決
私道の評価において、一方が行き止まりのいわゆる袋小路であるにもかかわらず、不特定多数の者が通行の用に供されているとした鑑定評価額は採用できず、財産評価基本通達に定める評価額が適当であるとした事例
《ポイント》
この事例は、評価対象地の地目は公衆用道路であるとしても、当該評価対象地は、道路交通法による位置指定道路(その維持管理は原則として所有者に任され、処分権が所有権に属し、抵当権の設定等も可能)であり、不特定多数の者の通行の用に供されていない部分の評価額は零円とはならないと判断したものである。
《要旨》
請求人らは、本件土地について不動産鑑定士が作成した不動産鑑定評価書(本件鑑定書)における鑑定評価額は零円(本件鑑定評価額)であって、この価額が本件土地の客観的な交換価値を示すものであるから、本件土地の価額は、本件鑑定評価額を基礎とすべきである旨主張する。
しかしながら、本件鑑定書においては、本件土地が不特定多数の者の通行の用に供されている私道であることを前提に鑑定評価が行われているが、本件土地の大部分は一方が行き止まりのいわゆる袋小路であり、専ら本件土地に隣接する土地上の居宅及びアパートの居住者という特定の者の通行の用に供されているものと認められることからすると、本件鑑定書は本件土地を評価する上で前提となる事実の評価を誤ったものであり、その内容に合理性があると認めることはできず、本件鑑定評価額が本件土地の客観的な交換価値を示しているということはできない。また、ほかに本件土地の価額を評価するに当たって財産評価基本通達の定めによることが著しく不適当と認められる特別な事情があるとは認められないから、本件土地の価額は同通達の定めにより算定される評価額をもって時価とすることが相当である。
なお、本件土地の一部については、不特定多数の者の通行の用に供されているものと認められるから、その部分の価額は評価しない。
《参照条文等》
財産評価基本通達24