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不服審査及び訴訟の特例

滞納処分に関する不服申立て等の期限の特例

  1. 滞納処分に関する不服申立て等の期限の特例(3件)

配当計算書の更正がなされている場合における配当処分に対する不服申立ては不服申立期限を徒過した不適法なものであるとした事例

裁決事例集 No.29 - 182頁

 配当計算書の配当金額を更正した場合には、請求人主張のとおり、配当処分に対する不服申立期限となる換価代金の交付期日を併せて更正すべきであるとしても、当該更正後の換価代金の交付期日は、国税徴収法第132条第2項の規定により、配当計算書更正通知書を発送した日から起算して7日を経過した日である昭和59年3月26日になるところ、請求人が異議申立書を提出したのは同年4月5日であるから、いずれにしても、請求人の異議申立ては、不服申立ての期限後になされたものであることになり、また、本件配当手続の終了後になされたものであるから、不当利得返還請求訴訟を提起するのはともかく、異議申立ての利益を欠く不適法なものといわざるを得ない。
 したがって、異議申立てが不適法である以上、本件審査請求は不適法なものとなる。

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配当処分に係る審査請求は、不服申立期限である換価代金等の交付期日を徒過してなされたものであるが、換価代金等の交付期日について原処分庁がその期間を短縮したことは適法とはいえないとして、配当計算書謄本受領後早期になした審査請求を適法なものとして扱うのが相当であるとした事例

裁決事例集 No.71 - 767頁

 本件配当処分は平成17年11月7日に行われているところ、換価代金等の交付期日は国税徴収法(以下「徴収法」という。)第132条第2項ただし書の規定に基づき平成17年11月7日に短縮されている。したがって、本件配当処分に係る審査請求は、同法第171条第1項第4号に規定する換価代金等の交付期日後の同月10日であることから、不服申立ての期限を徒過している。
 しかし、徴収法第132条第2項ただし書が期間の短縮を認めているのは、配当を受ける者等が差押権者、交付要求権者及び滞納者のみである場合には、特に異議を申し立てるのに必要な事項を調査するための期間をおく必要がないことから、行政庁の裁量によりその期間を短縮することを認めることとしたものであり、交付要求権者や滞納者の不服申立ての機会を奪うものではない。したがって、その短縮する期間は、これらの者が不服申立てをするのに必要な期間が保障されていることを要すると解するべきである。
 これを本件についてみると、配当計算書の作成日と同日を換価代金等の交付期日としていることから、その交付期日は、滞納者の不服申立ての機会を奪うものといわざるを得ず、徴収法第132条第2項の趣旨からもはや適法な短縮とはいいがたく、手続的違法が認められる。そして、審査請求人は、配当計算書の謄本を受領後、早期に審査請求をしていることが認められる。
 したがって、本件配当処分に対する審査請求は、これを適法なものと扱うのが相当である。

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不服申立ての期限の特例の適用がある換価代金等の配当処分に対する審査請求については、不服申立期間の延長を定めた国税通則法第77条第1項ただし書(正当な理由)の適用はないとした事例

平成29年12月6日裁決

《要旨》
 国税徴収法第171条《滞納処分に関する不服申立て等の期限の特例》第1項第4号は、換価代金等の配当処分に関し欠陥があることを理由としてする不服申立ては、国税通則法第77条《不服申立期間》の規定にかかわらず、換価代金等の交付期日まででなければすることはできない旨規定しているところ、当該特例が定められた趣旨は、滞納処分手続の安定を図り、かつ、換価手続により権利を取得し、又は利益を受けた者の権利、利益を保護しようとすることにあるものと解される。
 したがって、換価代金等の配当処分に関し欠陥があることを理由とする審査請求には、国税通則法第77条第1項ただし書(正当な理由があるとき)の適用はないと解するのが相当であり、本審査請求は、法定の不服申立てができる期限を経過した後にされた不適法なものである 。

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