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平成26事務年度国税庁が達成すべき目標に対する実績の評価書(抜粋)

業績目標1-3-3:不服申立てへの取組(不服申立てに適正・迅速に対応し、納税者の正当な権利利益の救済を図ります。)

1. 業績目標の内容

国税における不服申立制度は、簡易・迅速な手続により納税者の正当な権利利益の救済を図るとともに、行政の適正な運営を確保することを目的とするものであり、税務行政の適正な執行を担保する上で重要な役割を果たしています。
 納税者の理解と信頼を得るよう、不服申立ての適正かつ迅速な処理を目指すとともに、より利用しやすい環境の整備を図ります。
 また、平成26年6月に、公正性・使いやすさの向上の観点から、行政不服審査法が改正され、それに伴い国税通則法も改正されたことから、施行に向けて必要な準備を行います。

2. 評定の概要

(1)業績目標の評定

「B 進展が大きくない」

(2)施策の評定

○ 業1-3-3-1:不服申立ての適正・迅速な処理

「b 進展が大きくない」

〔定量的な測定指標の達成度〕

  • [主要]業1-3-3-1-A-1 「異議申立て」の3か月以内の処理件数割合 「○」
  • [主要]業1-3-3-1-A-2 「審査請求」の1年以内の処理件数割合 「×」
○ 業1-3-3-2:裁決事例の公表の充実

「s 目標達成」

〔定性的な測定指標の達成度〕

  • [主要]業1-3-3-2-B-1 裁決事例の公表の充実 「○」

3. 目標達成のための取組(施策ごとの内容)

○ 業1-3-3-1 不服申立ての適正・迅速な処理

(1)異議申立て

(省略)

(2)審査請求

国税不服審判所における審査請求の処理に当たっては、適正さを担保するために、審査請求人に「審査請求よくある質問」(パンフレット)などを用いて審理の手続を説明し、審査請求人と処分を行った税務署長等の双方の主張を十分に聴いた上で争点の確認表を作成・交付するなど、審理の手続や審理状況の透明性に十分配意しました。
 また、納税者の正当な権利利益の救済を迅速に図ることも制度の目的の一つであることから、国税不服審判所では審査請求の1年以内の処理件数割合を測定指標とし、平成26年度においては、これまでの実績値を踏まえて95%を目標として取り組みました。

平成26年度においては、前年度から繰り越された2,570件(前年2,788件)と新たに審査請求のあった2,030件(前年2,855件)のうち、2,980件(前年3,073件)を処理しました。しかしながら、刑事事件に関連するもので、調査・審理に必要な証拠書類等が検察庁等に保管され、調査・審理の進行に支障を来たした事件などがあり、これらの事件の処理期間が目標である1年を超える結果となったため、審査請求から1年以内に処理した件数は、2,748件(前年2,956件)となり、審査請求の1年以内処理件数割合は92.2%(前年96.2%)と目標を達成することができませんでした。
 審査請求の処理期間は、事件の内容などによって左右されますが、簡易・迅速な手続により納税者の正当な権利利益の救済を図るという不服申立制度の趣旨を踏まえ、今後も審査請求の当事者双方の主張に十分耳を傾けつつ、個々の事件の態様に応じた進行管理の徹底を図り、適正かつ迅速な裁決に努めます。
 なお、平成26年度においては、平成26年7月に民間専門家を14名採用し、事件を担当する国税審判官の半数程度(50名程度)が外部登用者となっています。

定量的な測定指標 [主要] 業1-3-3-1-A-2 「審査請求」の1年以内の処理件数割合
(単位:%)
会計年度 平成22年度 23年度 24年度 25年度 26年度
目標値 90 90 95 95 95
実績値 93.2 96.9 96.2 96.2 92.2

(出所)国税不服審判所調

参考指標 1-3-3-2:審査請求の状況
(単位:件、%)
会計年度 平成22年度 23年度 24年度 25年度 26年度
期首繰越件数 2,827 2,194 2,808 2,788 2,570
請求件数 3,084 3,581 3,598 2,855 2,030
処理件数 3,717 2,967 3,618 3,073 2,980
  請求認容件数 479 404 451 236 239
請求認容割合 12.9 13.6 12.5 7.7 8.0
期末繰越件数 2,194 2,808 2,788 2,570 1,620

(出所)国税不服審判所調

(注) 「請求認容件数」は、「処理件数」のうち審査請求人の主張が何らかの形で受け入れられたものの件数です。

○ 業1-3-3-2 裁決事例の公表の充実

平成26事務年度においては、平成25事務年度に引き続き四半期ごとに裁決事例の公表を行い、平成26年7月から平成27年6月までの間に新たに50事例を国税不服審判所のホームページ(https://www.kfs.go.jp)に掲載して公表しました。その結果、ホームページにおいては、平成4年から26年までにされた裁決の中から1,587事例を掲載しています。
 また、裁決事例の公表に当たっては、裁決事例ごとに参考判例を付記することなどにより、公表事例がより有用なものとなるよう、その充実に努めました。

参考指標 1-3-3-3:国税不服審判所ホームページへのアクセス件数
(単位:千件)
会計年度 平成22年度 23年度 24年度 25年度 26年度
アクセス件数 1,132 1,229 1,349 1,473 1,277

(出所)国税不服審判所調

(注) 国税不服審判所ホームページには、公表裁決事例のほか、裁決要旨(平成8年7月以降のもの)、国税不服審判所の概要や国税の不服申立制度について掲載しています。

3. 目標を巡る現状・外部要因等の動向

(1)国税に関する法律に基づく処分についての納税者の救済制度には、処分庁に対する異議申立て及び国税不服審判所に対する審査請求のほかに、裁判所に対して訴訟を提起して処分の是正を求める司法上の救済制度がありますが、訴訟の状況については、次のとおりとなっています。

参考指標 1-3-3-4:訴訟の状況
(単位:件、%)
会計年度 平成22年度 23年度 24年度 25年度 26年度
期首係属件数 373 369 380 337 299
発生件数 350 391 340 290 237
終結件数 354 380 383 328 280
  原告勝訴件数 27 51 24 24 19
原告勝訴割合 7.6 13.4 6.3 7.3 6.8
期末係属件数 369 380 337 299 256

(出所)課税部審理室、徴収部徴収課、国税不服審判所調

(注)「原告勝訴件数」は、「終結件数」のうち原告(納税者)の主張が何らかの形で受け入れられたものの件数です。

(2)平成26年6月に、行政不服審査制度の公正性・使いやすさの向上の観点から、行政不服審査法が改正され、それに伴い国税通則法も改正されたことから、円滑な施行に向けて法令解釈通達の改正、事務マニュアルの改正及び納税者への広報等に適切に取り組みます。

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