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国税審判官(特定任期付職員)からのメッセージ

西村 真由美

氏名
西村 真由美
(弁護士出身)
経歴
平成23年12月
弁護士登録
平成30年7月
大阪国税不服審判所京都支所
国税審判官として採用
令和元年7月
大阪国税不服審判所に異動

Q1 国税審判官(特定任期付職員)の募集に応募したきっかけを教えて下さい。

A 法律事務所での勤務の後、他の行政機関での特定任期付職員としての経験を経て、法に基づく行政の実現において弁護士が果たすべき役割の大きさを感じていました。
 そのような中で、弁護士会主催の国税審判官(特定任期付職員)の募集説明会に参加し、課税処分等についての不服を公正な第三者的立場で審理するとともに、行政機関としての最終判断を行う審判所は、官民における自身の経験を生かすことができる場であると考え応募しました。

Q2 国税審判官として審判所でどのような業務を担当していますか。

A 私が現在所属する部門は専門部ではなく、所得税、法人税、相続税の資産評価のほか、徴収事案等、税目に関係なく多様な事案を扱っています。また、担当以外の事案に関与することもあるため、幅広い税目の審理に携わることができます。
 この他、審判所内部や弁護士会等の外部に向けた研修の講師を務めるなど、国税審判官(特定任期付職員)の仕事は多岐にわたります。

Q3 弁護士としての知識や経験が、国税審判官の業務にどのように活かされていると感じていますか。

A 弁護士として、時に必ずしも簡潔明瞭ではない依頼者の相談を、要件事実に沿った法的主張として構成し、文書に落とし込む能力は、国税審判官として、課税等要件事実に沿って争点及び主張を整理する上でも必要となってきます。
 また、審理において、税法をはじめとする法律知識はもちろん必要ですが、それ以上に大切となるのが、要件事実の考え方を理解した上で、証拠を適切に評価して、課税等要件事実に沿って的確に事実認定を行う力です。これは、司法研修所や実務において研さんを積んできた弁護士出身者が最も力を発揮できる分野であると感じます。

Q4 審判所の職場環境(執務環境や研修など)について感じていることを教えて下さい。

A 審判所の合議においては、国税局等から出向してきた職員や弁護士等の国税審判官(特定任期付職員)など多様なバックグラウンドを持った構成員により、さまざまな角度から活発な議論が行われ、日々新たな発見があります。加えて、私が勤務する支部では、裁判官や裁判所書記官が出向し在籍しており、簡潔明瞭な議決書の作成に向けて助言・指導をもらうことも多々あり、弁護士としての成長につながっていると感じます。
 また、国税審判官(特定任期付職員)が担当する事案の件数は、タイミングや勤務地により異なってきますが、スケジュール感を持ちつつも一件一件の事案とじっくり向き合うことができ、ひたすら事案に追われるというようなこともありません。

Q5 国税審判官となって、良かったと思うことを教えてください。

A 証拠から事実を認定して法律を適用するという作業は、弁護士業務においても主張を組み立てる前提で必要不可欠であり、そのような意味で弁護士としての職務経験がそのまま生かされます。その一方で、第三者の立場から証拠と法律を基に結論を導くという作業には、弁護士業務とは異なる楽しさを感じます。また、審判所には職権調査権限がありますので、事案解明のために適切に証拠収集をしなければならないという責任とやりがいがあります。何より、クライアントの利益を離れて、公正な判断機関として事案と向き合うことは、他では得難い貴重な経験となります。

Q6 国税審判官(特定任期付職員)に応募する方へのメッセージをお願いします。

A 独立してご自身の事務所を経営している先生方はもちろん、法律事務所や組織に勤務されている先生方であっても、国税審判官(特定任期付職員)としてこれまでのキャリアとは異なる道を選択することに少なからず不安を覚えるのではないかと思います。しかしながら、現職の特定任期付職員やOBの先生方からは、国税審判官(特定任期付職員)を経験しておいて良かった、任期終了後に弁護士として活躍する場が広がったという声を多く耳にします。私自身、弁護士の役割が多様化する中で、審判所で得た知識・経験は、今後、クライアントのみならず、他の組織や行政機関のためにも広く活用できるものと確信しております。キャリアアップをお考えの先生方は、是非、国税審判官としてご自身のお力を活用してみませんか。

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