別紙4 関係法令の要旨

1 調査手続(争点1)について

(1) 国税通則法(平成26年法律第10号による改正前のものをいい、以下「通則法」という。)第24条《更正》は、税務署長は、納税申告書の提出があった場合において、その納税申告書に記載された課税標準等又は税額等の計算が国税に関する法律の規定に従っていなかったとき、その他当該課税標準等又は税額等がその調査したところと異なるときは、その調査により、当該申告書に係る課税標準等又は税額等を更正する旨規定している。

(2) 通則法第74条の3《当該職員の相続税等に関する調査等に係る質問検査権》第1項第1号イは、税務署の当該職員(以下「当該職員」という。)は、相続税に関する調査について必要があるときは、相続税法の規定による相続税の納税義務がある者又は納税義務があると認められる者(以下「納税義務がある者等」という。)に質問し、納税義務がある者等の財産に関する帳簿書類その他の物件を検査し、又は当該物件の提示若しくは提出を求めること(以下「質問検査等」という。)ができる旨規定している。

(3) 通則法第74条の9《納税義務者に対する調査の事前通知等》第1項は、税務署長は、当該職員に納税義務者に対し実地の調査において質問検査等を行わせる場合には、あらかじめ、当該納税義務者(当該納税義務者について税務代理人がある場合には、当該税務代理人を含む。)に対し、その旨及び同項各号に掲げる事項を通知するものとする旨規定している。

(4) 通則法第74条の9第3項第1号は、同条において、納税義務者とは、同法第74条の3第1項第1号イに掲げる者をいう旨、また、同法第74条の9第3項第2号は、同条において、税務代理人とは、税理士法(平成26年法律第10号による改正前のもの。以下同じ。)第30条《税務代理の権限の明示》の書面を提出している税理士等をいう旨、それぞれ規定している。

(5) 通則法第74条の11《調査の終了の際の手続》第2項は、国税に関する調査の結果、更正決定等をすべきと認める場合には、当該職員は、納税義務者(同法第74条の9第3項第1号に掲げる納税義務者をいう。同法第74条の11において同じ。)に対し、その調査結果の内容(更正決定等をすべきと認めた額及びその理由を含む。)を説明するものとする旨規定している。

(6) 通則法第74条の11第5項は、実地の調査により質問検査等を行った納税義務者について同法第74条の9第3項第2号に規定する税務代理人がある場合において、当該納税義務者の同意がある場合には、当該納税義務者への同法第74条の11第2項に規定する説明に代えて、当該税務代理人への説明を行うことができる旨規定している。

2 不動産の帰属(争点2)について

(1) 相続税法(平成27年法律第9号による改正前のもの。以下同じ。)第1条の3《相続税の納税義務者》第1号は、相続又は遺贈(贈与をした者の死亡により効力を生ずる贈与を含む。以下同じ。)により財産を取得した個人で当該財産を取得した時においてこの法律の施行地に住所を有するものは、相続税を納める義務がある旨規定している。

(2) 相続税法第9条は、同法第5条《贈与により取得したものとみなす場合》から同法第8条まで及び同法第3節《信託に関する特例》に規定する場合を除くほか、対価を支払わないで利益を受けた場合においては、当該利益を受けた時において、当該利益を受けた者が、当該利益を受けた時における当該利益の価額に相当する金額を当該利益を受けさせた者から贈与により取得したものとみなす旨規定している。

(3) 相続税法第19条《相続開始前3年以内に贈与があった場合の相続税額》第1項は、相続又は遺贈により財産を取得した者が当該相続の開始前3年以内に当該相続に係る被相続人から贈与により財産を取得したことがある場合においては、その者については、当該贈与により取得した財産の価額を相続税の課税価格に加算した価額を相続税の課税価格とみなし、同法第15条《遺産に係る基礎控除》から同法第18条《相続税額の加算》までの規定を適用して算出した金額をもって、その納付すべき相続税額とする旨規定している。

3 債務控除(争点4)について

(1) 相続税法第13条《債務控除》第1項第1号は、相続又は遺贈(包括遺贈及び被相続人からの相続人に対する遺贈に限る。以下この条において同じ。)により財産を取得した者が同法第1条の3第1号の規定に該当する者である場合においては、当該相続又は遺贈により取得した財産については、課税価格に算入すべき価額は、当該財産の価額から被相続人の債務で相続開始の際現に存するもの(公租公課を含む。)の金額のうちその者の負担に属する部分の金額を控除した金額による旨規定している。

(2) 相続税法第14条第1項は、同法第13条の規定によりその金額を控除すべき債務は、確実と認められるものに限る旨規定している。

4 過少申告加算税(争点5)について

(1) 通則法第65条《過少申告加算税》第1項は、期限内申告書が提出された場合において、修正申告書の提出又は更正があったときは、当該納税者に対し、その修正申告又は更正に基づき納付すべき税額に100分の10の割合を乗じて計算した金額に相当する過少申告加算税を課する旨規定している。

(2) 通則法第65条第5項は、同条第1項の規定は、期限内申告書の提出後に修正申告書の提出があった場合において、その提出が、その申告に係る国税についての調査があったことにより当該国税について更正があるべきことを予知してされたものでないときは、適用しない旨規定している。

(3) 税理士法第2条《税理士の業務》第1項は、税理士は、他人の求めに応じ、租税に関し、同項各号に掲げる事務を行うことを業とする旨規定し、同項第1号は、税務代理を掲げ、税務代理とは、税務官公署に対する租税に関する法令若しくは行政不服審査法の規定に基づく申告、申請、請求若しくは不服申立て(以下「申告等」という。)につき、又は当該申告等若しくは税務官公署の調査若しくは処分に関し税務官公署に対してする主張若しくは陳述につき、代理し、又は代行することをいう旨規定している。

(4) 税理士法第30条は、税理士は、税務代理をする場合においては、財務省令で定めるところにより、その権限を有することを証する書面を税務官公署に提出しなければならない旨規定している。

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