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(平4.3.11、裁決事例集No.43 33頁)
《裁決書(抄)》
1 事実
(1) 審査請求人(以下「請求人」という。)は、昭和61年分、昭和62年分及び昭和63年分(以下「各年分」という。)の所得税の確定申告書に次表のとおり記載して、それぞれ法定申告期限までに申告した。
年分 項目 |
昭和61年分 | 昭和62年分 | 昭和63年分 | |
---|---|---|---|---|
総所得金額 | 10,765,421 | 14,133,860 | 12,849,350 | |
内訳 | 事業所得の金額 | 9,255,421 | 10,793,860 | 10,555,110 |
不動産所得の金額 | 1,260,000 | 1,440,000 | 1,294,240 | |
配当所得の金額 | 250,000 | 1,900,000 | 1,000,000 | |
納付すべき税額 | 2,476,400 | 3,424,200 | 2,812,400 |
(2) その後、請求人は、昭和63年8月16日に、昭和61年分及び昭和62年分の所得税について次表の「修正申告」欄のとおり記載した修正申告書を提出した。
これに対し、原処分庁は、昭和63年9月30日付で、次表の「更正」欄のとおり減額の更正をした。
年分 項目 |
昭和61年分 | 昭和62年分 | |||
---|---|---|---|---|---|
修正申告 | 更正 | 修正申告 | 更正 | ||
総所得金額 | 10,874,321 | 10,765,421 | 14,252,660 | 14,133,860 | |
内訳 | 事業所得の金額 | 9,255,421 | 9,255,421 | 10,793,860 | 10,793,860 |
不動産所得の金額 | 1,368,900 | 1,260,000 | 1,558,800 | 1,440,000 | |
配当所得の金額 | 250,000 | 250,000 | 1,900,000 | 1,900,000 | |
納付すべき税額 | 2,520,000 | 2,476,400 | 3,477,800 | 3,424,200 |
(3) 更に、原処分庁は、平成元年6月30日付で、昭和62年分及び昭和63年分の所得税について請求人から更正の請求等に基づき次表のとおり減額の更正をした。
年分 項目 |
昭和62年分 | 昭和63年分 | |
---|---|---|---|
総所得金額 | 14,133,860 | 12,849,350 | |
内訳 | 事業所得の金額 | 10,793,860 | 10,555,110 |
不動産所得の金額 | 1,440,000 | 1,294,240 | |
配当所得の金額 | 1,900,000 | 1,000,000 | |
合算される所得の金額 | 3,340,000 | 2,294,240 | |
資産所得合算のあん分税額 | 971,465 | 543,168 | |
納付すべき税額 | 3,068,900 | 2,487,900 |
(4) 次いで、原処分庁は、平成2年3月2日付で、各年分について次表のとおり更正及び過少申告加算税の賦課決定をした。
区分 | 年分 項目 |
昭和61年分 | 昭和62年分 | 昭和63年分 | |
---|---|---|---|---|---|
更正 | 総所得金額 | 10,765,421 | 14,133,860 | 12,849,350 | |
内訳 | 事業所得の金額 | 0 | 0 | 0 | |
不動産所得の金額 | 10,515,421 | 12,233,860 | 11,849,350 | ||
配当所得の金額 | 250,000 | 1,900,000 | 1,000,000 | ||
合算される所得の金額 | 10,765,421 | 14,133,860 | 12,849,350 | ||
資産所得合算のあん分税額 | 3,611,092 | 5,112,425 | 4,048,660 | ||
納付すべき税額 | 3,561,000 | 4,732,400 | 3,848,600 | ||
賦課決定 | 過少申告加算税の額 | 54,000 | 166,000 | 136,000 |
(5) 請求人は、上記(4)の処分を不服として、平成2年3月27日に異議申立てをしたところ、異議審理庁は、これに対し同年6月26日付でいずれも棄却の異議決定をした。
請求人は、異議決定を経た後の原処分になお不服があるとして、平成2年7月26日に審査請求をした。
2 主張
(1) 請求人の主張
原処分は、次の理由により違法であるから、その全部を取り消すべきである。
イ 更正について
請求人は、請求人及び請求人の夫A男(以下、請求人の夫A男を「A男」と、請求人及びA男を併せて「請求人ら」という。)が共有するP市R町2丁目14番11号及び同所同番13号所在の宅地上の家屋番号R町2丁目14番11の101の店舗(以下「本件店舗」という。)において、株式会社B(以下「B社」という。)と共同して遊技場(以下「本件ゲーム場」という。)を経営し、各年分の確定申告の課税標準及び税額の計算に当たり、本件ゲーム場から得た所得を事業所得として申告したところ、原処分庁は、当該所得は請求人らの共有する店舗をB社が利用した対価としての所得であり、また、請求人らが本件ゲーム場に関して行った役務の提供は本件店舗の維持管理のためのものにすぎないと認定し、本件ゲーム場に係る所得は不動産所得であるとして更正を行った。
しかしながら、次の(イ)ないし(ホ)のことから、請求人の得た本件ゲーム場に係る所得は、事業所得に該当する。
(イ) A男とB社の間に締結した本件ゲーム場の運営に関する契約(以下「本件契約」という。)は、請求人らが共同して経営する遊技場においてB社がその運営に協力する旨の契約で、請求人ら及びB社の双方が共同経営の認識の下に締結し、双方が本件契約に基づきゲーム場を運営している。
(ロ) 本件ゲーム場の運営に必要な風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下「風俗営業法」という。)上の許可は複数名義で得ることができないため、B社が申請し許可を得ているが、同許可はいつでも請求人らのいずれかの名義に変更することができる。
(ハ) 請求人らは、本件契約の締結に伴い取り交わした覚書事項に基づき、A男が負担すべき本件ゲーム場に従事する従業員の給与を負担している。
(ニ) 請求人は、毎週1回行う集金・分配時に、経営者として、収入金の収納計算及び分配に立ち会っている。
(ホ) 請求人は、毎年1回開催されるゲーム機の展示会に出席し、本件ゲーム場に設置すべきゲーム機に関する研究を行っている。
ロ 過少申告加算税の賦課決定について
以上のとおり、各年分の更正は違法であり、その全部を取り消すべきであるから、これに伴い各年分の過少申告加算税の賦課決定もその全部を取り消すべきである。
(2) 原処分庁の主張
原処分は、次の理由により適法である。
イ 更正について
(イ) 不動産所得とは、不動産、不動産の上に存する権利、船舶又は航空機(以下「不動産等」という。)を相手方の利用に供することによりその対価として受ける収益に係る所得であるが、相手方に不動産等を利用させる場合においても、当該不動産の維持管理のための役務提供を超える新たな役務提供が加わり、むしろこの新たな役務提供の対価が主となって受ける収益に係る所得は、事業所得に該当する。
(ロ) 本件店舗の利用に関し、次の事実が認められる。
A 本件店舗は、請求人らが共有していること。
B 本件ゲーム場の経営に必要な風俗営業法上の許可の申請はB社が行い、B社が許可を得ていること。
C 本件ゲーム場に設置されているゲーム機は、全てB社の所有であること。
D 本件ゲーム場に設置されているゲーム機のプログラムの決定、維持管理はB社が行っていること。また、ゲーム機が故障した場合の修理等は店長の権限で行い、その費用もB社が負担していること。
E 本件ゲーム場に従事している店長及び他の従業員はいずれもB社との間に雇用契約があり、店長は管理者として他の従業員の指導、店舗の点検、従業員名簿の記載管理及び業務の実施に関する苦情の処理等実質的な業務を統括し、清掃、施錠、両替、現金管理、消耗品等の購入及び顧客の出入りの管理等の日常業務は他の従業員が行っていること。
F 請求人らの支出した開業資金は、本件店舗に係る内部設備や内部造作等の取得費用に充てられていること。
G 本件契約は、平成元年10月1日に解約され、新たに同日付で本件店舗に係る賃貸借契約が締結されているが、当該賃貸借契約締結の前後において、本件ゲーム場の業務内容、運営方針に全く変化がないこと。
(ハ) 以上の各事実からみると、本件ゲーム場に係る所得は請求人らの共有する店舗をB社が利用した対価としての所得であり、また、請求人らが行った本件ゲーム場に係る役務の提供は主として本件店舗の維持管理のためのものであり、本件ゲーム場を経営するためのものとは認められない。
したがって、請求人の得た本件店舗に係る所得は事業所得ではなく不動産所得に該当する。
(ニ) 以上の結果、請求人の得た本件店舗の係る所得は不動産所得に該当し、また、請求人に各年分とも資産所得があることから、請求人の各年分の所得税の税額の計算上、所得税法(昭和63年法律第109号による改正前のもの。以下同じ。)第4章第1節《世帯員が資産所得を有する場合の税額の計算の特例》の規定を適用して算定したものである。
ロ 過少申告加算税の賦課決定について
以上のとおり、各年分の更正は適法であり、かつ、請求人には、国税通則法(昭和61年分に係るものについては、昭和62年法律第96号による改正前のもの。以下同じ。)第65条《過少申告加算税》第4項に規定する正当な理由があるとは認められないから、同条第1項の規定に基づいて各年分の過少申告加算税を賦課決定したものである。
3 判断
本件審査請求の争点は、本件ゲーム場に係る所得が不動産所得又は事業所得のいずれに該当するかにあるので、以下審理する。
(1) 更正について
イ 当審判所が調査したところ、次の事実が認められる。
(イ) 本件店舗はP市R町2丁目14番地11及び同所同番地13所在の鉄骨鉄筋コンクリート・鉄骨造陸屋根14階建の1階部分の一部分(141.99平方メートル)であり、昭和59年10月31日に請求人らが取得(共同持分各2分の1)したものであること。
(ロ) A男及びB社は、A男を甲、B社を乙として、昭和59年10月11日に本件契約を締結し、契約書(以下「本件契約書」という。)を取り交わしたこと。
(ハ) 本件契約は、平成元年10月1日付で、B社からのA男に対する申入れにより解約され、新たに、請求人らとB社との間の本件店舗を目的物とする賃貸借契約が締結されたが、当該賃貸借契約は、A男からの申入れにより同年12月29日に撤回され、同時に本件契約の解約が撤回され、結局、本件ゲーム場の運営は、本件契約に基づいて行われていること。
(ニ) 本件契約書の第1条に、「乙は甲の経営するP市R町2ー14ー4所在の○○R町内の、甲乙合意の場所において、乙の所有する遊技機械を設置しその運営に協力する。」と記載されていること。
(ホ) 本件契約書の第2条に、「乙の設置する遊技機械の種類・数量・規模等に関しては甲乙双方協議の上、これを定め、相互の了解なくこれを変更することはできない。なお、機械の確認は、都度乙所定の預り証等により行う。」と記載されていること。
(ヘ) 本件契約書の第5条に、「機械の収入金は両者立会いの上収納計算し、甲50%乙50%の割合で配分する。ただし、設置機械のうち景品を必要とするものについては、収入金より景品代を差し引いた残額を前記配分方法により配分する。」と記載されていること。
(ト) 本件契約書の第8条に、「本契約期間中といえども、営業不振、本設置機械の営業成績の低下によって本契約の続行に著しい支障又は困難が生じた場合、双方6カ月の予告をもって本契約を将来に向って解除することができる。ただし、天災地変・戦乱等の不可抗力により本契約の続行が不可能となった場合は、その時点において本契約は当然終了する。」と記載されていること。
(チ) 本件契約の締結に伴い作成された覚書に、「運営のための水道光熱費は甲乙折半とする。」、「人件費に関して、甲は乙に対し2名分の協力金として、月額28万円を支払うものとする。」及び「設置機械の疑義は乙が、建物権利関係の疑義は甲が各々の負担において処理する。」と記載されていること。
なお、上記覚書事項のうちA男がB社に支払う人件費に関する協力金は、昭和60年2月以降月額280,000円から月額210,000円に変更されており、当該協力金は、店長を除く従業員の給与のほぼ50パーセントであること。
(リ) 本件ゲーム場に設置するゲーム機の変更等に関し、B社○○第1営業所長であるC男(以下「C男」という。)は、当審判所に対し次のとおり答述していること。
B社が選定、変更したゲーム機に関し事後においてA男がこれを承認する方法で運営することとしているが、A男から、事前申入れ及び事後承認を受ける際の異議申立てもあり、また、B社はゲーム機を変更することにより本件ゲーム場の運営形態が現行と異なることとなるような場合には、事前承認を求めている。
(ヌ) A男は、昭和58年3月以前、本件店舗の所在地で本件ゲーム場とほぼ同様の業務内容のゲーム場(以下「旧ゲーム場」という。)を経営していたところ、旧ゲーム場は、請求人らの共有に係る借地権付建物であり、A男は、旧ゲーム場に係る所得をA男の事業所得の金額として申告しており、請求人は事業専従者にもなっていないこと。
(ル) A男は、昭和59年分及び昭和60年分の本件ゲーム場に係る所得をA男の事業所得の金額として申告しており、請求人は事業専従者にもなっていないこと。
(ヲ) 昭和59年分及び昭和60年分と各年分の本件ゲーム場に係る経営形態には差異がないこと。
(ワ) A男は、本件ゲーム場に係る収入のほとんどを○○銀行R支店の同人名義の普通預金口座に入金しており、その後、当該入金額を請求人らで分配した事実は認められないこと。
(カ) 本件ゲーム場に設置されている公衆電話の収入金の回収は、A男のみではなく、請求人も行っていること。
ロ ところで、所得税法第26条《不動産所得》は、不動産所得とは不動産等の貸付けによる所得をいうと規定しており、不動産等の貸付けによる所得とは、個人が不動産等を相手方に利用させることにより得た所得をいうと解するのが相当であり、また、所得税法第27条《事業所得》は、事業所得とは農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他政令で定めるものから生ずる所得をいうと規定しており、事業とは自己の危険と責任において独立して営まれる業務で営利性、有償性を有し、かつ、反復継続して遂行する意思と社会的地位とが客観的に認められるものがこれに当たると解するのが相当である。
ハ 請求人が得た本件ゲーム場に係る所得について、請求人は、B社との共同経営による事業所得である旨主張し、原処分庁は、本件店舗が請求人らの共有であり、本件ゲーム場の経営はB社が行っているから、不動産所得である旨主張するので、以下審理する。
(イ) 本件契約書の第1条に、A男の経営する遊技場にB社がその運営に協力する旨、また、第8条に、本件ゲーム場の経営不振等を理由として契約当事者双方から本件契約解除の申入れができる旨記載されていることから、A男には、本件ゲーム場経営に対する危険負担のあることが認められる。
(ロ) 本件契約書の第2条に、B社の設置する遊技機械の種類・数量・規模等に関してはA男、B社双方協議の上、これを定め、相互の了解なくこれを変更することはできないこと、機械の確認は、都度B社所定の預り証等により行う旨記載されていること、及びこれを裏付けるC男の答述があることから、A男には、本件ゲーム場経営に対する責任負担のあることが認められる。
なお、A男は、前記イの(リ)のことから、ゲーム場の経営に関する知識、経験を十分に有していたものと認められる。
(ハ) 収益の配分及び費用の負担については、A男及びB社間では、収益は各50パーセントずつ配分していること、水道光熱費等は各50パーセントずつを、店長を除く従業員の給与もほぼ各50パーセントずつを負担していることから、A男には、本件ゲーム場に係る収益享受の権利及び費用負担の責任のあることが認められる。
(ニ) 以上のことから、本件ゲーム場はA男とB社とが共同経営していたものとみるのが相当である。
したがって、A男が得た本件ゲーム場に係る所得は事業所得に該当する。
(ホ) なお、本件契約書の第8条に、本件ゲーム場の経営不振等を理由として契約当事者双方から本件契約解除の申入れができる旨記載されているが、賃貸人が賃借人の営業不振を理由に賃貸借契約を解除することは通常行われておらず、このことから、本件ゲーム場に係る所得を本件店舗の貸付けに係る所得、すなわち、不動産所得とみるのは相当でない。
ニ 本件ゲーム場に係る所得は前記ハの(ニ)のとおり、A男とB社の共同経営に基づくものであり、事業所得に該当するところ、請求人は、本件ゲーム場に係る所得を請求人らの共同経営に基づくものとして当該所得の2分の1に相当する金額を請求人の所得として申告している。
(イ) 当審判所の調査によれば、前記イの(ロ)のとおり、本件契約はA男とB社との間で締結されており、前記ハの(イ)ないし(ハ)のとおり、本件ゲーム場経営に対する危険負担、責任負担並びに費用負担の責任及び収益享受の権利(以下「責任負担等」という。)は、本件契約締結の当事者であるA男にあること、
前記ハの(ロ)のとおり、A男はゲーム場経営に関する知識、経験を有しており、前記イの(リ)のC男の答述によれば、A男は、本件ゲーム場設置のゲーム機の選定、変更につき承認を与えるなど本件ゲーム場の経営に実質的に関与していることが認められ、これらの事実からすると、A男については、本件ゲーム場の経営方針の決定につき支配的影響力を有しているから、本件ゲーム場の事業主と認めるのが相当である。
これに対し、請求人は、本件契約に基づき分配を受けた収入金及び経費の支出等の記録(以下「記帳」という。)並びに本件ゲーム場内に設置されている公衆電話に係る収入金の回収(以下「電話料金の回収」という。)を行っているにすぎず、本件ゲーム場の経営方針の決定に支配的影響力を有しているとは認められないから、本件ゲーム場の事業主ではない。結局、本件ゲーム場を請求人らが共同経営していたとは認められず、請求人は、A男の経営する事業の従業者とみるのが相当である。
したがって、本件ゲーム場に係る所得は、A男に帰属する。
(ロ) ところで、前記イの(イ)のとおり、本件店舗は、請求人らの共有に係るもので、請求人の持分は2分の1であること、前記(イ)のとおり、請求人が記帳及び電話料金の回収の事務を行っていることが認められるが、そのことのために、請求人がA男から収受すべき金額があるとしても、当審判所の調査によれば、請求人は、事業主(居住者)と生計を一にする配偶者であることが認められるから、本件ゲーム場に係る所得金額の計算上、請求人が収受すべき金額又はA男が請求人に支出すべき必要経費は、所得税法第56条《事業から対価を受ける親族がある場合の必要経費の特例》の規定により、いずれもないものとみなされ、本件ゲーム場に係る所得はすべてA男が申告すべきこととなる。
(ハ) 以上の結果、請求人の各年分の総所得金額及びその内訳並びに納付すべき税額は次表のとおりとなり、これらの金額はいずれも更正に係る総所得金額及び納付すべき税額に満たないから、各更正はその全部を取り消すべきである。
年分 項目 |
昭和61年分 | 昭和62年分 | 昭和63年分 | |
---|---|---|---|---|
総所得金額 | 1,510,000 | 3,340,000 | 2,294,240 | |
内訳 | 事業所得の金額 | 0 | 0 | 0 |
不動産所得の金額 | 1,260,000 | 1,440,000 | 1,294,240 | |
配当所得の金額 | 250,000 | 1,900,000 | 1,000,000 | |
合算される所得の金額 | 1,510,000 | 3,340,000 | 2,294,240 | |
資産所得合算のあん分税額 | 481,479 | 1,195,525 | 736,120 | |
納付すべき税額 | 431,400 | 816,500 | 536,100 |
(2) 過少申告加算税の賦課決定について
以上のとおり、各年分の更正はその全部を取り消すべきであるから、これに伴い各年分の過少申告加算税の賦課決定もその全部を取り消すべきである。
(3) その他
原処分のその余の部分については、請求人は争わず、当審判所に提出された証拠資料等によっても、これを不相当とする理由は認められない。