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(平10.9.30裁決、裁決事例集No.56 207頁)

《裁決書(抄)》

1 事実

 審査請求人(以下「請求人」という。)は、平成7年分の所得税について、次表の「確定申告」欄のとおり記載して、法定申告期限までに申告した。
 その後、請求人は、平成8年3月26日に次表の「更正の請求」欄のとおりとすべき旨の更正の請求(以下「本件更正の請求」という。)をした。

(単位 円)
<項目><区分>確定申告更正の請求
総所得金額3,730,5233,730,523
内訳
給与所得の金額2,829,6002,829,600
雑所得の金額900,923900,923
退職所得の金額768,725768,725
分離長期譲渡所得の金額31,392,7502,392,750
納付すべき税額7,422,400△224,000

(注)「納付すべき税額」欄の△印は還付金に相当する税額を示す。
 原処分庁は、これに対し、平成8年9月6日付で更正をすべき理由がない旨の通知処分(以下「本件通知処分」という。)をした。
 請求人は、本件通知処分を不服として、平成8年9月20日に異議申立てをしたところ、異議審理庁はこれに対し、平成8年12月18日付で棄却の異議決定をした。
 請求人は、異議決定を経た後の原処分に不服があるとして、平成9年1月16日に審査請求をした。

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2 主張

(1)請求人の主張

 原処分は、次の理由により違法であるから、その全部の取消しを求める。
イ 請求人は、平成7年4月20日にP市Q町2丁目3番6所在の面積264.03平方メートルの借地権のうち請求人の持分2分の1(以下「本件借地権」という。)をF株式会社及びG協同組合(以下「F社ら」という。)に譲渡した(以下、この譲渡を「本件譲渡」という。)が、売買契約条項に基づき平成7年5月25日に取り壊した本件借地権上に存していた床面積84.29平方メートルの家屋のうち請求人の持分2分の1(以下、「本件家屋」といい、本件借地権と併せて「本件家屋等」という。)は、請求人にとっての「居住の用に供している家屋」に該当することから、本件譲渡には、租税特別措置法(以下「措置法」という。)第31条の3《居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例》及び同法第35条《居住用財産の譲渡所得の特別控除》に規定する(以下、これらの規定を併せて「本件法規定」という。)特別措置(以下「本件各特例」という。)が適用されるべきであるとして更正の請求をした。
 これに対し、原処分庁は、請求人の生活の本拠は家族が居住しているR市T町6丁目37番3号(以下「R地の住所」という。)に所在する家屋(以下「R地の家屋」という。)にあるとし、請求人が本件家屋に居住していたとしても、請求人は、母M(以下「母M」という。)の介護から死亡後の種々の手続等が終了するまでの間、一時的に本件家屋に居住していたものと認めるのが相当とし、本件通知処分を取り消す理由はないとした。
 しかしながら、次のとおり請求人は、平成3年5月から平成5年8月までの期間、本件家屋を生活の本拠としていたのであるから、本件譲渡には、本件各特例の適用がある。
(イ)本件家屋等は、平成5年6月20日の母Mの死亡により、請求人及び請求人の妹であるJ(以下「J」という。)が相続により取得(持分は、それぞれ2分の1)したものである。
(ロ)請求人は、生まれたときから居住していた本件家屋から、昭和49年にR地の家屋へ妻子と共に転居したが、平成3年に母Mの病気が悪化したので、請求人のみが同年4月から母Mの看病のため本件家屋に再度転居し居住した。
 なお、本件家屋への転居に当たっては、勤務先の会社に転居したことが知れて転勤の口実とされることを危惧し、住民登録の異動はしなかった。
 また、本件家屋への転居には、妻であるK(以下「K」という。)との離婚の話合いが進行していたことから、家族との別居という意味もあった。
(ハ)請求人は、平成5年3月にKが癌で入院したことから請求人の長男で障害者であるWの介護のため、平成5年8月にR地の家屋に再度転居した。そして、Kとの離婚の件も道義的に中断せざるを得なかった。
(ニ)請求人は、母Mが死亡した後も引き続き本件家屋に居住するつもりでいたが、Jや地主であるXの意向もあり、最終的には、本件借地権を譲渡することとした。
ロ 本件譲渡は投機目的の取引ではないので、投機目的の場合と同様に課税されるのは納得できない。
ハ 請求人の場合は、通常と異なり上記イの(ロ)及び(ハ)のとおりの特別な状況の下にあったので、本件各特例の適用の可否に当たってはこの点を考慮した弾力的な判断をすべきである。

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(2)原処分庁の主張

 原処分は、次の理由により適法であるから、本件審査請求を棄却するとの裁決を求める。
イ 請求人及び請求人と生計を一にする親族の居住状況を調査したところ、次の事実が認められる。
(イ)請求人は、昭和44年7月にR地の家屋を取得し、昭和49年3月21日に妻子とともに住所をR地の住所とする住民登録をしているが、請求人については、平成7年4月3日から平成7年5月23日までの間、本件家屋の所在地であるP市Q町2丁目3番15号(以下「P地の住所」という。)に住民登録を移していること。
(ロ)請求人が原処分庁に提出した平成3年分から平成7年分までの所得税の確定申告書には、請求人の住所としていずれもR地の住所が記載されていること。
(ハ)本件家屋における電気の使用量はMが死亡した直後である平成5年7月には極めてわずかとなり、平成5年8月以降において電気は使用されていないこと。
 また、R地の家屋における電気の使用量については、平成5年6月の前後で大きな変化が見られないこと。
(ニ)本件家屋の近隣住民は、原処分庁の調査担当職員に対し、母Mは死亡するまで一人で本件家屋に住んでいた旨申述していること。
(ホ)請求人が平成7年12月14日付で原処分庁へ提出した請願書と題する書面には、要旨次のとおり記載されていること。
A 請求人は、平成3年5月から平成5年6月までの間、病気の母Mの面倒をみるために本件家屋に移り住んだ。なお、本件家屋への転居に際して、請求人は、住民登録をR地の住所からP地の住所へ異動させなかった。
B 請求人は、本件家屋等を相続により取得した後、直ちに売却の仲介を依頼したが全く買手が付かず、その2年後である平成7年8月にやっと売却できた。
(ヘ)請求人は、平成8年2月21日に確定申告の相談のために原処分庁を訪れた際に、原処分庁の相談担当職員に対し、次のとおり述べていること。
A 請求人は、母Mの死亡後、葬儀、国民健康保険及び年金の手続等の関係で平成5年11月ころまで本件家屋に居住していた。
B 請求人は、本件家屋に継続的に住む意思はなく、母Mの存命中から売却を考えていたが、母Mの存命中はできなかった。また、車の騒音などで生活環境が悪く、妻子を連れて住むことはできなかった。
ロ 以上の事実を総合勘案して判断すれば、請求人が本件家屋に居住していたとしても、請求人は母Mの介護から同人の死亡後の種々の手続等が終了するまでの間、一時的に本件家屋に居住していたものと認めるのが相当であり、請求人の生活の本拠はR地の住所にあると認めるのが相当である。
ハ そうすると、本件家屋は、請求人にとって措置法第31条の3第2項及び同法第35条第1項に規定する「居住の用に供している家屋」に該当しないこととなり、本件譲渡には、本件各特例の適用はない。
 したがって、本件更正の請求に対し更正をすべき理由がないとした本件通知処分は適法である。

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3 判断

 本件審査請求の争点は、本件譲渡に本件各特例の適用があるか否かであるので、以下審理する。

(1)本件通知処分について

イ 原処分関係資料及び当審判所の調査によれば、次の事実が認められる。
(イ)請求人は、本件家屋等を平成5年6月20日に母Mから相続により取得したこと。
(ロ)請求人は、本件借地権を平成7年4月20日付で締結した不動産売買契約に基づいてF社らに譲渡したこと。
(ハ)請求人は、昭和49年3月21日にR地の家屋の所在地を住所とする住民登録をし、平成7年4月3日にはR地の住所からP地の住所に住民登録を異動し、更には平成7年5月23日に再度R地の住所に住民登録を異動していること。
 なお、請求人の妻子は、昭和49年3月21日にR地の家屋の所在地を住所とする住民登録をした以後、本件家屋が譲渡されるまで住民登録の異動はしていない。
(ニ)請求人が原処分庁に提出した平成3年分から平成7年分までの所得税の確定申告書には、請求人の住所として、R地の住所が記載されていること。
(ホ)平成5年中における本件家屋の電気の使用量及びR地の家屋の電気の使用量は、次表のとおりであること。

(単位 キロワット
<区分>本件家屋の電気の使用量R地の家屋の電気の使用量
<年月>
平成5年1月363449
平成5年2月347370
平成5年3月241292
平成5年4月246280
平成5年5月196254
平成5年6月196240
平成5年7月46264
平成5年8月263
平成5年9月261
平成5年0月240
平成5年11月221
平成5年12月270

(ヘ)請求人は、本件家屋への居住状況等について当審判所に対し、要旨次のとおり答述していること。
A 平成3年4月から平成5年8月までの間は、妻の入院時や長男の県立Y園への入所のときには手続のためR地の家屋に戻ったが、それ以外は月に1回程度自分の持ち物や妻と共用で使用していた車を取りに行くくらいであった。なお、平成3年3月までは、目と耳が不自由だった母Mの通院や買物のため必要なとき本件家屋に行き、買物はなるべくまとめて購入するようにしていた。したがって、身の回りの物を持って本件家屋に移った平成3年4月が、本件家屋に移り住んだときである。
B 給与は口座振込であり、妻がカードを持ち自分は通帳と印鑑を持って、それぞれが必要な金額を払い出した。
(ト)本件家屋の近隣住民は、当審判所に対し、母Mの日常生活の状況等について、要旨次のとおり答述していること。
A 母Mが亡くなるまで本件家屋には、母Mが一人で住んでいた。
B 母Mが入院して以来、請求人やJが母Mのところにたびたび来るようになったが、二人ともこちらには住んでいなかった。母Mから聞いたところでは、請求人はH県の方に、請求人の妹はL県の方に住んでいるとのことであった。
C たまに晩のおかずをおすそ分けするため本件家屋を訪ねたが、母Mは一人暮しであった。
D 買物や通院は母Mが一人で行っていた。
E 平成5年5月に母Mが入院した際、Jがあいさつに来て母が入院するのでしばらく回覧板を回さないでほしいとの依頼があり、そのときに同人の連絡先を聞いていた。同年6月ころ母Mの様子がおかしいのでJに連絡したところ同人がすぐに来た。
(チ)地主であるXに対する地代の支払状況は次のとおりであること。

(単位 円)
収受年月日持参者支払月分地代
平成3年3月26日M1月から3月110,640
平成3年7月4日M4月から6月131,760
平成3年12月3日M7月から12月263,520
平成4年3月31日M1月から3月131,760
平成4年6月26日M4月から6月131,760
平成4年9月28日M7月から9月131,760
平成4年12月17日M10月から12月131,760
平成5年3月23日M1月から3月131,760
平成5年6月25日請求人J4月から12月395,280

 なお、本件家屋から地主宅までは直線距離にして7メートル程度離れている。
(リ)請求人の勤務先での通勤手当の支給状況等は次のとおりであったこと。
A 給与支給台帳及び社員給与計算書によると、平成3年4月から平成5年3月までの請求人に対する通勤手当の支給状況は次のとおりであり、これは、○○鉄道S駅からV駅までの通勤費相当額である。

平成3年4月71,880円
平成3年10月71,880円
平成4年4月83,490円(平成3年11月20日に運賃値上げあり)
平成4年10月83,490円
平成5年4月83,490円
平成5年10月83,490円
平成6年3月83,490円

 なお、通勤手当の支給は、6か月分の通勤定期を人事課が購入してそれを本人に交付する方法を採っている。本人から申請があれば現金支給するが、請求人からは申請がなかったので現物支給していた。
B 請求人が提出した「給与所得者の扶養控除等申告書」によると、請求人の住所はR地の住所となっている。
(ヌ)給与の振込口座であるN信用金庫本店の請求人名義の普通預金口座の平成3年1月から平成5年12月までの入出金状況をみると、入金はそのほとんどが給与及び賞与であり、出金はその大部分が生活関連の支出であること。
 なお、現金出金をみると賞与が振り込まれた後の賞与相当額の出金以外はそのほとんどがR市内の支店の自動支払機からカードによって払い出されていること。
(ル)本件家屋の近隣住民は、原処分庁の調査担当職員に対し、母Mは死亡するまで一人で本件家屋に住んでおり、また、母Mの葬儀が行われた後、初七日をやったかやらないか分からないうちに、本件家屋には誰もいなくなった旨申述していること。
ロ 本件法規定には、個人が居住の用に供している家屋及び当該家屋の敷地の用に供されている土地及び土地の上に存する権利(家屋とその敷地を併せて以下「家屋等」という。)を譲渡した場合又は個人が居住の用に供している家屋等をその居住の用に供されなくなった日から同日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までの間に譲渡した場合、本件各特例が適用できる旨規定されている(以下、本件各特例の適用がある家屋等を「居住用財産」という。)。
 そして、本件法規定の規定内容から明らかなように、ここにいう「居住の用に供している家屋」とは譲渡者が所有者として現に居住の用に供している家屋をいうから、居住の用に供さなくなった家屋を譲渡した場合における本件各特例の適用については、譲渡者が所有者として居住の用に供していた家屋を所定の期間内に譲渡することが要件とされる。
 ところで、本件法規定が設けられた趣旨は、個人が居住用財産を譲渡する場合には、新たに居住用財産を取得することが多く、また、そのため担税力も高くない場合が多いことなどを考慮して、生活の基盤となる居住用財産の譲渡については税負担を軽減しようとするところにあると解せられる。
 したがって、措置法第31条の3第2項及び同法第35条第1項に規定する「居住の用に供している家屋」とは、譲渡者が生活の本拠として真に居住する意思を有し、かつ、現実にも日常生活の拠点として居住していると認められる家屋をいうものと解せられ、譲渡した家屋が本件法規定にいう家屋に当たるか否かは、その家屋の所有者のみならずその者と同居し日常生活を共にするのが通常と認められる配偶者や子などの日常生活の状況、居住家屋への入居目的、家屋の構造及び設備その他の諸事情から総合的に判断すべきものと解せられる。
ハ そこで、請求人の主張について上記イの事実をロに照らして判断すると次のとおりである。
(イ)請求人は、上記2の(1)のイのとおり、本件家屋等は請求人の居住用財産に当たる旨主張するので、以下検討する。
 請求人は、上記イの(イ)のとおり、本件家屋等を平成5年6月20日に母Mから相続により取得している。そうすると、本件譲渡について本件各特例の適用があるか否かは、請求人が本件家屋等を取得した平成5年6月20日から平成5年8月までの間(以下「本件期間」という。)、本件家屋等を居住の用に供していたか否かにより判断することとなるが、請求人は、本件家屋等を相続により取得する以前の平成3年4月から平成5年8月までの間居住の用に供していた旨主張するので、本件期間に請求人が本件家屋を居住の用に供していたか否かについては、平成5年6月20日前の居住状況をも含めて審理する。
 請求人は、本件家屋への転居理由及びR地の家屋への再転居理由等について、上記2の(1)のイの(ロ)から(ニ)までとし、本件家屋への居住状況については上記イの(ヘ)の答述のとおりであるとして、本件家屋は請求人にとっての居住の用に供していた家屋に当たるとする。
 ところで、本件家屋の近隣住民は当審判所に対し、母Mの日常生活の状況等について上記イの(ト)のとおり答述している。この答述のうち、本件家屋には母Mが一人で居住していたとの近隣住民の答述については、近隣住民が本件家屋の居住者やその居住状況を明確に把握できる立場にはないから、この点に関する答述をもって本件家屋には母M一人が居住していたとの事実を認定することはできないが、母Mが日常生活に必要な買物等を通常一人で行っていたこと等についての答述は近隣住民が実際に見聞きした事項であるから、この点に関してはその事実を認めることができる。
 そして、本件借地権に係る地代の支払は上記イの(チ)のとおり、相続開始まで母Mが地主宅に持参していたことが認められ、さらに、(1)本件家屋の電気の使用量は、上記イの(ホ)のとおり平成5年7月には極めて少量となり、同年8月には皆無となっていること、(2)平成3年から平成5年までの勤務先からの通勤手当は、上記イの(リ)のとおりV駅からS駅までの通勤定期が現物で支給されていること、(3)給与の振込口座からの平成3年から平成5年までの現金による支出は、そのほとんどがR市内の支店の自動支払機からカードによって払い出されていること及び(4)上記イの(ハ)、(ニ)及び(リ)のとおり、平成3年分から平成5年分までの期間における勤務先に提出した給与所得者の扶養控除等申告書、所得税の確定申告書及び請求人に係る住民票の住所地は、いずれもR地の家屋の所在地となっていることが認められる。
 そうすると、請求人は、平成3年5月に母Mが入院して以来母Mの介護等のためしばしば本件家屋を訪れていたとしても、措置法第31条の3第2項及び同法第35条第1項に規定する「居住の用に供している家屋」とは上記ロのとおりと解される以上、上記各事実からは、請求人が配偶者及び子と離れて本件家屋を生活の本拠としていたとする事実は認められず、また、請求人の上記イの(ヘ)の答述を裏付ける事実も認められない。
 したがって、この点に関する請求人の主張は採用することができない。
(ロ)請求人は上記2の(1)のロ及びハのとおり主張するが、譲渡所得に対する課税は、資産それ自体の値上がりによりその資産の所有者に帰属する資産価値の増加益を所得として、その資産が所有者の支配を離れて他に移転するのを機会に、これを清算して課税しようとする趣旨であることからすれば、資産の譲渡が投機的な意図(譲渡した資産が販売などを目的とするたな卸資産及び準たな卸資産等に該当する場合や営利を目的として継続的に行われる資産の譲渡を除く。)の下に行われたか否かによってその課税関係が左右されるものではなく、また、本件法規定は所得税の特別措置であり、これをみだりに拡張して解釈することは許されないと解せられるから、本件各特例の適用に当たり譲渡物件が譲渡者の居住用財産に当たるか否かは、譲渡者が生活の本拠として真に居住する意思を有し、かつ、現実にも日常生活の拠点として当該譲渡物件に居住していたか否かによるべきであって、譲渡者個々の様々な事情によってその判断が左右されるものではない。
 したがって、この点に関する請求人の主張は採用することができない。
ニ 以上のとおり、本件家屋は請求人にとっての居住用財産とは認められないから、本件譲渡には本件各特例の適用はない。
 したがって、本件更正の請求に対し更正すべき理由がないとした本件通知処分は適法である。

(2)その他

 原処分のその他の部分については、請求人は争わず、当審判所に提出された証拠資料等によっても、これを不相当とする理由は認められない。

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