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(平15.3.20裁決、裁決事例集No.65 818頁)

《裁決書(抄)》

1 事実

(1)事案の概要

 本件は、審査請求人に対してなされた相続税法第40条第2項に基づく延納許可の取消処分の適否を争点とする事案である。

(2)審査請求に至る経緯

イ 審査請求人E(以下「E」という。)及び同F(以下「F」といい、これら2名を併せて「請求人ら」という。)は、平成2年6月20日に死亡したG(以下「被相続人」といい、この相続開始に係る相続を「本件相続」という。)の共同相続人である。
ロ 請求人らは、本件相続に係る相続税(以下「本件相続税」という。)について、法定申告期限内の平成2年12月17日に申告書を提出するとともに、Eにあっては、その納付すべき税額1,301,889,400円から農地等の納税猶予の特例により納税が猶予される税額583,375,500円を差し引いた金額718,513,900円を、Fにあっては、その納付すべき税額217,819,700円から現金で納付する金額217,800円を差し引いた金額217,601,900円について、それぞれ延納の許可を申請した。
 原処分庁は、請求人らの延納許可の申請に対し、平成4年9月30日付で、Eについては別表1のとおりの延納を、Fについては別表2のとおりの延納を、それぞれ許可した(以下、これらの延納許可を併せて「本件各延納許可」という。)。
 なお、請求人らは、平成3年11月28日に本件相続税に係る修正申告をしたが、これに係る延納の許可の申請はしていない。
ハ その後、原処分庁は、別表3の1及び2のとおり、平成14年2月19日現在、請求人らの本件各延納許可に係る延納税額が長期にわたり滞納となっており(以下、この滞納となっている税金を「本件各滞納国税」という。)、かつ、請求人らから早期完納の具体的納付計画等の提出もないことを理由に、平成14年2月19日付で本件各延納許可の取消処分(原処分)をした。
ニ 請求人らは、原処分を不服として、平成14年4月17日に異議申立てをしたところ、異議審理庁が、同年6月17日付で棄却の異議決定をしたことから、同年7月17日に審査請求をした。

(3)関係法令

 相続税法第40条第2項は、税務署長は、延納の許可を受けた者が延納税額(当該税額に係る利子税又は延滞税に相当する額を含む。)の滞納その他延納の条件に違反したときは、その許可を取り消すことができる旨、また、この場合においては、あらかじめその者の弁明を聞かなければならない旨を規定している。

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2 主張

(1)請求人ら

 原処分は、次の理由によりいずれも違法又は不当であるから、その全部の取消しを求める。
イ Fに対する原処分の取消事由について
 原処分庁は、請求人らが本件各延納許可に係る本税及び利子税並びに延滞税を長期間にわたり滞納した事実と、請求人らから具体的な納付計画の提示がなく、完納の見込みが全くないことを主張している。
 しかし、Fについては、分納決定時に、原処分庁の職員との間で、本税の分納をまず履行し、利子税については毎月10,000円程度の支払を続けた上、本税分納完了後に残額を支払うこととする合意があった。そして、Fは、本税について分納税額を分納期限どおり支払っており、滞納の事実はない。また、利子税については、ほぼ上記合意のとおりの支払を10年間履行しており、このことについて原処分庁から異議や請求を一切受けていないのであるから、原処分の事実認定の過程には明らかに誤りがある。
ロ 弁明の手続について
 原処分庁は、平成14年2月14日に請求人らに対して、弁明の機会を与えたが、請求人らから具体的な納付計画の提示がなかったと主張している。
 しかしながら、次のとおり、とても「弁明」などという認識を持てるものでなく、原処分の手続に違法がある。
 すなわち、原処分庁からの連絡は、最初は電話で「請求人らの家に行きたいんですが」というような話であったので、Eが、それでは申し訳ないということで、日にちをずらして、H税務署へ出向くこととなった。Eが約束の日時にH税務署に行くと2階に入ってすぐ左側の、机と椅子が4脚あるところに座った。直ちに、原処分庁の担当職員(以下「本件担当者」という。)が座り、どうなっているのと本題に入った。ほんの数分後に、本件担当者から「これが払えないなら取消しをするから」と言われた。また、本件担当者は、今後の納付計画書を出してくれなどとは言わなかった。Eは、本件担当者が、話し合いとか、相談とかではなく、なにか『力ずく』で延納取消しをしようとしているように思えた。
ハ 相続税額決定等における不当性について
(イ)原処分庁が認定した本件相続税の基となる不動産の評価額が高額過ぎる。
(ロ)本件相続の開始前3年以内に、被相続人が取得した土地等又は建物等について、租税特別措置法第69条の4《相続開始前3年以内に取得等をした土地等又は建物等についての相続税の課税価格の計算特例》(平成8年法律第17号による改正前のもの。以下、この規定を「本件特例」という。)により、被相続人が取得した価格を本件相続の課税価額に算入しているが、バブル崩壊後、本件特例により課税されることは、あまりにも相続の実態とかけ離れているため、違憲の疑いさえ指摘されるほどとなり、本件特例は、その後廃止された。
 請求人らは、平成3年11月28日に、本件特例に基づき、請求人らの合計で納付すべき税額が約2億円増加する修正申告をした。
 しかしながら、違憲の疑いがある本件特例に基づく修正申告は無効である。
(ハ)請求人らは、本件相続税を現金で支払えなかったため、原処分庁へ物納したい旨を申し入れたが、原処分庁の職員が物納は認められないとして物納を拒否したため、物納ではなく、延納を申請した。このような物納拒否は違法であり、そのために請求人らが負担した損害である、少なくとも3億円の減額分は、原処分庁が負担すべきである。
(ニ)原処分庁は、Eについて15年間の延納許可をしたが、その利子税の割合は、不動産等に係る延納相続税に関しては5.4%、動産等に係る延納相続税に関しては6%という、この低金利の時代において、極めて高い金利である。
(ホ)もともとバブルを招来し、その後、バブルの崩壊後、不動産価格の極端な下落をもたらした責任が、税制を含めた政府の政策に大きな責任があることが考慮されなければならない。
(ヘ)不動産を売却して本件相続税を支払おうとする請求人らに対し、この売却代金に所得税及び住民税を課し、二重に税金を支払わせた。
(ト)Eは、平成4年時には、本件各延納許可の分納税額以上の合計358,440,000円を納税し、これまで合計725,502,800円を納税している。このように、Eはこれまで最大限の努力をしており、また、現在も、その努力を継続している。
(チ)本件各延納許可により納付する税額(利子税を含む。)は、相続財産の価値よりも高く、このような課税及びこのような課税についてなされた本件各延納許可は憲法違反であり許されないものであるから、これに基づく原処分は不当である。

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(2)原処分庁

 次の理由により、原処分は適法に行われており、本件審査請求はいずれも棄却されるべきである。
イ 延納許可の取消事由について
(イ)次の事実から、請求人らが、滞納となっている本件各滞納国税を完納する見込みはなく、延納の条件に違反しているものと認められたため、原処分庁は、相続税法第40条第2項の規定に基づいて、原処分を行ったものであり、何ら違法又は不当なものはない。
A 原処分庁が請求人らに対して行った平成4年9月30日付の本件各延納許可に係る相続税が、平成14年2月14日現在、長期間にわたり滞納となっている。
B そのため、原処分庁は、平成14年2月14日、Eに対して、同人の相続税延納許可取消しに対する弁明を求めたが、具体的な納付計画の提示がなく、完納の見込みは全くない。
C また、原処分庁は、平成14年2月14日、Fの親権者であるEに対して、Fの相続税延納許可取消しに対する弁明を求めたが、具体的な納付計画の提示がなく、完納の見込みは全くない。
(ロ)Fに対する原処分の取消事由について
 請求人らは、Fについては、分納決定時において、原処分庁の職員との間で、本税の分納をまず履行し、利子税については、毎月10,000円程度の支払を続けた上、本税完了後に残額を支払うこととするとの合意が存在していた旨主張する。
 しかしながら、請求人らが主張するような合意を行ったという事実はない。
 なお、一般論として、納付資金の手当がつかないのであれば、延滞税の関係から、本税の納付を優先する方が有利である旨の説明を行うことはある。また、請求人らは、当該合意が存在したからこそ、本税のみの納付について、原処分庁から一切異議も請求もなかった旨主張するが、原処分庁は各利子税について、督促状を発している。
ロ 弁明の手続について
 平成14年2月14日、本件担当者は、本件各延納許可を維持すべきか否かを判断するため、原処分庁の事務室内において、Eから、今後の納付計画等を聴取した。その際、Eから、相続税が高額であるとする不満や救済措置として課税額を減少させる特例を認めるべきであるとの主張はあったものの、具体的な納付計画の提示はなかったことから、本件各延納許可を取り消し、今後は担保物処分の差押えに移ることをEに対して説明し、同人の許可を得ている。このように原処分庁は、相続税法第40条第2項に規定する弁明の聴取を適法に行っている。
ハ 相続税額決定等における不当性
 請求人らの上記(1)のロの主張は、原処分に影響を与えるものでないことから、請求人らの主張には、いずれも理由がない。

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3 判断

 本件審査請求においては、原処分の適否について争われているので、以下審理する。

(1)延納許可の取消事由について

イ 認定事実
 請求人らの提出資料、原処分関係資料及びEの答述を含む当審判所の調査の結果によれば、次の事実が認められる。
(イ)平成14年2月19日現在、請求人らは、本件各滞納国税を完納しておらず、早期に納付できる見込みはない。
(ロ)原処分庁は、本件各滞納国税について別表3の1及び2の「督促年月日」欄のとおり、請求人らへ督促状を発している。
(ハ)原処分庁は、平成8年7月31日付で「相続税延納取消に対する弁明を求めるためのお知らせ」(以下「本件お知らせ」という。)を請求人らにそれぞれ送付している。Fに対する本件お知らせの「延納の取消・条件変更事由に該当する事実」欄には、「延納期限第1回3年12月20日利子税10,030,000円、延納期限第2回4年12月21日利子税3,903,800円、延納期限第3回5年12月20日利子税2,716,700円、延納期限第4回6年12月20日利子税2,257,100円、延納期限第5回7年12月20日利子税1,953,400円 上記金額について延納不履行し、滞納となったため」と記載されている。
ロ 相続税第40条第2項は、上記1の(3)のとおり規定しているところ、上記イの(イ)の事実は、同項の規定する延納許可の取消事由である「滞納」に該当するものである。
ハ この点、請求人らは、Fについては、分納決定時に、原処分庁の職員との間で、本税の分納をまず履行し、利子税については毎月10,000円程度の支払を続けた上、本税分納完了後に残額を支払うこととする合意があり、合意に基づき毎月10,000円程度の支払を10年間履行していて、原処分庁から、これについての異議や追加納付の請求を一切受けていないと主張する。
 しかしながら、請求人らは、その主張する合意を直接裏付ける客観的証拠を提出しておらず、当審判所の調査によってもそのような証拠は見当たらない。また、上記イの(ロ)のとおり、原処分庁は、Fに対し、別表3の2の「督促年月日」欄のとおり、各利子税の納付を督促し、また、上記イの(ハ)のとおり、平成8年7月31日付の本件お知らせの中で、利子税が滞納となっており、相続税延納取消の事由になることを記載した文書を送付していることが認められ、Fが、利子税について毎月10,000円程度の支払を行ったからといって、請求人らの主張する合意の存在を裏付けることにはならない。
 したがって、この点についての請求人らの主張は採用できない。

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(2)弁明の手続について

イ 認定事実
 請求人らの提出資料、原処分関係資料及び本件担当者の答述を含む当審判所の調査の結果によれば、次の事実が認められる。
(イ)本件担当者は、平成14年2月1日に、請求人らの本件各延納許可に係る分納が不履行となっていることから、Eに対し電話をかけ、話を聞きたいので伺いたい旨を話し、これに対し、Eは、自分が同月14日にH税務署に来署すると回答した。このとき、本件担当者は、同月14日の面接が相続税法第40条第2項に規定されている弁明を聞く手続である旨を告げなかった。
(ロ)税務署長が滞納を理由に延納許可の取消しをする場合には、通常、その取消処分が見込まれる者に対して「相続税延納取消に対する弁明を求めるためのお知らせ」と題する書面を送付して、その滞納の事実とその滞納が解消されない場合には延納許可が取り消される旨を知らせ、それに対する弁明を期限までに行うよう求める取扱いがされているが、請求人らに対しては、平成8年には上記(1)のイの(ハ)のとおり本件お知らせを送付しているものの、平成14年の原処分に当たっては事前にそのようなお知らせの書面は送付されなかった。
(ハ)Eは、平成14年2月14日、H税務署で本件担当者と面接した(以下「本件面接」という。)が、本件担当者は、本件面接が相続税法第40条第2項の弁明を聞く手続である旨の説明はしなかった。
 Eは、本件担当者に対して、本件特例で高額な課税をしておきながら、大蔵省は不動産価格を下落させ、その反面公的資金の投入などをしていて政策が誤っていること、不動産価格が下落したのだから課税額も減らすような救済措置を取ってしかるべきであること、滞納した相続税を納めるために土地を売却したら税金を取られるのはおかしいことなどの不服を述べたことから、本件担当者は、Eに対して、相続税は相続開始日の課税価格で課税するもので、その後の価格変動は考慮されるものでないこと、平成6年に特例措置として特例物納制度があったことなどの説明をした。
 そして、Eは、本件各滞納国税の納付については、「納めないとは言っていない。今までも毎月20,000円と不動産の売却により納付をしてきているが、現在の滞納額を納めろと言われたら首を吊るしかない。何か良い方法があれば教えて欲しいくらいである」旨述べた。これに対して、本件担当者は、「毎月20,000円の納付では滞納額に対してあまりに少額すぎる。納付計画は自分の財産、債務等から判断し、自分で検討すべきものである」旨を回答した上、「延納不履行となっている本件各滞納国税の早期納付が見込めないので本件各延納許可を取り消し、担保物処分の差押えをした上で、滞納国税が高額なので処理を国税局に引き継ぐ」旨述べた。
 なお、原処分庁の職員が相続税法第40条第2項の弁明を聞く手続において口頭で弁明を聴取する場合には、通常、弁明聴取書を作成する取扱いがされているが、本件面接の際には作成されなかった。
(ニ)原処分庁は、平成14年2月14日、重要事案審議会を開催し、本件面接の結果を踏まえ、本件延納許可を取り消すことを決定した。
(ホ)Eは、同月18日に本件担当者に電話した上で、同月19日に、H税務署に行き、本件担当者と面接して、同月14日の面接の場では、話の内容をあまり理解できていなかった、今までの自分の認識は甘く努力が足りなかったと反省している旨述べ、請求人らが所有するP県Q市所在の不動産及びその他の不動産を売却し納税したいので猶予期間が欲しい旨申し立てた。これに対し、本件担当者は、本件各滞納国税の合計額が3億円を超えているところ、これらの不動産には本件各滞納国税に優先する抵当権が設定されており、その結果、仮にP県Q市所在の不動産が売却できたとしても、納税に充てられる金額が1億円弱となることから、これをもってしても本件各滞納国税を完納することはできないので、Eに猶予期間を与えることはできない旨回答した。
(ヘ)原処分庁は、平成14年2月19日付で原処分に係る通知書を請求人らに発送した。
ロ なお、本件面接の状況について、Eは、面接が始まってほんの数分後に払えないなら取消しをすると言われた旨の陳述書を提出しているが、原処分関係資料(滞納処分票)には、上記イの(ハ)で認定したEの発言内容が具体的に記載されており、当該滞納処分票は公務員である本件担当者が日常業務の過程で日々記載したものであって信用性が高く、本件担当者もこれに沿う答述をしていることからすれば、この点のEの陳述は採用できない。
 他方、原処分庁は、延納許可を取り消すことについて、本件面接で請求人らの許可を得た旨主張し、上記の滞納処分票にもEが本件担当者の述べたことに対し了解した旨の記載はあるものの、上記イの(ホ)のとおり請求人が本件面接の数日後に再び面接を求めていること等の事実に照らすと、その記載から、Eが文字通りの了解をしていたとまでは認めることはできない。
ハ ところで、相続税法第40条第2項は、上記1の(3)のとおり、延納許可を取り消す場合には、あらかじめその者の弁明を聞かなければならない旨規定しているところ、その趣旨は、納税者に対して弁明の機会を与えることにより、納税者の権利保護と取消処分の適正手続を図ることにあると解される。そして、ここで言う「弁明を聞く」とは、延納許可を受けた者が延納税額の滞納その他延納条件に違反したこと及び延納許可を受けた者のその後の資力の状況の変化等について、その存否及びその事情を聴取することをいい、弁明は、それを聴取することにより、延納許可の取消しを決定する判断の資料となるものであると解される。
ニ そこで、本件の事実関係についてみると、上記イのとおり、本件担当者は、平成14年2月1日のEに対する電話連絡の際、同月14日の面接において相続税法第40条第2項の弁明を聞く旨の説明はしておらず、事前に弁明を求めるお知らせも送付していない上、同月14日の面接においてもEに対して延納許可取消の判断のために弁明を聞く旨の説明をしていないのであって、原処分庁から請求人らに対し、本件面接が本件延納許可の取消しという重大な結果に結びつく相続税法第40条第2項の弁明を聞く手続であるとの認識を請求人らが持ち得るような説明はされていないことが認められる。そして、Eが、本件面接の際には、課税が高すぎること等についての不満などを多く述べ具体的な納付計画について説明をしなかったが、本件担当者から延納許可を取り消す旨告げられたことから、上記イの(ホ)のとおり、数日後に自ら再度の面接を求め、H税務署に行って本件担当者と面接し、今後の納付計画等及び延納許可取消しの猶予を申し立てている事実に照らすと、Eは本件面接が同項の弁明を聞く手続であるとの認識を持たないまま、本件面接を受けたものと認められる。
 このような事実関係において、相続税法第40条第2項に規定するあらかじめ弁明を聞く手続を適法に行ったといえるか否かについて判断すると、上記ハで述べた同項の趣旨に照らせば、原処分庁が弁明の聴取に当たり、聴取を受ける者において、それが延納許可取消しの判断のための弁明の機会であるとの認識を持ち得るような機会の付与の仕方をせず、その結果として、聴取を受ける者が同項の弁明であるとの認識を持たないまま、原処分庁において事情聴取をしたとしても、そのような事情聴取をもって同項に規定するあらかじめ弁明を聞く手続を行ったということはできないと解されるから、本件の事実関係においては、原処分庁が原処分に当たって適法に同項の弁明を聞く手続を行ったと認めることはできない。
 したがって、原処分は、相続税法第40条第2項に定められた弁明を聞く手続を経ずになされたものであるから、同項に違反し違法である。
(3)以上のことから、原処分は、相続税法第40条第2項に違反し違法であるから、その余について判断するまでもなく、いずれもその全部を取り消すべきである。

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