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(平17.9.21裁決、裁決事例集No.70 197頁)

《裁決書(抄)》

1 事実

(1)事案の概要

 本件は、砂利採取業者及び採石業者等(以下「砂利採取業者等」という。)から漁業協同組合である審査請求人(以下「請求人」という。)に対して支払われた海面使用料が、請求人に帰属するか否かを主たる争点とする事案である。

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(2)審査請求に至る経緯

 平成13年1月1日から同年12月31日まで、平成14年1月1日から同年12月31日まで及び平成15年1月1日から同年12月31日までの各事業年度(以下、順次「平成13年12月期」、「平成14年12月期」及び「平成15年12月期」といい、これらを併せて「本件各事業年度」という。)の法人税について、審査請求(平成17年1月5日請求)に至る経緯は別表1のとおりである。

(3)関係法令等

イ 漁業法第2条《定義》第1項において、「漁業」とは水産動植物の採捕又は養殖の事業をいい、同条第2項において、「漁業者」とは漁業を営む者をいうと規定している。また、同法第6条《漁業権の定義》第1項において、「漁業権」とは定置漁業権、区画漁業権及び共同漁業権と規定し、同条第2項において、「共同漁業権」とは共同漁業を営む権利をいい、同条第5項において、「共同漁業」とは一定の水面を共同に利用して営む漁業をいうと規定している。
 さらに、同法第7条《入漁権の定義》において、「入漁権」とは他人の共同漁業権等に属する漁場においてその漁業権の内容たる漁業の全部又は一部を営む権利をいうと規定している。
 そして、同法第23条《漁業権の性質》第1項において、「漁業権」は物権とみなし、土地に関する規定を準用すると規定し、同法第14条《免許についての適格性》第8項において、共同漁業の免許の適格性を有する者は漁業協同組合である旨規定している。
ロ 租税特別措置法関係通達64(2)−29《共同漁業権等の消滅等による補償金の仮勘定経理》(以下「措置法通達」という。)では、漁業協同組合が、その有する共同漁業権の消滅又はその価値の減少により、租税特別措置法第64条《収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例》第1項第7号に掲げる国等がその事業の用に供するために支出した補償金等を取得した場合において、当該補償金等を組合員に配分することが予定されている部分の金額につき、その配分をする日と当該補償金等の交付を受けた日から3年を経過する日とのいずれか早い日まで仮受金として経理しているときは、これを認める旨定めている。

(4)基礎事実

 次の事実については、請求人及び原処分庁の双方に争いがなく、当審判所の調査の結果によってもその事実が認められる。
イ 請求人は、P市p町地先に漁業法第6条第5項に規定する共同漁業権及びP市q町地先に同法第7条に規定する入漁権(以下、併せて「共同漁業権等」という。)を有しており、請求人の組合員(漁業者)は、同法第8条《組合員の漁業を営む権利》第1項に規定する請求人が定めた漁業権行使規則及び入漁権行使規則による漁業を営む権利(以下「漁業権の行使権」という。)を有している。
ロ 請求人は、本件各事業年度において、砂利採取業者等から受領した海面使用料の総額323,899,000円(平成13年12月期105,552,500円、平成14年12月期93,871,500円及び平成15年12月期124,475,000円の合計額。)を仮受金として経理(以下「本件仮受経理」という。)し、そのうち平成13年12月期に8,500,000円を収益の額に計上している。

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2 主張

(1)請求人

イ 更正処分について
 原処分庁は、請求人の本件各事業年度の所得金額を別表2の原処分庁主張額欄のとおりである旨主張するが、海面使用料の計上漏れについては、次のとおり所得の帰属を誤っている違法があるから、取り消すべきである。
 なお、上記以外については争わない。
(イ)請求人が共同漁業権等を有する海域では、漁獲量が平成13年度において平成5年度の半分に減少するなど漁場の荒廃は進んでいるといわざるを得ない。
 このような漁獲量の減少を招く漁場環境の悪化は、砂利採取行為等がその原因と考えられるところ、砂利採取業者等から支払われた海面使用料名義の金員は、砂利採取等の実施による漁業操業上の規制、濁水の流出及び藻場の喪失等から生じる漁獲量の減少による損失を補てんするための漁業損害補償金に該当するのは明白である。
 そして、漁業権とは、許可された範囲内において他人を排斥して独占的に漁業を行う物権的財産権であると解されており、その権利の管理者は漁業協同組合等であるところ、権利の行使者は組合員であるから、請求人が、海面使用料名義の金員を、漁業権の行使権を有する組合員の総有に属する漁業損害補償金であるとして本件仮受経理を行ったことは適法である。
 また、請求人は、砂利採取業者等に対する海面使用料を合理的基準で算定し、各業者にその額を割り振るとともに、海面使用料名義の金員の配分については、理事会においてその配分案の原案が提示され、これを組合員の委任を受けた評議委員で構成される評議員会で決定した後、通常総会に報告している。この評議委員と組合員との委任関係は、組合員により選出された時点で成立しており、海面使用料名義の金員の配分については、組合員の委任を受けた評議員会が組合員に代わって行っているのである。
 したがって、原処分庁が、海面使用料のうち、請求人が収益に計上した額を控除した残余の額315,399,000円(以下「本件海面使用料」という。)を請求人の所得と認定した本件各事業年度の法人税の各更正処分(以下「本件各更正処分」という。)は違法である。
 仮に、上記主張が認められないとしても、平成15年11月21日にA社から支払を受けた25,000,000円のうちの22,000,000円は、○○船転覆事故による漁場荒廃の回復作業に従事した関係組合員に対する補償金であるから、平成15年12月期の更正処分のうち、当該金額についてなされた部分は違法である。
(ロ)また、仮に、請求人の仮受金経理が誤っていたとしても、請求人は、長年にわたり同経理を行っていたが、その間数度の税務調査を受けたにもかかわらず、原処分庁は何ら是正の指摘を行っていない。
 このことは、請求人の処理が会計慣行として確立していたと認められるところ、十分な指導と修正申告のしょうようもなく行われた本件各更正処分は、信義誠実の原則に反し違法である。
(ハ)さらに、上記(イ)の主張が認められないとしても、本件海面使用料は、組合員に対する漁業補償金であるから、国等から支払われる場合であれ、私企業から支払われる場合であれその性質は全く同一である。したがって、本件海面使用料のうち、本件各事業年度末において、措置法通達に定める仮受金と経理して3年を経過していない金額、平成13年12月期72,715,804円、平成14年12月期83,573,460円及び平成15年12月期68,391,079円は取り消されるべきである。
(ニ)また、上記主張が認められないとしても、原処分に係る調査の担当職員(以下「調査担当職員」という。)が請求人に対し交付した文書において、組合員に対する漁業補償金の配分として認定した金額、平成13年12月期56,440,000円、平成14年12月期49,650,000円及び平成15年12月期95,650,000円については、原処分庁が漁業補償の使途として認めているといえるのであるから、本件海面使用料のうち、上記金額は取り消されるべきである。
ロ 賦課決定処分について
 上記イのとおり、本件各更正処分は違法であるから、本件各事業年度の過少申告加算税の各賦課決定処分(以下「本件各賦課決定処分」という。)も違法である。

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(2)原処分庁

 原処分は、次の理由により適法であるから、審査請求をいずれも棄却するとの裁決を求める。
イ 更正処分について
(イ)海面使用料は、その金額の算定に際し、具体的な損失の予測やその見積額等の算定根拠が示されず、また、組合員から、海砂利採取等の内容、場所等ごとに本件海面使用料の受領に係る委任を受けた事実は認められないことから、組合員の損失額を補償するために受領された漁業補償金とは認められない。
 したがって、本件海面使用料は、請求人が受領した段階で、確定的に請求人に帰属するものというべきであり、本件各事業年度の所得金額の計算上、益金の額に算入すべきであり、組合員に配分すべきものとして受け入れた金員であるということはできない。
(ロ)原処分庁は、請求人が主張するような仮受金経理を認めた事実はなく、過去に指摘がないことをもって、本件仮受経理を認容しなければならないとする法令上の規定はなく、本件各更正処分は、請求人に対して十分な説明等を行った後に行ったものであることから、信義誠実の原則に反したものではない。
(ハ)措置法通達は、収用等に伴い国等から補償金等の支払を受ける場合に限定して適用されると解されており、本件海面使用料は、同通達にいう収用等に伴い国等から支払を受ける補償金等には該当しないので、同通達を適用して仮受金処理を行うことは認められない。
(ニ)また、請求人が主張する組合員に対する漁業補償金の配分として認定した金額は、請求人が本件各事業年度において経理した内容を調査担当職員が列挙したに過ぎないものであるから、原処分庁が漁業補償の使途として認定したとの請求人の主張は失当である。
(ホ)本件各事業年度の所得金額は、上記のほか争いのない項目を含め、別表2の原処分庁主張額のとおり、平成13年12月期○○○円、平成14年12月期○○○円及び平成15年12月期○○○円となる。
 したがって、平成13年12月期及び平成15年12月期はいずれも更正処分に係る金額と同額となり、平成14年12月期は更正処分に係る金額を上回ることから、本件各更正処分は適法である。
ロ 賦課決定処分について
 上記イのとおり、本件各更正処分は適法であり、また、この処分により増加した納付すべき税額の計算の基礎となった事実が、更正処分前の税額の計算の基礎とされていなかったことについて、国税通則法第65条《過少申告加算税》第4項に規定する過少申告加算税を賦課しない場合の正当な理由があるとは認められないので、同条第1項及び第2項の規定に基づいて行った本件各賦課決定処分も適法である。

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3 判断

(1)更正処分について

イ 認定事実
 原処分関係資料及び当審判所の調査の結果によれば、次の事実が認められる。
(イ)請求人の代表理事組合長とB社代表取締役が平成13年9月1日に締結した海面使用契約書には、請求人が有する共同漁業権の存する海面の一部をB社に使用させる対価として年間5,000,000円を支払う旨の記載があること。
 また、本件各事業年度の採石業者等あての請求書は、いずれも摘要欄に海面使用料と記載があり、請求人の代表理事組合長名義で発行されていること。
 なお、異議調査に係る調査の担当職員(以下「異議担当職員」という。)は、当審判所に対し、本件海面使用料に関する当事者について、「砂利採取業者から、海面使用料の支払については砂利採取業者と請求人の組合長とが話をして決めたとの説明を受けた」旨及び本件海面使用料の授受に関する請求人と組合員との委任関係について、「請求人の組合長は、組合員は当然委任していると主張するのみで、具体的に委任が認められるような証拠資料の提出及び説明をしなかった」旨答述していること。
(ロ)本件海面使用料は、C銀行○○支店及びD銀行○○支店の請求人名義の普通預金口座に入金、又は現金により請求人が受領していること。
(ハ)請求人の平成13年1月6日付役員評議員議事録及び平成14年1月12日付理事会議事録には、平成12年度及び平成13年度の本件海面使用料の配分案が示され、決定した旨の記載があること。また、平成15年3月3日付総会議事録には、平成14年度の本件海面使用料の配分案を満場一致で承認した旨の記載があること。
 なお、異議担当職員は、本件海面使用料の分配に関する組合員の了承について、「請求人から、事前に組合員の了承を得たとする主張も証拠資料の提出もなかった」旨答述していること。
(ニ)請求人とA社との間の平成15年10月20日付示談協定書には、請求人が○○船転覆海域に漁業権を有する唯一の漁業協同組合であり、事故に起因する全ての損害に対する包括的な補償金として25,000,000円を受領する旨、また、同日付の請求人からA社あての請求書には、漁業補償金として25,000,000円を請求する旨の記載があること。
ロ 本件海面使用料の帰属等
(イ)請求人は、海面使用料名義の金員は漁業権の行使権を有する組合員の総有に属する漁業損害補償金であるから、本件仮受経理を行ったことに何ら違法はない旨主張する。
 ところで、本件の場合、砂利採取等の実施による漁業操業上の規制・汚水の流出等を原因として、請求人の有する共同漁業権等及び組合員が有する漁業権の行使権も共に影響を受けると考えられるところ、請求人が所有する共同漁業権等にその基礎を置く組合員の有する漁業権の行使権は、漁業協同組合の構成員たる組合員としての地位と不可分な、いわゆる社員権的権利であり、共同漁業権等から派生しこれに附従する第二次的権利であることから、本件のように共同漁業権等に影響を及ぼす事柄については、海面使用料を支払った砂利採取業者等と組合員との関係は間接的なものになると解するのが相当である。
 そうすると、漁業操業上の利益は、漁業権の行使権によって生じるものであるから、その漁業権の行使権が砂利採取業者等との関係で間接的なものである以上、組合員は、同権利に基づいて直接の関係に立たない相手に対して、漁業操業上の利益の喪失による損害を請求することはできず、これを請求できるのは、漁業操業上の利益や漁業権の行使権の基礎となっている共同漁業権等を有する請求人のみと考えるべきであり、このことから、本件海面使用料は、請求人の有する共同漁業権等への影響ないし制約に対する補償と解すべきである。
 また、上記イの(イ)のとおり、本件海面使用料に関する契約ないし請求は、いずれも請求人が当事者となっており、海面使用契約書の記載内容及び異議担当職員に対する請求人の組合長の申述によっても、請求人が組合員を代理し又は組合員の委任を受けて行った事実は確認できないこと、さらに、同(ロ)及び(ハ)のとおり、請求人の本件海面使用料の処理については、一旦請求人が金員を受領した後に開催される理事会の決定及び総会の議決を経て組合員への具体的な配分額が確定することからも、請求人が本件海面使用料に関する契約ないし請求を行うに先立ち、受領した金員を組合員に配分することが組合員により了承されていたとは認められない。
 したがって、本件海面使用料に関する契約ないし請求の形式、請求人内部での取扱い等から総合判断すれば、本件海面使用料は、組合員に配分すべき金員として確定していたものを請求人が組合員を代理して受領したものとは認められず、請求人が砂利採取業者等から支払を受けた段階で請求人に確定的に帰属しているというべきであるから、請求人の主張には理由がない。
 なお、請求人は、本件海面使用料の配分に関し請求人と組合員との間に委任関係は成立していた旨主張するが、請求人の主張は本件海面使用料の受領後におけるその配分手続に関するものと解さざるを得ず、したがって、この事実をもって、上記判断を覆す理由とはならない。
 また、請求人が主張する○○船の転覆事故という特段の事情に起因する金員については、上記イの(ニ)のとおり、これに関する契約の形式や請求人内部での取扱いは他の本件海面使用料と同じであると認められることから、当該金員についても請求人に帰属するものと解するのが相当である。
 したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。
(ロ)請求人は、長年にわたり仮受金経理を行っていたところ、原処分庁はその間何ら是正の指摘を行わなかったにもかかわらず、十分な説明等を行わずに突然原処分を行ったことは、信義誠実の原則に反し違法である旨主張する。
 ところで、租税法規に適合する課税処分について、法の一般原理である信義誠実の原則の適用により、これを違法なものとして取り消すことができる場合があるとしても、租税法律主義の原則が貫かれるべき租税法律関係においては、信義誠実の原則は、租税法規の適用における納税者間の平等、公平という要請を犠牲にしてもなお当該課税処分にかかる課税を免れさせ、納税者の信頼を保護しなければ正義に反するといえるような特別の事情が存する場合に、初めて適用されると解すべきである。
 これを本件についてみると、当審判所の調査においても、請求人が主張するとおり、原処分庁が相当長期間にわたり請求人の行っていた本件仮受経理を是正していない事実が確認でき、その事実から請求人は、原処分庁により同経理処理が是認された旨理解していたと推認できるものの、上記ロのとおり、本件海面使用料を請求人の所得金額の計算上、益金の額に算入した原処分は適法であり、請求人が本来の納税義務を負担したことをもって重大な経済的不利益を受けたということはできず、納税者間の平等、課税の公平という要請を犠牲にしてもなお本件各更正処分にかかる課税を免れさせて請求人の信頼を保護しなければ正義に反するといえるような特別の事情があるとは認められない。
 したがって、この点に関する請求人の主張は理由がない。
 なお、当審判所の調査によれば、調査担当職員は、平成16年5月7日及び同年6月16日に請求人の事務所において、請求人の代表者等に対し本件仮受経理に係る是正すべき事項の説明を行った上で、修正申告書の提出をしょうようしたことが認められる。
 したがって、この点に関する請求人の主張にも理由がない。
(ハ)また、請求人は、本件海面使用料は組合員に対する漁業補償金であるから、措置法通達に定める仮受金と経理して3年を経過していない金額は取り消されるべきである旨主張するが、上記のとおり、本件海面使用料は請求人に確定的に帰属するものであるから、請求人の主張はその前提を欠くというべきである。
 なお、措置法通達による取扱いは、国等の行う公共事業の施行に伴う共同漁業権等の消滅又は価値の減少により補償金の支払を受ける場合に限定して認められるものと解すべきである。
 したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。
(ニ)さらに、請求人は、調査担当職員が請求人に交付した文書に、組合員に対する漁業補償金の配分として認定した金額が記載されていることをもって、原処分庁が当該金員を組合員に帰属すると認定したといえる旨主張する。
 しかしながら、当審判所の調査によれば、請求人の総勘定元帳には、当該金員について「配分金」と記載されていること及び調査担当職員が請求人に対し文書により是正すべき事項を説明したことが認められることからすれば、請求人に交付した文書に漁業補償金の配分として認定した金額が記載されていることのみを理由として、当該金員が組合員に帰属すると原処分庁が認定したとはいえない。
 したがって、この点に関する請求人の主張には理由がない。
ハ 以上のとおり、本件海面使用料は請求人の所得金額の計算上、益金の額に算入すべき金額と認められるところ、当審判所が原処分関係資料を調査したところによれば、本件海面使用料の金額は、平成13年12月期において誤りがあることが判明したので、これを正しく計算し直すと別表3−1ないし3−3のとおりとなることから、海面使用料の計上漏れ額は、別表2の審判所認定額欄の〔2〕海面使用料の計上漏れ欄のとおりの金額となる。
 また、上記再計算に伴い所得金額が変更となることから、平成13年12月期について寄附金の損金不算入額を正しく計算し直すと、別表2の審判所認定額欄の〔5〕寄附金の損金不算入欄のとおりの金額となる。
 そうすると、本件各事業年度の所得金額は、別表2の審判所認定額欄の〔12〕所得金額欄のとおり、平成13年12月期は○○○円及び平成14年12月期は○○○円となり、いずれも更正処分の金額を上回り、平成15年12月期は更正処分の金額と同額となることから、本件各更正処分は適法である。

(2)賦課決定処分について

 上記(1)のとおり、本件各更正処分は適法であり、また、この処分により増加した納付すべき税額の計算の基礎となった事実が、更正処分前の税額の計算の基礎とされていなかったことについて、国税通則法第65条第4項に規定する正当な理由があるとは認められないので、同条第1項及び第2項の規定に基づいて行われた本件各賦課決定処分も適法である。

(3)その他

 原処分のその他の部分については、請求人は争わず、当審判所に提出された証拠資料等によっても、これを不相当とする理由は認められない。

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