別紙

関係法令等

1 相続税法
 相続税法第22条《評価の原則》は、財産の価額について、同法に特別の定めのあるものを除き、相続又は贈与により取得した財産の価額は、当該財産の取得の時における時価による旨規定している。
2 財産評価基本通達(昭和39年4月25日付直資56ほか国税庁長官通達。ただし、平成18年5月18日付課評2−7による改正前のものをいい、以下「評価基本通達」という。)
(1) 評価基本通達1《評価の原則》の(2)は、時価の意義について、財産の価額は、時価によるものとし、時価とは、課税時期において、それぞれの財産の現況に応じ、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額をいい、その価額は、この通達の定めによって評価した価額による旨定めている。
(2) 評価基本通達4−4《基準年利率》は、第2章(評価基本通達7《土地の評価上の区分》)以下に定める財産の評価において適用する年利率は、別に定めるものを除き、年数又は期間に応じ、日本証券業協会において売買参考統計値が公表される利付国債に係る複利利回りを基に計算した年利率(以下「基準年利率」という。)によることとし、その基準年利率は、短期(3年未満)、中期(3年以上7年未満)及び長期(7年以上)に区分し、各月ごとに別に定める旨定めている。
(3) 評価基本通達145《権利者が自ら特許発明を実施している場合の特許権及び実施権の評価》は、特許権又はその実施権の取得者が自らその特許発明を実施している場合におけるその特許権又はその実施権の価額は、その者の営業権の価額に含めて評価する旨定めている。
(4) 評価基本通達146《実用新案権、意匠権及びそれらの実施権の評価》は、実用新案権、意匠権及びそれらの実施権の価額は、同通達140《特許権の評価》から145までの定めを準用して評価する旨定めている。
(5) 評価基本通達147《商標権及びその使用権の評価》は、商標権及びその使用権の価額は、同通達140から145までの定めを準用して評価する旨定めている。
(6) 評価基本通達165《営業権の評価》は、営業権の価額は、次の算式によって計算した価額と課税時期を含む年の前年の所得の金額(営業権の価額が相当高額であると認められる著名な営業権については、その所得の金額の3倍の金額)とのうちいずれか低い金額に相当する金額によって評価する旨定めている。
・平均利益金額×0.5−企業者報酬の額−総資産価額×営業権の持続年数(原則として、10年とする。)に応ずる基準年利率=超過利益金額
・超過利益金額×上記の営業権の持続年数に応ずる基準年利率による複利年金現価率=営業権の価額
(7) 評価基本通達166《平均利益金額等の計算》は、同通達165の「平均利益金額」等を次のとおりとする旨定めている。
イ 平均利益金額
 平均利益金額は、課税時期の属する年の前年(法人にあっては、課税時期直前に終了した事業年度とする。)以前3年間の所得の金額を基とし、次の算式によって計算した金額(その金額が、その年の前年の所得金額を超える場合には、その年の前年の所得の金額とする。)とする。この場合における「所得の金額」は、ロに定める金額とする。
算式
ロ 所得の金額
 所得の金額は、所得税法第27条《事業所得》第2項に規定する事業所得の金額又は法人税法第22条《各事業年度の所得の金額の計算》第1項に規定する各事業年度の所得の金額とし、それらの所得の金額の計算の基礎に次に掲げる金額が含まれるときは、これらの金額は、いずれもなかったものとみなして計算した場合の所得の金額とする。
(イ) 経常的損益以外の損益の額
(ロ) 支払利子、手形割引料又は青色専従者給与額若しくは事業専従者控除額(法人にあっては、損金算入を行った役員報酬の額)
(ハ) その企業の主宰者又は役員の配偶者その他の親族でその企業の主宰者又は役員と生計を一にする者に対して支払った土地、家屋その他の財産の賃借料の額
(ニ) 準備金勘定又は引当金勘定に繰り入れた金額
ハ 企業者報酬の額
 企業者報酬の額は、次に掲げる平均利益金額の区分に応じ、それぞれ次に掲げる金額とする。ただし、企業者の特殊な信用、従事状況その他の状況に照らし、次に掲げる金額によることが不適当であると認められる場合においては、次に掲げる金額に、その金額の100分の30の範囲内において相当と認める金額を加算又は減算した金額によることができる。

平均利益金額の区分 企業者報酬の額
200万円以上 300万円未満 90万円
300 〃 400 〃 125 〃
400 〃 500 〃 160 〃
500 〃 700 〃 200 〃
700 〃 1,000 〃 250 〃
1,000 〃 1,500 〃 300 〃
1,500 〃 2,000 〃 400 〃
2,000 〃 3,000 〃 550 〃
3,000 〃 5,000 〃 700 〃
5,000 〃 7,000 〃 850 〃
7,000 〃 10,000 〃 1,000 〃
10,000 〃   平均利益金額の10%相当額

ニ 総資産価額
 総資産価額は、この通達に定めるところにより評価した課税時期(法人にあっては、課税時期直前に終了した事業年度の末日とする。)における企業の総資産の価額とする。この場合において、その企業が上記ロの(ハ)の者から土地、家屋その他の財産の貸与を受けているときは、これらの財産の価額は、その企業の総資産価額に加算する。
(8) 上記の(6)及び(7)は、平成20年3月14日付課評2−5ほか国税庁長官通達により、次のとおり改正され(以下、改正後のものを「新通達」という。)、平成20年1月1日以後に相続、遺贈又は贈与により取得した財産の評価に適用されることとされた。
イ 新通達165《営業権の評価》は、営業権の価額は、次の算式によって計算した金額によって評価する旨定めている。
・平均利益金額×0.5−標準企業者報酬額−総資産価額×0.05=超過利益金額
・超過利益金額×営業権の持続年数(原則として、10年とする。)に応ずる基準年利率による複利年金現価率=営業権の価額

(注) 医師、弁護士等のようにその者の技術、手腕又は才能等を主とする事業に係る営業権で、その事業者の死亡と共に消滅するものは、評価しない。

ロ 新通達166《平均利益金額等の計算》は、同通達165の「平均利益金額」等を次のとおりとする旨定めている。
(イ) 平均利益金額
 平均利益金額は、課税時期の属する年の前年以前3年間(法人にあっては、課税時期の直前期末以前3年間とする。)における所得の金額の合計額の3分の1に相当する金額(その金額が、課税時期の属する年の前年(法人にあっては、課税時期の直前期末以前1年間とする。)の所得の金額を超える場合には、課税時期の属する年の前年の所得の金額とする。)とする。この場合における所得の金額は、所得税法第27条第2項に規定する事業所得の金額(法人にあっては、法人税法第22条第1項に規定する所得の金額に損金に算入された繰越欠損金の控除額を加算した金額とする。)とし、その所得の金額の計算の基礎に次に掲げる金額が含まれているときは、これらの金額は、いずれもなかったものとみなして計算した場合の所得の金額とする。
A 非経常的な損益の額
B 借入金等に対する支払利子の額及び社債発行差金の償却費の額
C 青色事業専従者給与額又は事業専従者控除額(法人にあっては、損金に算入された役員給与の額)
(ロ) 標準企業者報酬額
 標準企業者報酬額は、次に掲げる平均利益金額の区分に応じ、次に掲げる算式により計算した金額とする。

平均利益金額の区分 標準企業者報酬額
1億円以下 平均利益金額 ×0.3 + 1,000万円
1億円超  3億円以下 〃    ×0.2 + 2,000 〃
3 〃   5 〃 〃    ×0.1 + 5,000 〃
5 〃 〃    ×0.05 + 7,500 〃

(注) 平均利益金額が5,000万円以下の場合は、標準企業者報酬額が平均利益金額の2分の1以上の金額となるので、新通達165に掲げる算式によると、営業権の価額は算出されないことに留意する。

(ハ) 総資産価額
 総資産価額は、この通達に定めるところにより評価した課税時期(法人にあっては、課税時期直前に終了した事業年度の末日とする。)における企業の総資産の価額とする。
(9) 評価基本通達179《取引相場のない株式の評価の原則》は、同通達178《取引相場のない株式の評価上の区分》により区分された大会社の株式の価額は、類似業種比準価額によって評価するが、納税義務者の選択により、1株当たりの純資産価額(相続税評価額によって計算した金額)によって評価することができる旨定めている。

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