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別紙2 関係法令等
1 相続税法第22条《評価の原則》は、同法第3章で特別の定めのあるものを除くほか、相続、遺贈又は贈与により取得した財産の価額は、当該財産の取得の時における時価により、当該財産の価額から控除すべき債務の金額は、その時の現況による旨規定している。
2 財産評価基本通達(昭和39年4月25日付直資56ほか国税庁長官通達。以下「評価通達」という。)1《評価の原則》の(2)は、財産の価額は、時価によるものとし、時価とは、課税時期(相続、遺贈若しくは贈与により財産を取得した日若しくは相続税法の規定により相続、遺贈若しくは贈与により取得したものとみなされた財産のその取得の日又は地価税法第2条《定義》第4号に規定する課税時期をいう。以下同じ。)において、それぞれの財産の現況に応じ、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額をいい、その価額は、この通達の定めによって評価した価額によると定めている。
3 評価通達28《貸家建付借地権等の評価》は、貸家の敷地の用に供されている借地権の価額は、次の算式により計算した価額によって評価する旨定めている。
[算式]
4 評価通達94《借家権の評価》は、借家権の価額は、次の算式により計算した価額によって評価する旨定めている。
[算式]
上記算式における「借家権割合」及び「賃借割合」は、それぞれ次による。
- (1) 「借家権割合」は、国税局長の定める割合による(なお、N国税局長の定める割合は、100分の30である。)。
- (2) 「賃借割合」は、次の算式により計算した割合による。
[算式]
5 評価通達178《取引相場のない株式の評価上の区分》は、取引相場のない株式の価額は、評価しようとするその株式の発行会社(以下「評価会社」という。)が大会社、中会社又は小会社のいずれに該当するかに応じて、それぞれ同通達179《取引相場のない株式の評価の原則》の定めによって評価することとし、そのただし書において、同族株主以外の株主等が取得した株式の価額は、同通達188《同族株主以外の株主等が取得した株式》の定めによって評価する旨定めている。
6 評価通達179の(2)は、中会社の株式の価額は、次の算式により計算した金額によって評価する旨定めている。
[算式]
上の算式中の「L」は、評価会社の評価通達178に定める総資産価額(帳簿価額によって計算した金額)及び従業員数又は直前期末以前1年間における取引金額に応じて、それぞれ次に定める割合のうちいずれか大きい方の割合とする。
(1) 総資産価額(帳簿価額によって計算した金額)及び従業員数に応ずる割合
卸売業 | 小売・サービス業 | 卸売業、小売・サービス業以外 | 割合 |
---|---|---|---|
14億円以上(従業員数が50人以下の会社を除く。) | 7億円以上(従業員数が50人以下の会社を除く。) | 7億円以上(従業員数が50人以下の会社を除く。) | 0.90 |
7億円以上(従業員数が30人以下の会社を除く。) | 4億円以上(従業員数が30人以下の会社を除く。) | 4億円以上(従業員数が30人以下の会社を除く。) | 0.75 |
7,000万円以上(従業員数が5人以下の会社を除く。) | 4,000万円以上(従業員数が5人以下の会社を除く。) | 5,000万円以上(従業員数が5人以下の会社を除く。) | 0.60 |
(注) 複数の区分に該当する場合には、上位の区分に該当するものとする。
(2) 直前期末以前1年間における取引金額に応ずる割合
卸売業 | 小売・サービス業 | 卸売業、小売・サービス業以外 | 割合 |
---|---|---|---|
50億円以上80億円未満 | 12億円以上20億円未満 | 14億円以上20億円未満 | 0.90 |
25億円以上50億円未満 | 6億円以上12億円未満 | 7億円以上14億円未満 | 0.75 |
2億円以上25億円未満 | 6,000万円以上6億円未満 | 8,000万円以上7億円未満 | 0.60 |
7 評価通達185《純資産価額》は、同通達179の「1株当たりの純資産価額(相続税評価額によって計算した金額)」は、課税時期における各資産を評価通達に定めるところにより評価した価額の合計額から課税時期における各負債の金額の合計額及び評価差額に対する法人税額等に相当する金額を控除した金額を課税時期における発行済株式数で除して計算した金額とする旨定めている。
8 「相当の地代を収受している貸宅地の評価について」(昭和43年10月28日付直資3-22ほか国税庁長官通達。以下「43年通達」という。)は、相当の地代を収受している貸宅地の評価に関して、課税時期における被相続人所有の貸宅地は、自用地としての価額から、その価額の20%に相当する金額(借地権の価額)を控除した金額により評価すること、
上記借地権の価額は、被相続人所有の株式会社の株式評価上、同社の純資産価額に算入することとし、同様の事案については、これにより処理する旨の取扱いを定めている。
そして、この取扱いを定める理由として、地代率との相関関係から借地権の有無につき規定している法人税法施行令第137条《土地の使用に伴う対価についての所得の計算》の趣旨からすれば、本件の場合土地の評価に当たり借地権を無視する考え方もあるが、借地借家法の制約賃貸借契約に基づく利用の制約等を勘案すれば、現在借地慣行のない地区についても20%の借地権を認容していることとの権衡上、本件における土地の評価についても借地権割合を20%とすることが適当であるとし、本件における借地権の価額を被相続人が所有する株式会社の株式評価上、同社の純資産価額に算入するのは、被相続人が同社の同族関係者である本件の場合においては、土地の評価額が個人と法人を通じて100%顕現することが、課税の公平上適当と考えられるからであるとしている。
9 「相当の地代を支払っている場合等の借地権等についての相続税及び贈与税の取扱いについて」(昭和60年6月5日付直資2-58ほか国税庁長官通達。以下「60年通達」という。)の1《相当の地代を支払って土地の借受けがあった場合》は、借地権の設定に際しその設定の対価として通常権利金その他の一時金(以下「権利金」という。)を支払う取引上の慣行のある地域において、当該権利金の支払に代え、当該土地の自用地としての価額に対しておおむね年6%程度の地代(以下「相当の地代」という。)を支払っている場合は、借地権を有する者については当該借地権の設定による利益はないものとして取り扱う旨定め、この相当の地代の額を計算する場合の「自用地としての価額」は、課税時期の属する年以前3年間における平均額によるものとしている。
10 60年通達の3《相当の地代を支払っている場合の借地権の評価》は、借地権が設定されている土地について、相当の地代を支払っている場合の当該土地に係る借地権の価額は、次によって評価すると定めている。
(1) 権利金を支払っていない場合又は特別の経済的利益を供与していない場合 零
(2) (1)以外の場合 原則として60年通達の2《相当の地代に満たない地代を支払って土地の借受けがあった場合》に定める算式に準じて計算した金額
11 60年通達の6《相当の地代を収受している場合の貸宅地の評価》は、借地権が設定されている土地について、相当の地代を収受している場合の当該土地に係る貸宅地の価額は、次によって評価すると定めている。
(1) 権利金を収受していない場合又は特別の経済的利益を受けていない場合
当該土地の自用地としての価額の100分の80に相当する金額
(2) (1)以外の場合
当該土地の自用地としての価額から60年通達の3の(2)による借地権の価額を控除した金額(以下、この項において「相当の地代調整貸宅地価額」という。)
ただし、その金額が当該土地の自用地としての価額の100分の80に相当する金額を超えるときは、当該土地の自用地としての価額の100分の80に相当する金額
(注) 上記(1)及び(2)のただし書に該当する場合において、被相続人が同族関係者となっている同族会社に対し土地を貸し付けている場合においては、43年通達の適用があることに留意する。
この場合において、上記(2)のただし書に該当するときは、43年通達中「自用地としての価額」とあるのは「相当の地代調整貸宅地価額」と、「その価額の20%に相当する金額」とあるのは「その相当の地代調整貸宅地価額と当該土地の自用地としての価額の100分の80に相当する金額との差額」と、それぞれ読み替えるものとする。
12 通則法第65条《過少申告加算税》第1項は、期限内申告書が提出された場合において、修正申告書の提出又は更正があったときは、当該納税者に対し、その修正申告又は更正に基づき同法第35条《申告納税方式による国税等の納付》第2項の規定により納付すべき税額に100分の10の割合を乗じて計算した金額に相当する過少申告加算税を課する旨規定している。
また、同法第65条第4項は、同条第1項に規定する納付すべき税額の計算の基礎となった事実のうちにその修正申告又は更正前の税額の計算の基礎とされていなかったことについて正当な理由があると認められるものがある場合には、同項に規定する納付すべき税額からその正当な理由があると認められる事実に基づく税額として政令で定めるところにより計算した金額を控除して、同項の規定を適用する旨規定している。
(注) | 1 | 「更正・決定処分等」欄のうち、平成18年分から平成21年分までは決定処分及び重加算税の賦課決定処分を示し、その他の年分は更正処分及び重加算税の賦課決定処分を示す。 |
2 | 平成23年分の「総所得金額(事業所得の金額)」欄の△印は、損失金額を示す。 |