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国税審判官(特定任期付職員)からのメッセージ

横溝 昇

氏名
横溝 昇
(弁護士出身)
経歴
平成10年4月
弁護士登録
平成29年7月
関東信越国税不服審判所
国税審判官として採用

Q1 国税審判官(特定任期付職員)の募集に応募したきっかけを教えて下さい。

A 弁護士以外の職に就くことによって自分の視野を広げたいと考えたこと、第三者的な視点から紛争を解決する役割を担ってみたいと思ったこと、専門分野を作り今後の弁護士としての業務に役立てたいと考えたこと、弁護士として関わってきた取引等に必ず税務の問題があることなどから応募しました。

Q2 国税審判官として審判所でどのような業務を担当していますか。

A 審査請求人や原処分庁から提出された書面、証拠の精査をし、当事者と面談をして主張の内容や事実関係の確認をしています。必要があれば、出張をして現地の確認や関係人からお話を伺うこともあります。これらを整理し、合議の準備や議決書案の作成をしています。
 また、弁護士としての知識や経験を踏まえた内容を題材とした部内研修の講師や税理士会・公認会計士協会等の士業団体、大学などの教育機関で審判所の役割や裁決事例を紹介する内容の講演をすることもあります。

Q3 弁護士としての知識や経験が、国税審判官の業務にどのように活かされていると感じています。

A 弁護士として日々の業務で行ってきたことがそのまま国税審判官としての業務に活かされています。例えば、審査請求人などの関係人との面談は法律相談や尋問などでどのように相手から話を引き出すかといったことと同様ですし、合議は他の弁護士、クライアントなどとの打ち合わせの場面と似ています。また、適用法令等の検討や証拠の収集、議決書などの書面の作成には、訴訟事件における業務がそのまま活かされていると感じています。

Q4 審判所の職場環境(執務環境や研修など)について感じていることを教えて下さい。

A 採用直後の税務大学校での研修をはじめ、定期的に研修があり、審理手続のみならず、税務全般についても学ぶ機会が設けられ、税法の知識が乏しかった私にとって非常にありがたいものでした。
 執務室では、各税目の知識や経験が豊富な国税職員、税理士出身の特定任期付職員と机を並べていますので、何かあればお互いにアドバイスしあったりして、支部全体で事件に取り組む雰囲気がとても心地よく感じています。また、関東信越支部では税目を問わず事件を担当しますので、幅広く税法を勉強することができています。

Q5 国税審判官となって、良かったと思うことを教えてください。

A 国税職員、税理士、公認会計士、弁護士、裁判所から出向されている方等もおり、これらの方たちと出会い、それぞれの経験、知識に基づいた意見や話を聴くことができたこと、税務の現場を知ることができたことは、弁護士以外の世界を知る上で非常に良かったと思っていますし、合議の場や起案について意見、指摘を受けることによって、これまでの自分自身の思考や文章の作成過程などを見つめ直すことができたことは、任期を終えた後の業務に活かすことができると考えています。
 また、年次休暇などの福利厚生の制度も整っているので、育児や自己研鑽に充てる時間を作るといったワークライフバランスをとることができたことも良かったと思っています。

Q6 国税審判官(特定任期付職員)に応募する方へのメッセージをお願いします。

A 弁護士などとして一定のキャリアを築いていると、その場を離れる決断をすることはなかなか難しいと思いますが、特定任期付職員としての経験は、その後のキャリアに必ず活かすことのできるものだと感じています。
 また、税務の知識に不安がある方もいらっしゃると思いますが、研修や周囲のサポートを受けながら日々こなし自己研鑽を続けることによって乗り越えることは可能です。逆に、弁護士としての経験や知識を提供することで貢献することを求められていると思います。是非、応募していただきたいと存じます。

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