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国税審判官(特定任期付職員)からのメッセージ

写真(執務風景)

氏名
夏木 祥(税理士)
経歴
平成23年10月
税理士登録
令和3年7月
関東信越国税不服審判所国税審判官として採用

Q1 国税審判官(特定任期付職員)の募集に応募したきっかけを教えてください。

A 税理士としての経験を積んでいた中で、将来独立するという目標をどのように実現していくかを具体的に考え始めていた時期に、国税審判官の募集について知りました。
 国税不服審判所では、審査請求事案について様々なバックグラウンドを持った方々が集まり議論を進めていくとのことで、その環境に身を置くことで私も自身の経験から来る思考とはまた違った視点からの考え方や意見に触れることができ、自分の視野を広げ、思考力や判断力を研鑽していけるのではないかと考えました。そして、その経験が将来自信にもつながるのではないかとの期待を持ったことがきっかけです。
 また、過去に別の公的機関に勤務した経験から、社会貢献として公共性の高い業務に積極的に携わっていきたいとも考えていました。
 国税審判官の職務はこれらを両立できる申し分のないものだと思い、応募を決意しました。

Q2 国税審判官として審判所でどのような業務を担当していますか。

A メインの業務は、審査請求事案について裁決の基になる議決をすることです。そのために合議体の構成員として審査請求事案の調査及び審理を進めていきます。私の所属する部署では、関与する事案の性質(税目や規模など)は限定されておらず、多種多様な事案を担当しています。なお、調査及び審理に当たっては、当事者と面談するほか、出張して事案に関わる現場を調べたり、参考人に話を聞きに行ったりすることもあります。
 その他、公表裁決事例の紹介や審査請求手続の説明など業界団体等の外部向けに行う研修や、審判所内部向けの研修の講師を務めることもあります。

Q3 税理士としての知識や経験が、国税審判官の業務にどのように活かされていると感じていますか。

A 審査請求の内容は事案ごとに異なるものですが、税理士として法人税、所得税、消費税、相続税など各税目に係る租税実務を経験してきたため、どのような事案でもポイントを掴みやすいことが挙げられます。特に、複数の税目が横断的に絡んでいる事案に関与しているときには、俯瞰的な視点から事案を検討することができ、様々な税目を扱ってきた税理士としての知識や経験が活かされていると実感します。
 また、税理士として業務に当たっていたときには、クライアントに対してできるだけ簡潔な言葉を用いて理解しやすい説明や文書作成を心掛けていましたが、審判所においても関係者への説明や研修講師をする機会があり、そうしたときにも当時の経験が活かされていると感じます。

Q4 審判所の職場環境について感じていることを教えてください。

A 職員一人一人がお互いを尊重し合った上で乗り降り自由の議論ができる土壌がありますし、一つの事案に対して必ず複数人のチームで一体となって業務を遂行していくことになるので、困ったことがあっても一人だけで悩まず誰かを頼ることができる環境にあると感じています。
 また、定期的に審判実務に関する研修が開催されるなど、日々研鑽していける環境が整っていると思います。

Q5 国税審判官となって、良かったと思うことを教えてください。

A 審判所には、国税出身職員のほか、特定任期付職員、裁判官や裁判所書記官など色々なバックグラウンドを持った方々が集まっていて、そうした方々と業務内外で関わりを持てるのは非常に刺激的であり、学びにもなっています。また、審判所での勤務をきっかけに、それまでの租税実務においてあまり意識できていなかった事実認定の考え方や手法について体系的に理解する機会が得られ、事実認定の面白さや難しさを知ることができたことは、今後の自分のキャリアにおいて財産になると考えています。
 税法自体への理解もより深まっていますし、審判所に勤務する前と比べて自分自身の成長を感じ、楽しく充実した日々を送れている点も国税審判官になって良かったと思うことの一つです。

Q6 国税審判官(特定任期付職員)に応募する方へのメッセージをお願いします。

A 私自身、応募するときは、国税審判官が自分に務まるのか不安に感じていましたし、敷居が高いように思っていました。しかしながら、審判所での勤務を経験して今感じていることは、多くの人達が力を合わせて一つの裁決を作り上げていく過程で自分が一人で完璧である必要がないということ、また、その過程の中で誰でも何かしらの貢献ができるということです。今では漠然と抱えていた不安はなく、担当している審査請求事案に対し、自分がどのように貢献できるか模索していくという前向きな姿勢で職務に当たることができています。
 国税審判官への応募をお考えの方は、それぞれご自身なりのご心配、ご不安もあろうかと思いますが、国税審判官の経験は皆様の今後のキャリアにとってかけがえのないものになると思いますので、ぜひチャレンジしてみてください。

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