異議申立てとの関係
異議決定を経た審査請求
国税に関する法律に基づき税務署長等が行った更正や決定などの課税処分、差押えなどの滞納処分等に不服があるときは、原則として、まず、これらの処分を行った税務署長等に対して「異議申立て」を行い、その異議申立てに対する決定(異議決定)があった後の処分に、なお不服があるときは、国税不服審判所長に対して「審査請求」をすることができます。
異議申立て先については、後述の『処分を行った者の区分による不服申立先』をご覧ください。
この場合の審査請求書の提出期間は、原則として、異議決定書謄本の送達があった日の翌日から起算して1か月以内です。
異議申立てを経ない審査請求
次のような場合には、国税不服審判所長に対して直接「審査請求」をすることができます。
この場合の審査請求書の提出期間は、原則として、処分があったことを知った日(処分に係る通知を受けた場合には、その受けた日)の翌日から起算して2か月以内です。
1. 不服申立人の選択により直接審査請求をすることができるもの
A. 国税局長のした処分に不服があるとき
国税局長のした処分としては、次のようなものがあります。
- 国税局長が必要と認める場合に、税務署長からその徴収の引継ぎ又は滞納処分の引継ぎを受けて行う国税の徴収処分
- 納税地指定
- 災害等による期限延長の期日の指定
- 特別な償却率による償却の方法についての処分
- 耐用年数の短縮についての処分
国税局の職員(調査部、課税部資料調査課等)の調査に基づき税務署長が行った処分については、選択により直接審査請求ができる処分には該当せず、原則として国税局長に対して「異議申立て」をすることになります。
B. 税務署長のした所得税又は法人税の青色申告書に係る更正に不服があるとき
- 所得税における青色申告の対象は、不動産所得、事業所得及び山林所得に限られていますので、直接審査請求できるのは、これら青色申告の対象となる所得について更正処分があった場合に限られます。したがって、青色申告の対象とならない譲渡所得等のみに係る更正処分に不服がある場合には、まず、異議申立てをしてください。
- 青色申告の承認取消処分、青色申告承認取消後の更正処分に不服がある場合には、まず、異議申立てをしてください。
C. 処分をした税務署長又は税関長が、その処分について異議申立てをすることができることを教示しなかったとき
2. 国税通則法の規定により直接審査請求をすることとされているもの
A. 国税庁、国税局、税務署及び税関以外の行政機関の長又はその職員がした処分に不服があるとき
例えば、登録免許税法の規定による登記機関の登録免許税額の認定処分や自動車重量税法の規定による国土交通大臣等の自動車重量税額の認定処分などがあります。
異議申立て後、3か月を経過しても異議決定がない場合の審査請求
異議申立てをした日の翌日から起算して3か月を経過しても異議決定がないときは、異議決定を経ないで国税不服審判所長に審査請求をすることができます。この場合、異議申立ては取り下げられたものとみなされます。
みなす審査請求
次のような場合には、税務署長等に対して行われた「異議申立て」が国税不服審判所長に対する「審査請求」とみなされ、国税不服審判所で調査及び審理をします。
1. 合意によるみなす審査請求
例えば、青色申告法人が認定賞与に係る更正処分とその認定賞与に対する源泉所得税の納税告知処分を受け、更正処分についてはその選択により直接審査請求を行い、納税告知処分については異議申立てを行うことがありますが、この審査請求と異議申立てはその基本的な事実関係又は証拠関係を一にするものです。
このような場合に、その異議申立てを受理した税務署長等が、その異議申立てを審査請求として取り扱うことを適当と認めて、その旨を異議申立人に通知し、かつ、異議申立人がこれに同意したときは、その同意があった日に国税不服審判所長に対して審査請求がされたものとみなされます。
2. 他の審査請求に伴うみなす審査請求
例えば、更正処分の審査請求が係属中に、当該更正処分と同一年分、同一国税の課税標準等又は税額等について再更正処分がされ、その再更正処分について異議申立てが行われると、審査請求と異議申立てとが併存することになります。
このような場合に、その異議申立てを受理した税務署長等は、その異議申立書等を国税不服審判所長に送付することとされており、その送付がされた日に国税不服審判所長に対して審査請求がされたものとみなされます。
処分を行った者の区分による不服申立先
| 処分を行なった者 | 異議申立先 | 審査請求先 |
|---|---|---|
| 税務署長/一般の処分 ※注意事項参照 |
税務署長 | 国税不服審判所長 |
| 税務署長/国税局の職員(調査部、課税部資料調査課等)が調査した旨の記載がある処分 ※注意事項参照 |
国税局長 | 国税不服審判所長 |
| 税務署長/国税庁の職員が調査した旨の記載がある処分 | 国税庁長官 | − |
| 国税局長 不服申立先は納税者の選択による |
国税局長 | 国税不服審判所長 |
| 国税庁長官 | 国税庁長官 | − |
| 税関長 ※注意事項参照 |
税関長 | 国税不服審判所長 |
| 国税庁、国税局、税務署及び税関以外の行政機関の長又はその職員 | − | 国税不服審判所長 |
次のいずれかに該当する場合には、その選択により国税不服審判所長に対して直接審査請求をすることができます。
- 所得税法又は法人税法に規定する青色申告書に係る更正に不服があるとき
- その処分をしたものが行政不服審査法の規定による教示をしなかったとき
- その他異議申立てをしないで審査請求をすることにつき正当な理由があるとき
なお、審査請求を行う場合の審査請求書の提出先は、審査請求の目的となる処分を行った原処分庁の管轄区域を管轄(又は分掌)する国税不服審判所支部(又は支所)となります。