(平成30年3月29日裁決)

《裁決書(抄)》

1 事実

(1) 事案の概要

本件は、被相続人J(以下「本件被相続人」という。)の相続人である審査請求人G(以下「請求人G」という。)、同E(以下「請求人E」という。)及び同H(以下「請求人H」といい、請求人G及び請求人Eと併せて「請求人ら」という。)が、相続開始の直前に本件被相続人名義の預金口座から引き出された金員について、その一部が相続税の課税価格に算入されていなかったとして修正申告書を提出したところ、原処分庁が、当該修正申告書の提出は更正があることを予知してなされたものであるとして重加算税の賦課決定処分をするとともに、当該金員のその余の部分についても相続財産に当たるなどとして相続税の更正処分及び重加算税の賦課決定処分等をしたのに対して、請求人らが、当該修正申告書は更正を予知して提出したものではない上、請求人E及び請求人Gに隠ぺい又は仮装の行為はなく、また、相続により取得した土地については財産評価基本通達(昭和39年4月25日付直資56ほか国税庁長官通達。以下「評価通達」という。)24−4《広大地の評価》の定めにより評価すべきであるとして、原処分の全部の取消しを求めた事案である。

(2) 関係法令等の要旨

関係法令等は、別紙3のとおりである。
 なお、別紙3で定義した略語については、以下、本文及び別表でも使用する。

(3) 基礎事実

当審判所の調査及び審理の結果によれば、以下の事実が認められる。

  • イ 本件被相続人は、平成26年1月○日に倒れて○○の状態となり、その11日後の同年2月○日に死亡し、その相続(以下「本件相続」という。)に係る相続人は、本件被相続人の配偶者である請求人G、本件被相続人の子である請求人E及び請求人Hの3名である。
  • ロ 請求人Eは、平成26年1月○日及び同月○日に、別表1の順号1から順号7までに記載の本件被相続人名義の各預貯金を各取引金融機関から引き出し、同月○日、当該引き出した金員の大半を、同表の順号8から順号10までに記載のとおり、請求人G名義及び請求人E名義の各普通預金口座へ預け入れた(以下、当該各普通預金口座のうち、同表の順号8及び順号9記載の請求人G名義の口座を「本件G口座」といい、同表の順号10記載の請求人E名義の口座を「本件E口座」という。また、当該順号1から順号10までに記載の各預貯金の取引を併せて「本件各預金取引」という。)。
  • ハ 平成26年7月30日、請求人らの間で本件相続に係る遺産分割協議が成立し(以下、当該遺産分割協議に係る遺産分割協議書を「本件遺産分割協議書」という。)、別表2記載の各土地(以下、別表2記載の順号1の土地を「本件1土地」、順号2の土地を「本件2土地」といい、これらを併せて「本件各土地」という。)は請求人E及び請求人Gが持分各2分の1の割合で取得すること、本件遺産分割協議書作成日以降に発見された債権・債務は全て請求人Eに帰属することなどとされた。
     なお、本件遺産分割協議書には、本件相続の開始前に本件被相続人名義の預貯金口座から引き出された、別表1の順号1から順号7までに記載の金員に係る記載はなかった。

(4) 審査請求に至る経緯

  • イ 請求人らは、本件相続に係る相続税について、相続税の申告書に別表3の「申告」欄のとおり記載して法定申告期限までに申告した(以下「本件申告」といい、本件申告により提出された申告書を「本件申告書」という。)。
     なお、本件申告書には、本件被相続人名義のK信用金庫○○支店の普通預金口座、定期預金及び定期積金の各口座並びにL銀行○○支店の普通預金口座に係る各預金が相続財産として記載されていた。
     また、請求人らは、本件申告に当たり、本件各土地について、その全体の利用区分が自用地であるとした上、89,251,274円と評価した。
  • ロ 原処分庁所属の調査担当職員(以下「本件調査担当職員」という。)は、請求人らの税務代理人であるM税理士(以下「本件税理士」という。)に対し、平成28年7月5日に本件相続に係る相続税の調査のための日程調整を依頼した上で、同月12日、通則法第74条の9《納税義務者に対する調査の事前通知等》の規定に基づく事前通知により、同月20日に請求人Eの自宅において本件相続に係る相続税の実地の調査(以下「本件調査」という。)を行う旨を連絡した。
  • ハ 本件税理士は、平成28年7月15日に本件調査担当職員に電話をし、本件申告の内容を見直したところ、預金が相続財産から漏れていたので修正申告をする旨を申し出た(以下、当該電話による修正申告の申出を「本件電話連絡」という。)。
  • ニ 本件調査担当職員は、本件電話連絡を受けた後の平成28年7月15日午後、本件税理士に電話をし、当該電話は調査による質問検査である旨を宣言した上で、本件各預金取引について、その取引日、取引金融機関、口座名義及び各取引金額を伝え、修正申告を予定している内容が本件各預金取引のうち、別表1の順号8から順号10までに記載の各預金取引(以下、当該各預金取引に係る金額の合計10,032,719円を「本件金員」という。)に関するものであるか否かについて質問した(以下、当該電話による質問を「本件質問」という。)。
     これに対し、本件税理士は、同税理士が確認しているのは本件各預金取引のうちK信用金庫○○支店の取引のみであり、N銀行の取引は把握しておらず、L銀行○○支店の取引は確認中である旨の回答をした上、判明している預金について先に修正申告する旨を改めて申し出た。
  • ホ 請求人らは、本件申告において、別表1の順号1及び順号4記載の各預金取引(順号4については、定期預金の元本相当額1,501,804円)の合計金額5,001,804円(以下「本件修正申告対象額」という。)に相当する財産が申告されていなかったとして、別表3の「修正申告」欄記載のとおりとする相続税の修正申告書(以下「本件修正申告書」といい、本件修正申告書による修正申告を「本件修正申告」という。)を平成28年7月19日に提出した。
  • ヘ 請求人Eは、平成28年7月20日、本件調査における本件調査担当職員の質問に対して、本件各預金取引は、本件被相続人が平成26年1月○日に倒れたので、入院費用や死亡時の費用の支出に備えて自ら行った旨申述したほか、本件金員は、「税務署さんに言われてみると、確かに本件被相続人の相続財産である。」旨申述した。
     なお、本件税理士は、本件調査担当職員に対し、本件各土地を広大地通達の定めにより評価すべきである旨を申し出た。
  • ト 原処分庁は、本件修正申告に対し、平成29年1月20日付で別表3の「賦課決定処分」欄のとおりの各賦課決定処分をした。
  • チ 次いで、原処分庁は、本件金員のうち本件修正申告対象額を除いた金員についても本件相続に係る相続財産であるとして、平成29年1月20日付で、別表3の「更正処分等」欄のとおりの各更正処分(以下「本件各更正処分」という。)並びに過少申告加算税及び重加算税の各賦課決定処分(以下、上記トの各賦課決定処分と併せて「本件各賦課決定処分」という。)をした。
     なお、本件各土地は、本件被相続人が10分の9、請求人Eが主宰するP社が10分の1の持分を有する、平成21年に建築された鉄骨造地上3階建の建物の敷地として使用されており、原処分庁は、本件各更正処分に当たり、本件各土地について、本件1土地部分の利用区分を貸家建付地、地積を941.606平方メートルとして別表2の「更正処分額」欄記載のとおり86,118,579円と評価し、本件2土地部分の利用区分を貸宅地、地積を34.454平方メートルとして同表同欄記載のとおり2,274,904円と評価した。
  • リ 請求人らは、上記ト及びチの各処分を不服として、平成29年4月13日に審査請求をした。
     また、請求人らは、請求人Eを総代として選任し、その旨を平成29年5月19日に当審判所に届け出た。
  • ヌ 請求人Gは、本件相続開始の日において、○○を受けているが、本件申告、本件修正申告及び本件各更正処分に係る相続税の計算において、相続税法第19条の4第1項に規定する障害者控除の適用がされていない。

(5) 本件各土地の状況等

本件相続の開始日現在における本件各土地の状況等は、次のとおりである。

  • イ 本件各土地は、北側が建築基準法第42条《道路の定義》第1項第5号に規定する位置指定道路(以下「本件位置指定道路」という。)に44.12メートル、東側が県道d線(d道)(以下「本件県道」という。)に36.35メートル、南側が市道e号線に22.05メートル接する、地積が976.06平方メートルの宅地である(位置関係については、別図1参照)。
     なお、本件位置指定道路は、通り抜けが可能である。
  • ロ Q国税局長が定めた財産評価基準書における平成26年分の1平方メートル当たりの路線価は、本件位置指定道路が175,000円、本件県道が180,000円、市道e号線が185,000円、借地権割合は、いずれも60%、評価通達14−2《地区》に定める地区区分は、いずれも普通住宅地区である。
  • ハ 本件各土地は、都市計画法第7条《区域区分》第1項及び第2項に規定する市街化区域に所在し、同法第8条《地域地区》第1項第1号に規定する用途地域としては第一種住居地域及び第一種中高層住居専用地域の双方の用途地域に所在する。また、本件各土地について、建築基準法第52条《容積率》に規定する容積率(以下「容積率」という。)は200%、同法第53条《建ぺい率》に規定する建ぺい率(以下「建ぺい率」という。)は60%である(位置関係については、別図2参照)。
     なお、本件各土地が所在する地域は、首都圏整備法第2条《定義》第4項に規定する近郊整備地帯に所在することから、地積が500平方メートル以上の土地について開発行為を行う場合には、都市計画法第29条《開発行為の許可》に規定する許可を受けなければならず、また、開発行為を行う場合の1区画の最低敷地面積は、「a市都市計画法に基づく開発許可等の基準に関する条例」第○条《○》の規定により、○○平方メートルとされている。

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2 争点

  • (1) 本件修正申告書の提出は、通則法第65条第5項に規定する「更正があるべきことを予知してされたものでないとき」に当たるか否か(争点1)。
  • (2) 請求人E及び請求人Gに通則法第68条第1項に規定する隠ぺい又は仮装の行為があったか否か(争点2)。
  • (3) 請求人Gに相続税法第19条の2第5項に規定する隠蔽仮装行為があったか否か(争点3)。
  • (4) 本件各土地は、広大地に該当するか否か(争点4)。

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3 争点についての主張

(1) 争点1(本件修正申告書の提出は、通則法第65条第5項に規定する「更正があるべきことを予知してされたものでないとき」に当たるか否か。)について

  • イ 請求人らの主張
     本件修正申告書の提出は、次のことから、通則法第65条第5項に規定する「更正があるべきことを予知してされたものでないとき」に当たる。
    • (イ) 請求人らは、本件調査の日より前の平成28年7月13日に請求人Eが本件税理士と行った打合せにより本件申告において申告漏れとなっている財産のあることが判明したため、自発的に修正申告を行うことを決め、同月15日に本件税理士を通じて、申告漏れとなっている財産があることが判明した旨及び本件調査前に修正申告を行う旨を本件調査担当職員に対して伝えた上、同月19日に本件修正申告書を提出したものである。
    • (ロ) そうすると、請求人らは、本件調査担当職員から本件各預金取引に関する話をされる前に、既に本件修正申告を行うこと及び修正すべき申告額を決めていたのであるから、本件修正申告書の提出前に本件調査担当職員が内部調査で把握した事実を告げたことをもって、本件修正申告書の提出が通則法第65条第5項に規定する「更正があるべきことを予知してされたものでないとき」に当たらないとするのは相当でない。
  • ロ 原処分庁の主張
     本件修正申告書の提出は、次のとおり、通則法第65条第5項に規定する「更正があるべきことを予知してされたものでないとき」に当たらない。
    • (イ) 本件調査担当職員は、遅くとも平成28年7月13日までに、本件各預金取引の事実を把握し、本件金員に相当する金額の大部分が本件申告に係る相続財産に含まれていない蓋然性が高いと認識していた。また、平成28年7月15日の本件電話連絡において、本件税理士から修正申告をしようとしている申告漏れとなっている財産について具体的な説明はなかったところ、本件調査担当職員は、本件質問をし、同日、本件金員が申告漏れとなっている旨の具体的な指摘を行った。
    • (ロ) そうすると、請求人らは、本件質問により、本件相続に係る相続税の調査が開始されていることを認識し、修正申告をしなければ、やがて原処分庁が更正処分を行うであろうことを予知したものと認めるのが相当であるから、本件修正申告書の提出は、通則法第65条第5項に規定する「更正があるべきことを予知してされたものでないとき」には当たらない。

(2) 争点2(請求人E及び請求人Gに通則法第68条第1項に規定する隠ぺい又は仮装の行為があったか否か。)について

  • イ 原処分庁の主張
     請求人E及び請求人Gには、次のとおり、通則法第68条第1項に規定する隠ぺい又は仮装の行為があったと認められる。
    • (イ) 請求人Eは、本件被相続人が倒れた平成26年1月○日の翌日と翌々日に本件被相続人名義の各預貯金口座から合計10,034,986円を引き出し、これとほぼ同額の本件金員(10,032,719円)を本件E口座及び本件G口座に入金したことから、請求人Eは、本件金員が本件相続に係る相続財産であることを十分に認識していたと認められる。
       そして、請求人Eは、他の共同相続人から本件相続について相続財産の調査及び申告手続に係る委任を受けていたにもかかわらず、本件遺産分割協議書に本件金員を記載せず、また、本件申告の際の税務代理人R(以下「当初申告代理人」という。)に対して、本件被相続人名義の預貯金通帳の提示及び本件各預金取引の事実の伝達をせずに、本件申告に係る各預金口座の残高証明書のみを提示したことが認められる。
    • (ロ) そうすると、請求人Eは、本件金員が本件相続に係る相続財産であることを知りながら、当初から過少に申告することを意図し、当初申告代理人に本件申告に係る各預金口座の残高証明書のみを提示することによって、過少な相続税額が記載された本件申告書を作成させ、これを提出したと認められるから、請求人Eは、当初から過少に申告することを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をした上で、その意図に基づく過少申告をしたと認められる。
    • (ハ) 請求人Gは、本件相続に係る相続財産の調査及び本件申告に係る申告手続を請求人Eに委任していたところ、その選任及び監督に過失がないとする事情は認められず、請求人Eの隠ぺい又は仮装の行為を請求人Gの行為と同視することができるから、請求人Gについても、通則法第68条第1項に規定する隠ぺい又は仮装の行為があったと認められる。
  • ロ 請求人らの主張
     請求人E及び請求人Gには、通則法第68条第1項に規定する隠ぺい又は仮装の行為はなかった。
    • (イ) 本件各預金取引は、本件被相続人が○○の状態にあり、入院期間が長引くことが予想され、その医療費や介護費用といった多額の支出が見込まれたため、本件被相続人の預貯金を本件E口座及び本件G口座へ移したものであるから、本件各預金取引は、本件被相続人において発生する費用の支払に充てるための原資の確保を目的として行われたものであり、請求人Eが、本件相続に係る相続財産を隠す意図で行ったものでないことは明らかである。
    • (ロ) 加えて、請求人Eは、当初申告代理人から、本件被相続人名義の預金に係る本件相続開始時の残高証明書以外に、本件各預金取引に係る請求人E口座及び請求人G口座の各預金通帳はもとより、本件被相続人名義の預貯金通帳や同人名義の預金に係る取引履歴の提出を求められたこともない上、本件相続の開始前の預貯金に係る入出金の有無に関する質問もなかったことから、自己が当初申告代理人に提出した資料のみで本件相続に係る相続税の申告のための資料として不足はなかったと認識してもやむを得ず、本件金員が本件相続に係る相続財産であるとの認識もその認識に至る契機もなかった。また、請求人Eは、平成28年7月13日、本件税理士に対し、本件各預金取引に係る預貯金通帳を開示しており、本件各預金取引の存在やその取引に係る預貯金通帳の存在を隠す意図がなかったことは明らかである。
    • (ハ) そして、請求人Eに隠ぺい又は仮装の行為があるとした原処分庁の認定は誤りであるから、請求人Eに申告手続を依頼した請求人Gに通則法第68条第1項に規定する隠ぺい又は仮装の行為はない。

(3) 争点3(請求人Gに相続税法第19条の2第5項に規定する隠蔽仮装行為があったか否か。)について

  • イ 原処分庁の主張
     相続税法第19条の2第5項に規定する隠蔽仮装行為は通則法第68条第1項に規定する隠ぺい又は仮装の行為と同義であり、上記(2)イ(ハ)のとおり、請求人Gに通則法第68条第1項に規定する隠ぺい又は仮装の行為があったと認められることから、請求人Gには、相続税法第19条の2第5項に規定する隠蔽仮装行為があった。
  • ロ 請求人らの主張
     上記(2)ロ(ハ)のとおり、請求人Gには通則法第68条第1項に規定する隠ぺい又は仮装の行為がなかったのであるから、相続税法第19条の2第5項に規定する隠蔽仮装行為はない。

(4) 争点4(本件各土地は、広大地に該当するか否か。)について

  • イ 原処分庁の主張
     本件各土地は、次のとおり広大地には該当しない。
    • (イ) 本件各土地に係る広大地通達にいう「その地域」は、本件県道、県道f線(f通り)及び市道g線(g通り)に囲まれた地域(別図1の「原処分庁主張地域」の部分をいい、以下「原処分庁主張地域」という。)である。そして、当該地域における標準的な宅地の使用方法は戸建住宅の敷地とするのが相当である。
    • (ロ) 本件各土地は、1三方を道路に接する形状であること、2別図3で示すとおり、都市計画法、建築基準法及び都道府県等の条例等に反することなく路地状部分を有する宅地を組み合わせた開発(以下「路地状開発」という。)によって、原処分庁主張地域における標準的な宅地の地積に分割できること、3原処分庁主張地域における次の開発事例等からすれば、路地状開発を行うことが困難な事情がない場合には路地状開発を行うことが一般的であったことが認められ、本件各土地については路地状開発を行うことが困難な事情が認められず、新たに道路を開設することなく開発することが経済的に最も合理的であると認められる。
      • A 平成23年、同7年及び昭和50年に路地状開発が行われており、平成23年及び同7年には道路の新設による開発事例もあるが、当該各道路の新設による開発事例は、いずれも一方のみを道路に接する奥行が長大な土地であり、そもそも路地状開発が困難な事情を有していた。
      • B 別図3の開発想定図にある路地状部分を有する画地の当該路地状部分の幅員では、当該画地上に建築物を建築する場合、その構造について外壁の防火構造や軒裏の不燃材料使用等の必要はあるものの、「h県建築基準法施行条例(昭和○年h県条例第○号)」(以下「本件建築基準法施行条例」という。)に抵触せず、当該画地上に建築物の建築が可能である。
  • ロ 請求人らの主張
     本件各土地は、次のとおり広大地に該当する。
    • (イ) 本件各土地に係る広大地通達にいう「その地域」は、本件県道、市道g線(g通り)及び当該市道とi交差点において南北に交差する市道(以下「本件市道」という。)に囲まれた地域(別図1の「請求人ら主張地域」の部分をいい、以下「請求人ら主張地域」という。)であり、本件市道を境として、東側には、戸建住宅が立ち並ぶ一方、西側には、敷地広大な学校が位置しており、土地の利用状況が分断されていることから、「その地域」の判定に当たり、本件市道を境界とすることが相当である。
    • (ロ) 本件各土地は、戸建住宅の敷地として開発することが相当であるところ、面積が976.06平方メートルと広大であるから、一般的に不動産開発業者による開発の上、個人が取得することが想定される。そのため、本件各土地を分割するに当たり、分割後の各画地についての建築制限に関する制約や分譲後の利便性のほか、不動産開発業者が販売する際の販売期間の長期化によるコスト増加のリスクなどを考慮すべきである。この点、別図4の開発想定図のとおり、開発道路を新設することにより、分譲価格が低くなるなどのデメリットを回避又は最小限のものとすることができることとなり、開発道路新設による開発に、経済的合理性がある。
       なお、原処分庁の主張する開発想定図等には次のとおり合理性がない。
      • A 原処分庁が主張する路地状開発の事例は、1画地当たりの地積が100平方メートル未満となり、そもそも広大地通達の適用要件すら満たしていない500平方メートル未満の土地や約40年も前のものなど、開発事例として採用することが不適当なものが含まれている。他方、開発道路の新設による開発事例は、開発時期も本件相続の開始時期に近く、本件各土地と面積が同程度であることから、本件相続の開始時期に、請求人ら主張地域において、本件各土地と同程度の面積の開発を行う場合には、道路を新設する開発が一般的である。
      • B 原処分庁の主張する開発想定図(別図3)は、本件県道に面した画地において、都市計画道路予定地部分の面積を除くと市街化区域における最低敷地面積を下回り、開発が困難となる可能性がある。
         また、路地状部分を有する画地は、当該路地状部分の幅員が本件建築基準法施行条例第○条《○○》に抵触し、建物が建築できない可能性がある上、a市が定める「○○に関する指導要綱(平成○年a市告示第○号)」(以下「本件建築指導要綱」という。)第○条《○○》において、戸建住宅の場合、最低でも長さ○メートル、幅○メートルの駐車場を確保するものとされているところ、当該路地状部分の幅員は2.0メートルと、通路以外には使用することができないなど、建物建築に関する法令上の制約や実際の分譲後の利用等を一切考慮しておらず、不合理なものである。

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4 当審判所の判断

(1) 争点1(本件修正申告書の提出は、通則法第65条第5項に規定する「更正があるべきことを予知してされたものでないとき」に当たるか否か。)について

  • イ 法令解釈
     過少申告加算税の制度は、過少申告により納税義務に違反した者に加算税を課することによって、当初から適正に申告した納税者との間の客観的不公平の実質的な是正を図るとともに、過少申告による納税義務違反の発生を防止し、適正な申告納税の実現を図り、もって納税の実を挙げようとする行政上の措置である。
     一方、通則法第65条第5項は、過少申告がされた場合であっても、その後修正申告書の提出があり、その提出が「その申告に係る国税についての調査があったことにより当該国税について更正があるべきことを予知してされたものでないとき」は、過少申告加算税を賦課しない旨規定しているところ、これは、課税庁において課税標準を調査する等の事務負担等を軽減することができることも勘案して、自発的に修正申告を決意し修正申告書を提出した者に対しては例外的に加算税を賦課しないこととし、もって納税者の自発的な修正申告を奨励することを目的とするものと解される。
     上記の通則法第65条第5項の趣旨からすると、修正申告書の提出が、「その申告に係る国税についての調査があったことにより当該国税について更正があるべきことを予知してされたものでないとき」に該当するか否かの判断に当たっては、調査の内容及び進捗状況、それに関する納税者の認識、修正申告に至る経緯、修正申告と調査の内容との関連性等の事情を総合考慮して判断するのが相当である。
  • ロ 認定事実
     請求人提出資料、原処分関係資料並びに当審判所の調査及び審理の結果によれば、次の事実が認められる。
    • (イ) 本件税理士は、平成28年7月7日、請求人Eに対し、同月13日に予定している本件調査に係る事前の打合せまでの間に、必要書類として、本件被相続人名義のK信用金庫○○支店及びL銀行○○支店の各預金口座の平成21年1月から平成26年3月までの間の各預金通帳を準備するよう求めたほか、本件被相続人名義の預金口座からの多額な出金に係る使途や請求人E及び請求人Gの預金口座への入金の有無の確認のため、上記期間に対応する請求人E名義及び請求人G名義の預金通帳の有無を確認するよう求めた。
    • (ロ) 請求人E及び本件税理士は、平成28年7月13日の打合せにおいて、本件申告の内容を検討し、別表1の順号1及び順号4の「出金額」欄記載の各金員に関し、本件修正申告対象額は本件相続に係る相続財産であり、本件申告から漏れていることを確認した。
    • (ハ) 請求人らは、上記(ロ)において確認した事実に基づき、本件修正申告対象額について本件修正申告をした。
  • ハ 当てはめ
    • (イ) 本件税理士は、本件調査担当職員から平成28年7月5日に本件調査に係る日程調整の依頼があったことを契機として、上記ロ(イ)のとおり、請求人Eに対し、本件被相続人名義、請求人E名義及び請求人G名義の各預貯金通帳を準備させた上で打合せをすることとし、請求人Eは、上記ロ(ロ)のとおり、同月13日に行った本件税理士との打合せにおいて、同税理士とともに本件申告の内容の見直しを行い、本件修正申告対象額は本件相続に係る相続財産であり、本件申告から漏れていることを確認したものと認められる。そして、上記1(4)ハのとおり、本件税理士が、平成28年7月15日に本件調査担当職員へ電話をし、本件申告から預金が漏れていたため修正申告する旨を申し出ていることからすると、請求人Eは、同月13日の本件税理士との打合せを契機として、遅くとも本件電話連絡までの間に本件修正申告対象額について修正申告を行うことを決意し、本件電話連絡によって、その意思を本件税理士を介して本件調査担当職員に伝えたものと認められる。
    • (ロ) 他方、本件調査担当職員は、上記1(4)ニのとおり、本件電話連絡があった当日の午後に本件税理士へ電話をし、修正申告予定の預金に関する本件質問を行っているところ、本件質問は、本件電話連絡を受けた本件調査担当職員が、本件申告の内容や部内資料等を検討した結果に基づき、修正申告の申出があった預金は本件各預金取引に係る本件金員に関するものではないかと考えて、本件税理士に対し、修正申告を予定している預金の確認を行ったものと認められる。
       そして、本件税理士は、本件調査担当職員の本件質問に対し、上記1(4)ニのとおり、本件各預金取引のうちK信用金庫○○支店の取引のみ確認しており、判明した預金について先に修正申告する旨を改めて申し出た後、請求人らは、上記1(4)ホ及び上記ロ(ハ)のとおり、平成28年7月19日、本件修正申告対象額は本件相続に係る相続財産であるとする本件修正申告書を提出したものと認められる。
    • (ハ) 請求人らが本件修正申告に至ったこれらの事情によれば、請求人Eは、平成28年7月13日に行った本件税理士との打合せを契機として、本件電話連絡までの間に、本件修正申告対象額について自発的に修正申告を行うことを決意し、本件税理士を介して本件調査担当職員にその意思を伝えた後、当該決意に基づき本件修正申告対象額に係る本件修正申告書を提出したものと認められ、請求人G及び請求人Hも、請求人E同様、当該打合せを契機として、本件修正申告対象額について自発的に修正申告を行うことを決意し、当該決意に基づき本件修正申告書を提出したものと認められる。
       他方、本件調査担当職員は、本件電話連絡を受けた後、本件税理士に対して電話をし、本件質問を行っているものの、上記(ロ)のとおり、本件質問の内容は、本件電話連絡で申出のあった修正申告予定の預金を確認したにすぎないものと認められる。
       したがって、請求人らは、修正申告をしなければやがて更正されるであろうとの認識の下で本件修正申告を行ったものとは認められず、請求人らがした本件修正申告書の提出は、通則法第65条第5項に規定する「更正があるべきことを予知してされたものでないとき」に当たると認められる。
  • ニ 原処分庁の主張について
     原処分庁は、本件調査担当職員は、遅くとも平成28年7月13日までには本件各預金取引の事実を把握しており、本件質問において本件金員が申告漏れとなっている旨の具体的な指摘をしていることから、請求人らは、本件質問により、本件相続に係る相続税の調査が開始されていることを認識し、修正申告をしなければやがて更正処分が行われるであろうことを予知したものと認められ、本件修正申告書の提出は「更正があるべきことを予知してされたものでないとき」に当たらない旨主張する。
     しかしながら、本件調査担当職員が、遅くとも平成28年7月13日までに本件各預金取引の事実を把握していたか否かはともかくとして、上記ハ(ハ)のとおり、本件質問は、本件電話連絡で申出のあった修正申告予定の預金の確認をしたものと認められ、請求人らが本件金員でなく本件修正申告対象額についてのみ本件修正申告をしていることからすると、本件質問は本件金員が本件申告から漏れていることを指摘したものと認めることはできず、請求人らが、修正申告をしなければやがて更正されるであろうとの認識の下で本件修正申告を行ったものと認めることもできない。
     したがって、原処分庁の主張は、理由がないといわざるを得ない。

(2) 争点2(請求人E及び請求人Gに通則法第68条第1項に規定する隠ぺい又は仮装の行為があったか否か。)について

  • イ 法令解釈
     通則法第68条第1項に規定する重加算税の制度の趣旨は、納税者が過少申告をするについて隠ぺい又は仮装という不正手段を用いた場合に、過少申告加算税よりも重い行政上の制裁を科することによって、悪質な納税義務違反の発生を防止し、もって申告納税制度による適正な徴税の実現を確保しようとする行政上の措置である。
     したがって、重加算税を課するためには、納税者のした過少申告行為そのものが隠ぺい仮装に当たるというだけでは足りず、過少申告行為そのものとは別に、隠ぺい、仮装と評価すべき行為が存在し、これに合わせた過少申告がされたことを要するものである。
     しかし、上記重加算税制度の趣旨に鑑みれば、架空名義の利用や資料の隠匿等の積極的な行為が存在したことまで必要であると解するのは相当でなく、納税者が、当初から相続財産を過少に申告することを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をした上、その意図に基づく過少申告をしたような場合には、重加算税の賦課要件が満たされるものと解するのが相当である。
  • ロ 認定事実
     請求人提出資料、原処分関係資料並びに当審判所の調査及び審理の結果によれば、次の事実が認められる。
    • (イ) 請求人Eは、平成26年4月頃、当初申告代理人からの依頼を受け、本件遺産分割協議書及び本件申告書の作成資料として、本件被相続人に係る戸籍、死亡診断書、本件被相続人名義の預金口座の残高証明書などの書類を当初申告代理人に手交したものの、本件被相続人名義の預貯金に係る通帳は提示しなかった。
    • (ロ) 当初申告代理人は、本件遺産分割協議書及び本件申告書の作成に当たり、請求人Eに対し、本件被相続人名義の預貯金に関し、通帳の提示や本件相続の開始前後の入出金についての説明を求めなかった。
    • (ハ) 本件金員のうち、本件E口座に入金された別表1の順号10記載の金員3,980,000円については、その大半が、入金後1か月半余りの間に、本件被相続人の葬式費用や法要等の支払に充てられた。
    • (ニ) 本件金員のうち、本件G口座に入金された別表1の順号8及び順号9記載の各金員の合計6,052,719円については、その一部が、上記(ハ)と同様、本件被相続人の葬式費用や法要等の支払に充てられた。
    • (ホ) 請求人Eは、本件相続に関する申告手続について、請求人らを代表した。
  • ハ 検討
     原処分庁は、上記3(2)イのとおり、請求人Eは、本件金員が本件相続に係る相続財産であることを十分認識し、他の共同相続人から本件相続に係る申告手続等の委任を受けていたにもかかわらず、本件遺産分割協議書に本件金員を記載せず、また、当初申告代理人に対し、本件被相続人名義の預金口座の残高証明書のみを提示することにより、過少な相続税額が記載された本件申告書を作成させた旨主張するので、当該主張の当否について、以下において検討する。
    • (イ) 請求人Eは、上記1(3)イ及びロのとおり、本件被相続人が倒れた日の翌日及び翌々日である平成26年1月○日及び同月○日、別表1の順号1から順号7までに記載の本件被相続人名義の各預貯金を引き出し、同月○日、その大半である本件金員を本件E口座及び本件G口座に預け入れていることからすると、原処分庁が主張するように、本件被相続人の死亡直前にこれらの口座に入金した本件金員が、本件相続に係る相続財産であると認識していたものと見る余地もないわけではない。
       しかしながら、上記ロ(ハ)及び(ニ)のとおり、本件E口座及び本件G口座に入金された本件金員は、その大半及びその一部が本件被相続人の葬式費用や法要等の支払に充てられていることからすると、そもそも請求人Eは、上記1(4)ヘの本件調査時における申述のとおり、本件被相続人が倒れたことによる入院費用や死亡時の費用の支出に備えて本件各預金取引を行ったものと認めるのが相当である。そして、請求人Eが、本件調査の際、同ヘのとおり、本件金員について、本件調査担当職員から指摘されて本件被相続人の相続財産であると認識した旨申述していることからすれば、請求人Eは、本件相続に係る相続税の申告の際、本件金員が本件相続に係る相続財産であると認識していなかったものとも評価し得る。
    • (ロ) また、請求人Eは、上記ロ(イ)のとおり、当初申告代理人に対し、本件遺産分割協議書及び本件申告書の作成資料として、本件被相続人名義の預金口座の残高証明書は提示したものの、本件被相続人名義の預貯金に係る通帳は提示しなかったものと認められる。
       しかしながら、上記ロ(ロ)のとおり、当初申告代理人が、請求人Eに対し、本件被相続人名義の預貯金に係る通帳の提示や本件相続の開始前後の入出金について説明を求めなかったことからすると、請求人Eは、上記3(2)ロ(ロ)で請求人らが主張するように、本件遺産分割協議書及び本件申告書の作成に当たり、当初申告代理人に提示した資料で事足りると認識していたものとも評価し得る。そして、請求人Eが、当初申告代理人から、本件被相続人名義の預貯金に係る通帳の提示を求められたのに対し、これを拒否ないし虚偽の説明をしたというのであればまだしも、上記(1)ロ(イ)及び(ロ)のとおり、本件調査に係る事前の打合せの際には、本件税理士の求めに応じて本件被相続人名義の預金通帳等を用意したというのであるから、当初申告代理人からの求めがあれば、本件被相続人名義の預金通帳等を提示していたと考えるのが自然である。そうすると、請求人Eは、当初申告代理人に対し、過少な相続税額が記載された本件申告書を作成させるため、本件被相続人名義の預貯金に係る通帳を提示せず、残高証明書のみを提示したものと評価することは困難であるといわざるを得ない。
    • (ハ) 以上検討したところによれば、請求人Eが、本件金員が本件相続に係る相続財産であることを十分認識していたと認めるのは困難である上、本件遺産分割協議書及び本件申告書の作成に当たり、当初申告代理人に対し、本件被相続人名義の預金口座の残高証明書のみを提示することにより、過少な相続税額が記載された本件申告書を作成させたものとも認められず、原処分庁の上記主張を根拠付ける証拠も見当たらない。
       そうすると、請求人Eが、当初から過少に申告する意図を有していたとか、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をしたとは認められず、その他、当審判所の調査によっても、請求人Eについて、通則法第68条第1項に規定する隠ぺい又は仮装の行為があったとは認められない。
    • (ニ) なお、原処分庁は、請求人Eに隠ぺい又は仮装の行為があったことを前提として、請求人Gにも、隠ぺい又は仮装の行為がある旨主張するが、上記(イ)から(ハ)までに記載のとおり、請求人Eに隠ぺい又は仮装の行為があったとは認められないから、この点に関する原処分庁の主張には理由がなく、その他、当審判所の調査の結果によっても、請求人Gについて、通則法第68条第1項に規定する隠ぺい又は仮装の行為があったとは認められない。

(3) 争点3(請求人Gに相続税法第19条の2第5項に規定する隠蔽仮装行為があったか否か。)について

  • イ 法令解釈
     相続税法第19条の2第5項は、同条第1項の相続又は遺贈により財産を取得した者が、隠蔽仮装行為に基づき相続税の申告書を提出し、その相続税について調査があったことにより更正を予知して修正申告書を提出するときの同条第1項の規定による金額の計算に当たって、相続税の総額は、課税価格の合計額に配偶者が行った隠蔽仮装行為による事実に基づく金額を含まないものとして計算したものとし、配偶者の課税価格は、相続又は遺贈により財産を取得した者が行った隠蔽仮装行為による事実に基づく金額を控除した金額とするなど、隠蔽仮装行為による事実に基づく金額を、配偶者に対する相続税額の軽減措置の対象から除外する旨規定しているところ、当該規定は、適正な申告を確保し、課税の公平を図るため、納税義務者が過少申告をした場合に、隠蔽仮装行為による事実に基づく金額まで、配偶者に対する相続税額の軽減措置の適用を受けるのは不合理であるとの趣旨から設けられたものと解される。
     そして、相続税法第19条の2第5項にいう隠蔽仮装行為とは、同条第6項で相続税の課税価格の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠蔽し、又は仮装することをいう旨規定しているところ、この趣旨は、通則法第68条第1項に規定する隠ぺい又は仮装と同義であると解される。
  • ロ 当てはめ
     上記(2)ハ(ニ)のとおり、請求人Gについて、通則法第68条第1項に規定する隠ぺい又は仮装の行為があったとは認められず、同項に規定する隠ぺい又は仮装と相続税法第19条の2第5項にいう隠蔽仮装行為は同義であると解されることから、請求人Gについて、同項に規定する隠蔽仮装行為があったとは認められない。

(4) 争点4(本件各土地は、広大地に該当するか否か。)について

  • イ 法令解釈等
    • (イ) 相続税法第22条は、相続財産の価額は、特別に定める場合を除き、当該財産の取得の時における時価によるべき旨を規定しており、ここにいう時価とは相続開始時における当該財産の客観的な交換価値をいうものと解するのが相当である。
       しかし、客観的な交換価値は、必ずしも一義的に確定されるものではないから、これを個別に評価する方法を採った場合には、その評価方式等により異なる評価額が生じたり、課税庁の事務負担が重くなり、大量に発生する課税事務の迅速な処理が困難となったりするおそれがある。そこで、課税実務上は、特別の定めのある場合を除き、相続財産評価の一般的基準が評価通達によって定められ、原則としてこれに定められた画一的な評価方式によって相続財産を評価することとされている。このように、あらかじめ定められた評価方式によってこれを画一的に評価することは、税負担の公平、効率的な租税行政の実現という観点から見て合理的であり、相続財産の評価に当たっては、評価通達によって評価することが著しく不適当と認められる特別の事情がない限り、評価通達に定められた評価方式によって画一的に評価することが相当である。
    • (ロ) 広大地通達は、評価の対象となる宅地の地積が当該宅地の属する地域の標準的な宅地の地積に比して著しく広大な宅地で、都市計画法第4条第12項に規定する開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要と認められるものの評価について、減額の補正を行う旨定めている。
       このような減額の補正を行うこととした趣旨は、1評価の対象となる宅地の地積が、当該宅地の価額の形成に関して直接影響を与える特性を持つ当該宅地の属する地域の標準的な宅地の地積に比して著しく広大で、2当該宅地が評価の時点において経済的に最も合理的に使用されておらず開発行為を要するときに、経済的に最も合理的な開発行為が当該宅地を細分化して戸建住宅等の敷地とすることである場合、当該開発行為により道路、公園等の公共公益的施設用地の負担が必要となって、いわゆる潰れ地が生じ、評価通達15《奥行価格補正》から評価通達20−5《容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の評価》までの定めによる減額の補正では十分とはいえない場合があることから、このような宅地の価額の評価に当たっては、潰れ地が生じることを当該宅地の価額に影響を及ぼすべき事情として、価値が減少していると認められる範囲で減額の補正を行うとしたものと解される。
       かかる広大地通達の趣旨に鑑みれば、広大地通達でいう「その地域」とは、原則として、評価対象地周辺の、1河川や山などの自然的状況、2行政区域、3都市計画法による土地利用の規制等の公法上の規制など、土地利用上の利便性や利用形態に影響を及ぼすもの、4土地の利用状況の連続性や地域の一体性を分断する道路、鉄道及び公園などの状況等を総合勘案し、利用状況、環境等がおおむね同一と認められるある特定の用途に供されることを中心としたひとまとまりの地域を指すものと解するのが相当である。
       そして、広大地通達でいう「標準的な宅地の地積」は、評価対象地の付近で状況の類似する地価公示の標準地又は都道府県地価調査の基準地の地積、評価対象地の付近の標準的使用(その地域で一般的な宅地の使用方法)に基づく宅地の平均的な地積などを総合勘案して判断するのが相当である。
       また、広大地通達に定める広大地の評価は、戸建住宅等の敷地として開発した場合に相当規模の公共公益的施設用地の負担が生じる宅地を前提としていると解されることから、広大地通達でいう「公共公益的施設用地の負担が必要と認められるもの」とは、経済的に最も合理的に戸建住宅の分譲を行った場合にその開発区域内に道路等の開設が必要なものをいうと解するのが相当であり、経済的に最も合理的であるか否かは、評価対象地及びその周辺の土地の利用状況に照らして判断すべきである。
  • ロ 認定事実
     請求人提出資料、原処分関係資料並びに当審判所の調査及び審理の結果によれば、次の事実が認められる。
    • (イ) 本件県道は、道幅が約7.5メートルから16メートルで本件各土地の北西約400メートルにおいて本件各土地の西方約300メートルを南北に縦貫する道幅12メートルから16メートルの県道f線(f通り)と接し、本件各土地の南東約100メートルにおいて本件県道を起点として西方方向に通ずる道幅18メートルの市道g線(g通り)と接している。
    • (ロ) 市道g線(g通り)は、本件各土地の西方約300メートルにおいて県道f線(f通り)と交差しており(以下、本件県道、市道g線(g通り)及び県道f線(f通り)を併せて「本件各道路」という。)、本件各道路は、いずれも幹線道路である。
    • (ハ) 本件各土地が、本件各道路により囲まれた地域(以下「本件地域」という。)内に所在し本件地域の用途地域が第一種中高層住居専用地域と第一種住居地域であるところ、上記1(5)ハのとおり、容積率及び建ぺい率はいずれも同じであり、本件地域内の土地は、全体として、低層の戸建住宅、中層の事務所又は共同住宅の敷地としての利用が混在した利用状況であり、用途地域の違いによる土地の利用状況に差はみられない。
       なお、本件地域内において、河川等の自然的状況、行政区域、道路等による土地の利用状況の連続性や一体性を分断する要因は見当たらない。
    • (ニ) 県道f線(f通り)の西側の地域の土地は、用途地域が第一種住居地域として、中層の事務所又は共同住宅の敷地としての利用状況であり、市道g線(g通り)の南側の地域の土地は、用途地域が第一種中高層住居専用地域であるが、学校の敷地としての利用状況が主である。
       また、本件県道の東側の地域には、不規則に入り組んだj市との行政区域の境が存在しており、幹線道路である本件県道により、その東西において土地の利用状況の一体性に分断がみられる。
    • (ホ) 本件地域に近接する地価公示の標準地として、本件各土地から北西約500メートルに「a−○」(a市b町○丁目、敷地面積164平方メートル、容積率200%、建ぺい率60%)があり、当該標準地が所在する地域は、本件地域と土地の利用状況が類似している。
    • (ヘ) a市では、本件建築指導要綱第○条(○○)○○において、宅地の区画割りについては、建築基準法第43条《敷地等と道路との関係》に規定する敷地の接道義務を、路地状通路のみで満たすことのないよう努めなければならない旨定め、同条○○は、状況等によりやむを得ず路地状敷地による区画割りを設けた場合の建ぺい率等の算定に当たっては、路地状通路を敷地面積に算入しないものとする旨定めている。
       また、開発許可を受けるに当たり、建築物の敷地が路地状部分のみによって道路に接する場合においては、本件建築基準法施行条例第○条及びh県建築基準法施行細則(昭和○年h県規則第○号)第○条の規定に基づき、路地状部分の長さが○メートル以上○メートル未満の場合、路地状部分の幅員として○メートル以上を有効に保持しなければならず、当該基準を満たさない場合には、1建築基準法第52条及び第53条(容積率及び建ぺい率)の規定について、「敷地面積」を「敷地面積から路地状部分の面積を減じた面積」と読み替えて適用した場合にこれらの規定に抵触しない規模であること、2建築物の主要用途は、一戸建ての住宅であること及び3建物の外壁は防火構造で、軒裏の仕上げは不燃材料であることの各要件を満たす必要がある。
    • (ト) a市では、本件建築指導要綱第○条(○○)において、戸建住宅の建築を計画するときは、1宅地につき1台以上の駐車場用地を確保するよう定めており、この場合の基準として、普通車の場合、全長○メートル、全幅○メートル以上としている。
    • (チ) a市において、平成21年4月以降に行われた戸建住宅としての開発事例は30件認められるが、その内容は、道路を開設したものが7件、路地状開発のみによるものが7件及びこれらの開発手法を組み合わせたものが16件であった。
    • (リ) 本件各土地のうち、本件県道に係る都市計画道路予定地部分については、地権者から都市計画法第53条《建築の許可》に規定する許可の申請があった場合、当該許可を受けることが可能である。
  • ハ 検討
    • (イ) 本件各土地が広大地に当たるか否かについては、次のとおりである。
      • A 本件各土地に係る「その地域」について
         本件地域が、上記ロ(ハ)のとおり、地域全体が一体として低層の戸建住宅、中層の事務所又は共同住宅の敷地の用途に供されているところ、上記ロ(ニ)のとおり、本件地域の西側及び南側の地域とは、土地の利用状況が相違し、本件地域の東側の地域には、不規則に入り組んだ行政区域の境があること並びに上記ロ(イ)、(ロ)及び(ニ)のとおり、本件各道路が、いずれも道幅の広い幹線道路であり、本件各道路を境に本件地域とその周囲の地域とは一体性が分断されていると認められることからすると、本件各土地について広大地通達にいう「その地域」は、本件地域とするのが相当であり、これは原処分庁主張地域と一致する。
         この点、請求人らは、本件各土地に係る広大地通達にいう「その地域」について、上記3(4)ロのとおり、本件県道、市道g線(g通り)及び本件市道に囲まれた請求人ら主張地域であって、本件市道がその西側の境となる旨主張するが、上記ロ(ハ)のとおり、本件地域内において、土地の利用状況において連続性や地域としての一体性を分断することがあると一般に考えられる客観的な状況は見当たらないことから、請求人らの主張を採用することはできない。
      • B その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大であるか否かについて
         本件各土地に係る「その地域」における標準的な宅地の使用方法が戸建住宅の敷地であることについて、請求人ら及び原処分庁に争いはないところ、当審判所の調査及び審理の結果によってもこれが相当であると認められる。そして、戸建住宅の敷地を前提として標準的な宅地の地積について検討すると、上記1(5)ハ及び上記ロ(ホ)のとおり、a市における開発行為を行う場合の1区画の最低敷地面積が○平方メートルであり、本件地域と類似する地域における地価公示の標準地の敷地面積が164平方メートルであることから、本件地域に係る標準的な宅地の地積は、おおむね100平方メートルから160平方メートルとするのが相当であると認められるところ、上記1(5)イのとおり、本件各土地の地積は976.06平方メートルであり、本件地域における標準的な宅地の地積を超えているから、本件各土地は、広大地通達にいう「その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大な宅地」であると認められる。
      • C 開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要と認められるか否かについて
         本件地域内における宅地開発の事例等は、原処分庁も主張するとおり、路地状によるものが3件、道路を開設したものが2件見受けられるが、いずれも本件各土地とは地積及び土地の形状が相違する、あるいは開発年次が古いなど、本件地域において路地状開発が一般的に行われているか否かを判断するには適当でないところ、a市では、上記ロ(ヘ)の要件を満たすことにより、路地状開発が認められており、このことは、上記ロ(チ)のとおり、平成21年4月以降において、開発事例として、路地状開発のみによる開発事例のほか、道路を開設したものと路地状開発によるものとが組み合わされた開発事例が数多くみられることからもうかがえるものであり、本件地域内においては、路地状開発及び道路を開設しての開発のいずれも可能であると認められる。
         次に、広大地通達にいう「公共公益的施設用地の負担が必要と認められるもの」とは、経済的に最も合理的に戸建住宅の分譲を行った場合にその開発区域内に道路等の開設が必要なものをいうと解するのが相当であることから、以下、本件各土地について、経済的に最も合理的な開発方法を検討する。
         なお、請求人ら及び原処分庁は、本件各土地に係る開発想定図のとおり、1区画当たりの地積について、原処分庁がおおむね100平方メートルから130平方メートル(別図3)、請求人らがおおむね110平方メートルから124平方メートル(別図4)としており、いずれも、本件地域における標準的な宅地の地積であると認められる100平方メートルから160平方メートルの範囲内であり、当審判所の調査の結果によっても、請求人ら及び原処分庁が主張する標準的な宅地の地積を不合理とする事情は見当たらないことから、以下、原処分庁及び請求人らが主張する開発想定図に基づき検討する。
        • (A) 別図3において原処分庁が主張する開発想定図によると、本件各土地を9画地に分割する場合、路地状部分を有することとなる中央部分の土地(別図3「8」の区画の土地)について、容積率や建ぺい率の計算に当たり路地状部分の面積を含めることができず、また、その上に建築する建物を防火構造の外壁にするなどの制約があることが認められる。
           もっとも、これらの制約が路地状開発の合理性を失わせるような事情とまではいえず、上記9画地に分割することで、新たな道路の開設を要しないことから、いわゆる潰れ地を必要とせず、土地の有効利用の点において優れていると認められる。
        • (B) 請求人らは、分割後の各画地についての建築制限に関する制約や分譲後の利便性の検討に加え、不動産開発業者が販売する際の販売期間の長期化によるコスト増加のリスクなどを考慮すべきであり、開発道路を新設することにより分譲価格が低くなるなどのデメリットを回避又は最小限のものとすることができることから、別図4の請求人らが主張する開発想定図に基づく開発に合理性がある旨主張する。
           しかしながら、本件位置指定道路と市道e号線の間に新たに道路を開設する場合、当該開設する道路の敷地152平方メートル(本件各土地の面積の15.6%)がいわゆる潰れ地となり建物の建築可能面積が減少する上、a市内における開発として新たに道路を開設しない開発も認められているところ、本件各土地について、ことさらに道路を開設して開発する合理的な理由や必然性は見当たらないことから、請求人らの主張する開発方法が、経済的に最も合理的であると認めることはできない。
        • (C) 以上によれば、本件各土地について開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要とは認められず、上記(A)の路地状開発によることが、経済的に最も優れた開発であると認められる。
      • D 請求人らの主張について
         請求人らは、原処分庁の主張する開発想定図は、本件県道に面した画地において、都市計画道路予定地部分の面積を除くと市街化区域における最低敷地面積を下回り開発が困難となる旨、及び路地状部分を有する画地について、路地状部分の敷地の幅員が狭く、本件建築基準法施行条例に抵触し、また、本件建築指導要綱における駐車場の確保に関する定めに反することから、建物建築に関する法令等の制約や実際の分譲後の利用等を一切考慮しておらず不合理である旨主張する。
         しかしながら、上記ロ(リ)のとおり、本件各土地のうち、都市計画道路予定地部分について建築の許可を受けることは可能であり、また、別図3の「8」の区画について、上記ロ(ヘ)のとおり、建物の外壁を防火構造とすることで本件建築基準法施行条例に反することなく建物の建築が可能であり、路地状部分の面積を控除してもなお、駐車場の敷地を確保した上、最低開発面積を確保することができることから、請求人らの主張は採用することができない。
         なお、仮に路地状部分が本件建築基準法施行条例等に抵触して開発許可が下りないとした場合であっても、別図3の58及び9の画地を合わせた上、建築基準法第43条に規定する接道義務を本件位置指定道路に求める画地と市道e号線に求める画地の2画地(他の画地についても標準的な宅地の地積である100平方メートルから160平方メートルまでの地積となるよう調整の上)に分割することにより、公共公益的施設用地の負担を必要とすることなく本件各土地を分割することが可能であるから、この点においても請求人らの主張は採用することができない。
    • (ロ) 小括
       上記(イ)のとおり、本件各土地は、開発行為を行うに当たり公共公益的施設用地の負担を必要としないことから、広大地には当たらない。

(5) 本件各更正処分の適法性について

上記(4)ハのとおり、本件各土地は広大地には当たらないことから、広大地通達により評価することはできない。また、請求人Gについては、上記(3)のとおり、相続税法第19条の2第5項に規定する隠蔽仮装行為があったとは認められないとともに、上記1(4)ヌのとおり、同法第19条の4第1項に規定する障害者控除の規定の適用がされていない。
 以上に基づき、請求人らの本件相続に係る相続税の課税価格及び納付すべき税額を計算すると、別表4の「課税価格」及び「納付すべき税額」欄記載のとおりであり、請求人Gの納付すべき税額は同人に対する更正処分における納付すべき税額を下回り、請求人E及び請求人Hの納付すべき税額は、同人らに対する各更正処分の額と同額と認められる。
 したがって、本件各更正処分のうち、請求人Gに対する更正処分は違法であるから、その一部について取り消すべきであるが、請求人E及び請求人Hに対する各更正処分は適法である。

(6) 本件各賦課決定処分の適法性について

  • イ 請求人G及び請求人Eに対する本件修正申告に係る重加算税の各賦課決定処分について
     上記(1)のとおり、請求人らについて、本件修正申告書の提出が通則法第65条第5項に規定する「更正があるべきことを予知してされたものでないとき」に該当することから、請求人G及び請求人Eに同条第1項の規定の適用はない。そして、通則法第68条第1項が、同法第65条第1項に規定する過少申告加算税に代えて重加算税を課する旨規定していることから、同項の規定の適用がない請求人G及び請求人Eに同法第68条第1項の規定の適用はない。
     したがって、請求人G及び請求人Eに対する重加算税の各賦課決定処分は、違法であり、いずれもその全部を取り消すべきである。
  • ロ 請求人らに対する本件各更正処分に係る各賦課決定処分について
    • (イ) 上記(2)のとおり、請求人E及び請求人Gに、隠ぺい又は仮装の行為があったとは認められないから、請求人らにつき通則法第68条第1項所定の重加算税の賦課要件を満たさない。他方、請求人らにつき、通則法第65条第1項所定の要件を充足するところ、本件各更正処分により納付すべき税額の計算の基礎となった事実が本件各更正処分前の税額の計算の基礎とされていなかったことについて、同条第4項に規定する「正当な理由」があるとは認められない。そして、本件各更正処分に係る各賦課決定処分の計算方法等について請求人らは争わず、これらの判断を前提に、当審判所において請求人らの過少申告加算税の額を計算すると、いずれも別表4の「過少申告加算税の額」欄及び「重加算税の額」欄記載のとおりとなり、請求人G及び請求人Eに対する本件各更正処分に係る各賦課決定処分の金額に満たないと認められる。
       したがって、請求人G及び請求人Eに対する本件各更正処分に係る各賦課決定処分のうち当審判所において計算した税額を超える部分は違法であり、その一部を取り消すべきである。
       なお、上記のとおり、請求人Gに対する過少申告加算税の計算の基礎となるべき税額の減額に伴い、過少申告加算税の計算の基礎となるべき税額は○○○○円(1万円未満の端数切捨て後のもの。)となり、過少申告加算税の額を計算すると○○○○円となるが、通則法第119条《国税の確定金額の端数計算等》第4項の規定により、5,000円未満であるときに該当するからその全額を切り捨てる。
    • (ロ) また、請求人Hに対する過少申告加算税の額は、当審判所において算出した同人に対する本件各更正処分に係る過少申告加算税の額と同額であると認められる。
       したがって、請求人Hに対する本件各更正処分に係る過少申告加算税の賦課決定処分は適法であると認められる。

(7) 結論

以上によれば、請求人G及び請求人Eに対する修正申告に係る重加算税の各賦課決定処分については審査請求に理由があるから、いずれもその全部を取り消し、また、請求人Gに対する更正処分及び賦課決定処分並びに請求人Eに対する賦課決定処分については、当審判所において計算した各税額を超える部分が違法となるから、それぞれその一部を別紙2−1及び別紙2−2の「取消額等計算書」のとおり取り消すこととし、請求人Eに対する更正処分並びに請求人Hに対する更正処分及び賦課決定処分についてはいずれも適法であるから、これらについての審査請求はいずれも棄却することとする。。

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