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国税審判官(特定任期付職員)からのメッセージ

写真(執務風景)

氏名
村島 大介(弁護士)
経歴
平成27年4月
弁護士登録
令和3年7月
金沢国税不服審判所国税審判官として採用
令和5年7月
東京国税不服審判所国税審判官に異動
(執筆時は金沢国税不服審判所所属)

Q1 国税審判官(特定任期付職員)の募集に応募したきっかけを教えてください。

A 法律事務所勤務時代に、国税審判官の募集があることを知り、審判所主催の説明会に参加してみたのですが、そこで現職の特定任期付職員の方からお話を伺い、興味を持ったことが直接のきっかけです。
 審判所では税法を含め多くのことを学べる機会があり、法律家として成長できる環境にあると思いましたし、複雑・困難化する審査請求事件の調査・審理等に粘り強く取り組み、納税者の正当な権利利益の救済を担う国税審判官の仕事には、業務を通じて得られる知識や経験以上に大きなやりがいを感じました。
 また、審判所では、弁護士が当事者を代理するのとは異なる立場で審査請求事件の解決に携わることができますので、この点も私にとっては新鮮であり、魅力を感じました。

Q2 国税審判官として審判所でどのような業務を担当していますか。

A 私の所属支部は地方支部の中でも比較的小規模な支部であり、特定任期付職員も私一人です。そのため、支部に係属している審査請求事件については、税目を問わず、担当審判官又は参加審判官として、全件、調査・審理等に従事しています。
 審判所では、事件記録を読み込み、職場の仲間とお互いの検討・分析結果をもとに議論することが日課となっており、自分が担当審判官に指定されている審査請求事件についても、日々の議論の成果や合議の結果を踏まえて議決書のドラフトを作成し、これを叩き台として再び議論を重ねるといったことをしています。
 また、審判所では、請求人面談等を通じて請求人やその代理人から直接お話を伺い、請求人の主張の趣旨や問題意識等を的確に把握することに努めていますので、その審理は決して機械的な書面審理ではなく、当事者とのコミュニケーションが必要な場面も多いと感じています。
 さらに、審判所では、必要に応じて積極的に職権調査を行っていますので、調査のために外出する機会は比較的多くありますし、ときには遠方に出張することもあります。調査に関しては、関係者からお話を伺って質問調書を作成したり、財産評価等が問題になる事案では実際に現地を確認したりもしています。
 その他、これは審査請求事件とは直接関係ありませんが、弁護士会等の研修にお邪魔し、審判所や国税審判官の仕事について紹介させていただくこともあります。

Q3 弁護士としての知識や経験が、国税審判官の業務にどのように活かされていると感じていますか。

A 審判所は準司法機関ですので、国税審判官の業務は弁護士の業務と非常に親和性が高く、弁護士の業務に必要な素養は国税審判官として働く上でもかなり高い比重で求められていると感じています。そのため、弁護士としての知識や経験は、実際に審判所でもすべてにおいて活かされていると思いますし、弁護士出身の特定任期付職員であれば、これまでの業務と同じような感覚で国税審判官の業務にも取り組むことができると思います。
 また、税法の解釈適用に当たっては、素朴かつ本質的な疑問に皆で頭を悩ませることも多く、そのような場面では、弁護士として養ってきた法理論をよすがにして論理的に物事を考える力が求められていると感じます。

Q4 審判所の職場環境について感じていることを教えてください。

A 審判所は、とにかく手厚いサポートを受けることが可能であり、大変働きやすい環境だと感じています。私の所属支部でも、特定任期付職員が慣れない組織や職場で働くことへの不安を解消し、気持ち良く働けるよう、国税出身の職員の方が隅々まで配慮してくださっていますし、税法について分からないことがあれば、どんな些細なことでも丁寧に指導してくださいます。職場の雰囲気は非常に明るく、風通しも良いことから、困ったことがあれば何でも遠慮なく相談できる環境にあると思いますし、仕事面であるか生活面であるかを問わず、いつも親身にサポートしてくださる職場の仲間の存在は非常に大きいと感じています。
 また、研修が頻繁に開催されている点も、審判所勤務の一つの特徴だと感じています。審判所全体の研修は、初任者研修を含め大変充実していると思いますし、私の所属支部でも、裁決例や裁判例等を題材にした勉強会を開催しており、そこでの議論が非常に良い学びの機会になっていると思います。

Q5 国税審判官となって、良かったと思うことを教えてください。

A 審判所の日常はこれまで考えたこともなかったような問題意識との出会いや気付きの連続であり、国税審判官の仕事は純粋に楽しく、それだけでも国税審判官に応募して本当に良かったと思っていますし、審判所がその使命を果たし続けることはとても大切なことだと思いますので、国税審判官として大きなやりがいを持って働く機会に恵まれたことは、何事にも代えがたい貴重な経験であると感じています。
 また、審判所では税のプロフェッショナルに囲まれて仕事をしており、税法を学ぶ上で非常に恵まれた環境にありますので、職場の仲間から少しでも色々と吸収しようと努めることで、自分の法律家としての成長にも繋がっていると感じています。
 さらに、審判所ではワーク・ライフ・バランスが推奨されていることから、定時で帰宅できる日も多く、休暇も取得しやすいです。そのおかげで妻や子供と過ごす時間も増え、自分も含めた家族の人生を見つめ直す良い機会になったと感じています。

Q6 国税審判官(特定任期付職員)に応募する方へのメッセージをお願いします。

A 私の場合、これまでは必ずしも税法を専門とする弁護士として実務経験を積んでこなかったことから、国税審判官への応募に当たっては、審判所で働くことへの期待と同じぐらい、本当に自分に務まるのかという不安もありました。ですが、審判所はチームプレーであり、皆で助け合って仕事をしていますので、保有している資格がなんであれ、また、これまでの実務経験がどのようなものであれ、国税審判官として仕事をする上ではプラスにしかならないと感じています。そのため、もし、かつての私のように不安を感じて応募を躊躇されている方がいらっしゃるのであれば、そういった不安は一度忘れて、ぜひ期待のほうにだけ目を向けていただきたいと思っています。
 また、審判所では、全国各地に支部・支所が設置されていることから、事情が許す限り、新しい土地で暮らす選択肢がある点も大きな魅力だと思います。私はもともと現在の勤務地とは異なる土地で暮らしていましたが、幸いにも家族の理解を得ることができましたので、新しい土地での暮らしにも思いを馳せながら、勤務地を限定せずに応募することにしました。そのため、応募の段階では勤務地がどこになるのかも本当に楽しみでしたし、縁あって赴任した現在の勤務地でも、本当に多くの出会いや発見に恵まれたと感じています。特に地方支部の場合は、特定任期付職員が非常に期待されていると感じますので、仕事面でのやりがいも大きいと思います。
 一人でも多くの方に国税審判官への応募に興味を持っていただければ、嬉しく思います。

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