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国税審判官(特定任期付職員)からのメッセージ
- 氏名
- 武井 久光
- 経歴
- 平成21年12月
弁護士登録 - 令和4年7月
東京国税不服審判所国税審判官として採用
Q1 国税審判官(特定任期付職員)の募集に応募したきっかけを教えてください。
A 税務分野の実務を知りたいと思ったためでした。弁護士の時には交通事故や労働などの民事事件、離婚、成年後見人業務といった家事事件を主に扱っていました。そして、弁護士として事件を扱っている際に、依頼者等から税務面についての質問を受けることが何度もあったので、国税審判官として租税分野の専門性を高めることで、今後の弁護士業務に生かせるだろうと考え応募しました。
Q2 国税審判官として審判所でどのような業務を担当していますか。
A 審査請求された事件について、3人の合議体の一員となって、裁決の基になる議決を行います。議決書という書面にまとめるまでは、事件記録を読み込み、請求人と面談を行って主張を確認し、原処分庁へ行って資料を収集しつつ、必要があれば原処分庁の担当者から話を聞きます。問題となる点について裁判例や裁決例、文献等を調査し、一つの結論を得るために合議体のメンバーと話し合います。採用2年目までは、大規模な会社の法人税に関する事件を、現在は徴収事件を主に担当しています。
Q3 弁護士としての知識や経験が、国税審判官の業務にどのように活かされていると感じていますか。
A 単純に税法をあてはめるだけでは結論が出せない事件が多く、事件の全体像、関係者の利害関係、法令の適用関係等を把握するため、弁護士としての職務における事実認定の経験や民法・商法の解釈、刑事事件の経験等が活かされています。また、様々な立場の依頼者にできる限りわかりやすく説明しようとしてきた経験も活かされる仕事だと感じます。
Q4 審判所の職場環境について感じていることを教えてください。
A 法人税、所得税、消費税、徴収等、それぞれの得意分野を持った税務職員に加え、税理士、公認会計士、裁判官、検察官、弁護士といった多様な専門分野を持つメンバーが、自分の強みを活かして仕事に貢献できるように、お互いの意見を尊重する空気があります。正式な合議の場だけでなく、自席でもよく議論をしています。
また、審判所はワークライフバランスが充実しており、私の場合は定時で仕事を終えることが多く、土日は休みで、その他に有休休暇や夏季休暇等を取得できています。
Q5 国税審判官となって、良かったと思うことを教えてください。
A 合議体のメンバーだけでなく、法規審査担当の職員等が議決書にコメントを付けてくれることもあり、弁護士として準備書面等を作っていた時に比べて、数多くの人が議決書の作成に携わり、意見を出してくれます。また、弁護士の時の仕事に比べて、1つの事件のために使える時間が長いので、本当にその結論で良いかじっくりと考えるという、貴重な経験をさせてもらっています。
また、採用の際に行った健康診断と、毎年の定期健康診断やその後の精密検査を出勤扱いで受けることができたため、採用前より健康に気を遣うようになりました。
Q6 国税審判官(特定任期付職員)に応募する方へのメッセージをお願いします。
A 私は弁護士として税務訴訟を扱ったことがありませんでしたが、技術や経験を高めていくようなキャリアプランが望ましいと考え、新しいことに挑戦する気力があるうちに応募しようと決めました。国税審判官としての事件処理を通じて税務の実務を知る経験が得られ、かつ、時間をかけて法律の解釈や事実認定についての勉強ができる環境なので、弁護士としてのスキルアップが図れていると感じています。また、国税審判官経験者の任期後の様々な進路を聞いて、自分の可能性を前向きに考えることができるようにもなりました。多様な進路の選択肢の一つとしてお薦めしたいです。