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国税審判官(特定任期付職員)からのメッセージ

写真(執務風景)

氏名
石橋 暁良
経歴
令和1年8月
税理士登録
令和6年7月
東京国税不服審判所国税審判官として採用

Q1 国税審判官(特定任期付職員)の募集に応募したきっかけを教えてください。

A 税理士法人で勤務をしていた際に審査請求の支援をする機会があり、手続を調べる中で特定任期付職員の募集があることを知りました。当時、専門家としての毎年の成長が逓減していることに危機感を覚えていたため、立場の異なる真新しい環境に身を置くことが必要と思い、応募を考え始めました。
 応募に至るまでは、@自身の経歴で採用してもらえるだろうか、A不慣れな環境で責任ある業務を全うできるだろうか、B任期後の仕事はどうするのか、など数々の不安はありましたが、審判所での経験は、税理士としてのキャリアに特色をつけるだけではなく、多様性に富む環境で国家公務員として働くということ自体、人生経験として貴重なものになるという考えに達し、応募を決意しました。

Q2 国税審判官として審判所でどのような業務を担当していますか。

A 担当審判官又は参加審判官として、事件の調査・審理を行い、裁決書の基礎となる議決書を作成することが主な業務です。請求人及び原処分庁双方の主張書面及び証拠資料等を確認しながら判断の方向性を検討し、必要がある場合には、追加の主張書面又は証拠資料等の提出を求めたり、当事者以外の調査を行うこともあります。
 議決書については、自身が担当審判官の場合には主体的に作成を行い、参加審判官として関与する場合においても、他の担当の方が作成された議決書に対して意見を述べる、修文案を出すなどして、よりよい議決書となるように協力し合いながら業務を進めています。

Q3 税理士としての知識や経験が、国税審判官の業務にどのように活かされていると感じていますか。

A 税務相談や税務申告書作成を通じて得た知識や、日々の取引の記帳から決算、申告に至るまでの一連の業務の経験は、事件の全体像の理解や問題の所在の早期把握に役立っています。また、専門家としては当たり前かもしれませんが、課税関係を検討する際に、条文にあたること、各種文献、裁判例、裁決例等を調査することは徹底しているため、このような習慣は、事件の審理に活きていると思います。

Q4 審判所の職場環境について感じていることを教えてください。

A 業務に関しては、裁決という行政部内の最終判断の一部を担うからか、事件を調査・審理するための時間が十分に確保されており、事件の配付も各人の業務の状況を考慮していただいているように思います。また、特定任期付職員に限らず、審判所勤務が初めての方もいらっしゃるため、業務に円滑に入るための研修も充実しています。
 職員については、特にプロパー国税職員の方に感じますが、人と人とのつながりを大切にされている方ばかりで、コミュニケーション能力が極めて高く、対人関係での悩みは一切ありません。事件に関する見解が異なった場合でも、相手を尊重しながら、相手の意見に傾聴し、建設的な議論が行われています。
 プロパー国税職員、弁護士、公認会計士、税理士と、多様な背景と専門性を持つ方々が一堂に会して事件の調査・審理をすることは、審判所ならではのもので、議論を通じて新たな知識や視点を得ることも多く、このような恵まれた環境にいられることに日々感謝しています。

Q5 国税審判官となって、良かったと思うことを教えてください。

A 主張書面及び証拠書類等をはじめとして種々の資料に触れ、多様な背景と専門性を持つ方々とも頻繁に話し合うため、日々の業務を通じて、自身の知見が広がっていくことを感じられています。また、税理士業務においては、対象とする税法、業種、規模などに一定の偏りがありましたが、どのような事件に携わるかはご縁であるため、接する機会がなかったであろう内容の事件に関与することもあり、興味、関心を抱く対象も広がっています。
 議決書の作成についていえば、言語化の難しさや言語の限界を感じることも少なくはありませんが、論理的で納得できる適切な表現を紡ぎ出す作業は、難しくも味わい深く、非常にやりがいがあります。

Q6 国税審判官(特定任期付職員)に応募する方へのメッセージをお願いします。

A 審判所での業務が非常に有意義である上、ワークライフバランスも確保されていることは、諸先輩方のコラムにも詳しく記載されているとおりです。また、任期付OB・OGの方々が各方面で活躍されていることをみれば、審判所での経験が任期満了後のキャリアにおいても貴重な財産になっていることが分かると思います。
 応募書類に何を書くべきか頭を悩ませることがあるかもしれませんが、読み手を意識した文章を書くという点で、その作成は、審判所での業務に通ずるところがあると思いますので、是非、楽しみながら取り組んでいただければと思います。
 皆様がお持ちの力を存分に発揮し、特定任期付職員の機会をつかめることを心より祈念いたします。

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