別紙2 本件付記理由の要旨

本件付記理由の要旨は、以下のとおりである(なお、略称等は本文中の例による。)。
 相続等により取得した財産の価額は、相続税法第22条の規定に基づき、当該財産の取得の時における時価によるところ、その時価は、評価通達1の(2)の定めのとおり、課税時期において、それぞれの財産の現況に応じ、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額をいい、通達評価額によることとなります。ただし、評価通達6は、評価通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する旨定めています。
 本件申告において、本件各不動産の価額について、評価通達の定めにより、本件甲土地をXXX,XXX,XXX円、本件甲建物をXX,XXX,XXX円、本件乙不動産の土地をXX,XXX,XXX円及び建物をXX,XXX,XXX円と評価し、本件甲土地については、小規模宅地等特例を適用し、XX,XXX,XXX円としています。
 しかしながら、次の事実から、本件各不動産の価額は、評価通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められますので、国税庁長官の指示に基づき評価すると、本件甲土地の評価額はXXX,XXX,XXX円、本件甲建物の評価額はXXX,XXX,XXX円、本件乙不動産の評価額はXXX,XXX,XXX円となり、また、本件甲土地について、小規模宅地等特例を適用すると、XXX,XXX,XXX円となります。

  • 1 本件甲不動産は、本件被相続人が平成21年にXXX,XXX,XXX円で購入したものですが、その購入価額は、本件甲不動産通達評価額の約4.18倍、差額はXXX,XXX,XXX円となっています。
     また、本件乙不動産は、本件被相続人が平成21年にXXX,XXX,XXX円で購入し、請求人Kが平成25年にXXX,XXX,XXX円で譲渡したものですが、その購入価額は、本件乙不動産通達評価額の約4.11倍、差額はXXX,XXX,XXX円となり、譲渡価額は、本件乙不動産通達評価額の約3.85倍、差額はXXX,XXX,XXX円となっています。
     本件相続開始日前後において本件甲不動産の購入価額並びに本件乙不動産の購入価額及び譲渡価額が具体的に明らかとなっており、これらの取引価額はいずれも客観的に相当な価額であると認められ、その取引価額と本件各通達評価額との間に著しい乖離が生じていることから、本件各不動産の価額を評価通達の定めによって評価することは相続税法第22条の法意に照らし合理性を欠くことになります。
  • 2 本件甲不動産鑑定評価書によると、本件甲不動産の本件相続開始日における鑑定評価額はXXX,XXX,XXX円と決定されています。
  • 3 本件乙不動産鑑定評価書によると、本件乙不動産の本件相続開始日における鑑定評価額はXXX,XXX,XXX円と決定されています。
  • 4 本件各鑑定評価額は、本件各不動産の本件相続開始日における時価を合理的に算定しているものと認められ、本件甲不動産の評価額はXXX,XXX,XXX円、本件乙不動産の評価額はXXX,XXX,XXX円となります。
  • 5 本件甲不動産の本件相続開始日における評価額は、本件甲不動産通達評価額の約3.77倍、差額はXXX,XXX,XXX円となり、また、本件乙不動産の本件相続開始日における評価額は、本件乙不動産通達評価額の約3.88倍、差額はXXX,XXX,XXX円となり、著しい乖離が認められます。
  • 6 上記1ないし5のことからすると、本件各不動産の価額を評価通達の定めにより評価することは、著しく不適当であると認められます。

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