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(平成29年12月6日裁決)
《裁決書(抄)》
審査請求人は、本審査請求において、原処分庁が平成29年5月31日付でした換価代金等の配当処分の全部の取消しを求めている。
なお、審査請求人は、原処分の不服申立てができる期限を経過して審査請求をしたが、当該期限を経過したことについて、正当な理由がある旨主張している。
ところで、国税通則法第77条《不服申立期間》第1項本文は、不服申立ては、処分があったことを知った日の翌日から起算して3月を経過したときは、することができない旨規定し、同項ただし書で、正当な理由があるときは、この限りではない旨規定している。
他方、国税徴収法第171条《滞納処分に関する不服申立て等の期限の特例》第1項第4号は、換価代金等の配当処分に関し欠陥があることを理由としてする不服申立ては、国税通則法第77条の規定にかかわらず、換価代金等の交付期日まででなければすることができない旨規定し、当該不服申立ての期限の特例を定めているところ、当該特例が定められた趣旨は、滞納処分手続の安定を図り、かつ、換価手続により権利を取得し、又は利益を受けた者の権利、利益を保護しようとすることにあるものと解される。
以上によれば、換価代金等の配当処分に関し欠陥があることを理由としてする不服申立てについては、国税通則法第77条第1項ただし書の適用はないと解するのが相当である。
これを本件についてみると、審査請求人が本審査請求をしたのは、当該配当処分に係る換価代金等の交付期日である平成29年6月7日午前10時00分を経過した後の同年8月24日であるから、国税通則法第77条第1項ただし書に規定する正当な理由の有無にかかわらず、本審査請求は、法定の不服申立てができる期限を経過した後にされた不適法なものである。
したがって、本審査請求は、却下することとする。