(平成30年8月23日裁決)

《裁決書(抄)》

1 事実

(1) 事案の概要

本件は、審査請求人(以下「請求人」という。)が、リース契約に基づき支払ったリース料を損金の額に算入して法人税等の確定申告をしたところ、原処分庁が、当該リース契約に基づく取引は売買として取り扱われるリース取引に該当するため、当該リース契約に係る資産は減価償却資産であり、上記リース料のうち当該資産の償却限度額を超える部分の金額は損金の額に算入されないなどとして、法人税等の更正処分などを行ったことに対し、請求人が、当該リース契約に基づく取引は売買として取り扱われるリース取引に該当しないとして、これらの処分の全部の取消しを求めた事案である。

(2) 関係法令

別紙のとおりである。なお、別紙で定義した略語については、以下、本文でも使用する。

(3) 基礎事実

当審判所の調査及び審理の結果によれば、以下の事実が認められる。
 なお、以下、請求人の法人税の事業年度、復興特別法人税及び地方法人税の課税事業年度並びに消費税及び地方消費税(以下、両税を併せて「消費税等」という。)の課税期間について、各個別の終了年月をもって表記する(例えば、平成25年1月1日から平成25年12月31日までの期間は、法人税について「平成25年12月期」といい、復興特別法人税について「平成25年12月課税事業年度」といい、消費税等について「平成25年12月課税期間」といい、また、平成27年1月1日から平成27年12月31日までの期間は、地方法人税について「平成27年12月課税事業年度」という。)。
 また、原処分に係る法人税の各事業年度を併せて「本件各事業年度」といい、復興特別法人税の各課税事業年度を併せて「本件各課税事業年度」といい、消費税等の各課税期間を併せて「本件各課税期間」という。

  • イ 請求人等について
     請求人は、不動産管理業等を営む法人であり、代表取締役のKほか2名(以下「請求人代表者ら」という。)が出資口数の全てを保有している。
     また、M社は、不動産賃貸業等を営む法人であり、請求人代表者らが発行済株式の過半数を保有している。
  • ロ N社とのリース契約などについて
    • (イ) 請求人は、平成23年9月20日付で、N社との間で、要旨次の内容のリース契約(以下「本件リース契約」といい、当該契約に基づくリース取引を「本件リース取引」という。)を締結した。
      • A N社は、請求人に対し、空調機器設備及び照明設備合計1,100点超(以下、併せて「本件リース資産」という。)を対象資産として賃貸する。
      • B リース期間は、請求人が借受証を交付した日から180か月間とする。請求人は、リース期間満了後、本件リース契約を更新しないものとする。
      • C 請求人は、N社に対し、リース料総額132,120,000円(税抜価格)を、平成24年1月から60か月間は毎月2,200,000円ずつ、平成29年1月から10年間は毎年12,000円ずつ分割して支払う。
      • D 請求人とN社は、リース期間内に本件リース契約を解約できない。
      • E リース期間が満了し、かつ、請求人が本件リース契約に定める請求人の義務を完全に履行したときは、N社は請求人に対し無償で本件リース資産を譲渡し、請求人は、これを現状有姿のまま譲り受ける。
      • F 本件リース資産を維持するための費用は、請求人が負担する。
      • G 本件リース資産の滅失、毀損についての全ての危険は、請求人が負担する。請求人は、本件リース資産が滅失したときは、損失金額をN社に支払い、毀損したときは、復元又は修理するための費用を負担する。
      • H N社は、P社との間で本件リース資産に係る請負契約を締結し、請求人はP社から本件リース資産の引渡しを受ける。
      • I 請求人とN社は、本件リース資産に関して、一般社団法人Q(以下「本件補助金交付機関」という。)に対し、○○(以下「システム導入補助金」という。)20,000,000円(以下「本件システム導入補助金」という。)の交付申請をしたことから、本件リース契約のリース料が、N社による本件システム導入補助金全額の受給を前提として算出されたものである旨、双方確認した。
    • (ロ) P社は、N社から、本件リース資産を135,000,000円(税抜価格)で請求人の頭書所在地に所在するM社所有の建隆ビルに設置する工事を請け負い、平成24年1月20日、当該工事を完了してN社に本件リース資産を引き渡し、N社は、同日、請求人に本件リース資産を引き渡した。
    • (ハ) 請求人は、本件の審査請求において、当審判所に対し、M社との間で本件リース資産を転リースする旨の平成23年12月25日付のリース物件転貸借契約書(以下「本件転リース契約書」という。また、本件転リース契約書に係る契約を「本件転リース契約」といい、当該契約に基づくリース取引を「本件転リース取引」という。)を提出した。本件転リース契約書の記載内容は、要旨、次のとおりである。
      • A 契約期間は本件リース契約と同一の期間とし、同期間の開始日に本件リース資産を引き渡す。
      • B リース料の月額は、請求人が本件リース契約に基づき損金計上する月額に2割を上乗せした額とし、M社は、毎年12月末限り同年1年分のリース料を支払う。
      • C 本件転リース契約に定めのない事項は、本件リース契約に基づくものとする。
  • ハ 本件リース契約に係るリース料などの計上について
    • (イ) 請求人は、本件リース契約に係るリース料として、平成24年12月期において22,000,000円(税抜価格)を、本件各事業年度において毎期26,400,000円(税抜価格)をそれぞれリース料勘定に計上した。
    • (ロ) 請求人は、本件転リース契約に係るリース料として、平成24年12月期において2月ないし12月分の合計29,040,000円(税抜価格)を、本件各事業年度において1月ないし12月分の合計毎期31,680,000円(税抜価格)をそれぞれその他売上勘定に計上した。

(4) 審査請求に至る経緯

  • イ 請求人は、本件各事業年度の法人税について、別表1の「確定申告」欄のとおり、いずれも青色の確定申告書に記載して、それぞれ法定申告期限までに原処分庁に提出した。その際、請求人は、上記(3)のハの(イ)のとおりリース料勘定に計上した本件リース契約に係るリース料毎期26,400,000円を損金の額に算入し、また、同(ロ)のとおりその他売上勘定に計上した本件転リース契約に係るリース料毎期31,680,000円を益金の額に算入した。
     また、請求人は、本件各課税事業年度の復興特別法人税について別表2の「確定申告」欄のとおり、平成27年12月課税事業年度の地方法人税について別表3の「確定申告」欄のとおり、いずれも青色の確定申告書に記載して、それぞれ法定申告期限までに原処分庁に提出した。
     さらに、請求人は、本件各課税期間の消費税等について、別表4の「確定申告」欄のとおり確定申告書に記載して、それぞれ法定申告期限までに原処分庁に提出した。その際、請求人は、上記(3)のハの(イ)のとおりリース料勘定に計上した本件リース契約に係るリース料毎期26,400,000円に消費税等相当額を加えた金額を課税仕入れに係る支払対価の額に含め、また、同(ロ)のとおりその他売上勘定に計上した本件転リース契約に係るリース料毎期31,680,000円を課税資産の譲渡等の対価の額に含めた。
  • ロ 原処分庁は、本件リース取引が法人税法第64条の2第3項に規定するリース取引に該当するなどとして、平成29年6月30日付で、請求人に対し、本件各事業年度の法人税について別表1の「更正処分等」欄のとおり、本件各課税事業年度の復興特別法人税について別表2の「更正処分等」欄のとおり、平成27年12月課税事業年度の地方法人税について別表3の「更正処分等」欄のとおり、本件各課税期間の消費税等について別表4の「更正処分等」欄のとおり、各更正処分(以下、上記法人税の各更正処分を「本件法人税各更正処分」、上記復興特別法人税の各更正処分を「本件復興特別法人税各更正処分」、上記地方法人税の更正処分を「本件地方法人税更正処分」、上記消費税等の各更正処分を「本件消費税等各更正処分」という。)及び過少申告加算税の各賦課決定処分(以下、併せて「本件各賦課決定処分」という。)をした。
     本件法人税各更正処分に係る通知書には、更正の理由として、要旨、本件リース契約が、賃貸借期間の中途において契約を解除することができないものであり、また、請求人において本件リース資産からもたらされる経済的な利益を実質的に享受でき、かつ、本件リース資産の使用に伴って生ずる費用を実質的に負担するものであるため、本件リース契約が、法人税法第64条の2第3項に規定するリース取引に該当することなどが記載されていた。
  • ハ 請求人は、原処分に不服があるとして、平成29年8月31日に審査請求をした。

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2 争点

  • (1) 争点1 本件法人税各更正処分の理由付記に不備があるか。
  • (2) 争点2 本件リース取引が法人税法第64条の2第3項に規定するリース取引に該当するか。

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3 争点についての主張

(1) 争点1(本件法人税各更正処分の理由付記の不備)について

原処分庁 請求人
本件法人税各更正処分は、その理由の記載において、本件リース契約がリース取引(法人税法第64条の2第3項)に該当することなどを、その理由と共に明示している。
 これらの理由の記載によれば、原処分庁は、原処分に係る判断過程を検証できるから、その恣意の抑制という点に欠けるところはなく、また、請求人も、原処分庁の判断過程を了知して不服申立ての要否を判断できるから、請求人の不服申立ての便宜という点に欠けるところはない。
 したがって、本件法人税各更正処分の理由付記に不備はない。
本件法人税各更正処分は、その理由の記載において、フルペイアウト要件に関し、本件リース契約に係るリース料の総額が、本件リース資産の「取得のために通常要する価額」のおおむね100分の90に相当する金額を超えること(法人税法施行令第131条の2第2項)を具体的に示さなければならない。
 しかし、本件法人税各更正処分は、その理由の記載において、フルペイアウト要件について、法人税法第64条の2第3項第2号の文言をほぼ引用しているにすぎず、N社における本件リース資産の取得価額135,000,000円が「取得のために通常要する価額」であると評価できる具体的事実を示していない。そのため、請求人は、なぜ本件リース取引がリース取引(法人税法第64条の2第3項)に該当するか理解することができなかった。
 このような理由の記載は、原処分庁の恣意の抑制及び請求人の不服申立ての便宜という理由付記の趣旨を満たしていないから、本件法人税各更正処分の理由付記に不備がある。

(2) 争点2(本件リース取引のリース取引(法人税法第64条の2第3項)該当性)について

原処分庁 請求人
  • イ 以下のとおり、本件リース取引は、中途解約禁止要件及びフルペイアウト要件を充足するから、リース取引(法人税法第64条の2第3項)に該当する。
    • (イ) 本件リース取引は、リース期間内に解約できないことになっていたことから、中途解約禁止要件を充足する。
    • (ロ)  本件リース契約に係るリース料の総額132,120,000円は、N社における本件リース資産の取得価額135,000,000円の約97.86%となっており、本件リース資産の「取得のために通常要する価額」(法人税法施行令第131条の2第2項)のおおむね100分の90に相当する金額を超えるから、本件リース取引は、法人税法第64条の2第3項に規定するフルペイアウト要件を充足する。
以下のとおり、本件リース取引は、リース取引(法人税法第64条の2第3項)に該当しない。
  • イ N社における本件リース資産の取得価額135,000,000円は、値引き等の交渉により、本件リース資産の「取得のために通常要する価額」よりも廉価となっている可能性があるものであり、本件リース資産の「取得のために通常要する価額」を特定するには、競争入札等による複数社の提示価格を検討する必要がある。しかし、原処分庁は、このような検討をしていない。
     加えて、1N社における本件リース資産の取得価額は、N社が本件システム導入補助金を取得する予定で設定された価格であること、2N社が本件リース資産を取得したP社は、請求人が以前より懇意にしてきた工事業者であること、3P社以外の2社における本件リース資産の見積価格の平均は、147,532,500円であることからすると、N社における本件リース資産の取得価額は、本件リース資産の「取得のために通常要する価額」よりも廉価である。
     そうすると、本件リース契約に係るリース料の総額が、本件リース資産の「取得のために通常要する価額」のおおむね100分の90に相当する金額を超えるとは認められないから、本件リース取引は、フルペイアウト要件を充足しない。
  • ロ (請求人の主張のロに対して)
     本件転リース契約に係る契約書には、本件転リースに係る契約内容を記載したものにすぎず、本件リース取引がリース取引(法人税法第64条の2第3項)に該当するという判断に影響を及ぼすものではない。
  • ロ 請求人は、本件リース資産をM社に転リースすることにより差益を得ていただけであるから、本件リース取引がリース取引(法人税法第64条の2第3項)に該当するかどうかは、本件リース契約と本件転リース契約とを一連の契約としてみた上で判断すべきである。
     この点、仮に、本件リース取引がリース取引(法人税法第64条の2第3項)に該当すると、例えば平成25年12月期については、本件リース契約に係るリース料のうち18,390,039円を減価償却費として損金の額に算入する一方、本件転リース契約に係るリース料31,680,000円を益金の額に算入することになる。これは、請求人に対し、本件リース契約に係るリース料の約72.26%もの過大な収益の計上及びこれに伴う過大な税負担を強いるものであり、不合理である。
     よって、本件リース契約と本件転リース契約とを一連の契約としてみると、本件リース契約は、リース取引(法人税法第64条の2第3項)に該当しないものというべきである。

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4 当審判所の判断

(1) 争点2(本件リース取引のリース取引(法人税法第64条の2第3項)該当性)について

  • イ 認定事実
     請求人提出資料、原処分関係資料並びに当審判所の調査及び審理の結果によれば、次の事実が認められる。
    • (イ) システム導入補助金について
      • A システム導入補助金は、○○を建築物に導入する場合に、その経費の一部を補助するものである。
         上記補助の対象となる者(以下「補助事業者」という。)は、上記システムを建築物に導入する際の建物及び設備の所有者、リース事業者などである。
      • B 上記Aのシステムをリースにより導入する場合には、建物及び設備の所有者などとリース事業者が共同してシステム導入補助金の交付を申請し、リース料からシステム導入補助金相当額が減額されていることを証明できる書類を提示しなければならない。
      • C 補助事業者は、システム導入補助金交付の決定通知を受けた後に初めて、補助事業を開始(上記Aのシステムの設計や工事等の発注、契約等)することができる。補助事業者は、補助対象となる設計や工事等の発注、契約等に当たり、1補助事業の遂行上著しく困難又は不適当である場合を除き、上記交付の決定後に3社以上の競争入札によって発注先を決定することや、2競争入札により難い場合は、その理由を明確にするとともに、価格の妥当性についても根拠を明確にすることなどに留意しなければならない。
      • D 補助事業者は、上記Aのシステム導入に係る工事請負業者等に対して全ての支払を完了したときは、30日以内又は3月10日のいずれか早い日までに、本件補助金交付機関に対して補助事業実績報告書を提出しなければならない。
         本件補助金交付機関は、補助事業実績報告書を受理した後、書類の審査や現地調査などの確定検査を実施し、その報告に係る補助事業の成果が補助金の交付決定の内容及びこれに付した条件に適合すると認めたときは、システム導入補助金の額を確定し、補助事業者に速やかに通知する。
         上記確定検査の検査項目には、競争関係が成立しているか否かや、予定価格の設定の考え方及び最低制限価格の設定が妥当か否かという請負工事業者選定の妥当性が含まれている。
      • E 補助事業者は、システム導入補助金の額の確定後、本件補助金交付機関に対して精算払請求書を提出しなければならない。本件補助金交付機関は、精算払請求書の受領後、補助事業者にシステム導入補助金を支払う。
    • (ロ) 本件システム導入補助金の交付等について
      • A 請求人は、平成23年8月3日付で、本件リース資産の取得に関して、N社と共に、本件補助金交付機関から、本件システム導入補助金の交付決定を受けた。
      • B 請求人は、平成23年8月31日付で、P社、R社及びS社の3社から、見積価格をそれぞれ135,000,000円、144,980,000円及び150,085,000円(いずれも税抜価格)とする見積書を入手し、最終的に、本件リース資産の設置工事業者としてP社を選定し、同年9月9日付で、本件補助金交付機関に対してその旨を報告した。
      • C N社は、平成23年9月20日付で、P社との間で、工事代金を135,000,000円(税抜価格)とする工事請負契約書を締結した。
      • D 請求人は、リース料総額が本件システム導入補助金を受けることにより153,150,000円(税抜価格)から132,120,000円(税抜価格)に減額される旨のリース料計算書を本件補助金交付機関に対して提出した。
         なお、本件リース契約に係るリース料総額132,120,000円は、N社における本件リース資産の取得価額135,000,000円から本件システム導入補助金20,000,000円を減算し、N社が支払う本件リース資産に係る固定資産税等11,664,000円及び金利等5,456,000円を加算して算出された金額であった。
      • E N社は、上記1の(3)のロの(ロ)のとおり、平成24年1月20日、P社から本件リース資産の引渡しを受け、同日、これを請求人に引き渡した。また、N社は、平成24年1月25日付で、P社から工事代金135,000,000円(税抜価格)の請求を受け、その後、これを支払った。
      • F 請求人及びN社は、平成24年2月16日付で、本件補助金交付機関に対して補助事業実績報告書を提出した。
         その後、本件補助金交付機関は、確定検査を実施し、本件システム導入補助金の額を20,000,000円と確定し、平成24年5月31日、N社に対して支払った。
  • ロ 検討
    • (イ) 法人税法第64条の2第3項は、同条第1項に規定するリース取引とは、資産の賃貸借で、中途解約禁止要件及びフルペイアウト要件のいずれの要件にも該当するものをいう旨規定しているところ、本件リース契約は、上記1の(3)のロの(イ)のAのとおり本件リース資産の賃貸借をその内容とするものであり、また、同Dのとおりリース期間内に解約できず、中途解約禁止要件を充足するものであるといえる。
    • (ロ) また、法人税法第64条の2第3項第2号は、フルペイアウト要件について、1当該賃貸借に係る賃借人が当該賃貸借に係る資産からもたらされる経済的な利益を実質的に享受することができ、かつ、2当該資産の使用に伴って生ずる費用を実質的に負担すべきこととされているものであることと規定しているところ、上記1について、上記1の(3)のロの(イ)のHのとおり、本件リース契約において、本件リース資産は請求人に引き渡されることとされていることなどから、請求人は、本件リース資産からもたらされる経済的な利益を実質的に享受できるといえる。
       そして、上記2については、法人税法施行令第131条の2第2項が、資産の賃貸借期間において、賃借人が支払う賃借料の金額の合計額がその資産の取得のために通常要する価額(その資産を事業の用に供するために要する費用の額を含む。)のおおむね100分の90に相当する金額を超える場合には、当該資産の賃貸借は、資産の使用に伴って生ずる費用を実質的に負担すべきこととされているものに該当する旨規定しているから、以下、この点について検討する。
      • A 賃借人が支払う賃借料の金額の合計額
        • (A) 上記1の(3)のロの(イ)のCのとおり、本件リース契約において、請求人は、N社に対し、リース料総額132,120,000円(税抜価格)を支払うこととされている。
        • (B) また、上記イの(ロ)のD及びFのとおり、本件リース取引に係るリース料総額は、N社が本件システム導入補助金全額を受給することを前提に算出されたものであり、現に、N社は、本件システム導入補助金20,000,000円を受給している。
           この点、賃貸人に対し交付された補助金で、その交付に当たり賃借料の減額が条件とされているものは、「賃借人が支払う賃借料の金額の合計額」(法人税法施行令第131条の2第2項)に加算すべきである。なぜなら、賃貸人にこのような補助金が交付されることは、経済的には、賃借人が補助金の交付を受け、これをもって賃貸人に賃借料を支払うことと同様の効果があることからすると、当該賃貸人と賃借人との間では、リース資産の取得費のうち当該補助金相当額については、賃借人が負担したと扱うことが相当であるからである(なお、法人税基本通達12の5−1−2《おおむね100分の90の判定等》には、平成29年6月30日課法2−17ほか1課国税庁長官通達による改正により、当該補助金につき同様の内容を定めた(3)が追加されている。)。
           そして、上記イの(ロ)のFのとおり、本件システム導入補助金は、賃貸人であるN社に交付された。また、同(イ)のBのとおり、システム導入補助金は、リースによりシステムを導入する場合、その申請に際し、リース料からシステム導入補助金相当額が減額されていることを証明できる書類を提示しなければならないことから、その交付に当たり賃借料(リース料)の減額が条件とされているものと認められる。
           したがって、本件システム導入補助金は、本件リース取引につき賃借人が支払う賃借料の金額の合計額に加算すべきである。
        • (C) 以上によれば、本件リース取引につき賃借人が支払う賃借料の金額の合計額は、リース料総額132,120,000円と本件システム導入補助金20,000,000円の合計の152,120,000円である。
      • B 資産の取得のために通常要する費用
         上記1の(3)のロの(ロ)のとおり、N社は、P社から、本件リース資産を135,000,000円(税抜価格。本件リース資産を設置するための費用を含む。)で取得した。
         そして、上記イの(ロ)のBのとおり、本件リース取引は、請求人が3社から見積書を入手した上で、上記価格を提示したP社が選定されていること、同(イ)のD及び(ロ)のFのとおり、本件システム導入補助金の額の確定に際しては、確定検査が実施されているところ、確定検査の検査項目には、競争関係が成立しているか否かや、予定価格の設定の考え方及び最低制限価格の設定が妥当か否かという請負工事業者選定の妥当性が含まれていることからすると、上記N社における取得価額は、本件リース資産の取得のために通常要する価額であると認められる。
         また、資産の取得のために通常要する価額には、当該資産を事業の用に供するために要する費用の額が含まれることから(法人税法施行令第131条の2第2項)、上記N社の取得価額に含まれる本件リース資産を設置するための費用並びに本件リース資産に係る固定資産税等及び金利等(上記イの(ロ)のD)は、本件リース資産の取得のために通常要する価額に含まれる。
         以上によれば、本件リース資産の取得のために通常要する価額は、上記N社における取得価額135,000,000円、上記固定資産税等11,664,000円及び上記金利等5,456,000円の合計の152,120,000円である。
      • C 小括
         以上のとおり、本件リース取引につき賃借人が支払う賃借料の合計額は152,120,000円で、本件リース資産の取得のために通常要する価額は152,120,000円であるから、前者が後者のおおむね100分の90に相当する金額を超えることは明らかである。
         したがって、本件リース取引は、資産の使用に伴って生ずる費用を実質的に負担すべきこととされているものであると認められる。
    • (ハ) 以上によれば、本件リース取引は、資産の賃貸借であり、中途解約禁止要件及びフルペイアウト要件のいずれの要件にも該当するから、リース取引(法人税法第64条の2第3項)に該当する。
  • ハ 請求人の主張について
    • (イ) 請求人は、概要、1N社における本件リース資産の取得価額は、N社が補助金を取得する予定で設定された価格であること、2N社が本件リース資産を取得したP社は、請求人が以前より懇意にしてきた工事業者であること、3P社以外の2社における本件リース資産の見積価格の平均は147,532,500円であることなどからすると、N社における本件リース資産の取得価額135,000,000円は、本件リース資産の取得のために通常要する価額よりも廉価である旨主張する。
       しかしながら、上記ロの(ロ)のBで説示したとおり、特に、本件システム導入補助金の額の確定に際しては、予定価格の設定の考え方及び最低制限価格の設定が妥当か否かについても検査内容とする確定検査が行われていることからすると、上記N社における取得価額が本件リース資産の取得のために通常要する価額よりも廉価であるとは認められない。
       したがって、請求人の主張は採用することができない。
    • (ロ) さらに、請求人は、本件転リース取引により、本件リース資産をM社に転リースすることにより差益を得ていただけであるにもかかわらず、仮に本件リース取引がリース取引(法人税法第64条の2第3項)に該当するとなると、過大な税負担を強いられることになり不合理であるから、本件リース取引がリース取引(同項)に該当するか否かについては、本件リース契約と本件転リース契約とを一連の契約としてみた上で判断すべきである旨主張する。
       しかしながら、法人税法第64条の2第3項及び法人税法施行令第131条の2第2項によれば、本件リース取引がリース取引(法人税法第64条の2第3項)に該当するか否かは、本件リース契約の内容などによって判断するものであり、請求人の主張するような事情によりその判断が左右されるものではない。
       したがって、請求人の主張は採用することができない。

(2) 本件法人税各更正処分の適法性について

  • イ 本件転リース取引等について
    • (イ) 上記1の(3)のロの(ハ)のとおり、本件転リース契約書には、請求人が、M社との間で、平成23年12月25日付で、本件リース資産を本件リース取引に係るリース料総額に2割を上乗せした額で転リースする旨の本件転リース契約を締結した旨記載されている。
       そして、上記1の(3)のハの(ロ)によれば、請求人は、平成24年12月期(本件転リース契約書の作成日付の属する事業年度の翌事業年度である。)以降、月額2,640,000円として計算した本件転リース契約に係るリース料をその他売上勘定に計上していたことが認められるところ、当該月額は、本件リース契約に係るリース料月額2,200,000円(同ロの(イ)のC)に2割を加算した金額に相当するものであり、本件転リース契約書の記載内容(本件転リース契約に係るリース料は、本件リース契約に基づき損金計上する月額に2割を上乗せした額とするというもの。同ロの(ハ)のB)と一致する。
       そうすると、請求人は、本件転リース契約書の作成日付の属する事業年度の翌事業年度から、本件転リース取引に係るリース料について、本件転リース契約書に記載されたとおりに会計処理をしていたものであるから、請求人とM社は、平成24年1月以前に、本件転リース契約を締結したものと認められる。
       これに対し、原処分庁は、原処分に係る調査において、本件転リース契約書の提出を求めたにもかかわらず、請求人がこれを提出しなかったことから、本件転リース契約書は原処分時に存在せず、本件転リース契約は締結されていない旨主張する。しかしながら、上記説示のとおり、請求人が、原処分に係る調査(同調査は、平成28年9月7日に着手された(原処分関係資料)。)の前から、本件転リース取引に係るリース料について本件転リース契約書の記載内容と一致する会計処理をしていたことからすると、本件転リース契約が締結されたという上記認定は、原処分庁の主張する事情により直ちに左右されるものではないというべきであり、原処分庁の主張は採用することができない。
    • (ロ) そこで、本件転リース契約がリース取引(法人税法第64条の2第3項)に該当するか検討すると、上記1の(3)のロの(ハ)のとおり、本件転リース契約は、本件リース資産の賃貸借をその内容とするものである。
       また、上記1の(3)のロの(ハ)によれば、本件転リース契約は、リース料以外の条件が本件リース契約と同じであると認められるところ、上記(1)のロの(イ)のとおり、本件リース取引は、中途解約禁止要件を充足するから、本件転リース取引は、本件リース取引同様、中途解約禁止要件を充足するといえる。
       さらに、フルペイアウト要件についても、上記1の(3)のロの(ロ)及び(ハ)のとおり、M社は、本件転リース契約において自己の所有する建物に設置された本件リース資産を転借していることなどから、本件リース資産からもたらされる経済的な利益を実質的に享受できると認められる。また、転借人であるM社が支払う転リース料は総額158,544,000円(税抜価格。本件リース取引に係るリース料総額132,120,000円(税抜価格)に2割を加算した金額である。上記1の(3)のロの(イ)のC及び(ハ))であり、本件リース資産の取得のために通常要する価額は152,120,000円(税抜価格)であるから(上記(1)のロの(ロ)のB)、前者が後者のおおむね100分の90に相当する金額を超えることは明らかである。以上によれば、本件転リース取引は、フルペイアウト要件を充足するものである。
       したがって、本件転リース取引は、リース取引(法人税法第64条の2第3項)に該当する。
    • (ハ) そして、上記(1)のロと上記(ロ)で説示したとおり、本件リース取引及び本件転リース取引は、いずれもリース取引(法人税法第64条の2第3項)に該当するから、法人税法第64条の2第1項の規定により、請求人は、N社から本件リース資産の引渡しを受けた平成24年1月20日(上記1の(3)のロの(ロ))に、本件リース資産を売買により取得し、さらに、請求人は、M社に本件リース資産を引き渡した日(すなわち、N社から本件リース資産の引渡しを受けた日であり、同日となる。)(同(ロ)及び(ハ))に、本件リース資産を売買により譲渡したものとして、本件各事業年度の所得の金額を計算することとなる。
  • ロ 延払基準の方法の適用について
     ところで、法人税法第63条《長期割賦販売等に係る収益及び費用の帰属事業年度》第1項本文は、長期割賦販売等(同条第6項に規定するものをいう。以下同じ。)に該当する資産の譲渡等に係る収益の額及び費用の額について、確定した決算において延払基準の方法(同条第1項にいう政令、すなわち法人税法施行令第124条《延払基準の方法》で定めるものをいう。以下同じ。)により経理した場合には、所得の金額の計算上、益金の額及び損金の額について延払基準の方法の適用を認めているところ、法人税基本通達2−4−2の2《売買があったものとされたリース取引》は、本文において、賃貸人が受取リース料を収益の額に計上している場合において、同法第64条の2第1項の規定によりリース資産の売買があったものとされたときは、賃貸人は、そのリース取引に係る収益の額及び費用の額の計算につき、同法第63条第1項を適用することができる旨定め、また、注1において、そのリース取引が行われた日の属する事業年度後の事業年度において、そのリース取引について売買があったものとして処理すべきことが明らかになった場合には、その明らかになった日の属する事業年度前の各事業年度についてのそのリース取引に係る収益の額及び費用の額は、原則として延払基準の方法により計算した収益の額及び費用の額とする旨定めている。
     この点、リース取引は、法形式上は資産の賃貸借であり、契約に基づきその賃貸料を分割して収受するものであるという一面を有することからすれば、会計上、賃貸借処理を行ったものについて、法人税法第63条第1項が要件とする延払基準の方法による経理がされていないことを理由に、すべからく所得計算における収益の額及び費用の額の分割計上を認めないこととすると、リース取引の実態に即さない場面も生じ得るというべきである。したがって、賃貸人が受取リース料を賃貸料として収益に計上している場合において、そのリース取引が同法第64条の2第1項により売買とされたときには、それに係る収益の額及び費用の額は延払基準の方法による計算を認めるべきであり、当審判所は、当該通達規定の取扱いを相当と認める。
     これを本件についてみると、請求人からM社への本件転リース取引は、上記1の(3)のハの(ロ)のとおり、請求人において賃貸借処理が行われていたところ、上記イのとおり、法人税法第64条の2第1項により、請求人からM社へ売買があったものとして処理すべきことが明らかになったのであるから、本件各事業年度についての本件転リース取引に係る収益(本件転リース契約に基づくM社からのリース料)の額及び費用(本件リース契約に基づくN社へのリース料)の額は、上記通達規定の注1の定めにより、延払基準の方法により計算した収益の額及び費用の額とし、本件各事業年度の課税所得を計算することとなる。
  • ハ 小括
     上記イ及びロを前提とすると、本件各事業年度についての本件転リース取引に係る収益の額及び費用の額は、延払基準の方法により計算した収益の額及び費用の額となるところ、これらの金額は、それぞれ本件転リース契約に係るリース料及び本件リース契約に係るリース料と同額となる。
     また、本件各課税期間の終了の時における仮受消費税等の金額から仮払消費税等の金額を控除した金額と本件各課税期間に係る納付すべき消費税等の額(下記(4)のハ)との差額(消費税等納付差額)については、本件各事業年度の損金の額に算入すべきである(「消費税法等の施行に伴う法人税の取扱いについて」(平成元年3月1日付直法2−1国税庁長官通達。なお、平成25年12月期及び平成26年12月期については、平成27年6月30日付課法2−8ほか1課共同国税庁長官通達による改正前のもの。)の6参照。)。
     さらに、請求人は、本件リース契約に基づく本件各事業年度におけるリース料に係る仮払消費税等のうち仕入税額控除ができない金額を、控除対象外消費税額等の金額として、本件各事業年度の損金の額に算入している(原処分関係資料)ところ、下記(4)のハのとおり、本件リース契約に基づくリース料は、全て平成24年12月課税期間の課税仕入れに係る対価の額に算入されるものであり、本件各課税期間の課税仕入れに係る対価の額には算入されないから、上記控除対象外消費税額等の金額は、平成24年12月期の損金の額に算入されるものであり、本件各事業年度の損金の額に算入されない。
     これらを前提に、請求人の本件各事業年度の所得金額及び納付すべき法人税額を計算すると、別表5の「審判所認定額」欄のとおりとなり、いずれも確定申告額(別表1の「確定申告」欄の金額)を下回るから、上記(1)で判断した争点2以外の争点について判断するまでもなく、本件法人税各更正処分はいずれも違法である。
     したがって、本件法人税各更正処分は、いずれもその全部を取り消すべきである。

(3) 本件復興特別法人税各更正処分及び本件地方法人税更正処分の適法性について

当審判所が認定した請求人の本件各事業年度の所得金額(上記(2)のハ)を基に本件各課税事業年度の復興特別法人税及び平成27年12月課税事業年度の地方法人税を計算すると、それぞれ別表6及び別表7の各「審判所認定額」の欄のとおりとなり、確定申告額(別表2及び別表3の各「確定申告」欄の金額)をいずれも下回るから、本件復興特別法人税各更正処分及び本件地方法人税更正処分はいずれも違法であり、それらの全部を取り消すべきである。

(4) 本件消費税等各更正処分の適法性について

  • イ 本件リース取引及び本件転リース取引について
     消費税法基本通達5−1−9《リース取引の実質判定》の(1)は、法人税法第64条の2第1項の規定により売買があったものとされるリース取引については、当該リース取引の目的となる資産の引渡しの時に資産の譲渡があったこととなることに留意する旨定めているところ、当該リース取引は、売買と同様の経済的実体があるから、その目的となる資産に関する消費税の取扱いについても、法人税の取扱いと同様に、当該資産の引渡しの時に売買(資産の譲渡)があったものとすべきであり、当審判所は、上記通達の取扱いを相当と認める。
     これを本件についてみると、上記(2)のイで説示したとおり、本件リース取引及び本件転リース取引は、いずれもリース取引(法人税法第64条の2第3項)に該当し、同条第1項の規定により、平成24年1月20日に売買があったものとされるから、上記通達の定めにより、同日にN社から請求人へ本件リース資産に係る資産の譲渡(請求人からみると、課税仕入れ)があり、また、同日に請求人からM社へ本件リース資産に係る資産の譲渡があったこととなる。
  • ロ 延払基準の方法の適用について
     ところで、消費税法(平成30年法律第7号による改正前のもの。以下同じ。)第16条《長期割賦販売等に係る資産の譲渡等の時期の特例》第1項は、長期割賦販売等に係る対価の額につき延払基準の方法により経理している場合には、長期割賦販売等の譲渡等の時期について延払基準の方法を適用することができる旨の特例を定めている。そこで、賃貸人が受取リース料を収益の額に計上している場合において、法人税法第64条の2第1項の規定によりリース資産の売買があったものとされたときに、上記(2)のロのとおり法人税の取扱いにおいて延払基準の方法が適用されるのと同様に、消費税の取扱いにおいても当該特例の適用を認めることができるか問題になるところ、消費税法第16条第3項は、当該特例の適用を受ける事業者は、当該特例を適用する旨を確定申告書に付記するものと規定していることなどからすると、賃貸人が受取リース料を収益の額に計上している場合において、法人税法第64条の2第1項の規定によりリース資産の売買があったものとされたときには、消費税の取扱いにおいて当該特例の適用を認めることはできないものと解される(なお、消費税法基本通達には、法人税における上記取扱いを定めている法人税基本通達2−4−2の2のような定めはない。)。
     したがって、本件転リース取引については、請求人において賃貸借処理が行われ、その後、法人税法第64条の2第1項により、請求人からM社へ売買があったものとして処理すべきことが明らかになったのであるが(上記(2)のイ)、上記特例を適用することはできない。
  • ハ 小括
     上記イ及びロを前提とすると、請求人は、平成24年1月20日、M社に対して本件リース資産に係る課税資産の譲渡をしたものであり、本件転リース契約に係るリース料の総額158,544,000円(税抜価格)は、上記課税資産の譲渡等の対価の額として平成24年12月課税期間の課税標準額に算入すべきものであるから、本件各課税期間における本件転リース契約に係るリース料毎期31,680,000円は、本件各課税期間の課税標準額に算入されないこととなる。
     また、上記イを前提とすると、請求人は、平成24年1月20日、N社から本件リース資産に係る課税仕入れをしたものであり、本件リース契約に係るリース料の総額132,120,000円は、上記課税仕入れの対価として平成24年12月課税期間の課税仕入れに係る支払対価の額に算入すべきものであるから、本件各課税期間における本件リース契約に係るリース料毎期26,400,000円は、本件各課税期間の課税仕入れに係る支払対価の額に算入されないこととなる。
     このことを前提に、当審判所において、請求人の本件各課税期間の納付すべき消費税等の額を計算すると、それぞれ別表8ないし別表10の「審判所認定額」欄のとおりとなり、いずれも確定申告額(別表4の「確定申告」欄の金額)を下回るから、本件消費税等各更正処分はいずれも違法である。
     したがって、本件消費税等各更正処分は、いずれもそれらの全部を取り消すべきである。

(5) 本件各賦課決定処分の適法性について

上記(2)ないし(4)のとおり、本件法人税各更正処分、本件復興特別法人税各更正処分、本件地方法人税更正処分及び本件消費税等各更正処分はいずれも違法であるから、これらを前提とする本件各賦課決定処分はいずれも違法であり、それらの全部を取り消すべきである。

(6) 結論

よって、審査請求には理由があるから、原処分はいずれもその全部を取り消すこととする。

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