別紙 関係法令等の要旨

1 相続税法関係

    • (1) 相続税法第22条《評価の原則》は、同法第3章《財産の評価》で特別の定めのあるものを除くほか、相続等により取得した財産の価額は、当該財産の取得の時における時価による旨規定している。
    • (2) 財産評価基本通達(昭和39年4月25日付直資56ほか国税庁長官通達。以下「評価通達」という。)1《評価の原則》の(3)は、財産の評価に当たっては、その財産の価額に影響を及ぼすべき全ての事情を考慮する旨定めている。

2 土壌汚染対策法関係

    • (1) 土壌汚染対策法(平成29年法律第33号による改正前のもの。以下同じ。)第2条《定義》第1項は、「特定有害物質」とは、鉛、砒素、トリクロロエチレンその他の物質(放射性物質を除く。)であって、それが土壌に含まれることに起因して人の健康に係る被害を生ずるおそれがあるものとして政令で定めるものをいう旨規定している。
       また、同法第2条第2項は、「土壌汚染状況調査」とは、同法第3条《使用が廃止された有害物質使用特定施設に係る工場又は事業場の敷地であった土地の調査》第1項、第4条《土壌汚染のおそれがある土地の形質の変更が行われる場合の調査》第2項及び第5条《土壌汚染による健康被害が生ずるおそれがある土地の調査》の土壌の特定有害物質による汚染の状況の調査をいう旨規定している。
       そして、土壌汚染対策法施行令(平成28年政令第74号による改正前のもの。以下同じ。)第1条《特定有害物質》は、同法第2条第1項の政令で定める物質は、次のイないしチに記載する同施行令第1条の各号に、それぞれ次のイないしチの物質を掲げている。
      イ シス−一・二−ジクロロエチレン(第9号)
      ロ テトラクロロエチレン(第14号)
      ハ トリクロロエチレン(第18号)
      ニ 鉛及びその化合物(第19号)
      ホ 砒素及びその化合物(第20号)
      ヘ ふっ素及びその化合物(第21号)
      ト ベンゼン(第22号)
      チ ほう素及びその化合物(第23号)
    • (2) 土壌汚染対策法第3条第1項本文は、使用が廃止された有害物質使用特定施設(水質汚濁防止法第2条《定義》第2項に規定する特定施設であって、同項第1号に規定する物質(特定有害物質であるものに限る。)をその施設において製造し、使用し、又は処理するものをいう。以下同じ。)に係る工場又は事業場の敷地であった土地の所有者、管理者又は占有者(以下「所有者等」という。)であって、当該有害物質使用特定施設を設置していたもの又は土壌汚染対策法第3条第3項の規定により都道府県知事(同法第64条《政令で定める市の長による事務の処理》に規定する市の長を含む。以下同じ。)から通知を受けたものは、環境省令で定めるところにより、当該土地の土壌の特定有害物質による汚染の状況について、環境大臣又は都道府県知事が指定する者に環境省令で定める方法により調査させて、その結果を都道府県知事に報告しなければならない旨規定しており、同法第3条第1項ただし書は、環境省令で定めるところにより、当該土地について予定されている利用の方法からみて土壌の特定有害物質による汚染により人の健康に係る被害が生ずるおそれがない旨の都道府県知事の確認を受けたときは、この限りでない旨規定している。
    • (3) 土壌汚染対策法第4条第1項本文は、土地の掘削その他の土地の形質の変更(以下「土地の形質の変更」という。)であって、その対象となる土地の面積が環境省令で定める規模以上のものをしようとする者は、当該土地の形質の変更に着手する日の30日前までに、環境省令で定めるところにより、当該土地の形質の変更の場所及び着手予定日その他環境省令で定める事項を都道府県知事に届け出なければならない旨規定しており、同項ただし書は、軽易な行為その他の行為であって、環境省令で定めるもの(第1号)及び非常災害のために必要な応急措置として行う行為(第2号)についてはこの限りではない旨規定している。
       また、同法第4条第2項は、都道府県知事は、同条第1項の規定による土地の形質の変更の届出を受けた場合において、当該土地が特定有害物質によって汚染されているおそれがあるものとして環境省令で定める基準に該当すると認めるときは、環境省令で定めるところにより、当該土地の土壌の特定有害物質による汚染の状況について、当該土地の所有者等に対し、同法第3条第1項の環境大臣又は都道府県知事が指定する者(以下「指定調査機関」という。)に同項の環境省令で定める方法により調査させて、その結果を報告すべきことを命ずることができる旨規定している。
       そして、土壌汚染対策法施行規則(平成28年環境省令第3号による改正前のもの。)第22条《土地の形質の変更の届出の対象となる土地の規模》は、同法第4条第1項の環境省令で定める規模は3,000uとする旨規定している。
    • (4) 土壌汚染対策法第5条第1項は、都道府県知事は、同法第3条第1項本文及び第4条第2項に規定するもののほか、土壌の特定有害物質による汚染により人の健康に係る被害が生ずるおそれがあるものとして政令で定める基準に該当する土地があると認めるときは、政令で定めるところにより、当該土地の土壌の特定有害物質による汚染の状況について、当該土地の所有者等に対し、指定調査機関に同法第3条第1項の環境省令で定める方法により調査させて、その結果を報告すべきことを命ずることができる旨規定している。
    • (5) 土壌汚染対策法第6条《要措置区域の指定等》第1項は、都道府県知事は、土地が次のイ及びロのいずれにも該当すると認める場合には、当該土地の区域を、その土地が特定有害物質によって汚染されており、当該汚染による人の健康に係る被害を防止するため当該汚染の除去、当該汚染の拡散の防止その他の措置(以下「汚染の除去等の措置」という。)を講ずることが必要な区域として指定するものとする旨規定している(以下、その指定に係る区域を「要措置区域」という。)。
    • イ 土壌汚染状況調査の結果、当該土地の土壌の特定有害物質による汚染状態が環境省令で定める基準に適合しないこと。(第1号)
    • ロ 土壌の特定有害物質による汚染により、人の健康に係る被害が生じ、又は生ずるおそれがあるものとして政令で定める基準に該当すること。(第2号)
    • (6) 土壌汚染対策法第7条《汚染の除去等の措置》第1項本文は、都道府県知事は、同法第6条第1項の指定をしたときは、環境省令で定めるところにより、当該汚染による人の健康に係る被害を防止するため必要な限度において、要措置区域内の土地の所有者等に対し、相当の期限を定めて、当該要措置区域内において汚染の除去等の措置を講ずべきことを指示するものとする旨規定しており、同法第7条第1項ただし書は、当該土地の所有者等以外の者の行為によって当該土地の土壌の特定有害物質による汚染が生じたことが明らかな場合であって、その行為をした者(相続、合併又は分割によりその地位を承継した者を含む。以下同じ。)に汚染の除去等の措置を講じさせることが相当であると認められ、かつ、これを講じさせることについて当該土地の所有者等に異議がないときは、環境省令で定めるところにより、その行為をした者に対し、指示するものとする旨規定している。
    • (7) 土壌汚染対策法第11条《形質変更時要届出区域の指定等》第1項は、都道府県知事は、土地が同法第6条第1項第1号に該当し、同項第2号に該当しないと認める場合には、当該土地の区域を、その土地が特定有害物質によって汚染されており、当該土地の形質の変更をしようとするときの届出をしなければならない区域として指定するものとする旨規定している(以下、その指定に係る区域を「形質変更時要届出区域」という。)。
    • (8) 土壌汚染対策法第14条《指定の申請》第1項は、土地の所有者等は、同法第3条第1項本文、第4条第2項及び第5条第1項の規定の適用を受けない土地の土壌の特定有害物質による汚染の状況について調査した結果、当該土地の土壌の特定有害物質による汚染状態が同法第6条第1項第1号の環境省令で定める基準に適合しないと思料するときは、環境省令で定めるところにより、都道府県知事に対し、当該土地の区域について同項又は同法第11条第1項の規定による指定をすることを申請することができる旨規定している。
       また、同法第14条第3項は、都道府県知事は、同条第1項の申請があった場合において、申請に係る調査が公正に、かつ、同法第3条第1項の環境省令で定める方法により行われたものであると認めるときは、当該申請に係る土地の区域について、同法第6条第1項又は第11条第1項の規定による指定をすることができる旨、この場合において、当該申請に係る調査は、土壌汚染状況調査とみなす旨規定している。

3 不動産鑑定評価基準運用上の留意事項等

  • (1) 「不動産鑑定評価基準運用上の留意事項」(平成14年7月3日付国土交通事務次官通知)のUの1の(2)《土壌汚染の有無及びその状態について》は、土壌汚染が存する場合には、汚染の除去等の措置に要する費用の発生や土地利用上の制約により、価格形成に重大な影響を与えることがある旨示している。
  • (2) 「公共用地の取得における土壌汚染への対応に係る取扱指針」(平成15年4月30日付国総国調第14号国土交通省総合政策局国土環境・調整課長通達)のW《土地補償額の算定について》は、土地補償額の具体的な算定に当たっては、汚染の除去費用等を減価要因として織り込む等により評価を行うことが必要である旨示している。

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