別紙2−1 処分の理由(本件配偶者分)

 下記の事実が認められましたので、あなたが平成30年12月17日に提出した平成30年2月○日(以下「本件相続開始日」といいます。)相続開始の被相続人Kに係る相続税の申告書(以下、この申告書に係る申告を「当初申告」といいます。)について、調査の結果、あなたの課税価格及び全ての相続人に係る課税価格の合計額に誤りがあると認められましたので、下記1ないし3のとおり計算して更正します。
 また、下記4のとおり、過少申告加算税を賦課決定します。

1 あなたの課税価格

平成26年2月12日から平成30年2月○日の間に、被相続人名義及び共同相続人名義の各預貯金からあなたが引き出し、本件相続開始日現在に手持現金として保有していた現金77,000,000円から、当初申告に計上した現金6,000,000円を控除した71,000,000円(以下「本件現金」といいます。)、R銀行○○支店のあなた名義の定期預金(口座番号○○○○、10,626,918円。以下「本件定期預金」といいます。)及びN銀行のM名義の○○○○(9,500,000円及び3,000,000円。以下「本件貯金」といいます。)について、次の(1)ないし(12)の事実から被相続人の財産であると認められ、あなたが相続により取得した財産であるにもかかわらず、あなたの相続税の課税価格に算入されていませんでした。

したがって、本件現金、本件定期預金及び本件貯金の合計額94,126,918円(以下「本件現金等」といいます。)を、あなたの課税価格に加算します。

  1. (1) あなたは、被相続人名義の預貯金及び当初申告に計上した共同相続人名義の預貯金から本件現金を引き出したこと。
  2. (2) あなたは、令和元年11月25日に調査担当者に対し、本件現金のうち65,000,000円を提示したこと。
  3. (3) 調査担当者は、令和元年12月11日に関与税理士から、あなたが上記(2)以外に現金12,000,000円を保管していた旨の報告を受けたこと。
  4. (4) あなたは、本件貯金についてわからないと申述していること。
  5. (5) Mは、本件貯金の存在や作成経緯について知らず、原資も拠出していない旨申述していること。
  6. (6) 当初申告に計上した現金及び預貯金の合計額である195,070,091円(以下「申告預貯金等」といいます。)、本件現金等並びにP信用金庫○○支店のあなた名義の普通預金(口座番号○○○○、本件相続開始日時点の残高16,161,101円。以下「P信用金庫あなた名義普通預金」といいます。)の合計額は、305,358,110円であること。
  7. (7) 令和元年11月25日に、関与税理士から調査担当者に提示のあった「金融資産形成に係る経緯」において、被相続人及びあなたの収入等の状況並びに被相続人及びあなたが両親等から相続又は贈与により財産を受けたことはない旨の説明がされていること。
  8. (8) 上記(7)より、同(6)に記載した305,358,110円は、被相続人又はあなたの収入から出捐したものと認められること。
  9. (9) 被相続人の生前収入の合計額は、給与支給額及び退職手当支給額の合計額である112,130,714円と、老齢基礎年金、老齢厚生年金(以下、老齢基礎年金と老齢厚生年金を併せて「老齢基礎年金等」といいます。)及び共済年金支給額の合計額である93,284,982円との合計額(以下「被相続人生涯賃金等」といいます。)205,415,696円と認められること。
  10. (10) あなたの本件相続開始日までの収入の合計額は、給与支給額の合計額である252,000円と、連合会老齢年金及び老齢基礎年金等支給額の合計額である9,845,585円との合計額(以下「あなた生涯賃金等」といいます。)10,097,585円と認められること。
  11. (11) 上記(6)に記載した305,358,110円に、上記(9)の被相続人の被相続人生涯賃金等と同(10)のあなた生涯賃金等の合計額である215,513,281円に占める被相続人生涯賃金等の割合95.31パーセントを乗じた額は291,036,815円、あなた生涯賃金等の割合4.69パーセントを乗じた額は14,321,295円となること。
  12. (12) 申告預貯金等及び本件現金等の合計額289,197,009円は、上記(11)の291,036,815円を下回ること。
     また、あなたが、連合会老齢年金及び老齢基礎年金等の受領に使用しているP信用金庫あなた名義普通預金の本件相続開始日時点の残高は、上記(11)の14,321,295円を上回ること。

2 全ての相続人に係る課税価格の合計額

上記1の財産の価額94,126,918円は、あなたの納付すべき相続税額の計算の基礎となる全ての相続人に係る課税価格の合計額に算入されていませんでした。したがって、当該財産の価額を全ての相続人に係る課税価格の合計額に加算します。

3 あなたの納付すべき相続税額

上記1及び2を基に、あなたの納付すべき相続税額を相続税法第16条、第17条及び第19条の2の規定により計算したところ、○○○○円となります。

したがって、今回の更正によりあなたが納付すべき相続税額は、○○○○円と当初申告におけるあなたの申告納税額○○○○円との差額○○○○円となります。

4 あなたの納付すべき過少申告加算税の額

今回の更正によりあなたが納付すべきこととなる相続税額○○○○円について、国税通則法第65条第1項及び第2項の規定に基づき計算したところ、過少申告加算税は○○○○円となります。

なお、今回の更正に基づき納付すべき税額の計算の基礎となった事実のうちに今回の更正前の税額の計算の基礎とされなかったことについて正当な理由があると認められるものはありません。

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