ホーム >> 公表裁決事例集等の紹介 >> 公表裁決事例 >> 令和6年1月分から3月分 >>(令和6年3月6日裁決) >>別紙2 関係法令等
別紙2 関係法令等
1 相続税法
相続税法第22条《評価の原則》は、同法第3章《財産の評価》で特別の定めのあるものを除くほか、相続又は遺贈により取得した財産の価額は、当該財産の取得の時における時価による旨規定している。
2 財産評価基本通達
(1) 財産評価基本通達(昭和39年4月25日付直資56ほか国税庁長官通達。以下「評価通達」という。)1《評価の原則》の(2)は、財産の価額は、時価によるものとし、時価とは、課税時期において、それぞれの財産の現況に応じ、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額をいい、その価額は、この通達の定めによって評価した価額による旨定めている。
(2) 評価通達5《評価方法の定めのない財産の評価》は、評価通達に評価方法の定めのない財産の価額は、この通達に定める評価方法に準じて評価する旨定めている。
(3) 評価通達6《この通達の定めにより難い場合の評価》は、評価通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する旨定めている。
(4) 評価通達20−2《地積規模の大きな宅地の評価》(以下「本件通達」という。)は、地積規模の大きな宅地(三大都市圏においては500以上の地積の宅地、それ以外の地域においては、1,000
以上の地積の宅地をいい、次のイからハまでのいずれかに該当するものを除く。以下「地積規模の大きな宅地」という。)で、評価通達14―2《地区》に定める地区(以下「地区区分」という。)のうち、普通商業・併用住宅地区及び普通住宅地区として定められた地区に所在するものの価額は、評価通達15《奥行価格補正》から評価通達20《不整形地の評価》までの定めにより計算した価額に、その宅地の地積の規模に応じ、次の算式により求めた規模格差補正率を乗じて計算した価額によって評価する旨定めている。
イ 市街化調整区域(都市計画法第34条第10号又は第11号の規定に基づき宅地分譲に係る同法第4条《定義》第12項に規定する開発行為(以下、単に「開発行為」という。)を行うことができる区域を除く。)に所在する宅地
ロ 都市計画法第8条《地域地区》第1項第1号に規定する工業専用地域に所在する宅地
ハ 容積率(建築基準法第52条《容積率》第1項に規定する建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合をいう。)が10分の40(東京都の特別区においては10分の30)以上の地域に所在する宅地
(算式)
上の算式中の「B」及び「C」は地積規模の大きな宅地が所在する地域に応じ、それぞれ次に掲げる表のとおりとする。
(イ) 三大都市圏に所在する宅地
(ロ) 三大都市圏以外の地域に所在する宅地
(注)1 上記算式により計算した規模格差補正率は小数点以下第2位未満を切り捨てる。
2 「三大都市圏」とは、次の地域をいう。
(1) 首都圏整備法第2条《定義》第3項に規定する既成市街地又は同条第4項に規定する近郊整備地帯
(2) 近畿圏整備法第2条《定義》第3項に規定する既成都市区域又は同条第4項に規定する近郊整備区域
(3) 中部圏開発整備法第2条《定義》第3項に規定する都市整備区域
(5) 評価通達21−2《倍率方式による評価》は、倍率方式により評価する宅地の価額は、その宅地の固定資産税評価額(地方税法第381条《固定資産課税台帳の登録事項》の規定により土地課税台帳等に登録された基準年度の価格等をいう。以下同じ。)に地価事情の類似する地域ごとに、その地域にある宅地の売買実例価額、公示価格、不動産鑑定士等による鑑定評価額、精通者意見価格等を基として国税局長の定める倍率を乗じて計算した金額によって評価する旨定めている。ただし、倍率方式により評価する地域に所在する評価通達20−2に定める地積規模の大きな宅地の価額については、本項本文の定めにより評価した価額が、その宅地が標準的な間口距離及び奥行距離を有する宅地であるとした場合の1当たりの価額を評価通達14《路線価》に定める路線価とし、かつ、その宅地が評価通達14―2に定める普通住宅地区に所在するものとして評価通達20−2の定めに準じて計算した価額を上回る場合には、評価通達20−2の定めに準じて計算した価額により評価する旨定めている。
3 都市計画法等
(1) 都市計画法第4条第12項は、「開発行為」とは、主として建築物の建築又は特定工作物の建設の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更をいう旨規定している。
(2) 都市計画法第7条《区域区分》第1項は、都市計画区域(同法第5条《都市計画区域》の規定により指定された区域をいう。以下同じ。)について無秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を図るため必要があるときは、都市計画に、市街化区域と市街化調整区域との区分(以下「区域区分」という。)を定めることができる旨規定している。また、同法第7条第2項は、市街化区域は、既に市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域とし、同条第3項は、市街化調整区域は、市街化を抑制すべき区域とする旨規定している。
(3) 都市計画法第12条の4《地区計画等》第1項は、都市計画区域については、都市計画に、次に掲げる計画を定めることができる旨規定している。(第1号及び第5号のみ抜粋)
イ 地区計画(第1号)(以下、単に「地区計画」という。)
ロ 集落地域整備法(昭和62年法律第63号)第5条《集落地区計画》第1項の規定による集落地区計画(第5号)(以下、単に「集落地区計画」という。)
(4) 都市計画法第12条の5《地区計画》第1項は、地区計画は、建築物の建築形態、公共施設その他の施設の配置等からみて、一体としてそれぞれの区域の特性にふさわしい態様を備えた良好な環境の各街区を整備し、開発し、及び保全するための計画とし、次のいずれかに該当する土地の区域について定めるものとする旨規定している。
イ 用途地域が定められている土地の区域(第1号)
ロ 用途地域が定められていない土地の区域のうち次のいずれかに該当するもの(第2号)
(イ) 住宅市街地の開発その他建築物若しくはその敷地の整備に関する事業が行われる、又は行われた土地の区域
(ロ) 建築物の建築又はその敷地の造成が無秩序に行われ、又は行われると見込まれる一定の土地の区域で、公共施設の整備の状況、土地利用の動向等からみて不良な街区の環境が形成されるおそれがあるもの
(ハ) 健全な住宅市街地における良好な居住環境その他優れた街区の環境が形成されている土地の区域
(5) 都市計画法第34条(令和2年法律第43号による改正前のもの。以下同じ。)は、同法第33条《開発許可の基準》の規定にかかわらず、市街化調整区域に係る開発行為については、当該申請に係る開発行為及びその申請の手続が同条に定める要件に該当するほか、当該申請に係る開発行為が同法第34条各号のいずれかに該当すると認める場合でなければ、都道府県知事は、開発許可をしてはならない旨規定している。(第10号から第12号まで及び第14号のみ抜粋)
イ 地区計画又は集落地区計画の区域内において、当該地区計画又は集落地区計画に定められた内容に適合する建築物又は第一種特定工作物の建築又は建設の用に供する目的で行う開発行為(第10号)
ロ 市街化区域に隣接し、又は近接し、かつ、自然的社会的諸条件から市街化区域と一体的な日常生活圏を構成していると認められる地域であっておおむね50以上の建築物(市街化区域内に存するものを含む。)が連たんしている地域のうち、政令で定める基準に従い、都道府県等の条例で指定する土地の区域(以下「条例指定区域」という。)内において行う開発行為で、予定建築物等の用途が、開発区域及びその周辺の地域における環境の保全上支障があると認められる用途として都道府県等の条例で定めるものに該当しないもの(第11号)
ハ 開発区域の周辺における市街化を促進するおそれがないと認められ、かつ、市街化区域内において行うことが困難又は著しく不適当と認められる開発行為として、政令で定める基準に従い、都道府県等の条例で区域、目的又は予定建築物等の用途を限り定められたもの(第12号)
ニ 都市計画法第34条第1号から第13号に掲げるもののほか、都道府県知事が開発審査会の議を経て、開発区域の周辺における市街化を促進するおそれがなく、かつ、市街化区域内において行うことが困難又は著しく不適当と認める開発行為(第14号)
(6) 集落地域整備法第5条第1項は、集落地域の土地の区域で、営農条件と調和のとれた良好な居住環境の確保と適正な土地利用を図るため、当該集落地域の特性にふさわしい整備及び保全を行うことが必要と認められるものについては、都市計画に集落地区計画を定めることができる旨規定している。
4 都市計画運用指針
(1) 都市計画運用指針(平成12年12月28日付建設省都計発第92号建設省都市局長通知。なお、令和2年9月7日付国都計第80号による改正前のもの。以下同じ。)は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4《技術的な助言及び勧告並びに資料の提出の要求》の規定に基づき行う技術的な助言の性格を有するものであり、その趣旨は、国として、今後、都市政策を進めていく上で都市計画制度をどのように運用していくことが望ましいと考えているか、また、その具体の運用が各制度の趣旨からして、どのような考え方の下でなされることを想定しているか等についての原則的な考え方を示し、各地方公共団体に活用してもらいたいとの考えに基づいて定めるものとしている。
(2) 都市計画運用指針のW−2《都市計画の内容》の1《土地利用》のU《個別の事項》のG《地区計画》には、地区計画制度の活用の例として、「市街化調整区域において周辺にある程度の公共施設等が整備されており、良好な居住環境を確保することが可能な地区で、ゆとりある緑豊かな郊外型住宅用地として整備を行う場合」を掲げている。
(3) 都市計画運用指針のW−2の1のUのH《防災街区整備地区計画等》の4《集落地区計画》には、集落地区計画は、営農条件と調和のとれた良好な居住環境の確保と適正な土地利用を図ることを目的としており、基本的な考え方として、集落地区計画の区域については、良好な居住環境の整備、特色ある家並みの維持・保全等当該計画の策定の目的に応じて、当該区域の整備及び保全を一体として行うべき土地の区域として定めることとしている。また、集落地区計画の区域には、原則として、「現に家屋が連たんする地区でまとまりのある一団の土地の区域等を含めるものである」としている。
5 開発許可制度運用指針
(1) 開発許可制度運用指針(平成26年8月1日付国都計第67号国土交通省都市局長通知。なお、令和2年9月7日付国都計第85号による改正前のもの。以下同じ。)は、地方自治法第245条の4の規定に基づき行う技術的な助言の性格を有するものであり、開発許可制度を運用していく際の技術的助言として、都市計画運用指針に基づいて定めるものとしている。
(2) 開発許可制度運用指針のT《個別的事項》の6《法第34条関係(第14号以外)》の8《第11号関係》は、都市計画法第34条第11号の規定は、市街化区域に隣接又は近接し、自然的社会的諸条件から一体的な日常生活圏を構成していると認められ、かつ、おおむね50戸以上の建築物が連たんしている区域は、既に相当程度公共施設が整備されており、又は、隣接、近接する市街化区域の公共施設の利用も可能であることから開発行為が行われたとしても、積極的な公共投資は必ずしも必要とされないとの考えで設けられたものであり、また、区域の設定にあっては市街化区域に隣接又は近接していること、自然的社会的諸条件から一体的な日常生活圏を構成していると認められること、おおむね50戸以上の建築物が連たんしていること、これらの要件全てを満たす区域を設定する必要があり、いずれかの要件のみを満たすだけの区域設定は行うことはできないとしている。
(3) 開発許可制度運用指針のTの6の9《第12号関係》は、都市計画法第34条第12号の規定は、同条第14号相当の開発に係る開発審査会の審査基準のうち定型的なものは原則条例化することが可能であり、条例により開発行為に係る区域、目的、予定建築物等の用途の組合せで定めることにより、開発許可基準の明確化と開発許可手続の迅速化、簡素化に資するものであるとしている。
(4) 開発許可制度運用指針のTの7《法第34条第14号等関係》の1《市街化調整区域における法第34条第14号等の運用》には、都市計画法第34条第14号の規定は、同条第1号から第13号までに該当しない開発行為について、地域の特性、社会経済の発展状況の変化等を勘案し、当該開発行為の予定建築物等の用途、目的、位置、規模等を個別具体的に検討して、周囲の市街化を促進するおそれがなく、かつ、市街化区域内で行うことが困難又は著しく不適当と認められる場合は、同条第14号に基づいて許可しても差し支えないとしている。また、通常、原則として許可して差し支えないものと考えられるものとして、分家に伴う住宅、収用対象事業の施行による移転等、社寺仏閣、研究施設(研究対象が市街化調整区域に存在すること等の理由によるもの)等の建築物の用に供する開発行為を掲げている。
6 N市開発行為等に関する条例等
(1) N市開発行為等に関する条例(平成12年3月27日付条例第77号。以下「市条例」という。)の平成28年3月28日付条例第23号改正前(以下「平成28年改正前市条例」という。)の第16条の4第1号は、都市計画法第34条第12号に規定する条例で区域、目的又は予定建築物等の用途を限り定める開発行為は、同条例別表第2に掲げる区域内において、同表に定める用途の建築物を建築する目的で行う開発行為で、規則で定める基準に適合しているものとする旨定めている。
そして、平成28年改正前市条例別表第2は、都市計画法第34条第12号に規定する条例で定める区域として、国道d号の道路端から両側各100メートルの区域(以下「国道d号沿道区域」という。)を掲げ、また、同号に規定する条例で定める用途として、店舗、事務所、倉庫その他これらに類する用途に供する建築物等を掲げている。
(2) 令和3年12月17日付条例第43号改正前の市条例(以下「令和3年改正前市条例」という。)第16条の4第1号は、都市計画法第34条第12号に規定する条例で区域、目的又は予定建築物等の用途を限り定める開発行為は、令和3年改正前市条例別表第1第5号に掲げる区域内において、同表に定める用途の建築物を建築する目的で行う開発行為で、規則で定める基準に適合しているものとする旨定めている。
そして、令和3年改正前市条例別表第1第5号は、都市計画法第34条第12号に規定する条例で定める区域として、市街化調整区域であって、おおむね300メートル以内にM市長が告示する施設が存する区域(以下「特定集落区域」という。)で、かつ、宅地として利用することが適当であるものとして規則で定める土地の区域等の範囲内の区域を掲げ、また、同号に規定する条例で定める用途として、住宅、自己の事務所、作業所、倉庫その他これらに類する用途に供する建築物等を掲げている。
なお、上記(1)の平成28年改正前市条例第16条の4第1号は、令和3年改正前市条例においては、第16条の4第2号に繰り下げられている。また、令和3年改正前市条例別表第2は、都市計画法第34条第12号に規定する条例で定める区域として、国道d号の道路端から原則100メートルの区域を掲げている。
(3) 上記(2)のM市長が告示する施設は、Q保育所、P小学校、R支所、S幼稚園等とする旨定められている(平成29年4月1日告示第131号)。