(令和8年3月23日裁決)

《裁決書(抄)》

1 事実

(1) 事案の概要

本件は、審査請求人(以下「請求人」という。)が、分筆後の土地について所有権の移転の登記を受けるに当たり納付した登録免許税の額が過大であったとして、原処分庁に対して所轄税務署長に対する還付通知をすべき旨の請求をしたのに対し、原処分庁が、還付通知をすべき理由がない旨の通知処分をしたことから、請求人が、原処分の全部の取消しを求めた事案である。

(2) 関係法令等

イ 登録免許税法第10条《不動産等の価額》第1項は、同法別表第一第1号に掲げる不動産の登記の場合における課税標準たる不動産の価額は、当該登記の時における不動産の価額による旨規定している。
ロ 登録免許税法附則第7条《不動産登記に係る不動産価額の特例》は、同法別表第一第1号に掲げる不動産の登記の場合における同法第10条第1項の課税標準たる不動産の価額は、当分の間、当該登記の申請の日の属する年の前年12月31日現在又は当該申請の日の属する年の1月1日現在において地方税法第341条《固定資産税に関する用語の意義》第9号に掲げる固定資産課税台帳(以下「課税台帳」という。)に登録された当該不動産の価格(以下「台帳登録価格」という。)を基礎として政令で定める価額によることができる旨規定している。
ハ 登録免許税法施行令附則第3項は、登録免許税法附則第7条に規定する政令で定める価額は、台帳登録価格のある不動産については、次に掲げる当該不動産の登記の申請の日の属する日の区分に応じそれぞれ次に定める金額に相当する価額とし、台帳登録価格のない不動産については、当該不動産の登記の申請の日において当該不動産に類似する不動産(以下「類似不動産」という。)で台帳登録価格のあるものの次に掲げる当該申請の日の区分に応じそれぞれ次に定める金額を基礎として当該登記に係る登記機関が認定した価額とする旨規定している。
(イ) 登記の申請の日がその年の1月1日から3月31日までの期間内であるもの
 その年の前年12月31日現在における当該不動産の台帳登録価格に100分の100を乗じて計算した金額
(ロ) 登記の申請の日がその年の4月1日から12月31日までの期間内であるもの
 その年の1月1日現在における当該不動産の台帳登録価格に100分の100を乗じて計算した金額
ニ 不動産登記の登録免許税課税標準価額の認定基準について(昭和60年2月28日付1不登4第151号D法務局民事行政部長依命通達。以下「本件D通達」という。)1は、課税標準たる不動産の価格は、登録免許税法第10条、同法附則第7条並びに登録免許税法施行令附則第3項及び第4項の規定によるほか、この通達の定めによる旨、本件D通達2の(2)は、土地について、台帳登録価格のないものは、近傍類似の土地の台帳登録価格を参考として定める額とし、ただし、公衆用道路(一般の交通の用に供する道路(道路法による道路であるかを問わない。)をいう。以下同じ。)については、近傍宅地の価格の100分の30に相当する額とする旨定めている。

(3) 基礎事実及び審査請求に至る経緯

当審判所の調査及び審理の結果によれば、以下の事実が認められる。

イ d県e市f町○−○の土地(後記ハの分筆前のもの。以下「本件分筆前○−○土地」という。)は、その登記地目が宅地であり、令和6年9月9日、錯誤によりその地積が○�uから○�uへ更正された。
 なお、本件分筆前○−○土地は、別図1のとおり、南東側を幅員約9.7mの市道(以下「本件市道」という。)に接する傘状の部分と柄状の部分から成る、傘を開いた状態のような形状の不整形な土地であり、傘状の部分は、柄状の部分とd県e市f町○−○○の土地(以下「本件○−○○土地」という。)とを合わせた土地に4m接している。
ロ 請求人は、令和6年9月27日、本件分筆前○−○土地を売買により取得した。
ハ 本件分筆前○−○土地は、令和6年11月27日、別表1の「分筆後」欄のとおり分筆がされた(以下、この分筆を「本件分筆」といい、同表の各土地について、同表の「摘要」欄に記載の略称を用いるほか、本件分筆後○−○土地、本件○−○○○土地、本件○○−○土地及び本件○○−○○土地を併せて「本件分筆後各土地」という。)。
 なお、本件分筆後各土地等の形状、配置等は、別図2のとおりである。
ニ 請求人は、令和6年12月13日、本件○−○○○土地及び本件○○−○土地の全部並びに本件分筆後○−○土地及び本件○○−○○土地の各2分の1の持分をGに売却した。
ホ H司法書士(以下「本件司法書士」という。)は、請求人及びGの代理人として、令和6年12月13日、原処分庁に対し、売買を原因として、�@本件○−○○○土地及び本件○○−○土地の所有権の全部移転の登記に係る申請(以下「本件全部移転申請」という。)並びに�A本件分筆後○−○土地及び本件○○−○○土地の所有権の一部移転の登記に係る申請(以下「本件一部移転申請」という。)をした。
 なお、本件司法書士は、本件全部移転申請及び本件一部移転申請(以下「本件各登記申請」という。)に係る登録免許税について、要旨、別表2のとおり記載された本件分筆前○−○土地に係るJ県K県税事務所発行の令和6年度の固定資産(土地・家屋)評価証明書(以下「本件評価証明書」という。)を提出し、本件全部移転申請に係る課税標準の額を○○○○円及びこれに係る登録免許税の額を○○○○円並びに本件一部移転申請に係る課税標準の額を○○○○円及びこれに係る登録免許税の額を○○○○円と算出して、請求人は、これらの登録免許税を納付した。
ヘ 原処分庁は、本件評価証明書に記載された現況地積(宅地部分の地積)から求めた単価(以下「本件台帳地積単価」という。)に基づき、別表3のとおり、本件各登記申請に係る登録免許税の課税標準(以下「本件各原処分庁認定額」という。)及び登録免許税の額を算出し、本件全部移転申請に係る課税標準の額は○○○○円及びこれに係る登録免許税の額は○○○○円並びに本件一部移転申請に係る課税標準の額は○○○○円及びこれに係る登録免許税の額は○○○○円であるとして、本件司法書士に対し、本件各登記申請の補正及び登録免許税の不足額の納付を促した。
ト 本件司法書士は、令和7年1月9日、上記ヘの補正において、原処分庁に対し、本件分筆後○−○土地の現況は道路であるため課税標準の額の算出について疑問を呈している旨を記載した「課税標準価格について」と題する書面、令和5年11月21日作成の本件分筆前○−○土地の現況測量図(以下「本件分筆前現況測量図」という。)並びに本件分筆後各土地及びその周辺の土地の地図に準ずる図面(以下「本件分筆後図面」という。)を提出した。
 なお、本件分筆前現況測量図の概要は別図3のとおりであり、本件分筆前○−○土地の柄状の部分に「道路部分」と、その「道路部分」の幅は2m、柄状の部分の長さは約○m(○mと○mとの合計)とそれぞれ表記されており、その柄状の部分に隣接する本件○−○○土地には「位置指定道路」と表記されている。
 また、本件分筆前現況測量図及び本件分筆後図面によれば、本件分筆前○−○土地の柄状の部分は本件分筆後○−○土地であることが確認できる。
チ 本件司法書士は、令和7年1月9日、上記トの原処分庁に対する書面等の提出の後、上記ヘの補正による納付の求めに対して不足額を代理納付した。
リ 原処分庁は、上記チのとおり、上記ヘの登録免許税の不足額が納付されたことから、本件各登記申請について、いずれも令和6年12月13日受付、同日売買を原因とし、所有権移転の登記を完了した(以下、この完了した本件全部移転申請に係る登記を「本件全部移転登記」と、本件一部移転申請に係る登記を「本件一部移転登記」という。)。
ヌ 請求人は、令和7年5月14日付で、原処分庁に対し、納付した本件全部移転登記及び本件一部移転登記(以下「本件各登記」という。)に係る登録免許税に過誤納があり、その登録免許税の額は、別表4−1のとおり算出されるから、本件全部移転登記に係る還付金額は○○○○円及び本件一部移転登記に係る還付金額は○○○○円であるとして、登録免許税法第31条《過誤納金の還付等》第2項の規定に基づき、同条第1項に規定する還付通知をすべき旨の請求をした。
ル 原処分庁は、令和7年6月19日付で、本件全部移転登記に係る還付通知請求に対しては通知第○○○○号により、本件一部移転登記に係る還付通知請求に対しては通知第○○○○号により、いずれも過誤納の事実は認められないとして還付通知をすべき理由がない旨の各通知処分(以下「本件各通知処分」という。)をした。
ヲ 請求人は、令和7年7月10日、本件各通知処分の全部の取消しを求めて審査請求をした。

2 争点

 本件各原処分庁認定額は、登録免許税の課税標準たる本件分筆後各土地の価額として過大であるか否か。

3 争点についての主張

請求人 原処分庁
以下のことから、本件各原処分庁認定額は、登録免許税の課税標準たる本件分筆後各土地の価額として過大である。 以下のことから、本件各原処分庁認定額は、登録免許税の課税標準たる本件分筆後各土地の価額として過大ではない。
(1) 本件評価証明書によれば、本件分筆前○−○土地には公共の用に供する道路○�uが含まれており、このことは原処分庁も認識している。また、本件分筆後において現況に変更がないのであるから、本件分筆後各土地には公共の用に供する道路が含まれていると解すべきである。 (1) 本件分筆後○−○土地は、台帳登録価格のある土地であるが、地積が課税台帳のそれと相違していること及び登記地目が宅地であったことから、課税標準の額は、別表3のとおり、本件台帳地積単価に基づき認定した。
(2) そして、本件分筆後各土地のどの土地に道路部分が含まれているのか不明だとすれば、本件分筆後各土地の全てに均等に道路部分が含まれていると解すべきであるから、不動産の登録免許税課税標準価額認定基準の改訂について(昭和60年3月14日付登第137号○○法務局長通達。以下「本件L通達」という。)2の(2)の定めを適用した上で、本件分筆前○−○土地の全てを類似不動産の価格として、別表4−1のとおり、課税標準の額及び登録免許税の額を算出すべきである。 (2) 本件○−○○○土地、本件○○−○土地及び本件○○−○○土地は、令和6年11月27日に分筆されたものであり、同年1月1日において台帳登録価格のない土地であるから、その分筆の方法(形、面積の大小、地形、位置等)、分筆地に至る道路の存否及び状況(私道、公道の別、幅員、位置等)、分筆地と関係する近傍地の権利関係(所有権及び地役権)の存否等、分筆地の価格に影響を及ぼすものを考慮すると、本件分筆前○−○土地を類似不動産に選定することが最も合理的であり、かつ、本件○−○○○土地、本件○○−○土地及び本件○○−○○土地の登記地目が宅地であることから、別表3のとおり、本件台帳地積単価に基づき、課税標準の額を認定した。
(3) 上記(2)の計算が認められない場合、�@本件分筆後○−○土地には、次のイないしハのことから、道路部分○�uが含まれているといえるから、本件分筆後○−○土地の地積(○�u)のうち、○�uは本件分筆前○−○土地の道路部分(本件L通達2の(2)の定めを適用)、○�uは本件分筆前○−○土地の宅地部分を類似不動産の価格として、�A本件○−○○○土地、本件○○−○土地及び本件○○−○○土地は、本件分筆前○−○土地の宅地部分を類似不動産の価格として、別表4−2のとおり、課税標準の額及び登録免許税の額を算出すべきである。 (3) 不動産登記法第37条《地目又は地積の変更の登記の申請》第1項及び第2項の規定によると、本件分筆後各土地に含まれるとする道路部分の土地については、地目変更の登記を要することとなるが、課税標準の額の算出時において地目変更の登記はされておらず、本件分筆後各土地の地目は宅地であったのであるから、本件各原処分庁認定額は、上記(1)及び(2)のとおり、本件評価証明書に記載された宅地部分の単価である本件台帳地積単価に基づき課税標準たる価額を算出したものであって、適法に認定したものである。
 なお、本件分筆前○−○土地に道路部分が含まれていたとしても、本件分筆後各土地の地目がいずれも宅地である以上、道路部分が均等に含まれていると解釈することは推測の域を出ないといわざるを得ず、合理的な解釈とはいえない。
イ e市の位置指定道路(建築基準法第42条《道路の定義》第1項第5号に掲げる特定行政庁から位置の指定を受けた道をいう。以下同じ。)である。
ロ 令和7年度の台帳登録価格は、本件分筆後○−○土地全体が公共の用に供する道路として非課税である。
ハ 現地を訪れたところ、道路であった。
(4) 本件各原処分庁認定額によると、土地を分筆しただけで、本件分筆後の各土地の価額の合計が本件分筆前○−○土地の価額よりも大幅に上がってしまうこととなり不条理である。たとえ本件分筆後○−○土地の類似不動産が本件分筆前○−○土地の宅地部分に当たるとしても、本件分筆後○−○土地の形状は幅約2m、奥行き約○mの細長い土地であり、本件分筆前○−○土地の宅地部分とは形状が全く異なるから、課税標準の額の算出に当たり間口が狭く、奥行きが長い土地であることの補正をすべきである。

4 当審判所の判断

(1) 法令解釈

イ 登録免許税法第10条第1項は、不動産の登記の場合における登録免許税の課税標準たる不動産の価額は、当該登記の時における不動産の価額による旨規定し、当該登記の時における不動産の価額とは、当該登記の時における不動産の客観的交換価値、すなわち時価であると解されるところ、同項の不動産の価額について、同法附則第7条は、当該課税標準たる不動産の価額は、当分の間、当該不動産の台帳登録価格を基礎として政令で定める価額によることができる旨規定しており、登録免許税法施行令附則第3項は、台帳登録価格のある不動産の場合は、台帳登録価格に100分の100を乗じて計算した金額に相当する価額とし、他方、台帳登録価格のない不動産の場合は、類似不動産の台帳登録価格を基礎として当該登記に係る登記官が認定した価額とする旨規定している。
ロ これは、登録免許税が、登記の時に特別に手続を要せずに納付すべき税額が確定するいわゆる自動確定の租税であることに鑑み、不動産の登記に係る登録免許税の課税標準の額も、登記の時における不動産の価額に基づいて算出することとしたものであるが、他方で、登記の時における不動産の客観的な価額を算出することは容易ではなく、登記の都度、登記官において個々の不動産の価額を評価することは実際的でないばかりか、不動産の価額に関する評価が多岐に分かれるおそれがあることから、登録免許税法施行令附則第3項は、課税の公平や納税者の便宜等を考慮して、台帳登録価格のある不動産の場合には、専らその台帳登録価格によって課税標準の額を算出することとしたものである。
 また、登録免許税法施行令附則第3項が、台帳登録価格のない不動産については、類似不動産の台帳登録価格を基礎として価額を算出することとした趣旨は、台帳登録価格のない不動産についても、飽くまで台帳登録価格に依拠してその価額を求めることにより、台帳登録価格のある場合とない場合とで、課税の公平や価額の均衡を図ることにあると解される。そうすると、台帳登録価格のない不動産について登記官が認定した価額が、類似不動産の台帳登録価格を基礎として合理的に算出されたものであれば、当該認定に係る価額は、登録免許税の課税標準の額として適法であると解するのが相当である。

(2) 認定事実

請求人提出資料、原処分関係資料並びに当審判所の調査及び審理の結果によれば、以下の事実が認められる。

イ 本件分筆前○−○土地の傘状の部分は宅地として、また、本件分筆前○−○土地の柄状の部分は、平成12年3月21日に本件○−○○土地とともに幅員4mの位置指定道路に指定されており、本件○−○○土地とともに本件市道から傘状の部分へ幅員4mの進入道路として利用されていた。
ロ 本件分筆後○−○土地は、本件各登記申請の時及び本件各登記の完了の時において、本件○−○○土地とともに本件市道から本件○−○○○土地及びd県e市f町○○−○○○の土地への幅員4mの進入道路として利用されている。
ハ 本件○−○○○土地、本件○○−○土地及び本件○○−○○土地は、本件分筆前○−○土地の傘状の部分に所在する土地であり、本件各登記申請の時及び本件各登記の完了の時において、いずれも宅地として利用されている。
ニ 原処分庁の登記実務上、所有権の移転登記において、登録免許税の課税標準の額の計算における地目の認定に当たっては、原則として登記地目によることとなるが、その登記に係る土地の全部又は一部の現況地目が公衆用道路で、地方税法第348条第2項本文及び同項第5号の規定により固定資産税が非課税となっていることが明らかな土地については、登記官は現況地目で認定する場合がある。

(3) 検討

イ はじめに
 本件において、請求人は、上記3の「請求人」欄の(2)及び別表4−1並びに同欄の(3)及び別表4−2のとおり、本件分筆前○−○土地の宅地部分の価格を基礎に本件L通達2の(2)の定めを適用して本件分筆後各土地の価額を算出して主張しており、原処分庁は、上記3の「原処分庁」欄の(1)及び(2)並びに別表3のとおり、本件分筆前○−○土地の宅地部分の価格を基礎として本件分筆後各土地の価額を算出して主張していることから、請求人及び原処分庁の間で、本件分筆前○−○土地の宅地部分の価格を基礎として本件分筆後各土地の価額を算出していることに争いがない。この点、当審判所の調査及び審理の結果によっても、本件分筆前○−○土地と本件分筆後各土地は、その形状及び地積は相違しているものの、利用状況及び接道状況並びに土地利用に係る行政上の規制からすると、本件分筆後各土地の価額の算出に当たり、本件分筆前○−○土地の宅地部分の価格、すなわち本件台帳地積単価を基礎とすることは相当であると認められる。
 また、上記(2)のニのとおり、登記実務上、所有権の移転登記における登録免許税の課税標準の額の計算における地目の認定に当たり、現況地目が公衆用道路で固定資産税が非課税となっていることが明らかな場合には、登記官が現況地目で認定する場合があるところ、この登記実務上の取扱いは、登録免許税法第10条及びD法務局管内に所在する不動産に適用される本件D通達の定めに照らして相当であると認められる。
 そこで、これらを踏まえ、本件分筆後各土地の価額について以下検討する。
ロ 本件分筆後各土地の価額について
(イ) 本件○−○○○土地、本件○○−○土地及び本件○○−○○土地
 別表1のとおり、本件○−○○○土地、本件○○−○土地及び本件○○−○○土地の登記地目はいずれも宅地であり、上記(2)のハのとおり、これらの土地の現況は、本件各登記申請の時及び本件各登記の完了の時においていずれも宅地であると認められるから、これらの土地の所有権の移転登記における地目は宅地として、本件台帳地積単価により各土地の価額を算出するのが相当である。
 これに基づき、当審判所において、本件○−○○○土地、本件○○−○土地及び本件○○−○○土地の価額を算出すると、別表5の番号�D、�F及び�Oのとおり、○○○○円、○○○○円及び○○○○円となる。
(ロ) 本件分筆後○−○土地
 別表1のとおり、本件分筆前○−○土地及び本件分筆後○−○土地の登記地目はいずれも宅地である。
 しかしながら、上記(2)のイのとおり、本件分筆前○−○土地の柄状の部分は、平成12年に本件○−○○土地とともに位置指定道路に指定されており、同ロのとおり、本件分筆後○−○土地は、本件市道から本件○−○○○土地及びd県e市f町○○−○○○の土地への進入道路として利用されている。
 また、上記1の(3)のトのとおり、本件各登記申請の補正において、本件司法書士から原処分庁に提出された本件分筆後図面及び本件分筆前現況測量図によれば、�@本件分筆前○−○土地の柄状の部分が本件分筆後○−○土地に分筆されていること、�A本件分筆前現況測量図には、本件分筆前○−○土地の柄状の部分が道路部分と表記されており、位置指定道路と表記された本件○−○○土地と隣接していること、�B本件分筆前○−○土地の柄状の部分の地積は、約○�u(2m×約○m)と計算され、本件分筆後○−○土地の地積○�uを超えているものの、同土地の地積(○�u)は本件評価証明書に示されている公共の用に供する道路部分の地積○�uを超えていることから、本件評価証明書に記載されている公共の用に供する道路と認められる地積○�uは、本件分筆後○−○土地に含まれていると認めるのが相当である。
 そうすると、本件分筆後○−○土地の現況は、本件各登記の完了の時において○�uは公衆用道路であり、所有権の移転登記に係る土地の一部の現況地目が公衆用道路で、地方税法第348条第2項本文及び同項第5号の規定により固定資産税が非課税となっていることが明らかな土地といえるから、本件分筆後○−○土地のうち○�uは、本件台帳地積単価に公衆用道路として本件D通達による100分の30を乗じて価額を算出し、○�uを除く部分(○�u)は、本件台帳地積単価により、宅地として価額を算出し、これらの価額を合計して本件分筆後○−○土地の価額を算出するのが相当である。
 以上から、当審判所において、本件分筆後○−○土地の価額を算出すると、別表5の番号�Mのとおり、○○○○円となる。
ハ 小括
 以上のことから、本件全部移転登記に係る登録免許税の課税標準の額は、別表5の番号�Gのとおり○○○○円となり、請求人主張額である別表4−2の番号�H及び原処分庁主張額である別表3の番号�Gと同額となる。一方、本件一部移転登記に係る登録免許税の課税標準の額は、別表5の番号�Pのとおり○○○○円となり、請求人主張額である別表4−2の番号�Pと同額であるが、原処分庁主張額は別表3の番号�Mのとおり○○○○円であり、審判所において算出した課税標準の額を上回る。
 したがって、本件全部移転登記における本件各原処分庁認定額は、課税標準たる土地の価額として過大ではないが、本件一部移転登記における本件各原処分庁認定額は、課税標準たる土地の価額として過大である。

(4) 請求人の主張について

請求人は、上記3の「請求人」欄の(2)のとおり、本件分筆後各土地のどの土地に道路部分が含まれているのか不明だとすれば、本件分筆後各土地の全てに均等に道路部分が含まれていると解すべきであるから、別表4−1のとおり、本件分筆後各土地の価額を算出すべきである旨主張する。
 しかしながら、上記(3)のロの(ロ)のとおり、本件司法書士が原処分庁に提出した本件評価証明書、本件分筆後図面及び本件分筆前現況測量図から、本件分筆後○−○土地のうち○�uは公衆用道路であり、固定資産税が非課税となっていることが明らかな土地といえ、本件分筆後各土地のどの土地に道路部分が含まれているのか不明であるから本件分筆後各土地の全てに均等に道路部分が含まれていると解すべきとの主張は、その前提を欠くから、請求人の主張には理由がない。

(5) 原処分庁の主張について

原処分庁は、上記3の「原処分庁」欄の(1)及び(3)のとおり、本件分筆後○−○土地は、�@台帳登録価格のある土地であるものの、地積が課税台帳のそれと相違していること及び�A道路部分の土地については、不動産登記法の規定により地目変更の登記を要することとなるが、地目変更の登記はされておらず登記地目が宅地であったことから、課税標準の額は、本件評価証明書に記載された現況地積(宅地部分の地積)から単価(本件台帳地積単価)を算定し、これに基づき適法に認定したものである旨主張する。
 しかしながら、上記(3)のロの(ロ)のとおり、本件分筆後○−○土地の現況は○�uが公衆用道路であり、固定資産税が非課税となっていることが明らかな土地であるから、本件分筆後○−○土地のうち○�uは、本件台帳地積単価を用いて公衆用道路として本件D通達による100分の30を乗じて価額を算出するのが相当である。
 したがって、原処分庁の主張には理由がない。

(6) 本件各通知処分の適法性について

上記(3)のハのとおり、本件全部移転登記に係る登録免許税の課税標準の額は○○○○円、本件一部移転登記に係る登録免許税の課税標準の額は○○○○円であるから、これらを基に、本件各登記に係る各登録免許税の額を計算すると、本件全部移転登記については、別表5の番号�Hのとおり○○○○円、本件一部移転登記については、別表5の番号�Qのとおり○○○○円となる。
 そうすると、請求人が納付した本件全部移転登記に係る登録免許税には、過誤納は認められないから、本件全部移転登記に係る通知処分(通知第○○○○号でされた通知処分)は適法である。一方で、本件一部移転登記に係る登録免許税は、請求人が納付した登録免許税の額○○○○円を○○○○円下回るから、本件一部移転登記について還付金額は○○○○円であるとした還付通知請求には理由があるので、これに対して還付通知をすべき理由がないとしてされた通知処分(通知第○○○○号でされた通知処分)は違法であり、その全部を取り消すべきである。

(7) 結論

よって、審査請求には理由があるから、原処分の一部を取り消すこととする。

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