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(平19.4.10、裁決事例集No.73 405頁)

《裁決書(抄)》

1 事実

(1) 事案の概要

 本件は、E税務署長が、原処分庁所属の調査担当職員(以下「本件調査担当職員」という。)の調査に基づき、審査請求人(以下「請求人」という。)が租税特別措置法(平成18年法律第10号による改正前のもの。以下「措置法」という。)第66条の4《国外関連者との取引に係る課税の特例》第1項に規定する国外関連者に対して支払った金員は、当該国外関連者の欠損を補てんするために贈与されたものであるにもかかわらず、業務委託費であるかのごとく仮装したとして、当該業務委託費の損金への算入を否認するなどの法人税の更正処分及び重加算税の賦課決定処分等を行ったのに対し、請求人が、当該金員は、未精算となっていた業務委託費を支払ったもので仮装の事実はないと主張して、上記更正処分の一部及び重加算税の賦課決定処分の全部の各取消しを求めた事案である。

(2) 審査請求に至る経緯

イ 請求人は、平成14年4月1日から平成15年3月31日までの事業年度(以下「本件事業年度」という。)の法人税について、青色の確定申告書に別表1の「確定申告」欄のとおり記載して、提出期限(法人税法第75条の2《確定申告書の提出期限の延長の特例》第1項の規定により1月間延長されたもの。)までに申告した。
ロ これに対し、E税務署長は、本件調査担当職員の調査に基づき、平成18年2月24日付で、別表1の「更正処分・賦課決定処分」欄記載のとおりの法人税の更正処分(以下、当該処分のうち、重加算税の対象となる所得に係る更正処分を「本件重加算税対象更正処分」という。)並びに過少申告加算税及び重加算税の各賦課決定処分(以下、重加算税に係る賦課決定処分を「本件賦課決定処分」という。)をした。
ハ 請求人は、本件重加算税対象更正処分及び本件賦課決定処分を不服として、平成18年4月24日に審査請求をした。

(3) 関係法令

 別紙のとおり

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(4) 基礎事実等(当事者間に争いがなく、当審判所の調査によっても認められる事実。なお、証拠により認定した事実は末尾に当該証拠を掲記した。)

イ 請求人及び関連法人の概要
(イ) 請求人と関連法人の関係等
A 請求人は、OA機器(複写機、プリンター等)及び部品(電子基板等)などを製造し、これを国内外に販売することを業としている法人であり、F(以下「F取締役」という。)は、請求人の取締役である。
B P市Q町○−○○に所在するG社は、請求人及びH国に本店を有するJ社の発行済株式の100%を所有している。
C J社は、H国に本店を有するK社の発行済株式の100%を所有している。
D K社は、措置法第66条の4第1項の規定を受けた措置法施行令第39条の12第1項第2号に規定する請求人の国外関連者に該当し、その社長(以下「K社社長」という。)は請求人からの出向者である。
(ロ) K社の設立経緯等
 請求人は、H国のL社に対して電子基板を供給しているが、同社から、電子基板に関するサポート(複数の電子基板を組み付けて梱包する作業及び補修サービス等)をして欲しい旨の要望があったことから、平成12年3月、K社が設立された。
(ハ) K社の取締役
 K社の取締役は、K社社長、F取締役及びJ社社長の3名である。
ロ 本件事業年度における請求人の役員等
(イ) 営業担当の取締役は、F取締役である。
(ロ) L社担当の課長は、M課長である。
(ハ) M課長の上司で営業長は、N部長である。
(ニ) 会社決算、業績管理を主な内容とする職務の責任者である経営管理長は、T部長である。
ハ 請求人とK社の契約その1
 請求人は、K社との間で、平成12年4月1日を契約の開始日とする売買及び業務委託に関する契約(以下「本件旧契約」という。)を締結したが、本件旧契約に係る契約書(以下「本件旧契約書」という。)には、要旨、次の記載がある。
 K社は、請求人から電子基板を購入し、これを保管し梱包した後、L社及びその子会社、代理店及び取引先に販売する。
 請求人は、自ら又はK社を通じて販売した電子基板をK社に補修してもらうことを希望している。また、K社も補修サービスを行うことを希望している。したがって、相互の約束として、両当事者は以下のとおり合意する。
(イ) 価格
 K社が注文した製品の価格は、ドルにより、両当事者間でその都度合意される。
(ロ) 補修サービス
 K社が、保証期間内に、請求人の取引先に対して、瑕疵製品の補修、全面改修、修正、アップグレード及びその他のサービス(以下「本件補修サービス業務」という。)を提供する場合、請求人はK社が提供したサービスの費用を支払うものとする。
 サービス料及び支払条件は、その都度、両当事者間で検討及び合意されるものとする。
(ハ) 期間
 本件旧契約は、平成12年4月1日から有効とする。本件旧契約の有効期間は1年間とし、一方の当事者が相手当事者に本件旧契約の契約終了期間満了日の少なくとも90日より前に更新しない旨を書面で通知しない限り、その後も自動的に契約期間を延長するものとする。
ニ 請求人とK社との契約その2
 請求人は、K社との間で、平成15年3月に、サービスに関する契約(以下「本件新契約」という。)を締結したが、本件新契約に係る契約書(以下「本件新契約書」という。)には、要旨、次の記載がある。
 請求人は、電子基板及びその他の製品をH国の取引先に販売すること並びにK社から製品用の梱包部品の提供を受けることを含め、販売の様々な面に関するサービスの提供を受けることを希望している。一方、K社は当該サービスを提供することを希望している。
 したがって、相互の約束として、両当事者は以下のとおり合意する。
(イ) K社が提供するサービス
 K社は、請求人に対し、「取引先の製品購入要求と金額を見積もり、生産計画に関し請求人に助言する」サービスを提供する(このほか、13項目が記載されている。)。
(ロ) K社のサービスに対する報酬
A 請求人は、K社のサービスに対する報酬として、別表2記載のとおりの報酬をK社に毎月支払う。
B 当該報酬金額は、見積金額であり、そのときに提供されるサービスの工数及び種類並びに関連費用に応じて変動することがある。
C K社は、毎月月末に概算月額の仕切状を請求人に送付するものとする。
D 本件新契約期間終了ごろに、契約期間中に請求されていない金額を調整するため、K社は、請求書を発行することを許可されるものとし、当該請求書の金額は、契約期間中に請求された総額の20%を超えないものとする。当該請求書は、平成15年3月31日に終了する請求人の事業年度末までに発行されるものとする。
(ハ) 期間
 本件新契約の有効期間は平成12年4月1日から平成15年3月31日間の3年間とする。
ホ K社の業務の内容等
(イ) K社は、本件旧契約に基づく本件補修サービス業務のほかに、請求人が納入した製品の品質等に関する技術サービスの支援及び請求人のためにするL社からの受注等に関する情報入手の業務等(以下「本件サービス業務」という。)を行っている。
(ロ) K社は、請求人から本件事業年度における本件サービス業務の精算金額として、別表3記載の金額を受領している。
ヘ K社の業績等
(イ) K社の次の各事業年度の決算状況は、別表4記載のとおりである。
A 平成12年3月1日から同年12月31日までの事業年度(以下「K社平成12年12月期」という。)
B 平成13年1月1日から同年12月31日までの事業年度(以下「K社平成13年12月期」という。)
C 平成14年1月1日から同年3月31日までの事業年度(以下「K社平成14年3月期」という。)
D 平成14年4月1日から平成15年3月31日までの事業年度(以下「K社平成15年3月期」という。)
(ロ) 平成14年5月にK社が作成した「K社2001 REVIEW」と題する書面(以下「本件業績レビュー」という。)には、要旨次の記載がある。
A H国のコンサルタントから、移転価格税制に抵触するリスクが高いとの指摘がある。
B 平成15年3月期の決算で利益を生み出せる体質を作り上げ、単年度黒字転換等の立案が課題である。
ト 業務委託費の支払等
(イ) K社から請求人に送付された本件サービス業務に関する平成15年2月26日付の請求書(以下「本件サービス業務請求書」という。)には、平成14年4月から平成15年3月までの1年間に対する調整金が○○○○ドルである旨記載されている。
(ロ) 請求人は、平成15年3月25日、K社に対して、本件サービス業務請求書に基づき○○○○円(以下「本件金員」という。)を支払うとともに、請求人の帳簿書類等に当該金員の額を業務委託費(以下「本件業務委託費」という。)として計上し、本件事業年度の損金の額に算入した。
チ M課長が送信した次の各電子メール(以下「本件各メール」という。)には、要旨次のとおりの記載がある。
(イ) K社平成15年3月期の決算が○○○○ドルの欠損の見込みであること(平成14年8月22日付N部長あての電子メール(件名「K社の挽回策+請求人の損失」)の添付ファイル「K社移転価格税制回避策082202.ppt」)
(ロ) 平成14年10月から平成15年3月の間で、K社の欠損を解消させるためには、請求人から○○○○円の支援が必要であること(平成14年9月4日付T部長あての電子メール(件名「K社問題のUpdate版」))
(ハ) 請求人は、K社の行っている本件サービス業務に対して、マークアップ(本件業務委託費に相当するもの)を支払うこととする。なお、これまで支払っていないマークアップを支払うことの理由について、日本の国税当局から指摘を受けると予測されるので対応が必要であること(平成14年9月27日付K社社長あての電子メール(件名「Re:K社問題対応」))
(ニ) 請求人が、予算額○○○○円にあといくら支払うことができるかを決めることで、K社との契約書が完成すること(平成15年2月24日付F取締役あての電子メール(件名「K社の業務委託費」))
(ホ) F取締役とT部長との議論の結果、本件事業年度のK社に対する業務委託費の支払金額は、○○○○円となったこと。これにより、K社の単年度黒字化は可能なはずであること(平成15年2月24日付K社社長あての電子メール(件名「K社の業務委託費」))

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2 争点

(1) 本件業務委託費は、法人税法第37条第7項に規定する寄附金に該当するか:本件金員の支払原因は、請求人からK社に対する金銭の贈与か(争点1)

(2) 請求人が本件業務委託費を本件事業年度の損金の額に算入したことについて、通則法第68条第1項に規定する事実の仮装があったか(争点2)

3 争点に対する当事者の主張

(1) 争点1について

イ 原処分庁
(イ) 本件各メールの記載内容からすると、請求人は、K社の欠損を補てんするための金銭を業務委託費の名目で支出するために本件新契約書を作成し、本件金員を支出したものと認められるから、本件金員の支払は、請求人からK社に対する金銭の贈与である。したがって、本件業務委託費は、法人税法第37条第7項に規定する寄附金に該当する。
(ロ) なお、次のことから、本件金員(本件業務委託費)の支出がK社に対する業務委託費を見直した結果であるとは認められない。
A 請求人は、K社に対する業務委託費について見直しの結果を踏まえ、K社との間で新たな契約を締結(本件新契約書)したと主張するが、本件新契約書の内容を検討すると以下の矛盾がある。
 本件新契約書では、K社は、契約期間中(K社平成12年12月期ないしK社平成15年3月期)に請求した総額の20%を超えない範囲内で、契約期間中に請求していない金額を請求できるとされているところ、本件サービス業務請求書に記載された請求期間(K社平成15年3月期)の本件サービス業務の請求額の合計額は、別表3記載の○○○○ドルであるから、同社の請求の上限金額はその20%の○○○○ドルとなるが、請求人がK社に支払った本件金員(○○○○ドル)は、これを上回っており、本件新契約書に従っておらず矛盾している。
B 請求人は、原処分調査において、本件調査担当職員に対して、本件金員の具体的な計算根拠の説明及び資料の提出をしなかった。
ロ 請求人
(イ) 請求人は、K社との移転価格税制上の問題を回避するに当たり、両当事者間の取引価格につき妥当な価格設定とするための見直し(以下「本件見直し」という。)を行った。その結果、請求人がK社に支払っていた本件サービス業務の支払額以外に、本来は支払うべきであった本件サービス業務に係る販売費及び一般管理費が見落とされ、請求人とK社との間で精算されていない費用(以下「本件サービス業務の未精算費用」という。)があるとの結論に達したことから、請求人は、K社との間で本件新契約書を作成して、本件サービス業務の未精算費用に10%のマージンを加算した額である本件金員を支払ったものであり、贈与したものではないから、本件業務委託費は、法人税法第37条第7項に規定する寄附金には該当しない。
(ロ) なお、本件新契約に基づきK社の本件サービス業務の未精算費用として支払できる金額を計算すると、契約期間は3年間であるから、その計算の基礎となる金額は当該契約書に規定されている見積報酬金額である別表2記載の○○○○ドルであり、支払の上限はその20%である○○○○ドルとなるから、本件金員(○○○○ドル)は、当該金額の範囲内である。

(2) 争点2について

イ 原処分庁
(イ) 請求人は、本件金員が請求人からK社の欠損を補てんするために贈与したもの、つまり金銭の贈与であるにもかかわらず、平成15年3月に、平成12年4月1日から平成15年3月31日を契約期間とする本件新契約をK社との間で締結し、本件サービス業務の未精算費用の支払であるかのごとく仮装して、本件業務委託費を本件事業年度の損金の額に計上したものと認められる。
(ロ) こうした請求人の行為は、通則法第68条第1項に規定する「納税者がその国税の課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を仮装し、その仮装したところに基づき納税申告書を提出していたとき」に該当する。
ロ 請求人
 請求人に仮装行為の事実はない。請求人は、本件事業年度の当初からK社との業務委託契約の見直しを前提に検討を進めていたが、その詳細の決定がH国のコンサルタントの調査の結果を待つ必要があったため、本件新契約の締結が本件事業年度末となったのである。

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4 判断

(1) 認定事実

 請求人の提示資料及び原処分関係資料並びに当審判所の調査によれば、次の事実が認められる。
イ 本件調査担当職員は、本件金員の計算根拠が不明であったことから、M課長に対して説明を求めたが、その具体的な計算根拠の説明及び資料の提出はなかった。
ロ M課長は、当審判所に対して、要旨、次のとおり答述した。
私は、平成14年5月ころ、K社が作成した本件業績レビューの内容をN部長を通じて、F取締役に報告した。その結果、F取締役から本件見直しを行うよう指示があった。
ハ T部長は、当審判所に対して、要旨、次のとおり答述した。
(イ) 本件サービス業務は、本件旧契約書に規定されていない業務であるが、当該業務の料金及び支払条件については、本件旧契約に準じて、その都度、検討及び合意されてきた。
(ロ) 本件業務委託費として計上した本件サービス業務の未精算費用は、積み上げて計算したものではなく、具体的に計算した資料はない。

(2) 争点1について

イ 本件サービス業務の未精算費用の有無について
 請求人は、本件サービス業務の未精算費用があった旨主張するが、以下の事実からすると、本件サービス業務の未精算費用があったとは認められない。
(イ) 本件旧契約書で規定されている請求人からK社に対する業務委託は、本件補修サービス業務だけであり、当該契約書では、当該補修サービス業務に対して、請求人は提供されたサービスの費用を支払うこととされ、当該補修サービスの料金及び支払条件は、その都度、両当事者間で検討及び合意されるものとすると定められている(前記1の(4)のハの(ロ))。
 そして、K社は、請求人に対し本件補修サービス業務だけでなく本件サービス業務を行っているところ(前記1の(4)のホ)、本件サービス業務に関する料金及び支払条件は、本件旧契約書に準じて、その都度、両当事者間で検討及び合意されていたと認められ(T部長の答述(上記(1)のハの(イ)))、K社は本件事業年度における本件サービス業務の精算として、既に別表3記載のとおりの額の精算金を受領している(前記1の(4)のホの(ロ))。
(ロ) 請求人は、本件見直しを行った結果、本件サービス業務の未精算費用があった旨主張する。しかしながら、一般の取引通念に照らせば、取引上、未精算費用があった場合には、会社間で当該未精算費用の額、支払方法等についての検討や話合いがされてしかるべきであり、その結果を両社ともに文書で記録しておくのが通常であるところ、本件の場合、本件調査担当職員が、M課長に対して本件金員の計算根拠について説明を求めても具体的な計算根拠の説明及び資料の提出はなく(上記(1)のイ)、また、T部長は本件サービス業務の未精算費用は積み上げて計算したものではなく、具体的に計算した資料はない旨答述しており(上記(1)のハの(ロ))、両社間で当該未精算費用の額、支払方法等について具体的に検討などをした事実は認められない。
ロ 本件金員の支払原因について
(イ) 本件各メールの作成時期は、請求人が、K社に対する支援策を検討していた当時のものであるから、その記載内容の信用性は極めて高いといえる。
(ロ) この本件各メールの記載内容に加えて、K社の各事業年度の決算状況、本件業績レビューの記載内容及びM課長の答述(上記(1)のロ)からすれば、丸1K社は、設立以来3期連続欠損の状況にあり、K社平成15年3月期の決算も○○○○ドルの欠損が見込まれたため、これを解消し単年度でいわゆる黒字化にするための方策として、請求人が本件サービス業務に対して業務委託費を支払うことで支援をすることとし、丸2F取締役とT部長との話合いで、本件事業年度のK社に対する当該業務委託費の額を○○○○円とすることに決まり、本件新契約書が作成され、請求人が本件金員をK社に支払ったものと認められる。
(ハ) そうすると、本件サービス業務の未精算費用があったとは認められず(上記イ)、本件金員は、対価なくしてK社に支払われたものであり、その支払原因は、K社の欠損を補てんするために援助としてされた金銭の贈与であると認められる。
ハ 小括
 以上、検討したところによれば、請求人がK社に対して本件金員を支払った行為は、金銭の贈与に該当するというべきであるから、本件業務委託費は法人税法第37条第7項に規定する寄附金に該当する。

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(3) 本件重加算税対象更正処分の適法性

 本件業務委託費は、法人税法第37条第7項に規定する寄附金に該当し、当該寄附金の額は、措置法第66条の4第3項の規定により、国外関連者に対する寄附金の額に該当するので、請求人の損金の額に全額算入することができない。そして、請求人の本件事業年度の所得金額及び納付すべき金額を計算すると、別表1の「更正処分・賦課決定処分」欄記載の金額と同額になる。
 したがって、本件重加算税対象更正処分は適法である。

(4) 争点2について

イ 請求人が、本件サービス業務の未精算費用がないにもかかわらず、K社の欠損を補てんするために必要な援助資金を捻出し本件サービス業務の業務委託費の名目で支出するため、本件新契約を締結して本件金員を支出し、その額を本件業務委託費として本件事業年度の損金の額に計上した上で申告したことは、通則法第68条第1項の「納税者がその国税の課税標準又は税額等の計算となるべき事実の全部又は一部を仮装し、仮装したところに基づき納税申告書を提出していたとき」に該当する。
ロ そして、本件賦課決定処分における重加算税の額は、本件重加算税対象更正処分により増加した納付すべき税額のうち、仮装事由に該当する部分の税額を基に通則法第68条第1項の規定に従い正しく計算されている。
ハ したがって、本件賦課決定処分は適法である。

(5) その他

 原処分のその他の部分については、請求人は争わず、当審判所の調査の結果によっても、これを不相当とする理由は、認められない。

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