別紙6

当事者の主張

争点1 破産会社に対する債権について、貸倒損失に係る純損失の繰越控除を適用することができるか否か。
原処分庁 請求人
 本件貸倒損失は、G社が平成14年○月○日に破産終結していることから、平成14年分の貸倒損失として必要経費に計上すべきものである。
 また、通則法第70条第2項によると、純損失等の金額で当該課税期間において生じた金額があるものとする更正は、その法定申告期限から5年を経過した日以後はすることができないことから、平成14年分の上記更正については、法定申告期限である平成15年3月17日から5年を経過した後はすることができず、原処分時にはこれを既に経過していた。
 そして、平成14年分において、本件貸倒損失の処理ができない以上、当然ながら、その翌年以後に繰り越す純損失もないことになる。
 請求人は、G社の破産管財人であるH弁護士から平成16年5月17日に受けたファックスにより、G社の破産終結を知り得たのであるから、所得税基本通達51−12の定めにより、G社に対する売掛金8,831,383円(本件貸倒損失相当分)及びG社に係る不渡手形15,384,977円に係る総額24,216,360円の貸倒損失の計上時期を平成16年分とし、平成16年分の純損失の金額について、平成17年分以降、順次繰越控除を適用すべきである。
 仮に、貸倒損失の計上時期が平成14年分であったとしても、G社に対する売掛金8,831,383円及びG社に係る不渡手形15,384,977円に係る総額24,216,360円の貸倒損失から平成14年分の総所得金額○○○○円を差し引いた○○○○円の純損失について、平成15年分以降、順次繰越控除を適用すべきである。
争点2 貸倒れに係る消費税額を控除することができるか否か。
原処分庁 請求人
 争点1で述べたとおり、本件貸倒損失は、平成14年課税期間における貸倒損失として必要経費に計上すべきものである。
 よって、原処分に係る課税期間において、本件貸倒損失に係る消費税額を控除することはできない。
 なお、通則法第70条第2項により、平成14年課税期間に係る消費税等についても更正することはできない。
 争点1で述べたとおり、本件貸倒損失の計上時期は平成16年課税期間であり、当該課税期間において本件貸倒損失に係る消費税額を控除すべきである。
 また、審判所が他の課税期間において本件貸倒損失を計上すべきであると判断した場合には、当該課税期間において、当該貸倒損失に係る消費税額を控除すべきである。
争点3 必要経費に算入すべき外注費及び支払利息があったか否か。
請求人 原処分庁
(1) 本件取引に係る本件外注費の支出について、請求書等の原始記録は、自宅マンションのベランダに保管していたが、マンションの防水塗装工事の際、雨に濡れたためすべて廃棄したことから、調査担当職員から思い出せる範囲でメモ書にして提出するよう指導され、請求人が手帳に記載していた現場従事人数や請求人の記憶に基づいて記載した本件外注費メモを提出したが、原処分では必要経費として考慮していない。
 本件外注費の支払日等について、明確に主張することはできないが、支払があったことは事実であるので、大数計算により外注費を必要経費として認めるべきである。
(1) 請求人は、原処分時において、本件外注費の支払があると主張するだけで、これに係る請求書及び領収書等の原始記録は何ら提示しなかった。しかも、請求人が本件外注費として主張するX、Mらについては、請求人の青色申告に係る帳簿の外注費に、既に記載されている。
 そうすると、本件外注費は、その支払等の事実のほかに、既に必要経費に算入された外注費と別個のものであるかどうかも不明であり、これらは、請求人が本件外注費に係る原始記録を提示さえすれば容易に判明するところ、これをしないことから、その支払事実はないものと推認される。
(2) また、本件支払利息についても、その計算に推計の部分はあるものの、その資料を提出したが、原処分では考慮していない。
 その借入目的は、例えばG社の破産により資金繰りが悪化し困難になった買掛金支払に充てるためなど、事業遂行上必要なものであった。
 なお、本件支払利息には、まる1Sから平成17年4月から5月ころに、500,000円を借り入れ、平成17年5月30日から平成19年6月1日まで、おおむね20,000円ずつ、利息20,000円ないし50,000円と共に返済したこと、及び、まる2Tから平成13年3月から4月ころに、6,000,000円を借り入れ、別表4のとおり利息300,000円と共に返済したことに係る各利息が含まれている。
(2) また、本件支払利息についても、借入れに係る契約書等及びその資金を事業に投下したことを証明する資料の提示をしなかった。しかも、一部利息計算書の写しの提出があったものについては、既に確定申告において必要経費に算入されている。
 したがって、本件支払利息のうち既に必要経費に算入されているもの以外の金額は、その支払事実がないものと推認される。

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