(平22.7.1裁決)

《裁決書(抄)》

1 事実

(1) 事案の概要

 本件は、原処分庁が、鋼製建具販売業を営む審査請求人(以下「請求人」という。)の有する破産会社に対する債権について貸倒損失が生じたのは平成19年ではなく平成14年であり、また、請求人が取引の一部を隠ぺいの上、収入金額を除外したとして、所得税並びに消費税及び地方消費税(以下「消費税等」という。)の各更正処分並びに過少申告加算税及び重加算税の各賦課決定処分をしたことに対し、請求人が、所得税については、当該破産債権に係る貸倒損失の計上時期を平成16年分とした上で、当該年分の純損失の金額について、平成17年分以降、順次繰越控除を適用すべきであり、また、申告に反映されていない外注費及び支払利息についても必要経費に算入すべきであるとして、さらに、消費税等については、貸倒れに係る消費税額を控除すべきであるとして、違法を理由に原処分の一部の取消しを求めた事案であり、争点は、次の3点である。

争点1 破産会社に対する債権について、貸倒損失に係る純損失の繰越控除を適用することができるか否か。

争点2 貸倒れに係る消費税額を控除することができるか否か。

争点3 必要経費に算入すべき外注費及び支払利息があったか否か。

(2) 審査請求に至る経緯

 審査請求(平成21年7月8日請求)に至る経緯は、別表1及び別表2のとおりである。
 なお、所得税の平成15年分、平成18年分及び平成19年分を併せて「本件各年分」といい、消費税等の平成15年1月1日から平成15年12月31日まで、平成16年1月1日から平成16年12月31日まで、平成17年1月1日から平成17年12月31日まで、平成18年1月1日から平成18年12月31日まで及び平成19年1月1日から平成19年12月31日までの各課税期間を、順次「平成15年課税期間」、「平成16年課税期間」、「平成17年課税期間」、「平成18年課税期間」及び「平成19年課税期間」といい、これらを併せて「本件各課税期間」という。

(3) 関係法令等

 別紙5のとおりである。

(4) 基礎事実

 次の事実については、請求人と原処分庁との間に争いがなく、当審判所の調査の結果によってもその事実が認められる。
イ 請求人は、鋼製建具の販売や修理・付替えなどのメンテナンスを業務としており、屋号は「D」である。
ロ 請求人は、本件各年分の所得税について、別表1の「確定申告」欄のとおり記載した青色の確定申告書を、また、本件各課税期間の消費税等について、別表2の「確定申告」欄のとおり記載した、消費税法第30条の規定の適用を受ける者が用いる「一般用」の確定申告書をいずれも法定申告期限までに原処分庁に提出した。
ハ 請求人は、平成15年8月ころから平成19年5月ころまでの間、取引先であるE社との取引の一部について、「F社」という屋号を用いて取引を行い(以下「本件取引」という。)、上記ロの確定申告において、本件取引に係る収入金額を、本件各年分の事業所得の金額の計算上、総収入金額に算入しなかった。
ニ 請求人は、取引先であるG社に対する売掛金8,831,383円について、平成19年分の総勘定元帳の売掛金勘定から貸倒損失勘定に振り替え、上記ロの確定申告のうち、平成19年分の確定申告において、平成19年分の事業所得の金額の計算上、貸倒金として必要経費に算入した(以下「本件貸倒損失」という。)。
ホ 請求人は、上記ロの確定申告のうち、平成19年課税期間に係る消費税等の確定申告において、本件貸倒損失を課税仕入れに係る支払対価の額に含めた上で計算した消費税額を、平成19年課税期間の控除対象仕入税額として税額控除した。
ヘ 原処分庁所属の調査担当職員(以下「調査担当職員」という。)は、平成20年6月9日から請求人に対する所得税及び消費税等に係る税務調査(以下「本件調査」という。)を開始した。
 請求人は、本件調査において、上記ロの確定申告の際、上記ハの本件取引に係る収入金額を本件各年分の事業所得の金額の計算上、総収入金額に算入していなかったことを認めるとともに、原処分庁に対し、本件取引に係る外注費(以下「本件外注費」という。)を簿外で支払った旨申し立て、本件外注費の支払内容を記載したメモ(以下「本件外注費メモ」という。)を調査担当職員に提出した。
 また、請求人は、上記ロの確定申告において必要経費に算入していなかった支払利息(以下「本件支払利息」といい、本件外注費と併せて「本件外注費等」という。)がある旨申し立て、本件支払利息の内容を記載したものと主張するメモ(以下「本件支払利息メモ」という。)を調査担当職員に提出した。本件支払利息メモには、金融機関名ないし個人名、それに対応する借入額及び平成19年末の借入残額を示す数字が羅列され、その一部については、年月の記載や利率ないし利息額を示す数字が記載されている。
ト 原処分庁は、平成21年3月5日付で、本件調査に基づき、本件取引に係る収入金額を請求人の事業所得の総収入金額に加算するとともに、本件外注費等については、請求人において明確な立証ができないこと並びに請求人が本件外注費等の支払先である旨申し立てている支払先と同一の支払先に対する外注費及び支払利息が既に請求人の帳簿に計上されており、本件外注費等との区別ができないことを理由に、すべて必要経費として認容せず、また、本件貸倒損失については、平成14年分に帰属するものであるとして否認して、別表1及び別表2の「更正処分等」欄のとおり各更正処分及び各賦課決定処分(以下「本件各更正処分等」という。)を行った。
 なお、原処分庁は、通則法第70条第2項の規定により、所得税及び消費税等の法定申告期限から5年を経過した日以後は更正することができないとして、平成14年分の所得税及び平成14年1月1日から平成14年12月31日までの課税期間(以下「平成14年課税期間」という。)の消費税等について、減額更正処分を行っていない。
チ 請求人は、消費税等に係る原処分において、本件外注費についての課税仕入れに係る消費税額の控除がされていないことについては争わない。

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2 主張

 別紙6のとおりである。

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3 判断

(1) 争点1 破産会社に対する債権について、貸倒損失に係る純損失の繰越控除を適用することができるか否か。

イ 法令解釈
(イ) 所得税法第51条第2項は、事業所得を生ずべき事業について、その事業の遂行上生じた売掛金等の債権の貸倒れにより生じた損失の金額は、その損失の生じた日の属する年分の事業所得の金額の計算上、必要経費に算入する旨規定しており、貸倒損失発生の時期は、その債権を回収できないことが明らかになった時であると考えられ、貸倒損失のし意的計上による所得操作を排除する意味からも、債権者の主観的判断に左右されない客観的な回収不能状況の存在が要求されると解される。
 つまり、事業者が有する債権が貸倒れとなったか否かは、その債権が客観的に回収不能であるか否かによって判定され、債権が客観的に回収不能である場合には、事業者がこれを貸倒れとして必要経費に算入しているか否かにかかわらず、税務上はその債権が客観的に回収不能となった時点において必要経費に算入することとなる。
 そして、債務者たる法人が破産した場合の貸倒れの時期については、法令上明文化されていないが、法人の破産手続においては、配当されなかった部分の破産債権についてその責任を法的に免れさせる免責手続はなく、裁判所が破産法人に配当可能な財産がないことを認めた場合には、廃止決定又は終結決定をして、当該法人の登記が閉鎖されることとされており、これらの決定がなされた時点で当該破産法人は消滅することからすると、この時点において、当然、破産法人に配当可能な財産はないのであって、当該決定等により事業者が破産法人に対して有する債権もその全額が客観的に回収不能となったとするのが相当であると解され、この時点が破産債権者にとって貸倒れの時点と考えられる。
(ロ) 所得税基本通達51−12は、貸金等につき、その債務者の資産状況、支払能力等からみてその全額が回収できないことが明らかになった場合には、当該債務者に対して有する貸金等の全額について貸倒れになったものとしてその明らかになった日の属する年分の当該貸金等に係る事業の所得金額の計算上必要経費に算入する旨を定めており、当審判所においても、当該通達の定める取扱いは明瞭性や客観性などの点で相当であると認めるところ、貸金等につき、その債務者の資産状況、支払能力等からみてその全額が回収できないことが明らかになった場合については、上記(イ)のとおり、裁判所が破産法人について廃止決定又は終結決定をして、当該法人の登記が閉鎖された場合が含まれると解される。
(ハ) また、通則法第70条第2項は、租税法律関係の早期安定、税負担の適正公平の観点、及び税務官庁における資料保存期間の観点等から、税務署長は、国税の法定申告期限から5年以内に限り、職権により減額更正処分ができる旨規定している。そして、同項は、税務署長が自ら更正処分する旨の規定であることに照らせば、税務署長に対し、法定申告期限から5年以内に限って減額更正処分をするか否かの判断をゆだねているものと解される。
ロ 認定事実
 請求人提出資料、原処分関係資料及び当審判所の調査の結果によれば、次の事実が認められる。
(イ) 請求人は、平成13年1月26日付の「御連絡」と題する書面により、G社の債務者代理人であるJ法律事務所のK弁護士から、G社が同月○日にL地方裁判所に対し自己破産宣告の申立てをして、同日、平成○年(○)第○号事件として受理された旨の連絡を受けた。
(ロ) G社は、平成14年○月○日にL地方裁判所から破産を終結する旨の決定を受けた。
(ハ) G社の閉鎖事項全部証明書によると、上記(ロ)の破産終結により平成14年○月○日に同法人の登記簿が閉鎖された旨登記されている。
(ニ) 平成14年○月○日付官報において、決定年月日を同年○月○日として、上記(イ)の破産事件の破産を終結する旨の公告がなされている。
(ホ) 請求人は、平成16年5月17日に、H弁護士からG社の破産を終結する旨の決定書の写しをファックスにて受領した。
(ヘ) 請求人の平成14年分の事業所得の金額の計算上、請求人のG社に対する債権の貸倒損失は必要経費として算入されていない。
ハ 判断
(イ) 請求人の本件各年分の事業所得の金額の計算上、請求人の有する破産会社であるG社に対する債権につき、貸倒損失に係る純損失の繰越控除を適用することができるか否かの前提として、当該債権の貸倒損失の計上時期が問題となるため、検討する。
 上記ロの(ロ)ないし(ニ)のとおり、平成14年○月○日にG社の破産手続終結の決定がなされ、同月○日に同法人の登記が閉鎖された事実によれば、上記イの(イ)のとおり、当該決定等の時点で同法人は消滅し、配当可能な財産はないことから、当該決定等により請求人がG社に対して有する債権もその全額が客観的に回収不能となったと認めるのが相当である。よって、請求人の有する破産会社であるG社に対する債権の貸倒損失の計上時期は、G社の破産手続終結の決定がなされた平成14年○月○日の属する平成14年分となる。
(ロ) これに対し、請求人は、平成16年5月17日にH弁護士から受けたファックスにより、G社の破産終結を知り得たのであるから、所得税基本通達51−12の定めにより、請求人がG社に対して有する債権、すなわち、本件貸倒損失に相当する、売掛金債権8,831,383円及びG社の不渡手形に係る債権15,384,977円に係る総額24,216,360円の貸倒損失の計上時期は平成16年分であり、平成16年分の純損失の金額について、平成17年分以降、順次繰越控除を適用すべきである旨主張する。
 しかしながら、上記ロの(ホ)のとおり、請求人が当該ファックスの受信時にG社の破産終結を知り得た事実は認められるものの、上記イの(イ)のとおり、貸倒損失発生の時期は、債権者の主観的判断に左右されない客観的な回収不能状況の存在時であり、当該時期は、請求人のG社に対する債権については、上記(イ)のとおり平成14年○月○日の属する平成14年分であるから、請求人の当該主張を採用することはできない。
(ハ) さらに、請求人は、G社に対する債権について、平成14年分の事業所得の金額の計算上、貸倒損失として必要経費に算入されるべきものであったとしても、算入することによって生じる純損失の金額について、平成15年分以降の各年分において順次繰越控除を適用すべきである旨主張する。
 しかしながら、所得税法第70条第1項に規定するとおり、当該年分の純損失の繰越控除可能額を計算するためには、そもそもその年分以前の過去の各年分における所得金額の計算に用いられた確定した純損失の金額が前提となるが、本件においては、原処分時において、本件貸倒損失を平成14年分の事業所得の金額の計算上、必要経費に算入することによって生じる純損失の金額については、平成14年分の所得税の法定申告期限である平成15年3月17日から5年を経過しているため、上記イの(ハ)のとおり、減額更正をすることができず、その結果、上記ロの(ヘ)のとおり、平成14年分の所得税における事業所得の金額は、請求人のG社に対する債権の貸倒損失を必要経費に算入していない当初の申告額で確定しているのであるから、平成15年分以降の各年分の所得金額の計算上、請求人に控除することができる純損失の金額はなく、請求人の当該主張は採用することができない。
(ニ) 以上によれば、請求人は、破産会社であるG社に対する債権について、貸倒損失に係る純損失の繰越控除を適用することができない。

(2) 争点2 貸倒れに係る消費税額を控除することができるか否か。

イ 法令解釈
 貸倒れに係る消費税額の控除に関しては、消費税法第39条第1項及び消費税法施行令第59条第5号において、債権に係る債務者の財産の状況、支払能力等からみて当該債務者が債務の全額を弁済できないことが明らかである場合に、当該領収をすることができないこととなった日の属する課税期間の課税標準額に対する消費税額から、当該領収することができなくなった課税資産の譲渡等の税込価額に係る消費税額を控除できる旨規定されているところ、破産債務者に対する債権につき、当該債務者が債務の全額を弁済できないことが明らかである場合とは、上記(1)のイの(イ)のとおり、裁判所が、破産法人に対する廃止決定又は終結決定をして、当該法人の登記が閉鎖された場合であると解され、また、当該決定時を当該領収をすることができないこととなった日と解するべきである。
ロ 判断
 請求人は、上記(1)のロの(ホ)のとおり、H弁護士から平成16年5月17日に受けたファックスにより、G社の破産終結を知り得たのであるから、本件貸倒損失の計上時期が平成16年課税期間であることを前提に、当該課税期間において本件貸倒損失に係る消費税額を控除すべきである旨主張し、また、本件貸倒損失の計上時期が平成16年課税期間でないとしても、平成16年課税期間を除く本件各課税期間のいずれかの課税期間において、本件貸倒損失に係る消費税額を控除すべきである旨主張しているものと解される。
 しかしながら、上記(1)のハのとおり、本件貸倒損失の計上時期は、G社の破産手続終結の決定がなされ、同法人の登記が閉鎖された平成14年課税期間となることから、本件各課税期間において控除されるべき貸倒れに係る消費税額はない。
 なお、上記(1)のロの(ヘ)の事実及び当審判所の調査の結果を総合すると、請求人は、平成14年課税期間の消費税等の確定申告においても、本件貸倒損失に係る消費税額を控除していなかったものと認められるところ、原処分時において既に同消費税等の法定申告期限から5年を経過していることは明らかであるため、通則法第70条第2項第1号の規定により、減額更正をすることはできず、平成14年課税期間の消費税等の額は、確定申告額のとおりで確定している。
 以上のとおり、請求人の主張は採用することができず、本件各課税期間において、貸倒れに係る消費税額を控除することはできない。

(3) 争点3 必要経費に算入すべき外注費及び支払利息があったか否か。

イ 法令解釈
 所得税法第37条第1項は、その年分の事業所得の金額の計算上必要経費に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、事業所得の総収入金額に係る売上原価その他当該総収入金額を得るため直接に要した費用の額及びその年における販売費、一般管理費その他事業所得を生ずべき業務について生じた費用の額とする旨規定しており、ここでいう費用とは、収益を獲得するための経済的な価値犠牲を意味し、業務について生じた費用とは、一般的には、業務遂行上通常かつ必要な経費であり、具体的には、個々の支出を社会通念をもって客観的に判断すべきものであると解される。
 そうすると、ある支出が事業所得における必要経費に該当するためには、業務との関連性がなければならないとともに、その必要性においても、単に事業主の主観的判断によるものではなく、客観的かつ確定的に必要経費として認識できるものでなければならないと解するのが相当である。
ロ 本件外注費について
(イ) 認定事実
 請求人提出資料、原処分関係資料及び当審判所の調査の結果によれば、次の事実が認められる。
 請求人がE社との間で行った本件取引の業務内容は、E社が手配した建具を、E社が作成した工程表に従って取付けを行わせる現場の監督、取付けのための人員の手配等であった。なお、請求人は「D」の屋号を用いて、E社に対し、鋼製建具の販売を行っていた。
(ロ) 請求人の提出資料及び答述等
A 請求人が原処分庁に対して提出した本件外注費メモには、「F社分」として、「16年」に「2月Y1社、X(Y11社)600,000昼間、500,000夜間」、「4月Y2社、X(Y11社)1,500,000」、「17年」に「Y3社、Y4社1,400,000、M800,000、N550,000」、「Y5社、Y6社120,000」、「18年」に「Y7社、M200,000」、「Y8社、Y6社60,000、W120,000」、「Y9社、M1,900,000」及び「19年」に「Y10社、M1,500,000」の外注費の支払があったと記載されているが(判読できない記号は除く。)、その算定根拠となる仕事内容、従事時間、単価等及び支払日や支払先の所在等の記載はない。
B 請求人は、当審判所に対し、本件外注費メモに記載した本件外注費の支払は真実のものである旨答述するが、その支払日、支払先の所在、算定根拠等については具体的に明らかにせず、また、当審判所が工事台帳等の関係資料の提出を再三求めたのに対し、平成21年12月18日に、当審判所に対して「本人出面ノートに○○現場名記入しているところ有る。12月9日確認していたコピー」と記載した「釈明事項」と題する書面と共に、合計23枚のノートの写しを提出した。当該写しには、請求人の業務の具体的内容をうかがわせる記載はあるものの、本件外注費に係る工事の存在、支払先ないし支払の根拠等を明らかにする記載は見当たらず、その他の請求人が提出した資料においても、これらの記載は見当たらない。
(ハ) 判断
A その年分の事業所得の金額の計算上、必要経費に算入すべき費用は、上記イのとおりであるところ、当該支出が上記イのとおりの費用に当たるか否かを判断するためには、当該費用に相当する金員を特定の支払先に支払ったこと及びその具体的な使途が明らかになった上で、当該支出が収入金額を得るために直接要したものであり、かつ、事業所得を生ずべき業務について生じたものであることが認められる必要がある。
 しかしながら、請求人は、当審判所に対し、本件外注費メモに記載した金額は真実であると主張し、上記(ロ)のA及びBのとおり、これに沿う答述ないし資料の提出をするものの、本件外注費メモに記載された金額につき、その従事時間、単価及び支払日等の金額算定の具体的根拠並びに具体的な使途である本件取引に係る現場監督を行った工事の内容等を明らかにせず、さらに、上記(イ)の事実及び請求人提出資料を含めた当審判所の調査によっても、本件外注費メモに記載された金額を当該記載された者に対して支払った事実及び当該金額の具体的な使途を認定することができない。
 したがって、本件外注費メモに記載された金額の支払先及び使途並びに支払った事実を確認することができない以上、その年分の事業所得の金額の計算上必要経費に算入すべき費用に当たるということはできないから、本件外注費の額を必要経費に算入することはできないとするのが相当である。
B 請求人は、本件外注費の支払日等について明らかにすることはできないが、支払があったことは事実であるので、たとえ支払額が本件外注費メモに記載した金額であると認めることができないとしても、大数計算により外注費を認めるべきである旨主張するが、上記Aのとおり、本件外注費メモに記載された者に対して支払った事実を認定することができないから、外注費の額を大数計算により算定することはできず、請求人の主張は採用することができない。
C 以上によれば、請求人の本件各年分の所得金額の計算上、必要経費に算入すべき外注費は存在しないものと認められる。
ハ 本件支払利息について
(イ) S(争点3の請求人の主張(2)のまる1)及びT(同まる2)以外からの借入金に係る支払利息
 請求人は、本件支払利息について、その計算に推計の部分はあるものの、事業遂行上必要なものであったことから、本件各年分の事業所得の金額の計算上、必要経費に算入すべきである旨主張するものと解されるが、上記1の(4)のヘのとおり、請求人が本件支払利息の内容を記載したものであると主張する本件支払利息メモの内容からは、本件支払利息のうち上記必要経費に算入すべき額ないし本件支払利息の根拠である各借入金の具体的内容等が明らかでない。よって、当審判所は、請求人に対し、複数回、本件支払利息につき、その根拠である各借入金の具体的内容等を明らかにするよう求め、請求人は、借入金の返済の一部と思われる資料等を提出するなどしてこれを特定しようとしたものの、請求人の主張ないし主張書面に添付された資料等に加え本件の全証拠を参酌して最大限善解しても、争点3の請求人の主張(2)のまる1Sからの借入金に係る利息及びまる2Tからの借入金に係る利息以外について、借入金額、借入先、借入期間及び支払利息の約定ないし実際の返済等の具体的な借入金に係る利息の存在を特定するに足りる事実の主張は見当たらない。なお、請求人は、上記争点3の主張(2)のまる1及びまる2以外にも、Sからは平成19年6月に1,250,000円、利息100,000円での借入れを、Tからは同年1月に3,000,000円、利息300,000円での借入れをした旨の主張をしているものと解し得る書面を提出しているが、その他の主張等を考慮しても、借入期間ないし支払利息の約定に関する主張がないことから、具体的な借入金に係る利息の存在を特定するに足りる主張と解することはできない。
 よって、本件支払利息のうち、争点3の請求人の主張(2)のうち、まる1Sからの借入金及びまる2Tからの借入金以外に係る利息については、具体的な支出の主張すらなく、そのように不明な金額を必要経費に算入することは不可能であるから、上記イの必要経費の該当性等を判断するまでもなく、請求人の本件各年分の事業所得の金額の計算上、必要経費に算入することはできない。
(ロ) Sからの借入金(争点3の請求人の主張(2)のまる1)に係る支払利息
A 請求人の提出資料
 請求人は、当審判所に対し、本件支払利息メモに記載した借入金のうち、S及びTからの借入金については、支払日等が判明したとして、平成21年11月20日にそれぞれの返済状況、利息金額及び利息の支払日を記載したメモ(以下「返済メモ」という。)を提出した。
 返済メモのうち、Sからの500,000円の借入金に係る部分については、「借入金500,000円 金利50,000円 合計550,000円」の記載がある一方で、「S様支払明細」と題する部分には、平成17年5月30日から平成19年5月28日までの25回の支払により合計500,000円を支払った旨の表の記載と共に、「平成19年6月1日 合計520,000 完済」及び「借入れ500,000 利子 30,000 手渡」との記載もされている。
B 認定事実
 請求人提出資料、原処分関係資料及び当審判所の調査の結果によれば、次の事実が認められる。
(A) 請求人は、平成17年5月30日に20,000円を郵便振替の方法でSに対し支払った。
(B) 請求人の総勘定元帳には、平成13年9月17日にSから借入金500,000円があったとの記載があり、同金額が請求人の公表銀行であるU銀行○○支店の請求人名義の普通預金口座○○○○(以下「公表口座」という。)に同日に入金されていた。
 なお、請求人は、上記(A)の平成17年5月30日の支払及び上記Aの返済メモに記載された当該借入金に係る利息について総勘定元帳に記載していない。
C 判断
 Sからの借入金については、上記Bの(B)のとおり、総勘定元帳に借入金の記載はあるものの、元帳記載の借入時期と請求人が主張するSからの借入れがなされた時期が大きく異なっており、当審判所の調査によっても、請求人がSから平成17年4月から同年5月ころに、500,000円を借り入れたことを裏付けるに足りる客観的な資料は見当たらない。もっとも、上記Bの認定事実によれば、Sに係る返済メモの記載内容と整合的な請求人からの支払事実が1回はあることが認められるものの、当該支払及び当該借入金に係る利息が総勘定元帳に一切記載されていないことなどにかんがみれば、このことをもって借り入れたことを裏付ける客観的な資料があるということはできず、当該借入金の存在を認めることはできない。
 また、当該借入金に係る利息については、上記のとおり、当該借入金の存在自体認めることができない上、利息の額についても、上記Aのとおり、50,000円と記載されたり、30,000円と記載されている箇所もあるなど一義的ではなく、当該借入金に係る利息の存在を認めることもできない。
 以上によれば、当該Sからの借入金及びそれに係る支払利息の存在を確定的に認めることができないから、当該支払利息の額を必要経費に算入することはできない。
(ハ) Tからの借入金(争点3の請求人の主張(2)のまる2)に係る支払利息
A 認定事実
 請求人提出資料、原処分関係資料及び当審判所の調査の結果によれば、次の事実が認められる。
(A) 請求人の実兄であるT名義であるV銀行○○支店普通預金口座○○○○から、平成13年4月12日に5,000,000円及び同年8月30日に1,000,000円の合計6,000,000円が現金で出金された。なお、同口座は、Tの当時の勤務先からの給与の振込口座に使用されており、当該口座の開設時に提出した印鑑届の印影と、当審判所が調査した際にTが所持していた印章の印影とは一致する。
(B) 請求人の公表口座には、平成13年4月13日に5,000,000円及び同年8月30日に1,000,000円の合計6,000,000円の入金がある。
 請求人は、上記6,000,000円の入金につき、総勘定元帳にそれぞれTからの借入金である旨記載した。
 なお、公表口座からは、毎月、請求人の事業に係る通信費、水道光熱費、リース料及び燃料費などが引き落とされている。
(C) 請求人は、Tが開設したV銀行○○支店T名義の普通預金口座○○○○に、別表3のとおり、平成13年10月29日から振込みを開始し、平成18年12月15日まで振込みが行われ、その振込総額は6,300,000円であった。なお、当該口座の開設届の印影と、当審判所が調査した際にTが所持していた印章の印影は一致する。
(D) 平成13年4月12日現在の公表口座の残高は64,611円、現金残高は814,319円であったのに対し、同年4月13日以降同年5月末までに、業務遂行上必要な買掛金や一般管理費などの支払に実際要した金額は5,757,906円であり、その間の売上入金額は1,147,518円であった。そして、同年5月末現在の公表口座の残高は685,145円、現金残高は1,228,454円であった。
(E) 平成13年8月29日現在の公表口座の残高は80,480円、現金残高は942,731円であったのに対し、同年8月30日以降同年9月末までに、業務遂行上必要な買掛金や一般管理費などの支払に実際要した金額は2,374,345円であり、その間の売上入金額は968,749円であった。そして、同年9月末現在の公表口座の残高は224,290円、現金残高は79,765円であった。
B 請求人及びTの答述内容
(A) 請求人は、当審判所に対し、要旨以下のとおり答述した。
a 請求人は、平成13年4月ころ、事業の資金繰りが悪化し、当面の小口の買掛金すら支払えない状況だったので、実兄のTに対し、当初、事業資金借入れのための保証人になって欲しいと頼んだところ、Tの方から、今なら貸せる現金があるので貸してあげると申し出てくれて、そのころ5,000,000円を借り受けた。さらに、請求人は、平成13年8月ころにも、Tに対し、借金を申し込んだところ、1,000,000円を貸してくれた。請求人は、いずれの借入金についても、Tから、V銀行の店舗の前で現金を受け取り、受け取った現金は、いずれもすぐに公表口座に入金した。
b 請求人は、平成13年10月から、Tに対し、月額90,000円の返済を開始したが、すぐに資金繰りが苦しくなったことから、Tと相談の上、口頭ではあるが、月々90,000円の返済にこだわらず、6年間で返済すればよいということになった。
c 請求人は、上記Aの(C)及び別表3のとおり、平成18年12月15日の2,200,000円の振込みをもって、上記aの借入金を完済した。請求人がTに対して振り込んだ総額6,300,000円から元本金額を除いた300,000円部分については、借入金に係る利息に当たるものであり、その旨をTに告げた。
d 請求人は、下記(B)のbの借用書を、上記cの返済が終わった時にTに渡した。当該借用書は、Tから、当該借用書を平成20年11月ころの同人の引越しの際に破棄したと聞いている。
(B) Tは、当審判所に対し、要旨以下のとおり答述した。
a Tは、弟である請求人から、平成13年4月ころ、保証人になって欲しいとの申出があったが、保証人にはならず、そのころ、5,000,000円を貸し付けた。また、Tは、同人の息子の3回忌の際にも請求人からいくらでもいいからと貸付けを頼まれたので、そのころ1,000,000円を貸した。
b 上記aの5,000,000円の貸付けについては、Tと請求人の間で、半年据置き後返済を開始する旨を定めたが、返済回数はよく覚えておらず、Tが借用書を作成した。
 そして、Tと請求人は、上記aの1,000,000円の貸付けの際に、利息的な意味合いも含めたところで月々90,000円の72回払いで返済総額を6,480,000円とし、半年間据置き後返済を開始するという旨の合意をして、上記借用書を当該内容に変更した。
 いずれの貸付けに際しても、金利については年何パーセントと明確に定めていない。
c 平成13年の年末ころ、請求人から上記aの貸付金の返済が滞り、月50,000円程度の返済が続いていたが、Tとしては銀行のようにきつく返済を催促する気持ちはなく、6年間で返済してくれればよいという感覚だった。
d 上記Aの(C)の口座は返済専用口座であり、平成18年12月15日の振込みで、元本6,000,000円の返済が終わった。Tは、同口座への振込総額6,300,000円から上記aの貸付元本金額を除いた300,000円については、借入金に係る利息的なものだと理解して受領した。
e 上記bの借用書は、上記dの返済が終わった時に請求人からTに返却され、平成20年11月ころにP市からQ市に引っ越した際に、Tが破棄した。
C 判断
(A) Tからの借入金及び利息合意の存否
 請求人は、本件支払利息の発生原因たる借入金の一つとして、Tから平成13年3月から同年4月ころに、6,000,000円を借り入れ、別表3のとおり、利息300,000円と共に返済した旨を主張しているので、これらの存否を検討する。
 請求人及びTは、当審判所に対し、いずれも、上記請求人の主張に係る借入金及びこれに係る利息につき、上記Bの(A)のaないしc及び(B)のaないしcのとおり、Tが請求人に対して、平成13年4月ころに5,000,000円を、同年8月ころに1,000,000円を貸し付け、そのころ、利率は明確に定めないものの、同5,000,000円の貸付日から半年後の同年10月から月々90,000円の72回払いで合計6,480,000円を返済することを合意した旨を答述しているところ、これらの答述は相互に一致している上、上記Aの(A)及び(B)のとおりのTの口座からの出金及び公表口座への入金状況、上記Aの(C)及び別表3のとおりの同年10月及び同年11月の返済状況と整合性があり、利息に当たる480,000円も社会通念上不相当な金額とまではいえないことなど、答述内容に合理性が認められる上、当審判所の調査によっても、当該請求人及びTの答述と明確に矛盾する証拠は見当たらなかった(なお、当審判所の調査の結果によれば、Tの息子の死亡時期やTがQ市に転居した時期についても、Tの答述内容と矛盾しないことが認められる。)。
 さらに、上記Bの(A)及び(B)のとおり、Tが請求人に当該金員を貸し付けるに至った経緯、返済状況ないしこれが上記請求人らの述べる合意内容と異なった理由、Tの貸付資金の出所に係る具体的説明などについても、請求人及びTの答述はおおむね相互に一致しており、客観的な証拠と整合的で不自然な点は認められない。
 以上によれば、請求人及びTの答述には信用性が認められ、当該答述によって認められる事実及び上記Aの各事実を総合すると、平成13年8月30日ころ、請求人とTとの間で、請求人が、Tから同年4月13日に借り入れた5,000,000円及び同年8月30日に借り入れた1,000,000円の合計6,000,000円を、同年10月末日から毎月末日までに90,000円ずつ72回払いの方法で、利息480,000円を付して支払う旨の合意が成立したことが認められる(以下、当該合意を「本件消費貸借契約」という。)。
 なお、上記Aの(C)及び別表3のとおり、本件消費貸借契約については、返済開始後数回以後は、その返済日及び金額が本件消費貸借契約の約定と異なる返済になっている上、合計額も6,300,000円で借入金元本に300,000円を付加して支払っているにすぎないが、本件の全証拠によっても、本件消費貸借契約の内容が変更されたことを認めるに足りる証拠はなく、また、信用できるTの答述によれば、上記Bの(B)のeのとおり、本件消費貸借契約に係る借用書は債権者たるTが平成20年11月ころまで保管し、そのころ破棄したことが認められることなどからすれば、本件消費貸借契約の内容が別表3の返済期間中に変更されたことを認めるに足りず、また、以上の事実からするとTは、上記借用書が破棄された同月に、請求人に対し本件消費貸借契約における利息債務180,000円(本件消費貸借契約における利息480,000円と上記300,000円の差額)を免除したものと認められる。
 よって、請求人の主張とおおむね一致する、Tからの本件消費貸借契約に基づく6,000,000円の借入れの事実及び請求人が支払った300,000円を含む利息合意の存在が認められる。
(B) 本件消費貸借契約に係る借入金及び利息の性質
 上記(A)、上記Aの(C)及び別表3のとおり、請求人は、Tに対し、本件消費貸借契約に基づく借入元本及び利息債務の弁済として、平成13年10月から平成18年12月までの間に、借入金元金6,000,000円及び利息300,000円を支払ったものと認められるところ、上記A及びBのとおり、信用性が認められる請求人及びTの答述並びに請求人の資金繰り状況、公表口座における金員の使途などによれば、請求人がTから本件消費貸借契約に基づき借入れをした理由は、業務継続のための事業資金を得るためであり、実際にも、本件消費貸借契約に基づく借入金は公表口座に入金され、請求人の業務上の支払に充てられていることが認められ、他方で、本件の全証拠によっても、当該口座へ入金された借入金から請求人の事業とは関係ない個人的な多額の支出がなされた事実を認めるに足りない。
 以上によれば、本件消費貸借契約に係る借入金は、請求人の業務との関連性があり、また、借入れを行う客観的な必要性もあるものと認めるのが相当であり、これを上記イに照らせば、当該借入金に係る利息は、その債務が確定した年分の事業所得の金額の計算上、必要経費に算入するのが相当である。
(C) 利息債務の確定時期
 本件消費貸借契約に基づく利息の債務が確定する時期について検討するに、上記(A)のとおり、本件消費貸借契約においては、元利を区分することなく、平成13年10月以降毎月90,000円の72回の均等返済と定められている一方で、利息に係る具体的な利率の定めがなく、完済時一括支払などの特約もないことから、毎月の返済金額を均等にした方式として一般的に用いられている元利金等返済方式により、別表4の「返済予定」欄に対応する「発生利息」の「利息金額」欄のとおり、利息債務が確定するものと認められ、別表4の「発生利息」の「利息金額」欄の金額をそれぞれ本件各年分の事業所得の金額の計算上、必要経費に算入するのが相当である。なお、上記(A)のとおり、Tが請求人に対し免除した利息債務180,000円については、債務免除益となり得るが、本件各年分の事業所得の金額の計算上、総収入金額に算入するものではない。
(ニ) したがって、上記(イ)ないし(ハ)のとおり、本件消費貸借契約に係る支払利息については、別表4の「発生利息」の「利息金額」欄の金額をそれぞれ本件各年分の事業所得の金額の計算上、必要経費に算入すべきであるが、これ以外の借入金に係る請求人主張の支払利息については、本件各年分の事業所得の金額の計算上、必要経費に算入することはできない。

(4) 本件各更正処分等について

イ 所得税の各更正処分について
 上記(1)のハ、(3)のロの(ハ)及び(3)のハの(ニ)のとおり、請求人の本件各年分の事業所得の金額は、別表5の「審判所認定額」の各「事業所得の金額」欄の各金額のとおり、いずれも原処分の金額を下回るから、本件各年分の所得税の更正処分は、別紙2ないし別紙4のとおり、その一部を取り消すべきである。
ロ 所得税に係る重加算税及び過少申告加算税の各賦課決定処分について
 重加算税の各賦課決定処分については、上記1の(4)のハのとおり、請求人は本件取引を簿外で行うことにより、本件取引に係る収入金額を事業所得の総収入金額から除外していたことが認められ、このような行為は、通則法第68条《重加算税》第1項に規定する重加算税の賦課要件である所得税の課税標準の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺい又は仮装し、その隠ぺい又は仮装したことに基づいて、所得税を過少に申告したことに該当する。
 また、請求人には、通則法第65条《過少申告加算税》第4項に規定する正当な理由があると認められる事実もない。
 なお、本件各年分の重加算税及び過少申告加算税の額は、上記イのとおり、所得税の更正処分の一部取消しに伴い、別紙2ないし別紙4の「4 課税標準等及び税額等の計算」の「重加算税」及び「過少申告加算税」欄の各「裁決後の額B」欄のとおりとなり、原処分の額に満たないものがあることから、平成15年分及び平成18年分の重加算税及び平成19年分の過少申告加算税の各賦課決定処分はその一部を別紙2ないし別紙4の「1 この裁決により取り消す税額」の各「加算税の額」欄のとおり取り消すべきである。
ハ 消費税等の各更正処分及び各賦課決定処分について
 上記(2)のロのとおり、本件貸倒損失については、平成14年中に生じたものであるから、本件貸倒損失に係る消費税額を本件各課税期間の課税標準額に対する消費税額から控除することはできない。
 また、上記(3)のハの(ハ)の支払利息については、消費税法第6条第1項の規定により非課税であるため、本件各課税期間の課税標準額に対する消費税額から控除することはできない。
 それ以外の点については、請求人及び原処分庁の間に争いがなく、当審判所の調査したところによっても相当と認められ、請求人の納付すべき消費税額は原処分の額と同額となるから、消費税等の各更正処分及び各賦課決定処分は適法である。

(5) 原処分のその他の部分については、請求人は争わず、当審判所に提出された証拠資料等によっても、これを不相当とする理由は認められない。

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