(平成25年7月26日裁決)

《裁決書(抄)》

1 事実

(1) 事案の概要

 本件は、原処分庁が、審査請求人(以下「請求人」という。)に対し、いわゆる「ゆうメール」により提出された請求人の平成23年分の所得税の確定申告書が法定申告期限内に到達しなかったとして、無申告加算税の賦課決定処分を行ったことに対し、請求人が、国税通則法(以下「通則法」という。)第22条《郵送等に係る納税申告書等の提出時期》により、当該確定申告書は法定申告期限内に提出されたものとみなされるとして、その全部の取消しを求めた事案であり、争点は、当該確定申告書について、通則法第22条の規定が適用され、法定申告期限内に提出がされたものとみなされるか否かである。

(2) 審査請求に至る経緯及び基礎事実

 次の事実については、請求人と原処分庁との間に争いがなく、当審判所の調査の結果によってもその事実が認められる。
イ 請求人は、平成23年分の所得税について、所得税の確定申告書用紙に総所得金額を○○○○円、予定納税額を○○○○円及び第3期において納付すべき税額を○○○○円と記載して申告した(以下、当該確定申告書を「本件申告書」という。)。
 なお、本件申告書は、郵便事業株式会社(現・日本郵便株式会社。以下「本件郵便会社」という。)の提供するゆうメールと呼称されるサービス(以下「ゆうメール」という。)により、法定申告期限(平成24年3月15日)の翌日の平成24年3月16日に原処分庁に到達した。
ロ 請求人は、平成24年3月29日付で、原処分庁に対し、予定納税額に記載誤りがあることを理由に、第3期において納付すべき税額を○○○○円に更正すべき旨を記載した平成23年分の所得税の更正の請求書(以下、当該更正の請求を「本件更正の請求」という。)を提出した。
ハ 原処分庁は、本件申告書が法定申告期限後に到達していることから、期限後申告書の提出に該当するとして、通則法第66条《無申告加算税》第1項第1号及び同条第5項の各規定に基づき、平成24年5月25日付で、無申告加算税の額を○○○○円とする賦課決定処分を行った。
ニ 原処分庁は、平成24年5月30日付で、本件更正の請求を認容する旨の平成23年分の所得税の更正処分を行い、併せて、同月25日付の無申告加算税の賦課決定処分について、当該無申告加算税の額を○○○○円とする旨の変更決定処分(以下、当該変更決定処分後のものを「本件賦課決定処分」という。)を行った。
ホ 請求人は、本件賦課決定処分を不服として、平成24年7月20日付で異議申立てをしたところ、異議審理庁は、同年9月12日付で異議申立てを棄却した。
ヘ 請求人は、異議決定を経た後の本件賦課決定処分に不服があるとして、平成24年10月5日に審査請求をした。

(3) 関係法令

 関係法令は、別紙のとおりである。

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2 主張

請求人 原処分庁
 本件申告書については、以下の理由により、通則法第22条の規定が適用され、法定申告期限内に提出がされたものとみなされる。  本件申告書については、以下のとおり、通則法第22条の規定の適用はなく、原処分庁に到達した平成24年3月16日が提出の日となることから、法定申告期限を経過して提出された期限後申告書である。
1 平成17年法律第102号による改正前の郵便法によれば、第30条《要件》に規定する「小包郵便物」も「郵便物」と規定されていたが、同改正後の郵便法第14条では、「郵便物は、第一種郵便物、第二種郵便物、第三種郵便物及び第四種郵便物とする」と規定され、「小包郵便物」が郵便法の適用対象となるべき「郵便物」から除外された。通則法は、「郵便物」について、定義規定を置いていないところ、郵便法における「郵便物」の範囲が当然に通則法における「郵便」及び「郵便物」の範囲を画することにはならないし、また、そのような解釈・運用を行うべき法律上の根拠は見当たらない。
 また、広く国民一般を対象に賦課・徴収が予定されている所得税に係る無申告加算税においては、国民の権利擁護の観点から、明確かつ厳格な法律の根拠が要求されるはずであり、さらに、租税法律主義の下では、合理的理由のない不公平な差別的取扱いの有無は、より一層厳格に判断されるはずである。
1 通則法第22条は、納税申告書が郵便又は信書便により提出された場合には、当該郵便物等の通信日付印により表示された日にその提出がされたものとみなす旨規定しているところ、郵便法上、郵便の業務は本件郵便会社が行い、本件郵便会社以外の者は何人も郵便の業務又は信書の送達を業としてはならないとされていた。
 したがって、通則法第22条に規定する「郵便又は信書便」とは、郵便法第2条の規定により本件郵便会社が行った郵便の業務又は信書の送達をいうものと解され、また、本件郵便会社が郵便の業務において取り扱う郵便物は、第一種郵便物、第二種郵便物、第三種郵便物及び第四種郵便物とされていたから、通則法第22条に規定する「郵便物」とは、郵便法第14条に規定する郵便物をいうものと解される。
 そうすると、郵便法上の「郵便物」に該当しないゆうメールにより提出された本件申告書については、通則法第22条に規定する「郵便又は信書便により提出された場合」には該当しないため、同条の規定の適用はない。
2 仮に、本件郵便会社が行った送達の方法のうち、郵便法が適用された送達行為のみが通則法第22条の定める「郵便」に該当したならば、同一主体が提供した送達サービスのうち、通則法第22条の適用下にある部分とそれ以外の部分が併存したことになるが、一般国民にとって、それが郵便法の適用される「郵便物」なのか、それ以外の単なる配達物なのかは、ごく普通の日常生活を送る中で、容易に区別ができないし、また、区別する必要もなかったのであるから、その区別を一般国民に要求すること自体がおかしい。
 したがって、平成17年法律第102号による郵便法の改正により、本件郵便会社が行う送達の方法のうち、郵便法が適用されない送達行為が作出され、国税庁が通則法第22条の規定する「郵便物」を郵便法の規定する「郵便物」と解釈することで生じた一般国民に対する租税賦課は、何の落ち度もない一般国民に対する郵便法の改正による多大な不利益の一方的転嫁に他ならない。
2 上記1のとおり、郵便法には郵便の業務に関する事項が規定されているから、当該規定に基づいて通則法第22条の規定を適用するのが相当であり、また、郵便法が改正された後においては、その改正された法令に基づいて当該規定を適用するのが相当である。
 また、国税庁が作成した「平成23年分所得税の確定申告の手引き(確定申告書B用)」には、確定申告書は「信書」に当たることから、税務署に送付する場合には郵便物(第一種郵便物)又は信書便物として送付する必要がある旨を記載するとともに、国税庁ホームページにも同様の説明を掲載している。
 さらに、本件郵便会社のホームページには、納税関係の書類をはじめとした各種申告書は信書に当たることから、ゆうパック、ゆうメール及びポスパケットのサービスにおいては送付できない旨が説明されていた。

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3 判断

(1) 法令解釈

 通則法第17条第1項は、申告納税方式による国税の納税者について、国税に関する法律の定めるところにより、納税申告書を法定申告期限までに税務署長に提出しなければならない旨規定している。そして、税務官庁に対する書類の提出を郵便等により行う場合に、当該書類の提出に伴う効力の発生時期については、税法上特別の規定がないことから、原則的には、民法上の意思表示の一般原則たるいわゆる到達主義(民法第97条第1項)により、当該書類の到達の時にその効力が発生するものと解される。
 そして、通則法第22条は、納税申告書等が郵便又は信書便により提出された場合には、その郵便物等の通信日付印により表示された日にその提出があったものとみなして、当該日に申告等の効力が発生したものとする旨規定している。これは、郵便又は信書便は郵便法又は信書便法の規定に従って配達されるため、配達されずに紛失する可能性が相当に低いことや、納税者と関係税務官庁との地理的間隔の差異に基づく不公平を是正する必要があることから実質的に民法上の到達主義の原則を緩和したものであると解される。

(2) 認定事実

 原処分関係資料及び当審判所の調査の結果によれば、以下の事実が認められる。
イ 本件郵便会社は、郵便法第68条の規定に基づき、郵便の役務に関する提供条件を郵便約款により定めているところ、内国郵便約款(平成24年10月1日実施以前のもの。以下同じ。)は、当該内国郵便約款(料金表を含む。)により、国内のみにおいて引受け及び配達を行う郵便物に係る郵便の役務(本件郵便会社が当該内国郵便約款以外の契約約款及び料金表を定め、それにより提供するものを除く。)を提供する旨定めていた(第1条第1項)。
 そして、内国郵便約款で取り扱われている郵便物は、第一種郵便物(第16条)、第二種郵便物(第20条)、第三種郵便物(第30条)及び第四種郵便物(第33条)であり(第7条)、これら第一種ないし第四種の各郵便物の定義は、郵便法第14条に規定されている第一種ないし第四種の各郵便物の定義(同法第20条、第21条、第22条及び第27条)と同一であった。
ロ ゆうメールは、本件郵便会社が内国郵便約款以外に定めた郵便約款のうちの一つであるポスパケット約款(平成19年10月1日実施、平成24年10月1日改正前のもの。以下同じ。)に基づき提供するサービスであり、ポスパケット約款は、ポスパケット運賃、ゆうメール運賃及び心身障害者用ゆうメール運賃が適用される荷物の運送に適用される旨定めていた(第1条第1項)。
 また、ポスパケット約款には、ゆうメール運賃料金表が付されていたが、同約款に「郵便」又は「郵便物」の文言は使用されておらず、信書の運送を、運送の引受拒絶の事由としていた(第6条(5))。
ハ 請求人は、平成23年分の所得税につき、平成24年6月8日、L郵便局に対し、納付書を添えて、当該納付書記載の本件申告に係る納付すべき税額○○○○円を納付した。

(3) 判断

イ 納税申告書の提出に伴う効力の発生時期について、通則法第22条が適用されるためには、同申告書が郵便又は信書便により提出される必要があるところ、請求人が提出した納税申告書は本件郵便会社の行うサービスである、ゆうメールにより提出されている。
ロ 請求人は、ゆうメールは通則法第22条にいう「郵便」であるとし、ゆうメールが郵便法上の「郵便物」からは除外されていたとしても、通則法においては、郵便及び郵便物について定義規定を置いておらず、郵便法における「郵便」及び「郵便物」の範囲が当然に通則法における「郵便」及び「郵便物」の範囲を画することにはならないし、そのような解釈・運用を行うべき法律上の根拠は見当たらない、また、広く国民一般を対象に賦課・徴収が予定されている所得税に係る無申告加算税においては、国民の権利擁護の観点から、明確かつ厳格な法律の根拠が要求されるはずである上、租税法律主義の下では、合理的理由のない不公平な差別的取扱いの有無は、より一層厳格に判断されるはずであるなどと主張する。
 しかしながら、ゆうメールが、通則法22条の「郵便」に当たらないことは以下のとおりであり、請求人の主張は採用することができない。
(イ) 通則法第22条の「郵便」及び「郵便物」について
A 郵便法は、郵便の役務をなるべく安い料金で、あまねく、公平に提供することによって、公共の福祉を増進することを目的としており(同法第1条)、また、郵便の業務については、同法の定めるところにより、本件郵便会社が独占して行うものと規定している(同法第2条、第4条)。
B すなわち、郵便は、国民の日常生活に不可欠の基本的通信手段として高度に公共性を有する事業であって、大量の郵便物を送達距離の長短、交通手段の地域差にかかわらず、円滑迅速に、しかも、なるべく安い料金で、あまねく公平に処理することを要請されているものであることから、郵便法の規定に基づき、郵便の役務に係る郵便物を限定し、郵便の業務について本件郵便会社が独占してこれを行うこととしているものである。
C 一般に、租税法が私法上の概念を特段の定義なく用いている場合には私法上の概念と同じ意義に解することが、租税法律主義や法的安定性の確保に資することなどを考慮すれば、通則法第22条が「郵便」及び「郵便物」と規定し、同法上にその定義規定を置いていない以上、これを上記A、Bにいう郵便法上の「郵便」及び「郵便物」と別意に解すべきことが通則法の明文又はその趣旨から明らかであるなど特段の理由がない限り、郵便法上の「郵便」及び「郵便物」と同意義をいうものと解することが相当である。そして、通則法の「郵便」及び「郵便物」について、郵便法上の「郵便」及び「郵便物」と別意に解すべきことが通則法の明文又はその趣旨から明らかであるなどの事情は認められない。
D かえって、通則法第22条の趣旨からすれば、同法の「郵便」及び「郵便物」について、郵便法の「郵便」及び「郵便物」と同じ意義に解するのが相当であることは、以下のとおりである。
 上記(1)のとおり、申告納税方式による国税の納税者は、納税申告書を法定申告期限までに税務署長に提出しなければならないものとされているところ、当該納税申告書は、大量かつ、反復継続的に提出されるものであり、その提出の手段として、国民の日常生活に不可欠の基本的通信手段である郵便等が用いられる割合は低いものではない。通則法第22条は、このような状況を踏まえた上、郵便又は信書便は上記A、Bのとおり定められた郵便法又は信書便法の規定に従って配達されるため、郵便物が紛失する可能性が相当低いことなどの事情を考慮し、また、納税者と関係税務官庁との地理的間隔の差異に基づく不公平を是正する必要性をも勘案して、特に郵便又は信書便により提出された納税申告書等については、民法上の到達主義の原則を緩和し、その郵便物の通信日付印により表示された日などにその提出があったものとみなして、当該日に申告等の効力を発生させるものである。
E したがって、通則法第22条の「郵便」及び「郵便物」は、郵便法上の「郵便」及び「郵便物」をいうものと解される。
 納税申告書等が郵便法上の郵便及び信書便以外のサービスを利用して提出された場合に、通則法22条の適用がされないことを、合理的理由のない不公平な差別的取扱いであるとする請求人の主張は、上記通則法第22条の趣旨等からして採用できない。
(ロ) ゆうメールの「郵便」該当性について
A 郵便法によれば、本件郵便会社が郵便の役務として取り扱う郵便物は、第一種郵便物(同法第20条所定のもの)、第二種郵便物(同法21条所定のもの)、第三種郵便物(同法22条所定のもの)及び第四種郵便物(同法27条所定のもの)のみであり、それぞれ大きさ及び重量が定められている(同法第14条、第15条)
 そして、上記(2)のイのとおり、本件郵便会社は、郵便法第68条の規定に基づき、国内のみにおいて引受け及び配達を行う郵便物に係る郵便の役務について内国郵便約款を定め、これに基づいて役務を提供するものであるが、内国郵便約款にいう郵便物とは、第一種郵便物(第16条)、第二種郵便物(第20条)、第三種郵便物(第30条)及び第四種郵便物(第33条)を指し、これらの定義は、それぞれ郵便法の規定する第一種ないし第四種郵便物の定義と同一である。
B 他方、上記(2)のロのとおり、内国郵便約款は、本件郵便会社が内国郵便約款以外の契約約款及び料金表を定め、それにより提供される役務については、内国郵便約款に基づく郵便物から除外しているところ、ゆうメールは、内国郵便約款以外の契約約款であるポスパケット約款を定め、それにより提供している役務である。そして、ポスパケット約款は、ゆうメールの役務について、「荷物の運送」とし、納税申告書等信書の運送はできないとして、引受拒絶の対象としている。
C これら郵便法、内国郵便約款及びポスパケット約款等の規定等によれば、ゆうメールは、郵便法に規定する「郵便物」である第一種ないし第四種郵便物には該当せず、ゆうメールによる役務の提供は、荷物の運送であって、郵便法上の「郵便」には該当しないこととなる。
(ハ) 小括
 そうすると、納税申告書がゆうメールにより運送された本件は、通則法第22条にいう「納税申告書が郵便により提出された場合」に当たらない。
 なお、通則法第22条に規定する「信書便」とは、同法第12条第1項において、信書便法第2条第6項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第9項に規定する特定信書便事業者による同条第2項に規定する信書便である旨規定されているところ、信書便法第2条第2項は、信書便とは、他人の信書を送達すること(郵便に該当するものを除く。)とされているが、そもそも、信書便は、同法により、本件郵便会社の事業を補完する形で例外的に民間事業者による信書の送達を認めたものであり(信書便法第1条及び第3条)、ゆうメールは本件郵便会社が行う役務の提供であることから、ゆうメールが通則法第22条の「信書便」にも該当しないことは明らかである。
 そうすると、本件納税申告書の提出に関し、通則法第22条の適用はない。
ハ 請求人は、郵便法の改正により、それまで第一種ないし第四種郵便物に加えて「郵便物」としてきた「小包郵便物」が郵便法の適用対象たる「郵便物」から外された後も、国税庁が通則法第22条の規定する「郵便物」を郵便法の規定する「郵便物」と解釈することは、何の落ち度もない一般国民に対する郵便法の改正による多大な不利益の一方的転嫁に他ならない旨主張する。
 しかしながら、郵便法上の「郵便」及び「郵便物」と通則法上の「郵便」及び「郵便物」を同意義に解するべきことは前記のとおりである上、通則法第22条の趣旨からすれば、郵便法による規制を受けずに、民間の宅配業者との自由な競争の下で役務を提供し、また納税申告書等信書の運送に用いることが想定されていないゆうメールについて、郵便法等の規定によって役務が提供される郵便法上の郵便等と同一の主体によって提供されるからといって同様の取扱いをしなければならないものとはいえず、郵便法の改正により一般国民が多大な不利益を受けたとはいえない。
 したがって、この点における請求人の主張は採用することはできない。
ニ まとめ
 以上のとおり、ゆうメールにより運送された本件申告書は、通則法第22条に言う「郵便物」又は「信書便物」には該当しないから、同条の規定は適用されない。したがって、民法上の意思表示の一般原則たるいわゆる到達主義(民法第97条第1項)により、当該書類の到達の時にその効力が発生するものと解される。そして、上記1の(2)のイのとおり、本件申告書が原処分庁に到達した日は、平成24年3月16日であることから、本件申告書は、同日に原処分庁に提出されたこととなる。
 そうすると、本件申告書は、法定申告期限を経過して提出された期限後申告書であり、本件申告書が法定申告期限内に提出されなかったことについて、正当な理由も認められず、また、本件申告書の提出が決定を予知してされたものではないことは明らかであるから、通則法第66条第1項第1号及び同条第5項の規定に基づく本件賦課決定処分は適法である。
ホ なお、通則法第66条第6項及び国税通則法施行令第27条の2第1項は、一定の期間に自主的な期限後申告書の提出があった場合において、その提出が期限内申告書を提出する意思があったと認められる場合として、まる1その期限後申告書の提出があった日の前日から起算して5年前の日までの間に、当該期限後申告書に係る国税の属する税目について、無申告加算税又は重加算税を課されたことがなく、また、同法第66条第6項の規定の適用を受けていないこと及びまる2その期限後申告書に係る納付すべき税額の全額が法定納期限までに納付されていたことの各要件を満たすときは、同法第66条第1項の規定は適用しない旨規定しているところ、上記(2)のハのとおり、本件申告書に係る平成23年分の所得税の納付すべき税額の全額について、法定納期限後の平成24年6月8日に納付されていることから、当該まる2の要件を満たしていないこととなり、本件申告書の提出については、「期限内申告書を提出する意思があったと認められる場合」に該当せず、通則法第66条第6項の規定は適用されない。

(4) 原処分のその他の部分については、請求人は争わず、当審判所に提出された証拠書類等によっても、これを不相当とする理由は認められない。

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