別紙3

当事者の主張

  • 争点1 懇親会等及び祝賀会の損益は、請求人に帰属するか否か。
    原処分庁 請求人
    (1) 以下の事実により、懇親会等は請求人の意思決定により開催され、会費収入及び開催費用を含むその使途も請求人が決定していることから、○○の会が主催している事実は認められず、請求人の業務に関連した行為として開催されたものと認められる。
     したがって、懇親会等の開催に伴ってその出席者から受領した会費収入から開催費用を差し引いた利益金(以下「懇親会等に伴う利益金」という。)は、請求人に帰属する。
    (1) 以下の事実により、懇親会等は○○の会の役員会により、日程、次第及び場所を決定し、請求人は一切関わっていない。
     したがって、懇親会等は、○○の会の主催によるものであり、懇親会等の収支は請求人に帰属しない。
    イ 懇親会等は、請求人が請求人名義で取引業者に送付した開催案内で開催され、出席者に対する参加会費の領収証も請求人名義で発行されている。 イ 懇親会等の開催案内及び参加会費の領収証が請求人名義で発行されていたことについては、○○の会の事務担当者及び責任者が交代したため、請求人名義で行えないことを失念したものであり、○○の会が主催者であるとの当然の申し送り事項が不徹底であったと、○○の会から聞いている。
     また、請求人が請求人名義の領収証の発行を○○の会に認めていた事実はなく、偽造されたものと認識している。
    ロ 懇親会等の式次第を確認すると、講師による講演会の後、請求人の代表取締役挨拶、大手取引業者来賓祝辞、その後懇親会を行っており、○○の会の役員と称する者の役員としての役割がなく、○○の会が主催している事実を証明するものがない。
     また、懇親会等において、請求人の従業員が会場の受付業務を担当し、請求人の役員や店長等従業員が懇親会の場で取引業者を接待する役割が決められていた。
    ロ ○○の会の役員会は年に数回行われ、その中で懇親会等の開催日、開催場所、講師、参加会費、会場費等の打合せが行われている。
     また、懇親会等のためだけに、○○の会が従業員を雇用することはできないため、請求人の従業員が○○の会の要請を受けて手伝いをしているだけである。
     店長やバイヤーが懇親会等の手伝いとなったのは、他の業務に差し障りがなかったためであり、接待のために出席していたものではない。
    ハ ○○の会預金の通帳及び印鑑は、請求人が管理し、当該口座への入出金を行っており、○○の会の役員と称する者が内容を確認することが一切ない。 ハ ○○の会の事務所は請求人事務所内に置くこととなっているので、○○の会の事務は請求人の従業員が代行しており、○○の会預金の通帳を管理し、懇親会等の参加会費の徴収や会場費の支払い等を行い、毎年、収支決算報告書を役員会に提出している。
    (2) 次の事実により、祝賀会は請求人の意思決定により開催されていたものと認められるから、祝賀会において受領した祝金及び祝賀会に伴う支出金は、請求人に帰属する。 (2) 次の事実により、祝賀会は○○の会の役員が企画から実施まで全てを取り仕切り開催されたものであるから、祝賀会は、○○の会の主催によるものであり、祝賀会の収支は請求人に帰属しない。
    イ 招待状及びお礼状を請求人名義で送付している。
     また、招待状及びお礼状の記載内容は、請求人が取引業者等に対し感謝の意を表しているものである。
    イ 祝賀会とはいうものの、そもそも懇親会を祝賀会に変更して行ったものであり、祝賀会においては、請求人名義の領収証を発行しているわけではない
     また、○○の会が出した招待状、お礼状の文面については、請求人は関与していない。
    ロ 招待状、お礼状及び式次第に○○の会主催である等の記載が一切ない。
     また、式次第を確認すると、請求人の代表取締役挨拶、大手取引業者来賓祝辞、祝電披露、その後祝宴を行っており、○○の会の役員と称する者の役割が一切なく、○○の会が主催している事実を証明するものがない。
    ロ 招待状、お礼状、式次第、郵便代金(切手等)についての支出が請求人の経費には計上されていない。
     つまりは、これらは主催者である○○の会の出費として支出されていると思われ、開催を含めお礼状までの経費全てを○○の会が支出しているにもかかわらず、請求人の主催とする根拠がわからない。
    ハ 祝賀会の出席者であるN社から祝金として○○○○円の小切手を受領しているが、請求人の関係会社であるP社と平成19年10月○日に締結した、○○セールのチラシ対策協賛金として支払う旨の「リベートに関する覚書」に係る支払いに当該小切手を充てている。 ハ P社は、請求人を通じて、年間○○○○円の仕入れを問屋から行っており、問題となっているN社とも、年間約○○○○円の取引があった。
     N社からの小切手は、宛名もなく、受領する際に明確な説明もなかったものだから、小切手の受領は認めるが、一般的なリベートの一種として受け止めており、その小切手についても、P社へのリベート支払いに回してよいものか、税理士に相談の上、P社とN社の取引もあることからそのようにしたものであり、流用したわけではない。
    ニ 祝賀会の前日にホテルQにおいて行われた祝賀会に出席した取引業者に対する接待等の打合せ資料によると、請求人の代表者が○○空港で取引先を出迎え、取引先とともに宿泊し接待することが決められていたが、○○の会の役員と称する者については記載が一切ない。 ニ 祝賀会を行ったのは、○○の会の役員が取引業者の重要な役職の方の日程を押さえていたから、やむを得ず行ったものであり、請求人としては、○○である平成○年4月頃に祝賀会を開催する予定であった。
  • 争点2 懇親会等及び祝賀会に関し、請求人に事実の隠ぺい又は仮装の行為があったか否か。
    原処分庁 請求人
     以下の事実が、通則法第68条に規定する隠ぺい仮装の行為に該当する。  以下により、請求人には、公表帳簿に受入れせず隠ぺいしている事実はない。
    (1) 懇親会等に伴う利益金については、請求人が主催していることが明確であるにもかかわらず、その収支について公表帳簿に受入れせず、当該利益金を除外し、また、懇親会等の出席者から徴収した会費収入の総額を○○の会預金口座に入金せず、おおむねホテル等への支出予定金額に相当する金額を○○の会預金口座に入金し、○○の会名義でホテル等に支出することにより、あたかも、○○の会で主催したかのごとく仮装している。 (1) 請求人としては、懇親会等は一切関わりのない○○の会のことである。
     また、原処分庁による懇親会等の収入金額は、原処分庁の推定によるものであり証憑によって裏付けられたものでないこと、支出金額は全てを網羅したものではないことから、利益があったかどうかもわからない。
    (2) 請求人は、懇親会等の出席者に対して、請求人名義の領収証の破棄及び○○の会名義の領収証を送付・差替えを指示し、あたかも、○○の会で主催したかのごとく遡及して形式を整えようとした。 (2) 請求人名義で発行された懇親会等の領収証は偽造されたものである。
     請求人としては、その偽造の事実が明らかになった時点で放置することはできないので、○○の会に正しい領収証に差し替えをするよう申し入れしたものであり、遡って領収証を差し替え、形式を整えたわけではない。
    (3) 祝金収入の一部をP社へのチラシ対策協賛金の支出に流用するなど請求人の収入であることを認識していながら、その収支について帳簿に記載していない。
     また、祝賀会に伴う支出予定金額に相当する金額を○○の会預金口座に入金し、○○の会名義でホテル等へ支出することにより、○○の会で主催したかのごとく仮装した。
    (3) 祝賀会の日程は、○○の会が自ら決定したものであり、請求人としては○○となる平成○年4月に開催予定であったが、出席する重要な取引業者のため、懇親会の代わりということもあって開催を承諾したものである。
     したがって、祝賀会は○○の会が主催したものであり、その収支は○○の会のものである。
     また、N社からの小切手は祝金ではなく、通常の取引のリベートと認識しており、リベートは取引金額によってP社とあん分することになっていることから、今回これに充当したものである。
  • 争点3 懇親会等及び祝賀会に関し、請求人は偽りその他不正の行為により税額を免れたか否か。
    原処分庁 請求人
      平成19年2月期において、懇親会等に伴う利益金を公表帳簿に受入れせず隠ぺいし、これに基づき法人税の確定申告書を提出していることから、当該行為は通則法第70条第4項に規定する偽りその他不正の行為により税額を免れた場合に該当し、同項の規定が適用される。   ○○の会の役員は、請求人の取引業者の役職員が務め、懇親会等その他の事業を行っており、収支は○○の会預金の通帳で管理している。
     したがって、○○の会の収支は請求人から独立しており、○○の会の収支に対する請求人への課税は誤りであり、また、帳簿に受入れせず隠ぺいしている事実はない。

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