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別紙 本件に関する契約書及び合意書の要旨

1 平成16年9月30日付「優先匿名組合契約書」(本件匿名組合契約書)の要旨

本件匿名組合契約は、平成16年9月30日、J社(営業者)とK社(出資者)との間で締結された。両当事者は、本件匿名組合契約が商法第535条に規定される匿名組合契約であり、また、本件匿名組合契約上の営業者と出資者の関係は、同法に規定される営業者と匿名組合員との関係であることを確認した。(柱書き)

(1) 本件事業とは、H社から信託受益権(H社とM信託銀行との間の平成16年9月30日付不動産管理処分信託契約に基づく信託受益権)を取得し、当該信託契約上の受益者としての利益を得ることである。(第1条《定義》第14号)

(2) K社は、J社の営む本件事業のために、J社に対する出資(以下、この出資により払い込む金銭を本別紙内において「本件出資金」という。)を行うものとし、J社は、本件事業から生じる利益及び損失をK社に分配する。(第3条《本件出資金》第1項)

(3) K社は、本件出資金として○○○○円を平成16年9月30日までにJ社の指定する口座に払い込むものとする。(第3条第2項)

(4) J社は、各計算期間(毎年3月1日から5月末日、6月1日から8月末日、9月1日から11月末日及び12月1日から翌年2月末日までの計算期間。)終了後翌々月末日までに、K社の各計算期間の匿名組合損益を確定し、当該計算期間の匿名組合決算に関する財務報告書を作成して、K社に提出する。(第7条《損益及び金銭の帰属及び分配》第5項)

(5) J社は、各計算期間に係る現金分配金を計算後、各計算期間末日の翌月末日までに現金分配金を確定し、余剰資金(J社とS社との間で締結する平成16年9月30日付金銭消費貸借契約に定める現金分配規則に従い、J社にリリースされた現金。)から、現金分配金(J社が諸経費の支払資金及び手元留保資金として合理的な裁量で必要と判断した金額を控除した残額の全額)をK社に分配する。なお、現金分配金は、出資に対する利益の配当として、若しくは利益を超える部分については出資の払戻しとして支払われるものとする。(第7条第6項)

(6) J社は、日本の一般に公正妥当と認められる企業会計原則に基づいて本件事業に関する全ての取引に関する正確な帳簿及び記録を作成し、かつ、保持するものとする。事業年度は、毎年4月1日から翌年3月31日までとする。(第10条《会計》第1項)

(7) J社は、K社に対して、各事業年度末から3か月以内に、当該事業年度の財務報告書を提出するものとする。(第10条第2項)

(8) K社は、上記(7)の財務報告書を受領後10日以内に、当該財務報告書の対象期間におけるJ社の責任財産及び本件事業の状況について、J社に対して書面で質問することができるものとする。(第11条《出資者の権利》第1項)

(9) K社は、上記(8)の定めにかかわらず、K社の費用でK社の指名した監査法人にJ社の責任財産及び本件事業(帳簿及び本件事業に関する記録を含むが、これらに限定されない。)を検査させることができるものとする。この場合、K社は、J社に対して、検査日時及び検査をする監査法人名を記載した書面により当該検査日の3営業日前までに通知するものとする。(第11条第2項)

(10) 本件匿名組合契約の当事者は、貸主(S社)の事前の書面による承諾なくして、利益分配を受ける権利を含む本件匿名組合契約上のいかなる権利、地位及び義務も第三者に譲渡し、担保に供し、その他の方法で処分してはならないものとする。(第12条《譲渡》)

2 平成16年9月30日付「○○参加利益契約」と題する書面(本件参加利益契約書)の要旨

本件参加利益契約は、平成16年9月30日付でK社(参加利益譲渡人)と請求人(参加利益譲受人)の間で締結された。(柱書き)

(1) K社は、平成16年9月30日、J社との間で本件匿名組合契約を締結した。(第1条《参加利益の譲渡》第1項)

(2) K社は、本件匿名組合契約上の出資者としての権利に基づきJ社より現実に受領した現金分配金のうちから、その範囲内で、下記(5)に定める内容の分配を受ける権利(本件参加利益権)を請求人に譲渡する。(第1条第2項)

(3) 本件参加利益権にかかる経済的利益とリスクは、譲渡により、完全に請求人に移転するものとする。(第1条第3項)

(4) 本件参加利益契約に基づく本件参加利益権の譲渡の対価として、請求人がK社に対して○○○○円(本件拠出金)を平成16年9月26日に支払済みであることを、K社は確認する。ただし、本件参加利益権の譲渡の効力発生日は、平成16年9月30日とする。(第2条《参加利益譲渡の対価》)

(5) 本件参加利益権とは、以下のイ及びロに定める内容の金銭の分配(期間利益の分配及び売却益の分配)を受ける権利を意味する。(第3条《本参加利益の内容》)

イ 期間利益の分配
 J社が毎年12月末日までにK社に分配する現金分配金のうち、本件拠出金に投資した期間に応じて年率○○%の期間利益配当率(年利)を乗じて計算した優先配当(非累積)を受領する権利。
 期間利益の分配は、飽くまで利益の分配があった場合にのみその金額を上限として、本件拠出金に対して年率○○%の配当を支払うものとし、J社からの期間利益分配がこれに満たない場合、K社は、請求人に対して、これを補填する義務を一切負わず、また、非累積的配当であるので、次期以降への優先配当枠の繰り越しは行わない。(第1項)

ロ 売却益の分配
 上記1の(1)の不動産管理処分信託契約に基づく信託受益権又は信託土地の売却益(キャピタル・ゲイン)については、出資額の比率に応じて、分配される。(第2項)

ハ 支払の時期
 K社から請求人への支払は、期間利益については年1回2月末日、売却益についてはK社がJ社より現金の分配を受けてから2か月以内に、請求人の指定する銀行口座に振り込む方法により支払うものとする。(第3項)

(6) 本件拠出金は、本件匿名組合契約が終了するまでK社により留保される。利益の分配以外の理由で余裕資金等により、J社より匿名組合出資金の出資金の返還が行われた場合でも、逐次払戻しは行わず、本件匿名組合契約を通して○○の土地建物(d市j町○−○に所在する土地建物)への投資が継続中である限り、K社は本件拠出金を留保するものとする。(第4条《本件投資金の払戻し及び毀損》第1項)

(7) K社の本件拠出金が本件匿名組合契約の規定に基づき、損失額の補填に充てられた場合には、出資額の比率に応じて請求人が負担するものとし、本件拠出金が補填に充当されるものとする。請求人は、当該損失補填額を控除した後の金額についてのみ、K社より払戻しを受けるものとする。K社は、請求人に対して、損失を補填する義務を一切負わない。(第4条第2項)

(8) 請求人は、K社と匿名組合契約に関する参加利益契約を結んでいるのであり、J社及び他の匿名組合出資者を含むJ社と契約関係のある利害関係人とは、直接の関係は一切存在しない。本件匿名組合契約に関連する事項について、請求人は、J社その他の利害関係人に対して、いかなる接触もしてはならず、また、何人に対しても、自己が関与していると公表又は示唆してはならない。(第6条《○○条項》)

(9) 本件匿名組合契約の解除、変更及び追加出資並びに本件匿名組合契約に基づく匿名組合員としての権利の行使及び義務の履行は、K社の独自の裁量により行うことができるものとし、請求人の承認を要しない。(第9条《参加利益譲渡人の裁量》)

3 平成22年11月22日付「参加利益買戻及び解約合意書」と題する書面(本件買戻合意書)の要旨

K社と請求人とは、K社と請求人との間の本件参加利益契約に関し、以下のとおり合意する。(柱書き)

(1) K社と請求人は、本件買戻合意書に定めるところに従い、1K社が本件参加利益権を○○○○円にて請求人から買い戻すこと及び2本件買戻合意書締結日をもって本件参加利益契約を解約することに合意する。(第1条)

(2) K社は、請求人に対し買戻代金を、以下のとおり、請求人の指定する口座に振り込む方法により支払うものとする。(第2条第1項)
イ 第1回:平成22年12月24日までに○○○○円
ロ 第2回:平成23年2月15日までに○○○○円
ハ 第3回:平成23年4月15日までに○○○○円

(3) 上記(2)のイに定める第1回支払分の○○○○円が請求人に現実に支払われた日をもって、本件参加利益権は、請求人からK社に確定的に移転するものとし、同時に、本件参加利益契約は、完全に解約され終了するものとする。請求人とK社は、本件参加利益権の移転及び本件参加利益契約の解約について、異議なく同意する。(第3条第1項)

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