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所得金額の計算

会社更生法の適用に伴う損益

  1. 収益の帰属事業年度
  2. 益金の額の範囲及び計算
  3. 損失の帰属事業年度
  4. 損金の額の範囲及び計算
  5. 圧縮記帳
  6. 引当金
  7. 繰越欠損金
  8. 借地権の設定等に伴う所得の計算
  9. 特殊な損益の計算
    1. 特殊な団体の損益
    2. 協同組合等の事業分量配当等
    3. 会社更生法の適用に伴う損益(3件)
  10. 適格合併

会社更生法第269条第3項は、既往の事業年度における法人税法第57条の青色欠損金控除の規定の適用の有無にかかわらず、更生手続開始決定事業年度の申告欠損金額の範囲内で債務免除益等を非課税とする規定であるとの主張を退けた事例

裁決事例集 No.33 - 107頁

 請求人は、会社更生法第269条第3項の規定は、債務免除益等を更生手続開始決定事業年度の申告欠損金額の範囲内で非課税とする決定であるから、既往の事業年度において法人税法第57条の青色欠損控除に規定の適用を受けて法人の所得の計算上、損金の額に算入された欠損金額について再度損金の額に算入することができると主張するが、会社更生法第269条第3項の規定は、債務免除益等について、更生手続開始決定事業年度末の欠損金額の累計額のうち、青色欠損金控除の規定等法人税法の欠損金控除の規定が適用される欠損金額を除いた金額の範囲内で法人の所得の金額の計算上、益金の額に算入しないこととしているのであるから、既に青色欠損金控除の規定の適用を受けて損金の額に算入された欠損金額について、再度損金の額に算入することは認められない。
 なお、会社更生法第269条第3項の規定の解釈について、権威のある何らの見解がないとしても、そのことは、国税通則法第65条第4項に規定する過少申告であったことの正当な理由がある場合に該当しない。

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会社更生法第269条第3項の規定に基づき控除する欠損金はまず法人税法第57条第1項による青色欠損金が優先とした事例

裁決事例集 No.33 - 116頁

 請求人は、会社更生法に基づく更生会社であるが、会社更生法第269条第3項が、更生会社に限り、評価益及び債務免除益を過年度の欠損金との相殺を法人税法の特例として認められたものであるとの趣旨のもとに、会社更生手続開始前から繰り越されている繰越欠損金への充当を行うべき旨主張するが、繰越欠損金の控除順序は、まず法人税法第57条第1項による青色欠損金控除を行い、次いで会社更生法第269条第3項による繰越欠損金を控除すべきである。

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会社更生法第271条第1項による更生計画の変更許可に基づく土地等の評価益の減額による差損は、損益に計上できないとした事例

裁決事例集 No.39 - 220頁

 請求人は、会社更生法第271条第1項の変更許可に基づき、当初計画において計上した土地等の評価益を減額修正し、変更許可を受けた事業年度において減額した差損を損金の額に算入している。しかし、変更許可の効力は、その許可の時から生じるものであり、当初計画にそ及して減額修正する効力を有するものではない。すなわち、請求人が土地等の評価を減額修正したのは、新たに土地等の評価換えをしたものとせざるを得ない。
 そこで、資産の評価損の計上が許されるか否かは、法人税法第33条第2項の規定の要件に該当するか否かによるところ、本件ではその要件を満たしていないから、その損失は損金の額に算入できない。

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