審判所ってこんなところ

ペンネーム:正山小種

 このたび、皆様に国税不服審判所を身近に感じていただこうと、特定任期付職員のコラムを掲載することになり、この企画を立案した担当者※から指名を受けて、私が初回を担当することになりました。特定任期付職員の中では少数派の公認会計士/税理士出身ですので、私のようなバックグラウンドから審判所に入って感じたことの一部をご紹介しようと思います。しばしお付き合いのほどを。
 なお、私が在籍する支部以外の他の支部では状況が異なる点もあるかもしれませんが、その点についてはご了承ください。

1.原処分庁、誰が偉いかわからない
 普通の会社でも様々な役職名が使われるようになり、誰が上位者かわからないことがありますが、私からすれば、原処分庁(審査請求の対象となった処分を行った国税局長や税務署長のことですが、実際は国税局や税務署の担当部署の職員が対応します。)の人も同様で、最初に原処分庁調査に行ったときには困りました。「主査」や「専門官」などはまだわかりやすいほうで、「連絡調整官」ともなると、予備知識でもない限り全くわかりません。同じ部署であれば職員録の搭載順を参考にすればよいですが、他部署となるともうお手上げです。理解するまで多少の時間を要しました。

2.審判所には税法に精通した方(?)が多い
 最近は慣れましたが、税務実務に携わる方が皆さん使っておられる書籍類の執筆者が審判所にはちらほらいて、驚きます。また、税務大学校論叢に掲載された研究論文の執筆者も多数います。余談ですが、これらの研究論文は、考え方を整理する場合など、実務においても大変参考になると思います。

3.午後3時に流れる音楽に救われる(?)
 毎日午後3時になると、昭和の香り漂う明るい感じの音楽が流れてきます。曲の長さから5分程度のもののようです。この音楽が流れると、「ああ、午後も半分過ぎたんだなー。」という空気になり、過熱した合議も収束に向かうことが多いですが、結論が出てないと延長戦になることもあります。

 他にも、隠語がわからない等まだまだご紹介したいエピソードはあるのですが、今回はこのあたりで。当コラムは毎月違う特定任期付職員が執筆すると聞いておりますので、次回以降も読んでいただければ幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

※ 弁護士出身の特定任期付職員の話によると、この企画を立案した担当者、某支所在籍時には、冬は革のジャケットにサングラス、夏はチノ・パンツにサングラスの出で立ちで通勤していたとのことですが、真偽のほどは不明です。

○ 本コラムは、すべて本テーマに関する執筆者個人の感想や視点に基づいて書かれたものであることをお断りしておきます。

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