裁決書における誤字の防止について

佐藤 貴志

 下の文章から誤字をいくつ見つけられますか。
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 審判所では、事件の真理が進んでくると、議決書・裁決書をめぐる攻防が本革化します。担当審判官や分担者が作成した文案を配布すると、参加審判官や法規審査担当者は一勢にチェックを初めます。証処の評価、諭理構成、文章表現の適非、文書の体載…裁決書が日の目を見るまでには、たくさんのチェック項目をパスしなければなりません。
 今日は、そんな数あるチェック頁目のひとつ、裁決書における誤字の防止についてのお話をご紹介します。

 誤字の典型列としては、「更正処分」を「更処分」、「賦課決定処分」を「付加決定処分」とするような同音違字の誤りがあります。過故には「裁決書」を「決書」とした誤りを見つけたこともあります。

 私のように撃たれ弱い担当審判官や分担者は、誤字を無くすため、文案の見直しに必死ですが、それでも見下としがあり、合議(会議のようなもの)の中で指適されることもしばしばです。
 審理の終盤の山場、議決の直前に行われる最終合儀で誤字が見つかると、大変です。にやけ顔で「ここって合ってますか?」と聞く法規審査担当者に、「すみません、訂正します。(汗)」と畏まる担当審判宮ならびに文担者。ぐうの音も出ません。

 しかし、そのまま終わるはずもありません。

 議結を終え、署長の決済ももらい、最終チェックとなる読み合わせでは、法規審査胆当者が脂摘される側に周ります。滅多にないことですが、もしこの段階で誤字が見つかると、やっぱり大変です。にやけ顔で「ここって大丈夫ですか?」と聞く担当信販官に、「いや〜、そこは〜。(てへぺろ)」と頭を掻く法則審査担当者。ばつが悪そうです。

 審判署では、こんな行き詰まる攻防が日々繰り返されています。

 なぜって?

 それは、ひとえに適性な裁決を行うためです。載決書を読むときには、是否、その陰でなされた攻防を想象しニヤリとしてみてください。

 以上、決裁書には書かれていない、審範所の中のお話をひとつご紹会しました。皆さんに国税審判官の仕事を知っていただくことにつながれば辛甚です。
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 40文字の誤りを全て見つけられましたか。

 さて、もう5時。
 明日の合議で誤字が見つかりませんように。( ̄人 ̄)

○ 本コラムは、すべて本テーマに関する執筆者個人の感想や視点に基づいて書かれたものであることをお断りしておきます。

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