チームワークが大切

ペンネーム:おっとりしたノラ猫

 私の勤務する支部では、部門旅行と称して、職員の親睦を深めることを目的とした、様々な旅行企画が出され、5名以上の参加者があれば実行されます。今年の4月に、私が高知県出身ということもあって幹事を務め、総勢11名で休日と年次休暇を利用して2泊3日の高知旅行を実施しました。
 1日目の朝、飛行機で高知龍馬空港に降り立ちました。人数が多いので、空港からはバスを貸し切っての移動です。運転手さんにお願いし、コンビニに寄ってビールやチューハイなどを買い込みます。貸切バスという安心感からか、飲み始めると、皆さんテンションが上がって、日頃の傾聴はどこへやら、人の話を聞いちゃいません。しかし、朝早かったこともあり、2時間くらい経つと寝始める人も出てきて、車内がやっと静かになり、幹事としても一息つくことができました。四万十川に到着すると、屋形船に乗り、鮎や鰻など地元の食材を使った昼食を船内で取りました(「せっかくの屋形船なのに、あまり景色を見てないなあ・・・。」)。その後、足摺岬に移動するも、疲れたから早めに温泉に行って食事にしようという意見が大勢を占めます(「バスの中で、はしゃぎすぎたかなあ・・・。」)。対向車が来たらどうするんだろうという狭い道を通って、松葉川温泉に到着。夕食で盛り上がった後は大人しく就寝。
 2日目は、朝、山道を散策してから、温泉を出発し、桂浜に向かいます。お約束の坂本龍馬の銅像の前で記念撮影(「みなさん、いい顔してます。」)。夕食は伊勢えびの活き造り。胴体はお刺身となっている伊勢えびの触角が動くと歓声が上がります。夜は、高知市内のホテルに宿泊。
 3日目の午前中はお土産を買うために自由行動。ひろめ市場で昼食を取った後、高知城と、歴史博物館を見学(「見学はそこそこに、かつおのたたきや日本酒を買い込んでますね。」)。夜の便で、無事に帰宅。
 部門旅行は、準備期間の打合せや後日談も含め、組織としての一体感・連帯感を醸成するのに一役買っており、重要な行事となっています。
 閑話休題。早いもので、国税審判官となって3年目となります。公認会計士として、事業再編やM&Aに関するアドバイザリー業務に従事している期間が長かった関係で、国税審判官が務まるものなのかどうか大変不安な気持ちで初日を迎えたことを思い出します。
 しかし、審判所の仕事はチームワークの色彩も強く、必ずしも一人で全ての仕事をする必要はありません。良い裁決書の作成というゴールに向けて、時には、関係者の意見をまとめるコーディネーターとしての役割に注力すればよいと気付いてからは、着任当初の不安が解消されるとともにやりがいを感じるようになりました。
 部門旅行の時にはしゃいでいた方たちも、仕事の時は大変心強い味方です。多様性が職場を活性化するという側面がありますので、審判所の仕事とは一見無関係のような仕事をされている方こそ、積極的に応募して欲しいと思います。

○ 本コラムは、すべて本テーマに関する執筆者個人の感想や視点に基づいて書かれたものであることをお断りしておきます。

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