ホーム >> 国税審判官(特定任期付職員)に関する情報 >> 国税審判官(特定任期付職員)のコラム >> 第29回(令和4年1月掲載)
「ステップアップ」
宮井 康行
私の審判所での勤務も2年目となりました。そこで、審判所における任期付審判官の経験が、今後のステップアップにつながると感じた点を2つほどお伝えしたいと思います。
1つ目は、その道のプロである国税出身の職員と一緒に仕事をすることで、実務に即した税法を学べる点です。これは、私が任期付審判官を希望した一番の理由でもあります。
私が、馴染みのない分野について、国税出身の職員に質問すると、すぐに的確な回答が返ってきます。そして、その考え方や見方は豊富な経験に基づくものであり、意識していなかった事に気付かされることも多々あります。このような議論の中で重要な問題点を発見することもあり、私自身の考えが広がることを実感しています。
また、審判所には、立法業務に携わった職員もいたりします。税法の読み方や文言の使い方を質問し、法律について新たな発見をすることも密かな楽しみ?になっています。
これらの経験は、今後も税務に携わる場合はもちろん、そうでなくても、考え方が多様になり、キャリアのステップアップにつながることは間違いありません。
2つ目は、地方支部に勤務をすることで、その土地の魅力に触れることができることです。
審判所は全国に支部や支所があり、私は、冬になると一面が真っ白に染まる支部に勤務しています。取り扱う事件においても、この支部ならではといえるような内容があり、支部ごとの特徴を反映したものとなっています。
また、支部の管内は旅行で大人気なだけあり、魅力的な場所がとても多く、食べ物もかなり評判が良いため、非常に充実した休日を過ごすことができます(昨今の状況より、最近はさっぱりですが)。そのせいか、ここに来てから体重が増えてしまった、という嬉しいような悲しいような声も聞かれます。
加えて、私が勤務する支部は、温泉に恵まれた場所でもあります。そのせいか、元来の温泉好きが一気に加速して、良さそうな温泉を調べては計画を立てるということをひたすら繰り返すようになりました。
これらの経験は、今まで以上に視野を広げるものであり、ひいては人生のステップアップにつながるといえるのではないでしょうか。
最後に、現在の仕事から任期付審判官へ応募することに不安もあるかと思います。しかしながら、審判所は研修も充実していますし、任期付審判官を受け入れる風土もあります(すんなり受け入れてもらい、大変感謝しています)。なにより、上記のとおり、ステップアップにつながると思います。任期付審判官に少しでも興味を持たれた方は、是非応募を検討されてみてはいかがでしょうか。
○ 本コラムは、全てテーマに関する執筆者個人の感想や視点に基づいて書かれたものであることをお断りしておきます。